音撃戦隊バングドリーマー   作:作者アアアア

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アンケートを取っています。上位二人を採用する予定なので、よろしくお願いします。


2ndLive Yes!BamgDream!

「……」

 初戦闘から少し、家に帰り、寝間着姿でベッドで横になりボーっと金の銃弾を眺める香澄。

「どうした?」

「あ、ポップ」

 そんな香澄の横にポップが現れる。

「私、変身したんだなって……」

「そうか」

 会話が弾まず僅かに黙り込む。だが、香澄は再び言う。

「あのさ」

「何だ?」

「どうして、私を選んだの?」

「理由?」

「以前、君達が楽器の演奏をしていた時があったろう?」

「うん。えっ! じゃあ、おたえが言っていたのって……」

「私だ。まさか、そのおたえ? に勘づかれるとは思わなかったが」

「うんうん、それで⁉」

「それで……いや、何でも無い」

「え~! 教えてくれないの⁉」

 どもるポップに、香澄は抱きしめて問い詰める。

「必要ないだろう」

「あるよ! 何で~!」

「……君に力があると感じた。それだけだ」

「ホントに~」

 適当な事を言っているポップに香澄は更に問い詰めたその時、香澄の部屋のドアが開いた。その気配に一歩早く気づいたポップは、香澄の手をすり抜けて、枕の下に隠れる。

「お姉ちゃん、うるさい」

「あっ、ごめんね」

「もう、明日早いからお姉ちゃんもそろそろ寝たら?」

「うん、そうする」

 会話を終え、香澄の妹がドアを閉めるとポップが枕から顔を出す。

「今のは?」

「妹のあっちゃんだよ。明日香って名前でね……」

「あまり騒ぐと、また明日香が来るぞ」

「あ、そうか」

「ここは言う通り、寝た方がいいんじゃないか?」

「うん」

 改めて香澄は、学生鞄にガントレットとDバレットを詰めて、布団を被る。

 今日あった事を思い返しつつ、香澄のまぶたは徐々に落ちていった。

 

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「さて、何処から説明すれば……」

「それよりもさ、ユッキーナ」

「何?」

「場所変えない? こんな湿っぽい場所よりもユッキーナの部屋でクッキーを囲んで団欒とね、話したいじゃない」

「貴女、リサのクッキーが食べたいだけじゃない」

「でも、香澄ちゃんも疲れているかもしれないし、何処かで休んだ方がいいかも」

「……それもそうね。戸山さんついてこれる?」

「大丈夫です。それぐらいの体力は」

「ここからだと……確かに私の家が近いわ……行きましょう」

 そうして、三人は友希那の家、湊家に赴く事になった。

 

 

 

