音撃戦隊バングドリーマー   作:作者アアアア

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今更ながら、ヴァンヴァ様評価ありがとうございます。


3rdLive That Is How I Roll!

 朝、街中に佇む一軒の古風な家の一室で一人の少女が机に突っ伏して眠る。

「んん……」

 少女は眠りの世界から抜け出して意識を覚醒させていく。

「あれ……」

 自分の体に身に覚えの無い毛布が掛けられていた事に気づき触れたその時、頭上から声が聞こえた。

「蘭、おはよう」

「うわっ⁉」

 蘭は驚きのあまり、頭のそれを振り払おうとするが、それはすかさず飛び、机の上に立つ。

「ああ、ゴメン。脅かせちゃったかな?」

「いや、今は何か慣れなくて」

「確かに、喋るカラスなんていないもんね」

「まぁ……そうだけど。それよりこの毛布は?」

「俺が掛けておいた!」

「そっか」

「今日はどうするんだ?」

「食べて学校」

「学校……聞いた事があるな。若い人達が行く場所だっけ?」

 その時、部屋のドアの向こう側から声が聞こえてきた。

「蘭、起きているなら来なさい。さっきから聞こえているぞ」

「分かってる!」

 男性の声に強気に返すと赤カラスが聞く。

「今のは?」

「父さん、まさか聞かれていたなんて……」

「ここでは隠れていた方がよさそうだな」

 そう言ってカラスは羽ばたき、蘭の胸に飛び込むと、そのまま中へと吸い込まれていった。

「ちょっ……⁉」

『この状態でも会話なら出来るぞ。……蘭とだけだけど』

 驚きつつ体を擦る蘭の脳裏に語り掛ける。

『さて、そろそろ行こう。お父さんが来ちゃうぞ』

「分かった」

 

 

 

 朝食を取り、登校途中、カラスが蘭に語る。

『皆とは一緒じゃないのか?』

「皆?」

『君の仲間だよ。あの角生やした子とか……』

「それって香澄の事? 湊さん以外は花咲川だからここにはいないよ」

「ら~ん」

 顔を上げて見ると、四人が蘭の事を待っており手を振っている。

「蘭~今誰と話してたの~?」

「別に、話してないし」

「ああ~、蘭があたし達捨ててイマジナリーフレンドと過ごすつもりだ~」

「何それ、そんな訳ないでしょ」

『そうだ、イマジナリーフレンドじゃないぞ』

 そう言って、蘭の肩からカラスの頭が出てくる。

「お前! 昨日の!」

「蘭! 憑りつかれているよ!」

 驚く巴とひまりにカラスは怒る。

「幽霊扱いは止めて欲しいな」

「いや、そんな風に出てこられたらそうとしか言えないというか……」

「兎に角、今は引っ込んでて!」

「ちょっ……蘭ちゃん……」

 つぐみに言われ周りを見ると道行く羽丘生徒が奇怪な物を見る目で見ていた。

「……行こうか」

「うん……」

 僅かに気まずくなりつつも登校し始める。

 

 

 

 五人で会話をしつつ歩いていくと一つの校舎が見えてきた。

『さっき花咲川云々言ってたけど、学校って沢山あるのか?』

 蘭は何も言わず門の前に立ち一言。

「ここが羽丘女子学園」

『へぇ……ちょっとそこの路地裏に行ってくれないか?』

「え? いいけど」

 カラスに言われるまま学園近くの路地裏に入る。するとカラスが蘭の中から出てきた。

「ちょっと!」

「ちょっと、この辺の全貌を見て来ていいかな?」

「バレない様にしてよ! それと、十二時前には屋上にいてよ」

「分かった」

 そう言ってカラスは飛び立って行った。

 

 

 

