今年の目標は、報酬☆3は先延ばしにせずすぐに取る事です。
「お! 始まった!」
熱海後楽園ホテルの一室で、九体のコドウがテレビから流れる音声に釘付けになっていた。
『新春! ガールズバンドフェスティバル!』
司会者の男性が力強く叫ぶと、拍手と共にタイトルロゴが派手に登場し右上に小さくLIVEが出てくる。
「司会の林谷です」
「アナウンサーの外村です」
「今回はこちら、熱海ビックホールからお送りいたします」
「それでは、今回のゲストの紹介をしましょう」
女子アナの台詞をきっかけに大勢のガールズバンドが一人一人入場していく。
その中には九体の見知った顔も当然入っていた。
『Poppin'Party』
『Afterglow』
『Pastel*Palettes』
『Roselia』
『ハロー、ハッピーワールド!』
『Morfonica』
『RAISE A SUILEN』
五十を超えるグループの中に混じっている七組にコドウは歓声を上げる。
「いやーガールズバンドってこんなにもいるんですね」
「はい、近年は大ガールズバンド時代と言われていますからね!」
「それでは最初のグループに出てきてもらいましょう。ポッピンパーティさんよろしくお願いいたします」
「はい! よろしくお願いします!」
「皆さんって同じ学校なんですね」
「はい、有咲の家でギターを見つけてそこからバンドをしたいって思ったんです!」
「私としてはいい迷惑だったんですけどね」
「でも、有咲。ランダムスターを譲ってくれたよね?」
「そうなのですか?」
「はい! 最初にメンバーになってくれたのも有咲で……あっ他にも有咲のエピソードがあるんですけど!」
「おい! 喋り過ぎだ!」
香澄の口の軽さに有咲が憤るが、林谷は次の質問をぶつける。
「三人は何でバンドを始めたんですか?」
「香澄が変態だったからですね」
「え?」
「ああいや、香澄のランダムスターが珍しかったのと、演奏に惹かれたのが切っ掛けって事です」
たえの言葉に沙綾がフォローを入れて、続けて二人も経緯を話す。
「私は香澄ちゃんに背中を押されてた事ですね。もし押してくれなかったら私はここにいなかったのかもしれません」
「私も香澄に押された……というより引っ張って貰ったって感じですかね」
「引っ張る?」
「はい、元々違うグループでドラムやってたんですけど、色々あって辞めちゃって……けれど、香澄がもう一度向き合う機会を作ってくれたんです。だから私は、こうやって舞台に立つことが出来て……」
「皆さま、素晴らしいエピソードをお持ちなんですね。それでは時間ですので、スタンバイお願いしまーす」
「はい!」
「ねねね! これから自分のバンドが出てきたらそこについて語ってもらうってのはどう?」
テレビを見ていたコドウ達に向けてバラネコが
「君にしてはいい考えじゃないか? 僕も彼女らの事は知らないからね」
「バカにしてない?」
バラネコの提案にオーロラが賛同するが余計な一言に睨む。
「俺はいいよ」
「やってみたい……」
「まあいいんじゃない?」
「オレは当然やるぜ!」
「ポップは?」
「……今回だけだぞ」
「じゃあ最初はポップ!」
「何?」
丁度その時、テレビではポピパが楽器を構えて演奏を始めようとしていた。
「千文字ぐらいでよろしく!」
「何を言ってるんだ?」
さて、私の番か。
ポッピンパーティは一言で言うなら正統派だな。
元気の出る明るめなポップから、クールで儚げな楽曲も出来るな。
「薫さん?」
そういう訳じゃない、まあとにかく香澄をメインにしたオールラウンドなグループだ。
「じゃあポップ、ポピパで驚いた事は?」
そうだな、作曲はりみがやっているんだが、作詞が意外にも香澄だったんだ。
「カスミンが⁉ むしろ出来なさそうなのに!」
馬鹿にしてないか?
「してない! してない!」
何て言うか、彼女はイマジネーション? 感性が人より頭一つ抜けているというか兎に角、詩人の様な所が魅力だな。
「ポ、ポップ?」
ああ、香澄は普段はお調子者な所が目立つが、その側面は誰かの為に笑ったり、泣いたりする事が出来る。香澄は人の心を知っている声も心も澄んだ人間だ。
そんな彼女も戦闘時にはスターDバレットとガントレット型変身アイテム、スタートレットを使えば、エクスードと同じ土俵に立って、皆の先陣を切って戦う戦乙女と化す。
主にキラキラドキドキ剣を振るって戦い、Dバレットの能力も大きく引き出すのにも長けている。
「ス、ストップ!」
……すまない少々熱くなりすぎたようだ。
何を聞きたい?
