『こんな! 理不尽な最期! 認めませんわあああああああああ!』
ウィンドのその台詞を最後に爆散、跡形も無く消えた。
「……以上が残っていたピラーが見た光景でした」
「ウィンド……」
映像越しからの仲間の死にクラムは落ち込んで俯く。
「あはは、いい爆発だね」
「まぁ、アイツは未来予知に依存していた所があるからな。音撃戦隊に後れを取るのは当然の結果だな」
「貴方方は少し、クラム様のお気持ちを汲み取ってください」
それぞれ感想を言うコナモとライトに、シーは呆れているとクラムが聞く。
「ねぇシー」
「何でしょうか?」
「人間って何でこんなにも残酷なの?」
「……その答えは未だに私にも分かりません。ですが、戦い続けていれば分かるでしょう」
「……そうかな? 音撃戦隊に会って聞いてみれば分かるかな?」
「それはいけません! 我々は貴方を失う訳にはいきません! その為にもここで待っていてください」
「う~ん……」
シーの忠告に不服そうなクラム。
「ドリーマーピンク……ようやく俺と対等な存在が出来たか……」
「いいね、面白くなってきた!」
ライトとコナモもまた別々の事を考えていたのだった。
所変わって弦巻家、大広間では多数のガールズバンドの面々が集まっていた。
「香゛澄゛先゛輩゛生゛ぎででよ゛がっだでずぅ゛~!」
「ロ、ロック⁉」
六花に抱きしめられ驚く香澄。
「友゛希゛那゛先゛輩゛がら゛亡゛ぐな゛っ゛だっ゛で聞゛い゛だ時゛に゛ばも゛う゛駄目゛だど思゛っ゛だん゛でずぅ゛~!」
「もうそんな事は無いから大丈夫だよ。ぎゅ~!」
六花の気持ちに答える様に香澄も思い切り抱きしめ返す。
「香澄、モテモテだね」
たえ達ポピパの四人も香澄の元に来て、声を掛ける。
「
「しかしまぁ……」
有咲は天井からぶら下がる幕に可愛く書かれた文字を見る。
『ハロウィン&香澄おかえりなさいパーティ!』
「弦巻さんも派手にやるなぁ……」
派手なパーティに苦笑いを浮かべているとこころが走って来て香澄に頼み込む。
「ねぇ香澄。あたし、ランダムスターバレットを見てみたいわ!」
「分かった! みんなー!」
香澄が会場の中心で叫ぶと、参加者全員が香澄を注目し始める。
「さあ来て! ランダムスター!」
左手を上に思いきり伸ばす。
しかし、特に何も起こらず静寂が会場を包む。
「……あれ?」
「あら? ランダムスターバレットは寝てるのかしら?」
『やはりか』
香澄の肩にポップが現れる。
「ポップ?」
「恐らくあのDバレットには、意識があるのだろう」
「生きたDバレットって事か?」
有咲が聞くとポップが返す。
「ああ、だとすれば今は来るべきでは無いと判断したんだろうな」
「あら残念ね。いつでも来ていいのに」
そんな仲睦まじい光景をモルフォニカの面子も眺めている中、透子が言う。
「RASもいるって聞いてたけど、アイツらはいないんだ」
「アイツら?」
「あのちっこい奴と、髪が滅茶苦茶派手な奴」
「それってチュチュちゃんとパレオちゃんの事~?」
七深の回答に透子がぼやく。
「そうそれ、アタシがシロだったら仲間にするなんて願い下げなんだけどな」
「と、透子ちゃん、これからは一緒に戦うんだからそんな事言っちゃ駄目だよ」
「倉田さんの言う通りね」
そこに離れていた瑠唯が戻ってくると、つくしが聞く。
「るいさん、どこに行っていたの?」
「RASの皆さんから演奏の事を聞きに行っていたのよ。そのついでにRASブラックの事も知ったわ」
「何か分かったの?」
「戦績からRASブラックは音撃戦隊に欠かせない存在よ。幹部クラスの一人を倒したのなら後の二人も黙っていないでしょう。これから戦いはより一層、激化を辿る。だったらこちらも強化を目指す必要があるわ」
「だとしてもさー……」
「透子ちゃん! ここはるいさんの言う通りだよ! それにこういう時こそ皆で力を合わせないと! 音撃戦隊は私達の光なんだから!」