 一方、セフィロの拠点である地下帝国では先日、五人に倒された牛怪人ゴウワンの事を話していた。

「ゴウワン……」

 ライトは手帳を開いてゴウワンの写真が貼られているページを破り捨てた。

「久々だな、こうやって部下のページを捨てるのは」

「そんな事をして追悼のつもりですか?」

 その光景に口出しするのはウィンド。

「いや。唯、手塩に掛けた部下が死ぬと悔しさよりも、興味の方が強いな」

「理解しがたいですわね」

「二人ともここにいましたか」

 そこへシーがやって来る。

「ゴウワンを殺った奴が分かったのか」

「どうせ、例の二人組でしょう?」

「その事ですが……今後の事もあるので玉座で話しましょう」

 そう言われライトとウィンドはシーと共に玉座の間へと向う。

 玉座には既にクラムが座っており、楽し気な態度で待っていた。

「あ、皆待ってたよ!」

「お待たせしましたクラム様、では今回の脅威について話しましょう」

 シーが指を鳴らすと宙に映像が浮かび上がる。

「どうせあのふた……」

 ヤレヤレと頭を横に振るウィンドが画面を見ると言葉を失う。

「五人に増えているな」

 以前は変身した彩、友希那だけだった映像には新たに変身した香澄、蘭、こころも追加されていた。

「ええ、見ての通り人数が増えています。つまり、コドウはまだいるという事、最悪今後も人数が増えていく可能性も……」

「そうか。だが俺が気にしているのは……」

「リカバリーシステム、でしょう?」

「ああ」

「ねぇ、ライト。リカバリーシステムって?」

 目を光らせながら興味深々なクラムにライトは、得意げに語りつつ懐からメモリーチップを出す。

「俺の作ったシステムだ。これを埋め込んだエクスードは破壊されても一度だけ、全快で復帰出来る。更に、そいつの潜在能力を一気に引き出す事も出来るんだ」

「えーっと……つまり?」

「倒されてから本番、という事です」

「成程!」

 ハテナを浮かべるクラムにシーが一言、付け足すと納得した。

「さて、結果から言うと成功です。ゴウワンは巨大化しました」

「よし!」

「ですが、直ぐ倒されました」

「え?」

「フフッ」

 ライトのリカバリーシステムの結果に笑いをこらえるウィンド。

「……今後の改良が必要だな」

「要らないじゃないんですか? コストの掛かるそんな物」

「お前のピラーの方が必要無いと俺は思うがな」

「何ですって⁉」

「二人共!」

 クラムは、煽り合いを始めたライトとウィンドを一言で黙らせる。

「兎に角、今回は私の部下を向かわせませすわ」

「部下……ですか。お名前は?」

「エレル・スイイパですわ」

「あっそいつ、この間リカバリーシステム埋めた奴だ」

「えっ⁉」

 ウィンドは部下の思わぬ行動に驚き、ライトが追い打ちをかける。

「他にも埋めて欲しいって要望が多くてな……」

「へぇ~リカバリーシステム大人気だね!」

「まあな」

「ふぎぎぎぎぎぎ……」

 クラムから褒められ鼻高々なライトにウィンドは、嫉妬の念を飛ばすのだった。

 

 

 

「……」

 カラスは羽丘の屋上で地上を見下ろしていた。

「おっ、ここにいたんだ」

 後ろから声が聞こえてきて振り返るとバラネコが見つめている。

「君は確か……」

「おっと、ここではバラネコって呼んで頂戴!」

「バ、バラネコ?」

「ユッキーナが名付けてくれたんだ~。そっちには名前とかある?」

「名前?」

「まさか無いの? 付けて貰いなよ。ここでは私らの本名言える人いないんだからさ」

「名前かぁ……」

 

 

 