 友希那の家に着き、隣の家の戸が開き、クッキーが入った袋を持った少女が友希那の家に上がって来た。

 友希那の部屋に入り、クッキーが乗ったテーブルを四人が囲んで、説明会が始まる。

「来た来た! パスカル!」

 バラネコは、クッキーを見つけるや否や友希那から飛び出し、パスカルを呼ぶと食いつき出す。

「……やった」

 パスカルもそれに答え、彩から出てくると同じく齧りだす。

「ほらほら、ポップも食べてみてって!」

 咀嚼しつつポップを呼び出す。

「意地汚いぞ」

 ポップはバラネコの態度に呆れつつ、クッキーの前に座る。

「……頂きます」

 お辞儀をして、クッキーに喰らう。

「……美味いな……!」

 ポップはその味にいい意味で驚きつつ食す。

 三体のコドウの机上で繰り広げられている会話を見つめ、友希那は視線を上げて香澄を見つめ一言。

「では、始めましょうか」

「あの……」

「何かしら?」

 香澄はチラリと右に首を向ける。

「ん?」

 視界にはウェーブがかったロングヘアの茶髪少女が座っていた。

「何で、リサさんがここに?」

 何故かしれっと輪の中に入っているリサに疑問を持ち聞き出す。

「リサは私の協力者よ」

「うん、あの時は驚いたよ。友希那がいきなり目の前で契りを交わしちゃったんだから」

「今後は私、丸山さん以外で話があるのならリサに言って頂戴」

「よろしくね~」

 笑顔で手を振るリサ。今度は彩が声を掛ける。

「そうそう、一緒にやっていく上で守って欲しい事が二つあるんだけど……」

「はい! 何ですか?」

「まず、私達の事は誰にも言っちゃ駄目」

「何でですか?」

「周りの人達にも危害が及ぶかもしれないからだよ」

「もし、バレそうになったら……?」

「私達に言って頂戴、口裏を合わせるわ」

 会話に横から入って来た友希那。リサも任せてと言わんばかりにサムズアップをする。

「もう一つは、変身したら名前を使わないように!」

「バレない様にするためですね。でも、呼ばないといけない状況になったら……?」

「その時は……色で読んで頂戴」

「色?」

「私は青のドレスだからブルー、丸山さんはグリーンと言う感じね」

「香澄ちゃんは……ピンクだからピンクね!」

「ピンク……分かりました! ブルー、グリーン!」

「今は別にいいわよ」

 二つのルールを伝え、今度は香澄が聞く番になる。

「……さて、貴女から質問はある?」

「そうですね……」

 手を顎に当てて考えると、一つの質問を放った。

「私達を襲ったあれは何ですか?」

「それは、私が説明しよう」

 既に完食した卓上のポップが顔を上げて香澄を見つめる。

「機械生命体、エクスードの集団。組織の名前はセフィロ。さっき現れたのはその下っ端だ」

「エクスード……」

「君は流星群の日を憶えているか?」

「うん、あの時は皆で見たなぁ」

「あの日、奴らは私達の世界を襲い、多くの同胞を手に掛けた」

 ポップの過去に香澄は黙って真剣に聞く。

「あの落ちていった光は全て、消えた同胞の命だ」

「え……」

「その光に紛れ込んで私、バラネコ、パスカル、二人の仲間と共にこの世界に紛れ込んだ。力を与えるしか出来ない我々に変わって戦ってくれる者を探すためにな」

「ポップ……」

 香澄は悲し気な顔をしたか思うと、涙を浮かべる。

「大変だったんだね……」

「……」

 そんな香澄の姿をポップは黙って見るだけだった。

「他には?」

「友希那先輩の持っている剣って何ですか?」

「その前に戸山さん、貴女の装備を見せて頂戴」

「装備……? もしかしてこれですか?」

 そういいつつ腕のガントレットとポケットの中の銃弾を見せる。

「ええそうよ」

「香澄ちゃんのは、手袋? の形をしてるんだね」

「いや、これはガントレット。所謂籠手だな」

 彩の台詞にポップが指摘をする。

「全員、見事に違っているわね」

 そう言いつつ友希那と彩はテーブル上に剣とコンパクト、三つの銃弾を広げる。

 香澄もテーブルに装備を置いて、皆の物と見比べた。

「この剣、刃の部分って……」

「ええ、正真正銘の真剣、ブルーローズよ」

 友希那はテーブルに置かれた剣を爪でコンコンと叩く。

「ブルーローズって友希那先輩がつけたんですか?」

「ええ、固有名詞がある方が分かりやすいでしょう」

「私のこれは、フラワーコンパクト! 香澄ちゃんも名前を付けてみたら?」

「う~ん……スタートレットとか?」

「いいんじゃないかしら?」

 名付けも決まり、今度は銃弾に興味を持つ。

「これは何ですか? なんだか銃の弾みたいな形をしてますけど……」

『スター!』

「これは、人の持つ小さな夢を形にしたものだな」

「取り敢えず、私達はこれをDバレットと呼んでいるのだけど……」

 ポップの説明と友希那達の名付けた呼称を聞きつつ、まじまじと見つめる。

「因みにこれが私のバレットよ」

 友希那は薔薇の絵が描かれた金の銃弾を取り出し、ヘッドの部分を押す。

『ローズ!』

「私はクローバー!」

『クローバー!』

「へぇ~、色んな種類があるんですね!」

「もう一つはこれよ」

 そう言って、竜巻の絵が描かれた銅色の銃弾のヘッドを押した。

『ウィンド!』

「さっきのDバレットとどう違うんですか?」

「これを使えば風が起こせる。それだけよ」

 それだけ言って友希那は、ポケットに仕舞う。

「それで、そのバレットはどこで手に入れたんですか?」

「う~ん、前に戦った相手……あの白いのね。それが持っていたの」

 