「うーん、前にカスミン死んだ時があったでしょ? どうやって生き返ったの?」
私が消滅を避ける為に魂だけの状態で星の世界に連れてきたのだが、コドウ達に導かれ、新たなDバレットと肉体を生み出し蘇る事が出来た。
「人一人でそこまで⁉ 何で⁉」
あれは私にも分からないな。もしかしたら、香澄の……彼女を望む人々の心が引き起こした奇跡かもな。
「ポップらしくない台詞だね」
私でもこんな台詞は会わないと思っている。……この時に得たのがランダムスターバレット。これを使えば、ドリーマーピンクスターにパワーアップして、幹部クラスとも対等に渡り合える力を手に入れる事が出来る。それに加え、Dバレットの生成能力に、夢剣大抱バンドリ手に入れた。
「え? 凄くない? Dバレットを作れるなんて」
と言っても、一度使えば消滅するしてしまうのだがな。さしずめ使い捨てDバレットか?
「じゃ、最後に一言」
香澄と……ポピパと過ごしている内に自分でも惹かれていっているのが感じられた。
だが、それと同時に私は、彼女を戦場に放り込んでしまった事を酷く後悔し始めていた。
「カスミンは知ってるの?」
ああ、君には歌だけを歌っていて欲しかったとな。
それでも香澄は、私を『会えなかったら、今の私は無かった』と私を赦してくれた。
それから私は、最後まで彼女の傍に居ようと誓った、たとえ星の果てや地獄の底にまで行く事になってもな。
「ポップ……」
さて、私の話はこれで終了だ。
次は誰なんだ? まさか、私だけにやらせてこれで終わりとは言わないだろう?
テレビではポピパのライブも終わり、客席に手を振りながら去っていき、カメラはポピパから離れ、別の舞台に立っているアフグロに向けると、MCが始まった。
「続いてはアフターグロウです」
「よろしくお願いいたします」
「皆さん、バンドを始めてどれぐらいですか?」
最初の質問に答えたのは巴だ。
「もう、三年になりますね」
「三年。だとしたら中学の時から?」
「はい! 最初に言いだしたのはつぐで!」
「へぇ~以外ですね」
「まぁ、皆と一緒に居られるのは何かって思いつたのがバンドだったんですけどね」
「けれど、ガルジャムに出演できるほどの腕前をお持ちで……」
「まぁ~トラブルを起こしましたけど、そこはモカちゃんの腕で埋め合わせて見せますよ~」
「では最後にリーダーの美竹さん……」
「待って待って!」
ひまりは林谷の台詞に即座に訂正を求めだす。
「あの! リーダー私なんです!」
「あはは、すいません。では改めて、上原リーダー、美竹さん一言どうぞ」
「みんな~今日は楽しんで帰ってねー!」
「今日はあたし達のライブで燃え上がろう!」
「蘭~もっと元気よくしなよ~蘭パパも見てるんだからさ~」
「ちょ! モカ、今は父さん関係ないでしょ!」
「イエーイ」
「あはは、仲良さげですね。それではスタンバイお願いいたします」
「はい!」
「お、次はスカイだね」
「やっぱり来たか」
「んじゃ、始めるよ」
まず、アフターグロウの名前の由来は夕焼け、五人がいつも見ている景色から取ったものだね。
「あれ、そうだっけ?」
忘れたのか? あの五人は幼馴染なんだけど。一応聞くけど、アフグロのリーダーは?
「ともちん?」
ひまりだよ。
「あ……ごめん」
……次にバンドの特徴は……王道ガールズバンド!
「ポピパみたいな?」
確かにそうだが、アフグロはパワー寄りな所が特徴だね。
「力強い歌って事だね!」
これは蘭のバトルスタイルにも出ていて、弓剣夕焼で斬りつけるやり方が特徴だね。
「前々から思ってたけどさ、弓剣って何?」
弦を引けば矢の形の弾を出せるけれど、弓の弓幹の部分が刃になっていて近接も出来る武器の事だよ。
といっても、遠距離戦も悪くないけどね。
「でも、ミタケニャンだったらもう一つ言う事があるよね?」
うん、蘭がサザンカバレットを使うと、強化出来るんだ。
性能の向上以外に、植物を操り、腕に纏わりついたツタを鞭の様に振って立ちまわる事も出来るんだ。
「んじゃあ、次はバンドメンバーの事!」
巴は周りを束ねる、強い統制力の持ち主だね。ひまりもメンバーの誇る可愛いリーダー、実は一番タフなつぐみ。
皆、蘭の頼れる仲間達だが、その中でも頭一つ抜けている存在がいる。
「それって……」
ああ、モカだね。
「いや、言ってない」
事故で記憶喪失になってしまったが蘭を切っ掛けに無事に戻った時は本当に安心したよ。
「あったねー……」
俺はこの事で記憶喪失って言うのは、失うのではなく、封印されてしまうのではないのかと思ったんだ。
「封印?」
強い想いって言うのはどれだけ消しても、抜き取っても湧いて出てくるそしてそれが力になる。
サザンカバレットは、モカの思い出から生まれた事が確固たる証拠なんだ。
「あれそういうメカニズムだったの⁉」
バラネコも似た体験をしたんじゃないか?
「ユッキーナの事でしょ? ばっちり憶えてる!」
出来れば、周りの事も憶えてて欲しいんだけどね。
さて、俺の話はこれで終わり。
次はだれが言うんだい?