「名前を決めて欲しい?」

 昼休み、早速屋上に集まったアフターグロウの五人に相談を持ち掛けた。

 昼食を終え、円を作る様に座る五人、カラスはひまりの頭の上に座っている。まず最初に案を出したのはモカ。

「ん~、パン太郎とか?」

「い、いやもう少し。シンプルで体を表している名前が……」

「じゃあ、カラス太郎ね」

「もー! モカ考える気ないでしょ!」

「ねぇ、皆」

 つぐみが突然、輪の中心にノートを広げて出す。

「取り敢えず、皆で候補を出し合ってみようよ!」

「確かに、書いて見てもらった方が何がいいか分かるかもしれないしな」

 つぐみに言われ早速五人は候補を出し合い、ノートに書きこんでいく。

 数分後、ノートにはいくつかの候補が残った。

『烈火 炎神 紅 ハル リョウ カイト クロウ 太郎 次郎 三澤 赤いの 吾郎ちゃん スカイ』

「巴、ちょっと名前が猛々しくない?」

「何言ってるんだ。力強い方が逞しくなれるだろ」

「ひーちゃん、モカちゃんネームも評価して~」

「やっぱりモカ考える気ないでしょ! 太郎次郎に続いて……誰、三澤って⁉」

「フィーリング~」

「ひまりちゃんは人の名前みたいだね」

「それを言うなら、つぐもそうじゃない? クロウは言えないけど……」

「蘭ちゃんは一つだけでいいの?」

「うん、何かこれしか浮かばなくて」

 つぐみは隅に書かれたスカイの字を指しつつ聞く。

「あの……」

 いつの間にか置いてけぼりにされたカラスが声を掛ける。つぐみはノートを見せつつ聞く。

「それじゃあ、この中からどれがいいと思うかな?」

「俺の名前かぁ……」

 嘴で指して、一つ一つを見ていく。

「……」

 全てを見え終えたからか、嘴が止まる。

「……スカイ」

「え?」

「スカイ、これにしよう!」

「え~、今からでも遅くないよ~。モカちゃんネームに改名して~」

「うーん……遠慮しておこうかな……」

「え~、悲しみ~」

 カラス改め、スカイは自己紹介を始める。

「皆、今日から俺は蘭のコドウ、スカイだ! よろしく!」

「うん、よろしく」

「よろしくね! スカイ!」

 名前も決まり、祝福しているとひまりが提案を出す。

「そうだ! せっかくだからスカイに質問してみない?」

「俺は構わないけど、答えられる事は少ないと思うぞ」

「まずは……」

 この後四人は昨日の出来事、スカイは何者か、怪人について、今後の事をスカイから聞かされた。

「コドウに、エクスード……」

「じょ、情報量が多すぎてこんがらがって来た……」

「最後は蘭だよ~」

「あたしからは……」

 蘭は何か気になる事があるのか聞く。

「何で、あたしを選んだの?」

「え……」

 蘭の質問にスカイは口ごもってしまう。

「何? 言えないの?」

「はは~ん。さてはスカイ、蘭の事が好きだから選んだとか~?」

「いや……その……」

「どうしたんだ?」

「えーっと……」

 スカイは巴の方を向く。

「……本当は君だった」

「え?」

「アタシか?」

「ああ、だが手違いで蘭と契りを交わしてしまった」

「手違い⁉」

 予想外過ぎる選考理由に全員が声を荒げる。

「だから蘭、本当にすまない!」

 スカイはひまりから降りて蘭に深々と頭を下げる。

「そ、それが理由……」

「蘭、どうするんだ?」

 驚愕するつぐみと何かを聞く巴。

「何が?」

「これからだよ。昨日の奴がまた来たらどうするんだ?」

「……あたしが出る」

「何度も上手くいくとは限らないだろ。それに、用事で出られない時の対策はあるのか?」

「それは無いけど……」

 目を逸らす蘭。

「それはま~、追々として~あたし達はサポートに徹するって言うのはどうかな~」

「サポートって……私達も戦うの⁉」

「いや、逃げ遅れた人を保護したり、蘭の正体がバレそうになったら誤魔化したりすればいいんじゃないかな?」

「そーそー」

「ああ、そう言う事か……びっくりした……」

 ひまりは不安になったが、スカイの補足で安堵する。

「でもひーちゃんは~」

「な、何?」

「ハニートラップ担当ね~よろ~」

「もー!」

 

 

 

 放課後、五人はいつも使っているライブハウス、サークルに向かっている時に事件は起きた。

「うぅ……ぐす……」

 幼稚園児ほどの子供が泣いておりそれをみたつぐみは、心配で話を聞く為に声を掛ける。

「ねぇ、そんなに泣いてどうしたの?」

「私の友達が……」

「友達?」

 その時、人々の悲鳴が聞こえ五人はその場所へ赴く。

「か、返してくれ!」

「いるかこんなもん! でも、返すのも癪だし貰うな」

 禿頭の男性が、項垂れており周りも怯えている。

「何でもいいから、金目の物だしやがれ!」

 そこには右腕に掃除機を取り付けた象の怪人が暴れまわっていた。

 右腕を近くの宝石店に向けると、店内の貴重品を一気に吸い上げる。

「アイツは⁉」

「エクスード! 蘭、変身だ!」

 蘭がポケットから携帯とDバレットを取り出すと四人が一斉に蘭から離れ周囲にいる人たちに避難を促す。

「皆、ここから離れて下さい!」

「私について来て下さい!」

 ひまりが叫び、つぐみは先導をしつつ、動けない人は巴とモカが肩を貸してその場を離れる。

 周囲に人がいなくなったのを確認すると、蘭は夕日の絵が描かれたDバレットのヘッドを押す。

『サンセット!』

「させるか!」

 だがそれを阻止しようと、ノズルを蘭に突きつける。

「ぐっ……!」

 激しい吸引力に吸い込まれないように踏ん張るが蘭の懐から何かが顔を出しているのに気づいていない。

「あっ……!」

 その時、蘭の懐に入れていたツギハギだらけの熊のストラップが象怪人の方へと飛ばされてしまった。

「アイツ……!」

「何だこれ?」

 携帯の裏面に弾を込める穴が二つあり一つに入れる。

 力強いギターの音楽が流れる中、叫ぶ。

「音撃チェンジ!」

 蘭の体が赤色に光ると姿が変わりに仕上げに仮面が着けられると、音声が流れた。

『夕・焼・広・空! ドリーマーズ、レッド!』

「皆の物とそれ、返してもらうよ!」

 刃の付いた弓、弓剣夕焼を構え走り出す。

 