 

「最後に私達の連絡先を送っておくね」

「ありがとうございます」

 彩は、慣れた手つきでグループチャットの招待状を香澄のスマホに送る。香澄も迷わずそれに登録し参加者が三人に増えた。

 

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 人々が眠りにつき、夜の街からも光が疎らになりだした頃、地下の怪人達の世界でも何かが動こうとしていた。

「おかしな銃弾?」

「はい、こちらです」

 そう言って龍の怪人は黒づくめの人にDバレットを差し出す。

「これって……コドウ?」

「気配はな。でも、弱すぎじゃねぇか?」

「ええ、豆粒程度ですわね」

 話に入って来たのは、筋肉隆々で逞しい真っ赤な獅子の怪人と女性的なフォルムをした緑色の鳳凰怪人の二人。

「ですが、あのピラーとかいう下っ端の強化には使えるんじゃないですか?」

「……弾で何が変わるんだか……」

「他の子達に渡した方が有力的だと思いますわ」

 獅子の怪人はやれやれと頭を振り、黒の人型は、指示を出す。

「まず、シーはこの銃弾の研究を」

「はっ、クラム様」

 龍怪人、シーは上司であるクラムに跪く。

「そろそろ、エクスードの皆を出す必要がありそうだね。ライト、ウィンド。よろしく」

「だったらゴウワンの奴に行かせるぜ」

「あの牛筋肉に何か出来るんですか?」

「……言ってろ。あいつには新兵器を搭載したんだ」

「作動しなかったら犬死ですわね」

「……何?」

「二人共」

 ウィンドの嘲笑にライトが静かにキレるがクラムがそれを咎める。

「改めて二人共、よろしく」

「おう」

「ですわ」

 クラムの指示に獅子怪人ライトと鳳凰怪人ウィンドも跪く。

 

 

 

「昨日の事を黙っててくれ?」

 翌日、学校に登校し昼休み、香澄はポピパの四人に昨日あった事を全て話した。

「うん、大事な事だから皆お願い!」

「香澄がそう言うなら分かったよ」

「……」

 たえは快諾してくれたが沙綾は何処か辛そうな顔をしていた。

「沙綾ちゃん?」

「……香澄はこれからもそいつらと何度も戦うって事?」

「うん、でも大丈夫!」

「ホントかよ……兎に角、何かあったら私らにも言えよ。出来る限りの事はしてやるから」

「あ、それと……」

 香澄は何かを思い出したように言った。

「二人の戦士の正体は彩先輩と友希那先輩だよ」

「え⁉ 彩先輩と友希那先輩が⁉」

「二人が? 何か想像つかないなあ……」

「つーか、お前なに普通に正体をバラしてんだ⁉」

「え~、皆なら信頼できると思ったからかなあ」

「な、何だよそう言う事か。まあ、私らも漏らすつもりもないからな」

 香澄の思わぬカミングアウトにツッコむが信頼出来ると言われたからか、有咲は満更じゃない顔をした。

「あ、そうだ」

 たえも何かを思い出したのか、提案をする。

「今日、皆でショッピングモールに行かない?」

「いいよ! 行こう行こう!」

「それ、このタイミングで話す事か……?」

 

 

 