「続いてはパステルパレットです」
「よろしくお願いいたします」
「彩ちゃん、怪我はもう大丈夫なの?」
「はい、入院中もメンバーの皆や、学校の後輩もお見舞いに来てくれて、もうその度に泣いちゃって……」
彩は林谷の質問に感慨深そうに語り、それに頷き千聖に話を振る。
「お見舞いに何か持ってったりは……」
「そうですね……新曲の歌詞や果物、彩ちゃんは何を渡しても話しても喜んでくれて」
「ジブンも休みの合間を縫って行きましたね」
「今日学校であった事を話すだけでも、彩ちゃんとっても喜んでいたから、いくつか嘘の話を混ぜてみたんだー」
「え⁉ そうなの⁉」
「噓だよー!」
「ワタシは、毎日行きました!」
「彩ちゃん、本当に愛されてるね」
「はい……ズズ……こうやって声に出されるともう……」
「もう、彩ちゃんまた感極まってるー!」
鼻をすする彩に日菜が嬉し気に言う。
「それでは、スタンバイお願いします」
「はい!」
「ふぁい!」
「次は……私?」
「そうそう、よし始めるよ」
彩は……可愛い。おしまい。
「え⁉ もっと無いの⁉」
あるけど……喋るのメンドクサイ……。
「いやいや、それじゃ企画倒れなるから。もっと丁寧に! ね⁉ ね⁉」
むぅ……分かった。
彩は……コンパクトとクローバーバレットで変身出来るの……。
あんまり強くないけれど……みんなの手助けをするのが得意だよ……。
彩は……香澄や蘭みたいに力は無いけれど……とっても強い……。
「それじゃあアヤヤの事。どう思う?」
弱くて、失敗ばかりで、グダグダだけど、私のパートナー……。
だから彩が……刺された時……心が何だが、抜けたの……。
「そういえば、アイツどうなったの?」
「無論捕まった、少なくとも、懲役20年は確実だそうだ」
そうなんだ……良かった……。
もういい?
「うーん、少ないような気がするけど、まぁいいでしょう!」
ふぅ……。
「続いてはハローハッピーワールド! です」
「今度はボクの番かぁ」
あー……こころには迷惑してるかな? ライブにも参加させられた事もあるし。
「その割には、何か嬉しそうじゃない?」
気のせい気のせい、思考も行動も飛んでるし、他の二人も大概だから美咲は本当に凄いなぁ。
「飛んでるって例えば?」
息を吐くように、豪邸やヘリを用意するわ、三階から飛び降りても無傷だし、変身ポーズや名乗りを考案したのだってこころだし。
「最後のは別にいいでしょ」
こころの変身ポーズも変わってるし。
「あの陽気なサンバのリズムに合わせて踊りながら、ハッピー砲を撃って変身だっけ?」
うんしかも、相手の攻撃を軽々とかわしているんだから、すごい通り越して可笑しくない?
「踊りながら避けているという事だな。確かに彼女の身体能力には目を見張るものがあるからな」
こころの戦い方は、踊りながら戦うスタイリッシュスタイル。ブレイクダンスを踊ったり、飛んできた攻撃を全て正確に撃ち落としたりして、出鱈目に見えているんだけど本当は丁寧に立ち回ってるんだ。
「そういえばこころんってパワーアップとかないよね」
いいよいいよ、無くても十分やれてるから。
「さっきの部分といい、なんだかんだ言ってもプチミッシェルもこころんの事が好きなんだね」
だから違うって……ボクの話はおしまい。次は?
「続いてはモルフォニカです」
「ようやくオレの番だな!」
「おっ、やる気だねー!」
「当たり前だろ! 相棒の魅力を知らしめてやるぜ!」
相棒は……とにかく硬い!
「硬い? 盾持ってるから?」
持ってるのはそうだが、純粋に防御力が高い!
生半可な攻撃じゃ擦り傷一つつかないぜ!
「ましろんってどんな性格なの?」
相棒は……とにかく後ろに走る!
「それダメじゃん!」
いや、最近は前を向くようになってきている!
「まぁ……それは言えなくともないけど」
これはとても良い傾向だ! まさに主人公!
「音撃戦隊の主人公は香澄だぞ」
「ポップ何言ってるの?」
とにかく、相棒は年少という事もあってか可能性の塊だ! これからもしっかり見ていてくれような!
「続いてはレイズアスイレンです」
「僕の番みたいだね」
「ねぇ! ロゼリアはまだ⁉」
「まぁ、じっくり待て」
生憎、僕はRASに対して深い感情を抱いていない。
だが、人の心という物に興味を作る切っ掛けを用意してくれたことは感謝している。
まぁそれはさておき、まずはレイヤの戦い方を紹介しようか。
彼女はギターアックスを豪快に振り回して、敵を粉砕していく容赦のなさが特徴だね。
僕も蝶の彼と同様、これからに期待って所かな?
「続いてはロゼリアで」
「よろしくお願いいたします」
「き……」
「バラネコ? 一体どうし……」
「私のターンキタ──────ー!」
「何だ⁉ 気でも触れたか⁉」
「ポップ、質問担当よろしく! 恋のユッキーナ伝説披露の時がキタ──!」
じゃあまずどこから聞きたい⁉ 私としては一番人気の5章をお勧めするけど。
「結構、要点だけ話せ」