音撃戦隊バングドリーマー   作:作者アアアア

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33thLive 前前前世

「ヒッヒッヒ……」

 魔女の恰好をした黒猫のエクスードが身体を揺らしながら歩いており、その周りでは混乱している人達がいる。

「何をしているの!」

 そこへ、音撃戦隊の七人が駆け付け横一列に並ぶ。

「そこに人達に何をしたの⁉」

「年寄りを労って欲しいものだねえ……」

 彩の言葉を聞き流し、去ろうとしたが友希那が呼び止める。

「逃がしはしないわよ」

「みんな、行こう!」

『スター!』

「音撃チェンジ!」

 姿を変え、武器を構えて突撃していく。

「はぁ!」

 香澄らの一太刀を手にしている杖で防ぎ、銃撃も左手をかざして障壁を生み出して防ぐ。

「人って言うのは脆いものでねえ。環境が変わるだけで、何も出来なくなってしまうんだよ」

 そう呟いて、杖先から一本の光のロープを生み出し、生き物の様に操りだした。

「わわわ!」

 皆はそれをかわすが、そのロープから木の枝の様に他のロープ生えてきて、七人を襲い始める。

「増えた⁉」

「回避に集中して!」

 全員は必至に避けていたが

「わー!」

「彩先輩!」

 真っ先に彩が捕まり、それを皮切りに六人も簀巻きにして一ヶ所にまとめる。

「はいっ!」

 光のロープで七人を一度に縛ると力を込める。

「わあああああああああ!」

 七人の体に電流が走り、そのまま意識を失ってしまった。

「では、それでは……」

 エクスードはお辞儀をしてその場を去って行く。

「あれ? 何かおかしい……?」

 十数分後、最初に目を覚ましたレイヤが起きて皆を起こそうと肩を揺する。

「こころん、友希那先輩」

 名前を呼びながら声を掛けていくがある人を見た瞬間叫ぶ。

「え⁉ 私⁉」

 レイヤが倒れている香澄に叫んだ所でそれぞれも目を覚ましていく。

「何⁉ 何が起きてるの⁉」

「え? ええ⁉」

「私達……」

「入れ替わってる~⁉」

 パニックになる五人に対して冷静に一人が叫ぶ。

「皆落ち着いて! 今は誰が誰になってるか、確認しないと」

 彩の言葉に騒ぎは一度止まり、続けて言う。

「まず私はレイヤ。香澄ちゃんは誰に?」

「はい!」

 手を上げて名乗りを上げたのはレイヤ。

「それで次は……」

「あの……私、ましろです」

 香澄が恐る恐る手を上げて自己紹介をする。

「私は倉田さんになったみたいね」

 ましろが腕を組んですました顔で、吐き捨て。

「それで私が蘭ちゃん」

 蘭が心配そうに言って。

「……それでアタシがこころ……」

 こころは自分の髪を撫でながら言う。

「あと残っているのは……」

「うーん……」

 六人は最後に目を覚ました友希那に目を向ける。

 まぶたを擦りながら起きた友希那が皆に声を掛けた。

「あら? みんなどうしたの?」

「こころん!」

 エクスードの力で不規則的な入れ替わりが発生し、彩が冷静にこの場を取り仕切る。

「えーっとまとめると、私が丸山さん、香澄ちゃんが私、丸山さんが蘭ちゃん、湊さんがましろちゃんで……」

「倉田さんが戸山さん、美竹さんが弦巻さん、弦巻さんが私になったと言う訳ね」

「早くあのエクスードを倒して元に戻らないと!」

「そうしたいのは山々なのだけど……」

 ましろが淡々と言う。

「これからロゼリアのライブがあるの」

「え⁉ それじゃあ……」

「友希那のあたしが出ればいいのね!」

「止めて頂戴」

「その……レイヤちゃん言いづらいんだけど……」

「何ですか?」

「これから、パスパレの収録があるんだけど……」

「え⁉」

「あ、そうだ! ポピパもライブがあるんだった!」

「何でこうも揃いに揃って用事があるの!」

 こころが叫ぶが何も変わらず、ポップがレイヤの肩に現れ声を掛ける。