「ふ~ん、ふふ~ん~」

 放課後の公園の一角、長く金に輝く髪を持つ少女がジャングルジムの上で逆立ちをしていた。

「よっと!」

 そのままジャンプ、宙を回転して地上に綺麗に着地した。

「今日は皆、用事でいないし何をしようかしら?」

 時間を持て余している活発そうな彼女。ふと公園に生えている木に光球が入って行くのが見えた。

「あら? あれはホタルかしら?」

 好奇心旺盛な彼女は、木を上り始める。

 それに気づいた光球も捕まらないようにと逃げ出す。

「ホタルさん待って! あたしとお話ししましょう!」

 空が飛べるという利点を使って、他の木へと移っていくが少女も木から木へと跳んで追いかける。

「あたし、弦巻こころ! ホタルさんは?」

 少女、もといこころの身体能力は凄まじく、光球はその距離を縮められていく。

「捕まえた!」

 そして、手の届く範囲になると迷わず掴む。

 すると光球はこころの中へと吸い込まれていった。

 手の中の感触を全く感じないこころは地上に降り、手を見つめる。

「いなくなっちゃたわ」

 その時、こころの目の前に手の平サイズの黄色のクマとリボルバー式の黄金銃が現れた。

「これは何かしら⁉」

「う~ん」

 現れたそれらを両手に乗せると早速、話しかける。

「それにあなたは……ミッシェル⁉」

「え?」

「でも、ミッシェルより小さいし、色も違うし……」

「ボ、ボクはミッシェルじゃないよ~」

「じゃあ誰かしら?」

「そ、それじゃあ、ボクはこれで……」

 手の平のクマが逃げようとしたその時、こころが叫んだ。

「分かったわ! ミッシェルの子供ね!」

「え?」

「まさか、会えるなんて! プチミッシェル!」

 

 

 

 放課後になり、ポピパの五人は約束通り、ショッピングモールに遊びに来ていた。

「沙綾ちゃんもおたえちゃんも一杯買ったね」

 りみは二人がそれぞれ店の名前が書かれた袋を抱えて歩いている姿を見て感想を述べる。

「イイ感じのアクセサリ見つけちゃって……ね?」

「私は兎の餌、皆喜んでくれるかな?」

 そんな会話を楽しんでいたその時、後ろから声が聞こえた。

「動くなー、手を挙げろー」

 気の抜ける聞き慣れたその声に、五人は手を上げず後ろを振り返る。

「もうモカ、何それ」

「モカちゃんジョーク~」

 後ろにはアフターグロウの五人が立っていた。

「モカちゃん、それに皆も」

「ポピパの皆も買い物?」

 有咲が言うと、アフターグロウ側にいる小柄な少女、つぐみが聞くと、たえが答えた。

「そんな所、そっちも?」

「ああ、ひまりが一緒に服を見てくれってな」

「あたしは、華道の本を探しに来たんだけど……」

 巴と蘭がそれぞれ、理由を一言すると、おさげをぶら下げた少女、ひまりが元気な声を出す。

「ねぇ! こうやってポピパと私達が揃う事ってレアじゃない⁉」

「確かに、別々に会う事はあっても全員が揃うのはそうそうないな」

「だからさ、これから皆で見て回らない⁉」

「いいよ! 面白そう!」

 ひまりの提案に香澄は迷わず賛同したその時、ポップが脳裏に語り掛ける。

『香澄、聞こえるか?』

「ポップ?」

「どうしたの香澄?」

 ポップの声は香澄にしか聞こえない。つまり、傍から見れば独り言を会話するように言っている様にしか見えないのだ。

『……会話をしている様に演じろ』

「演じる……? あ!」

 香澄は思いついたのかスマホを出して皆に言う。

「ごめんね。電話がかかって来たみたい」

 当然着信なんて来ておらず、怪しまれずにポップと会話をする為に演じるのだ。

「もしもし」

『エクスードだ』

「え⁉ 何処に⁉」

『入り口の方だな』

「うん、それで!」

『気配の感じからまだ大事にはなってないみたいだが……』

「気配?」

『奴らが大きな行動を起こせば、内部のエネルギーが大きく発せられる。それが探知する手段だ』

「確か、入り口だね。行ってみる!」

 会話を終えスマホをしまうと、ひまりが声を掛ける。

「今のって……大事な話だったりする?」

「うん、ごめんね。それと、今日はもう解散して家に帰った方がいいと思う!」

「香澄?」

「それじゃあ、行ってくる!」

 一方的に話し香澄は九人を置いて、入り口に向かって行った。

 そして、香澄の行動を察した有咲は皆に言う。

「なあ、香澄の言う通り今日はもう帰らねーか?」

「え~、せっかく皆で遊べると思ったのに~!」

 ひまりが愚痴っていると、たえの耳に人の悲鳴が微かに聞こえてきた。

「……始まったみたい」

「……おたえ、マジか?」

「どういう事だ?」

 巴が聞くが、有咲は必至になって言う。

「兎に角! 今日はもう帰るぞ! 手遅れになる前に!」

 