「うぐ……ルイはともかく、ふーすけの癖に正論を……!」
「みんな!」
その時、ポップが叫び注目を集めると口を開く。
「エクスードが現れたようだ!」
「そうなの? だったら新生音撃戦隊の出番ね! 香澄、号令出して頂戴!」
「よーし任せて!」
こころに言われて、香澄は右手で拳を握りしめて天に突き上げて叫んだ。
「みんな! 音撃戦隊、出動!」
「よーし、行っくわよー!」
こころは舞い上がり、部屋の窓を全開にして縁に足を掛ける。
「え⁉」
「こころちゃん、ここ三階……」
レイヤが言いかけがこころはそのまま飛び降りた。
三点着地で無傷で地上に着き、走り出す。
「えぇ……」
こころの大胆な出動に驚きを隠せていなかったが、香澄が再び叫ぶ。
「みんな、早く行こう!」
「あ、ああ」
「ええ」
香澄に言われ、部屋から出て行く面々、最後に香澄が出ようとした時、沙綾が呼び止める。
「香澄!」
「さーや?」
「……行っておいで!」
「……うん!」
「ぜってー帰って来いよ!」
「辛くなったら私達を思い出してね!」
「私達は待ってるから!」
メンバーから激励を受け取って香澄は遅れて屋敷を飛び出していった。
「キャッキャッ!」
エクスードが現れた現場であるCircle前にまでやって来た七人。
それぞれ、Dバレットと変身アイテムを構えて叫ぶ。
「音撃チェンジ!」
「Raise Your Hands!」
姿を変えて突撃していく。
相手は大した強さでは無かったのか、七人がかりで優勢に戦いを進めていたがエクスードは川に飛び込む。
「逃げた!」
川に飛び込んだエクスードを追い、流れる水を見つめる。
その時、川の水がボコボコと音を立て始めた。
「何何何⁉」
動揺する彩の台詞の後に音はより一層激しくなっていき一行がざわめいていると音が止んだ。
「……」
恐る恐る川面を覗き込んだその時川から百を超える軍勢が飛び出す。
「キィイイイイイイイイイイ!」
身体は縮んで五十センチ程になっていたが、百を超える猿のエクスードが一斉に跳び出てきた。
「うわあああああああああああ!」
それでも全員が悲鳴を上げ、百を超えるエクスードが襲いかかる。
「わあああ! 痛い痛い!」
香澄の体に噛みつき
「ひ、引っ張らないで~!」
彩のツインテールを操縦桿の様に遊ばれ
「きゃああ!」
倒れたましろを取り囲んで袋叩きにしたりとやりたい放題。
「数が多すぎる!」
「この物量は……!」
蘭と友希那がそれぞれ得物を振り回しながら叫ぶが多勢に無勢で追い詰められていき、レイヤもギターアックスを振って一体一体を倒していく。
「しまっ……!」
一体の攻撃を手首に受けてギターアックスを落としてしまい、それと同時に大量のエクスードがレイヤにしがみつき覆い隠す。
「レイヤさん!」
香澄は叫ぶがレイヤの声は聞こえない。
こころは、カフェテリアのキッチンに逃げ込んで、ハッピー砲で迫り来ているエクスードを迎撃をしていた。
しかし、撃ち漏らした一体がキッチンに入り込んでくる。
「あ!」
だが、エクスードはこころを無視して棚を開けると、キャンディが入っている袋を力任せに破り貪り始めた。
「あなた、キャンディが好きなの?」
「キャッ!」
エクスードは喜々と頷き、こころが言う。
「あたしにも頂戴!」
「キィー!」
エクスードは甲高い声を上げてこころに襲いかかったが、引き金を引いて倒す。
こころは残っているキャンディを手にすると、エクスードに未だに噛まれている香澄に向かって投げつけた。
「おさるさん、キャンディならここにあるわよ!」
「キャアアア!」
香澄に付いていたエクスードは歓喜しながら飴に飛びつき、そのおかげで解放され転がっているギターアックスに近づく。
「今助けます!」
香澄はギターアックスにDバレットを装填し、ギターを弾く。
『マッスル!』
「はぁ!」
起動と同時にエクスードの山が弾け飛び、そこから筋骨隆々のレイヤが現れる。