「しかし、今は時間が無い。こころの言う通り普段通りに接して誤魔化すしかないな」

「それもそうね……弦巻さん、行くわよ」

「友希那もライブに出るのかしら⁉」

「いえ、監視よ。取りあえず暇な人は奴を見つけて頂戴、終わり次第私も駆けつけるわ」

 ましろは友希那の手を掴み早足でその場から去って行く。

「レイヤちゃん、それでその収録の話なんだけど……」

「分かりました。やれるだけはやってみせます」

 続いて彩と蘭が去り。

「あの、香澄さん。私、ギターが全く弾けないんです……どうしたら」

「うーん……おたえに全部を任せる訳にもいかないし……」

「取り敢えず、ポピパに話したらどうだ?」

「そうだね、ましろちゃんついて来て」

「わ、分かりました」

「……」

 最後に香澄とレイヤ去って残ったのはこころ唯一人。

「え⁉ これアタシ一人で探すの⁉」

 

 

 

「……」

 場所は変わってチュチュのマンション、普段なら入り口でレイヤが演奏をしに来る時間なのだが、彼女が来る様子は無い。

「……何かあったのかしら」

 思わず呟いてしまい、チュチュは即座に首を横に振って考えを改める。

「No! ポピパも、それに肩を持つものもRASに仇なす存在! レイヤなんてNo Thank You!」

「やあ」

「What⁉」

 突如後ろから声を掛けられ即座に後ろを振り返るとコナモが笑顔で手を振っていた。

「アンタ、一体何なの⁉ それに、どこから入って来たの⁉」

「コナモはコナモだよ。エクスードだから不法侵入なんて余裕だしね」

「そのエクスードが何よ」

「RASを助けてあげようと思ってね」

「No Thank You。敵の力なんて無くても自力でどうにか出来るわ」

「ホントに~? 評判を落とされて、貴重なベーシストを失ってるのに?」

「うっさいわね! そんな事分かってる……!」

「……今の君は目的を失っている」

「そんな事は無い。ワタシの目的はRAISE A SUIRENの名を轟かす事! それだけは絶対にぶれないわ!」

「けれど、邪魔も存在している。それは誰?」

 チュチュは少し考えて、答えを出す。

「あんたらエクスードよ」

「違う違う、コドウを作ったのは紛れもなくコナモなんだよ? コナモはむしろ協力者なんだよ?」

「……」

「直接ダメージを与えた挙句、レイヤを奪った人がいるんじゃないかなぁ?」

「……カスミ……ポピパ?」

「正解!」

 チュチュの二回目のアンサーに待っていたと言わんばかりに一発手を叩いて人差し指を突き付け喜ぶコナモ。

「それより、アンタの言っていたコドウを作った、ってのは一体何?」

「レイヤのコドウ。ううんオーロラはコナモが丹精込めて生み出した大事な大事な存在なんだ。モザイクもカーテンそうだよ」

「……」

「そうだ! 最後にコナモの令和コソコソ噂話!」

 コナモは両手を広げ芝居がかった動きをしながら大っぴらに噂話を一言。

「パレオって実は音撃戦隊を手助けしてるんだよ」

「何ですって⁉」

 一番の側近であったパレオも実は繋がっていたとしりチュチュは動揺を隠せないでいる。

「パスパレと対立するのが恐かったのかもね。でも大丈夫、いつも手助けしてる訳じゃないから放っておいてもいいじゃないかな?」

「……」

「チュチュ様~?」

 その時、扉越しにパレオの声が聞こえドアが開かれる。

「さっきから声が聞こえているんですが、誰か来ていたんですか?」

「いえ、誰もいなかったわ。それよりも頼んでいた物は?」

 手提げ袋を手にしたパレオがチュチュに問うが、本人はしらを切り、さっきまでの会話相手は既に姿を消していた。

「はい! こちらに!」

 パレオが袋に入っている大量のジャーキーと何本かのエナジードリンクを見せつけると、チュチュは乱暴にいくつかを抜き取り貪りだす。

「ポピパ……アイツらだけはワタシが……!」

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