 

 

 ショッピングモール、学校帰りの学生や買い物に来た人でごった返しているこの時間帯に奴が現れた。

「さてと……ここいらでいいか」

 男が独り言を呟き、左腕に取り付けている機器のボタンを押す。

 すると、男が本来の姿へと戻った。

「行け!」

 そう叫ぶと、下っ端兵のピラーが大量に現れて人々を襲い始めた。

「うわああああああ!」

「きゃあああああ!」

 その姿に周囲の人々が悲鳴を上げ逃げ出す。

 その様子を柱の影から見ていた香澄は、スマホで彩と友希那に連絡をする。

「あの人語を話すのがエクスードだ」

「あれが……」

『ショッピングモールにエクスードが出ました! 早く来てください!』

「よし……! 音撃チェンジ!」

 この文面を送ると、香澄は怪人に立ち向かって行く。

 一方、香澄の通知を確認した二人も現場へ走り出した。

 

 

 

「何かあったのか?」

 外に出た九人は外観を見つめる。

 上空には光球が一つ、それは巴をマークしていた。

 ターゲットが動かないと確信すると、それは思い切り背中に迫ってくる。

「巴~!」

 その時、それ以上のスピードで走って来たこころが巴にしがみつく。

「うおっ! 何だ⁉」

 余りの衝撃に、身体がふらつき、巴の前に立っていた蘭の背中に直撃。

「うっ⁉」

 そのまま、光球は蘭の中へと入って行った。

「蘭ちゃん、どうしたの⁉」

 手と膝を付き驚きの顔をする蘭につぐみが心配をしていると、一行の前に赤色のガラパゴス携帯と、夕陽の絵が描かれた金の銃弾が転がる。

「ご、ごめんよ! 標準が狂った!」

「誰だ⁉」

「今度は赤色のカラス? 今日は色んなものに巡り合える日ね!」

 空に浮かんでいる夕日の様に燃ゆるカラスが語り掛ける。

「緊急事態だったから、急いで契りを交わそうとしたらこんな事に……」

「ところでこころちゃんは何でここに?」

 つぐみに言われこころは思い出したかのようにさっき出会ったものを見せつける。

「ミッシェルの子供にあったの! ほら!」

 手の中のプチミッシェルを披露する。

「プチミッシェルよ!」

「違うのに……」

「君も⁉」

 いじけるプチミッシェルと驚く赤カラス。

「仕方がない、二人共協力してくれ!」

「え?」

「何かしら?」

「今、あそこに人を襲う危険な怪物がいる」

「そうなの?」

「被害が出る前に倒して欲しいんだ」

「分かったわ! 行きましょう、蘭!」

「え⁉ ちょ……」

 こころは蘭の腕を掴むとそのまま戦場へ走り出した。

 

 

 