 

「蘭ちゃん!」

 声の方からは香澄、彩、こころの三人が走って来た。

「音撃チェンジ!」

 走りながら変身し、一斉に攻撃をする。

「フンッ!」

 香澄、彩の斬撃、こころのキックを三つを受け止め

「来たわよ!」

 更に既に変身した友希那がブルーローズ片手に走ってくる。

 相手に一気に近づいて、何度も突きを打ちそのまま流れでウィンドバレットを装填する。

『ウィンド』

「湊さん! 待って!」

 

 

「何故、邪魔をしたの?」

「……実は」

 

 

 

「成程、そう言う事だったのね」

「皆の物を取り上げてしまうなんて酷いわね」

 蘭から経緯を聞いた友希那は一応、納得しこころは困った顔を見せる。

「それなら私に思い当たる節があるよ」

「何ですか?」

 彩が話に入る。

「あのエクスード、背中にこう……丸い筒が付いてたの」

「筒?」

「うん、何て言うか掃除機のゴミを溜めておく部分に見えたって言うか……」

「つまり、そこを壊せば奴が奪った物を取り返せるかもしれないという事ね」

 

 その時、蘭のスマホから通知が来て液晶を見る。

『避難はうまく出来たよ! サークルで待ってるね』

 

 

 

 十数分後サークル前のカフェに着き、蘭は四人と合流する。

「お待たせ」

「蘭ちゃん、怪我はない⁉」

「うん、それは大丈夫。ただ、アイツを逃がした……」

「逃げた……探してみよう。まだ遠くに行ってないかもしれないしな」

「それなら、宝石店や高級品を扱ってる店を重点的に調べて、次はそこにでるかもしれない」

「分かった! 

 

 

 

 藍野跳び蹴りがさく裂。

「蘭!」

「また、お前か!」

「……」

 睨み合う二人にそれを心配そうに見るひまり。

「金目の物はやらねーぞ!」

「だったら、金目の物以外を返してもらうよ」

「は?」

「あの子の友達も……あたしのお守りも……皆の宝物を奪った!」

「あんな価値ゼロ円に執着するのか……」

「アンタにとってはそりゃそうでしょ。でも、一人一人には価値なんてそんな物はどうでもいい!」

「意味わかんない事、言ってんじゃねぇ!」

 象怪人が右腕を構え迫る。

「音撃チェンジ!」

 

 

 

 