両腕を振るって周りのエクスードを一掃していき、彩にしがみついていた相手も掴み投げ飛ばして爆散。
「ありがと! よし!」
彩もセンターブレードのメガホン部分を口に当てる。
「ああああああああ~~~~~~~~~!」
メガホンから発せられる音波で残りのエクスードを打ち倒し。
『ヨーヨー!』
『サンダー!』
『アイス!』
蘭、友希那、ましろも必殺技で一掃して壊滅状態に追い込んだ。
「キィー!」
残ったエクスードは三体。
その三体は、袋にお菓子を詰め込んで、抱えると全員がバラバラの方向に逃げ出した。
「逃げた!」
香澄の反応に友希那が即座に次の指示を出す。
「丸山さんと弦巻さんと和奏さんで、倉田さんと美竹さんで別れて行動! 一体は戸山さんと私で追いかけるわ!」
友希那の指示に全員が頷き、三手に分かれて走り出した。
「待てー!」
「こ、こころちゃん待って~!」
こころを先頭にサルを追う丸山チーム。
「Hey!」
その時最後尾を走るレイヤに声が掛かり、思わず足を止めて底を見る。
しかし、二人はそんなレイヤに気づかず追いかけていくのだった。
「チュチュ……?」
「RASブラックであるアナタがここで一体何をしているの?」
「チュチュ、今はエクスードが出ているの。用があるなら手短にお願い」
「この前アナタが勝手な行動をした事も合わせて話がしたい、今すぐマンションに来なさい」
「……分かった」
レイヤは彩達も心配だったが、直ぐに話を終わらせて合流しようと考え、チュチュに従うのだった。
その頃、サルを追っていた香澄と友希那は廃工場にまで来ていた。
「一体どこまで逃げたのかしら」
「あ!」
香澄が指差す方には廃工場へと入って行くサルの姿。
「香澄ちゃん!」
それを草むらから伺っていた変身を解いている音撃戦隊の面々。彩は手を振って香澄らを呼ぶと元の姿六人で廃工場を見つめる。
「倉田さん、他の二匹もここへ?」
「は、はい。それでここが本拠地じゃないかって……」
「あれ? レイさんは?」
「その……はぐれちゃって……」
香澄の質問に彩がしどろもどろで申し訳なさそうに答える。
「え⁉ まさかさらわれたんじゃ……」
「香澄、心配しなくてもレイヤは強いから大丈夫よ!」
こころが励ましていると香澄のスマホに通知が入る。
『チュチュのマンションにいる。直ぐに話を終えて向かうから』
その文面に蘭が怪訝そうに吐き捨てた。
「何でこのタイミングでアイツが絡んでくるのさ……」
「……戸山さん、和奏さんにここの住所を伝えて頂戴」
「分かりました」
友希那の指示に香澄は即座に連絡を送り返した横で、蘭が友希那に聞く。
「それでどうします? レイヤが来たら突撃しますか?」
「あの……もしかしたら中にたくさんいるかも……」
「倉田さんの言う通りね」
ましろの台詞に友希那が同調すると続けて説明をする。
「相手は水を被ると増える、しかもそれを自覚している。だとしたら、何らかの方法で増やしている可能性があるわ」
香澄は廃工場の全貌を見つめて考え込む。
「何か内部の事が分かればなあ」
「だったら外から見ればいいのよ!」
こころはそう叫ぶと、草むらから飛び出た。
「弦巻さん!」
「こころん!」
皆の制止を聞かずに廃工場の窓に近づくと、こっそりそこから覗き込む。
「あら?」
こころは中で見えた光景に疑問を持ったがすぐにそれが何か分かり素早く五人の元に戻り、楽し気に語る。
「皆! おさるさん達、ハロウィンパーティをしてるみたい!」
「ハ、ハロウィンパーティ⁉」
こころの言葉に香澄以外は疑問を浮かべるが香澄が質問をする。
「こころん、エクスードってパーティをするの?」
「
「それなら私にいい考えがあります!」
「考え?」
香澄の提案に五人は疑問を浮かべた。
数十分後、それぞれキョンシー、小悪魔、猫、魔女の恰好をした香澄、彩、友希那、こころが廃工場に入ろうとしていた。
「キー!」
当然、侵入者にエクスードらは警戒をするが