「ほら、こっちこっち!」

「おい! 逃げるな!」

 香澄は下っ端兵を全部倒した後、牛怪人から囮になりつつ店内中を走り回る。

 棚を壁代わりにして動いたり、剣を振るったり、時には椅子や机を蹴飛ばして、攻撃をするも右腕を掴まれてしまう。

「うぐっ!」

 そのまま香澄を吊り上げ、力を込める。

「うわああああ!」

 全身から火花が散り元の姿に戻ってしまう。

「ていっ!」

 そこへ、掴んでいた手をサイリウム型の棒で叩く。

「彩先輩!」

「香澄ちゃん、こっち!」

 駆け付けた彩が香澄の手を握ると相手から背を向けて走り出す、そこへ友希那が来た。

「そこまでよ」

 力任せに暴れる牛怪人ゴウワンの前に三人が立ち塞がる。

「二人共、行くわよ」

『ローズ!』

「はい!」

「うん!」

『スター!』

『クローバー!』

「音撃チェンジ!」

 同時に叫ぶと各々がDバレットを出し、各自装備に装填していく。

 姿が変わっていく中、音声が流れる。

『ジャンプアップ! ドリーマーズ! ピンク!』

『パステル! カラフル! ドリーマーズ! グリーン!』

『ドリーマーズビー……ブロッサム……ブルー』

武器を構え、相手に立ち向かう。

最初に動いたのは友希那、ブルーローズで突くが剣先を掴み、持ち主である友希那ごと投げる。

次は彩、ゴウワンは腕を振るが彩は必至にそれを避けていく。

「やあ!」

三回避けた所で彩はサイリウムブレードでわき腹を叩こうとしたがそれを手頸を掴まれ阻まれてしまう。

「はあ!」

そこへ、横から香澄がゴウワンを斬りつけようと剣を上から下へ振り下ろした。

だが、それももう片方の手で阻まれ、両手にバンドマンの状態になる。

「せいっ!」

香澄と彩をお互いに何度もぶつけ合わせダメージを与えると投げ捨てる。

「うわあ!」

「きゃあ!」

「戸山さん、丸山さん!」

床を転がる二人に友希那が走り寄る。

 そこへ蘭とこころが走って来た。

「数が増えた所で……」

 牛怪人は呟き二人に向かって光弾を放つ。

 光弾が二人の足元に着弾し爆発、爆炎が巻きあがる。

「ハァッ!」

 その中から姿を変えた二人が跳び出してきた。

 蘭の姿は赤のスーツ姿で、刃の付いた弓を片手に怪盗の仮面を付けている。

 こころは胸にスマイルマークの刺繍が入った黄色のドレスに黄金銃、顔上半分にはミッシェルの仮面が付けられている。

「二人共⁉」

『この感じ……あの二人も契りを交わしたみたいだ』

「そうなの?」

「そこの人達、あたし達も手伝うわ!」

 銃は引き金を引き、弓は弦を引き離すと黄色と赤の光弾が発射され怯む。

 そこへ、一気に距離を詰めて来たこころを殴ろうと腕を振る。

「それっ!」

 しかし、それをスライディングで避けつつゴウワンの足の間を潜り抜けた。

「てりゃー!」

 潜り抜け後ろを取ったこころはゴウワンの背中を蹴って跳びつつ相手の方を向いてまた引き金を引く。

 ゴウワンは矢と銃弾の挟み撃ちを受け悶えた。

 遠距離武器の登場とそれによるダメージでゴウワンは怒鳴る。

「銃なんて汚いぞ!」

「いい援護ね」

「何⁉」

 追撃に友希那は、ジャンプで相手の前に立つとブルーローズで腕と胴を突く。

「やあ!」

 更に彩が後ろからサイリウムブレードで叩く。

「ぐえ!」

「はあああああああああ!」

 そこへ、剣を両手に走って来る。叫べば叫ぶほど刀身が光りだす。

「キラキラドキド斬り!」

 ゴウワンの腹に大きく横斬りを打つと、そのまま勢いで宙へ斬り飛ばす。

「ぐあああああああ!」

 叫ぶながら吹き飛び、地面に叩き付けられると爆散した。

「やった!」

「やったね!」

 喜ぶ香澄と彩、安堵の息を漏らす友希那。

『リカバリーシステム、起動』

「⁉」

 突然残骸から音声が発せられると、映像の逆再生の様に牛怪人が体を再生させつつ起き上がる。

 それどころか、体がみるみる巨大化して、高層ビルと肩を並べられる程の大きさになった。

「巨大化した⁉」

 五人は目を見開き、相手の顔を見ようと首をひたすらに上に向ける。

「な、何が起きたんだ……?」

 しかし、当人も何かわからず手を見つめる。

「ほう……」

「ポップ! どうしたらいいの⁉」

『ここは……』

「こいつはいい! 潰してやる!」

 五人が戸惑っている内に牛怪人は、状況を理解し足を上げ踏み潰そうと思い切り落とした。

「避けてー!」

 彩の号令と同時に全員がその場から一斉に跳び何とかかわす。