 戦場は変わり、ゴミ捨て場がある河原。ひまりもあとを追って来てその戦いの行く末を見ようとしていた。

「蘭、来たわよ!」

 こころが香澄と彩を連れ走ってくる。

 それを見た象怪人は、すぐに一般人であるひまりに標準を向ける。

「喰らえ! マックスだ!」

 象怪人の吸い込みに蘭は叫ぶ。

「ひまり!」

「きゃああああああ!」

 あまりの威力にひまりが吸い込まれそうになる。

 だがそれよりも早く、蘭が前に出て代わりに吸われた。

「蘭!」

「お前じゃない!」

 捕まえた蘭の顔を数発殴ると、ゴミ捨て場に投げ飛ばす。

「ゴミ……?」

 少し考えると、ひまりに向かって叫ぶ。

「ひまり! こころ! 手伝って!」

 香澄と彩が象怪人のスイイパと鍔迫り合いをしていると突然ひまりが叫んだ。

「怪人!」

 鍔迫り合いをしたままひまりの方を向く。

「これを見て!」

 ゴミ捨て場前に立つひまりが掲げたのは一個のビー玉。それを見たスイイパは二人を押しのけると話を聞く体勢になる。

「これは唯のガラス玉じゃないよ! 絶対に曇らないガラス玉! 奪った物を返すならこれを上げる!」

「良いもの持ってるな……でも、返すのは癪に障るんだよなぁ!」

 スイイパは吐き捨て、またしてもひまりごと吸い込もうとする。

 そこへ、蘭が横からひまりを抱きかかえ跳ぶ。

 射線上に残ったのはゴミの山、自身の力も相まってスイイパを襲う。

「オヴァ──⁉」

 ノズルに詰まってしまい、腕を上下に振り回すが取れる気配はない。

「今のうちに!」

「はい!」

 香澄と彩は背を向けている相手に掴みかかり背中の円柱を思い切り叩いた。

 すると、奴が奪った物が一気に放出される。

「やった!」

 宙で放物線を描きながら飛んでいくそれ見ていたが彩は、着地地点を見て叫ぶ。

「ああーー!」

その場所は川の真ん中、このままだと全部ドボンしそうになっていたその時。

『ウィンド』

 一陣の風が巻き起こり、放出されたそれらを包むと二人の傍にゆっくりと置かれる。

「私を忘れないでもらえるかしら」

「アタシもね☆」

 そこには友希那とリサが立っていた。

「リサ」

「オッケー」

友希那はリサに手を向けると、リサはポケットから4つのDバレットを出して、渡す。

 

 

 

『リカバリーシステム、起動』

 またしても音声が流れ、倒したはずのスイイパが復活と巨大化をした。

 

「また大きくなった⁉」

「想定の内よ」

 驚く彩を他所に友希那はバラネコを呼び出し対抗しようとした時、蘭が案を出す。

「湊さん、今回はあたしたちにやらせてくださいよ」

「ええ、あたしもプチミッシェルが大きくなるとこ見てみたい!」

「……わかった、任せるわ」

「え⁉ 待って、ユッキーナ! 今回私出番無し⁉」

「戸山さん、任せるわ」

「はい!」

 バラネコのツッコミを無視して香澄達に託すと友希那と彩は戦線から退いて三人が前に出る。

「それじゃあ、蘭ちゃん、こころん行こう!」

「分かった」

「ええ!」

 それぞれ、コドウを手に乗せて叫ぶ。

「ポップ!」

「スカイ!」

「プチミッシェル!」

 三人はコドウにDバレットを装填する。

「分かった」

「任せろ!」

「やりますよっと」

 宙に浮かびあがり変形、ポップはボディとなり、スカイは翼を広げボウガンの形を取り右腕に、プチミッシェルは口を開くと銃口が現れ左腕になる様に装着された。

 コクピット内に座る三人が叫ぶ。

「完成! スリーマンライブ!」

まず右腕で矢弾を何度も射出しダメージを与える。

「ぐっ……効くかあ!」

スイイパは痛みを堪え真正面から走って来た。

「はっ!」

だが、スリーマンライブが右腕を上に向けると翼を羽ばたかせスイイパのタックルをかわす。

「さあ、プチミッシェル。あなたの番よ!」

こころが操縦桿を動かすとプチミッシェルの口から光弾を何発も撃ち込む。

「ぎゃあ!」

スイイパが倒れた所で地上に着地し両腕を前に突き出すと、銃口が光りだし三人は叫んだ。

「スリーマンライブ、ブラスターフィナーレ!」

操縦桿の引き金を引き、両腕から矢弾と光弾の弾幕を張り巡らせそれを全てスイイパに当てた。

「何もかもが俺の物ー!」

断末魔を上げて倒れると爆散、跡形も無く消えた。

 

 

 

街では奪われた物が帰ってきた事で被害を受けていた人達が歓声を上げて喜んでいた。

それを遠くから見つめていたアフターグロウの五人、最初に言いだしたのはつぐみだ。

「みんな嬉しそう、これも蘭ちゃんのおかげだね!」

「え、いや、あたし一人でやったわけじゃないし」

つぐみに褒められたのが恥ずかしかったのか目を逸らすと巴が笑いながら肩を叩く。

「ははは、だったらアタシらも避難勧告をした甲斐があったな!」

 

 

 

 

 

家に帰り、自室のベッドに寝そべると、ポケットから何かを出す。

「これも帰って来て良かったね」

「うん」

 蘭も取り戻したツギハギだらけの熊のストラップを部屋の天井に掲げる。

「……ちょっとだけほつれちゃったな……」

「よっぽど大事だったんだね」

「ひまりが作ってくれてね。

 

 

 

「守っていかないとね、この日々を」

「うん」

 蘭はそう言ってスカイに微笑むのであった。

 

 

 

 否応無しに戦線に出る事になった蘭。

 だが彼女は、変わらないものを守る為に変わる事を決めた。

 彼女達の戦いは始まったばかりだ。

ポピパの楽曲と言えば?(採用されたものがフォーム名になります)

  • STAR BEAT!~ホシノコドウ~
  • 二重の虹(ダブル レインボウ)
  • キズナミュージック♪
  • Returns
  • ティアドロップス
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