 そして、香澄の肩にポップが現れる。

「ここは我々の出番だ」

「ポップ!」

「バラネコ! パスカル!」

 ポップが呼ぶと二体も現れ、叫ぶ。

「我々にDバレットを渡せ!」

「分かった!」

 そう言って香澄、友希那、彩は金のDバレットを抜いて、それぞれのコドウを突き出しつつ叫んだ。

「ポップ!」

「パスカル!」

「バラネコ!」

 三人はそれぞれのコドウをかざし、バレットを与える。

「分かった」

「……うん」

「はいはーい!」

 すると、三体が宙へと飛んでいきみるみるうちに巨大化。

「え⁉ え⁉」

「何⁉ 何⁉ 何⁉」

「な⁉」

 更に三人も宙に浮きあがり、その巨大化したコドウに吸い込まれていく。

 三人の戦士と三体のコドウの心が一つになった時、新たな力が目覚めた。

 最初にポップの頭が外れ、胴体が立ち上がると胸の部分に取り付き、人の形の足が生える。

 バラネコはポップの右側、人で言う右腕になる様に取り付き、尻尾は剣の様にピンッと伸ばされた。

 パスカルは左腕になる様に付き、丸々とした尻尾は金槌の形状を取る。

 最後に頭があった場所から人形の頭が生えてきて一体のロボットとなった。

 一方、吸い込まれた三人はコクピットに座っていた。

「セッション! スリーマンライブ!」

 香澄は改めてコクピット内を見渡す。

「凄いよポップ! ロボットになっちゃうなんて!」

『感心するのは後だ、今は前に集中しろ』

「分かったよ!」

 三人は操縦桿を握りしめて前へ進撃を始める。

「行けッ!」

 左腕のハンマーを振り、ダメ―ジを与える。

「調子に乗るな!」

「うわ⁉」

 振り下ろす相手の両腕をこちらも両手で押さえ、払うと突き飛ばした。

「ハッ!」

 そこへすかさず友希那がスリーマンライブを動かし、右腕の剣で突くと、ポップを案を出す。

『止めを刺すぞ』

「分かったよ!」

「分かった!」

「了解」

 三人は操縦桿を同時に一斉に押し込む。

 すると、スリーマンライブの両腕が光りだす。

「ここで決める! クライマックス!」

 三人が叫び、斬撃と打撃の衝撃波を放った。

「ぐぎゃああああああああ⁉」

 二つの波は途中で一つになりゴウワンに直撃、断末魔を上げながら後ろ向きに倒れ爆散。

 今度こそ散った。

 

 

 

 戦いを終え、公園に集まった一行。

 コドウ達も元の大きさに戻り、久々の再会を噛み締めている。

「これで、皆集まったな」

「俺の手違いでやっちゃったなぁ……」

「むぅ……」

「五人でもう無敵だね!」

「ボクはどっちかっていうと巻き込まれたって感じかな……」

 バラネコはプチミッシェルの姿を見て笑う。

「それにしても何! アンタのその格好! ププ!」

「う、うるさいな。ボクだって好きでこんなんになったんじゃないよ」

 その横では、五人が話をしていた。

「今度は、美竹さんと弦巻さんが……」

「二人共大丈夫? 戦える?」

「あたしは大丈夫ですよ」

「勿論あたしも良いわよ! 皆で笑顔を守りましょう!」

 心配気味だった彩と友希那だったが、二人の態度から杞憂で終わった。

「ていうか、湊さん方が不安なんですけど」

「……その調子なら本当に問題無さそうね」

 蘭の挑発に友希那は強気に返す。

「ふ、二人共~。喧嘩は駄目だって~」

「兎に角! 蘭ちゃん、こころん、よろしくね!」

「ん、よろしく」

「ええ!」

 二人は香澄の歓迎に笑顔で答えるのであった。

「あ、でも……」

「何?」

「さっきのキラキラドキド斬りって……」

 口を押さえ目を背ける蘭に香澄は怒る。

「あー! 蘭ちゃん笑ってるでしょ!」

「どうして笑うのかしら? とっても素敵な名前じゃない!」

「こころんもそう思うよね⁉」

「ええ! あたしも何か考えようかしら?」

「キラキラドキドキと斬りを掛けてキラキラドキド斬り……何なのかしら」

「あはは……」

 

 

 

 コドウ達の再会、五人の集結。

 予想以上に早かった全員集合は、戦力の増強というプラスへと進んだ。

 彼女達の戦いは始まったばかりだ。

ポピパの楽曲と言えば?(採用されたものがフォーム名になります)

  • STAR BEAT!~ホシノコドウ~
  • 二重の虹(ダブル レインボウ)
  • キズナミュージック♪
  • Returns
  • ティアドロップス
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