この日、一人のあどけない顔をした少年が周りの様子を見る様に道を進んでいた。
「音撃戦隊ってどんな人達なんだろう?」
そんな事を呟きながら。
年も明け冬休みが終わった羽丘では普段通り授業が進んでおり、二年の教室では蘭達は黒板に向かう教員の言葉を聞いていた。
「……! ……!」
だが教室の外、少なくとも屋内のどこからか、誰かの怒号が微かに聞こえ何人かの生徒の耳に入る。
「……何か聞こえない?」
「……確かに、結構離れてるっぽいけど」
蘭の隣に座るつぐみが小声で耳打ちをしてきてそれに応えると徐々に怒号が大きくなっていき、それに比例して教室内のざわめきも大きくなっていく。
「皆さん、騒がないで! 落ち着いて私の指示に従って下さい!」
教員も騒ぐ生徒に必死に対応していたその時、校内放送が流れだす。
『校舎内に不審者が現れました。生徒の皆さんは、教員の指示に従って行動してください』
異常事態に一層騒ぎが広がりだしたその時、問題の不審者が蘭の教室に現れる。
教室のドアが開かれるとそこには一体のエクスードが立っていた。
「よお」
「きゃああああああああああ!」
「うわああああああ!」
怪人の侵入に教室内はパニックを起こして、生徒達は教員と一斉に教室の隅に逃げ込む。
「何であいつがここにいるんだ⁉」
「もしかして直接やるつもりで……⁉」
「いや、だったら最初からそうすればいいはず……」
蘭達も逃げ込んだ生徒も一人に混じって動揺する。
「話をしたい奴がいる」
「話?」
ライトの言葉に蘭が疑問を持っていると教員が割って入る。
「貴方に、うちの生徒は指一本触れさせません!」
「事態が事態なんだ。本当にここであってるのか?」
「だ、誰と話しているんですか?」
「私よ」
「湊さん⁉」
ライトの後ろから友希那が顔を出す。
蘭も何かを察し、歩み寄ろうした時、つぐみが腕を掴む。
「蘭ちゃん! 罠かもしれないよ!」
その声がかき消される程にざわめく教室で蘭は小さく答える。
「いや、これ以上あたしがいたら確実に騒ぎが大きくなる。ひまり」
「え?」
かけていた眼鏡を外し、隣にいたひまりに渡すとライトの方へ向かって行く。
「蘭⁉」
「おい蘭! 行くな!」
「美竹さん!」
「さ、攫われる!」
「美竹さんが洗脳されたー!」
クラスメイトや教員が勘違いし、巴達の制止をも無視して蘭はライトの所に向かうと、三人はそのまま人気の無い場所に向かうのだった。
「エクスードを探して欲しい?」
屋上に連れてこられた二人が聞かされたのは、捜索の依頼だった。
「ああ、今朝俺達の長、クラム様が突然姿を消したんだ」
「で、その捜索を私達にして欲しいと? 頼む相手を間違えているんじゃないかしら?」
「もし、あたしらがそいつを倒したら、どうするつもり?」
「なに、そこの心配はいらない。今のお前らじゃクラム様には勝てないからな。……あのピンクでさえもな」
「コイツ……!」
暗に弱いと言われた蘭はムッとし、友希那が次の質問をする。
「随分評価してるわね。そのリーダー格はどれほどなの?」
「ああ、俺の越えるべき最大の壁だからな」
「壁?」
「さしずめ、忠誠を誓う主でもあり、俺が最強になる為に立ちはだかるライバルってところか」
「アンタ、今日は妙にベラベラと喋るね。何を企んでる?」
最後に蘭が質問すると、ライトは楽しげに言う。
「いーや、今は何も企んでいないぜ」
「今は……か」
「ああ、お前らの事は初めて会った時から気に入ってるからな。特にピンク、アイツに勝てれば俺は更に進歩する事が出来る。その時が来たら宣戦布告させてもらうぜ」
「要件は伝わったわ。消えなさい」
友希那はライトを突き放すがライトの楽し気な態度は変わらない。
「いや、折角の機会なんだ。どうせならここで身の上話でも……」
しかし、その会話を遮る様にパトカーのサイレンが聞こえだす。
「蘭ちゃん!」
「友希那さん!」
さらに屋上に、リサ、あこ、アフターグロウの四人が乱入してくる。
それぞれ、バットや包丁、デッキブラシで武装して付け焼刃でも戦うつもりだ。
「……それも出来ないみたいだな」
ライトはやれやれと首を振りながら柵に近づいていく。
「それじゃあな音撃戦隊。次に会う時はもっと強くなっていてくれよ?」
それだけ言ってライトは屋上から飛び降りた。
二人もライトのいた場所に向かい、降りた先を見るがそこには誰もいなかった。
「友希那! 無事⁉ 何かされてない⁉」
「平気よ」
「蘭~、あたし達に秘密で何を話してたの~?」
「別に、あいつからふざけた頼みごとをされただけ」
『生徒会からのお知らせです。戸山香澄さん、弦巻こころさん、丸山彩さん。至急、生徒会室にまで来て下さい』
「何だ?」
「香澄の事呼んでいるみたいだけど?」
昼休みの花咲川で、いつも通り中庭で昼食を摂っていたポピパの五人。
香澄の名指しに、呼ばれた本人も驚いていた。
「生徒会の事だし、有咲何か知らない?」
「何も聞いてねーな。だとしても、わざわざ呼び出すか?」
沙綾も有咲も今までにない放送に疑問を抱くが、香澄は立ち上がる。
「とりあえず行ってみる。何で呼び出されたか分かるかもしれないし」
「香澄、もしかしたら罠かもしれないから気を付けて」
たえが香澄に忠告をし、有咲を見つめ始めた。
「罠?」
「うん、生徒会の陰謀かも」
「おい、何で私を見るんだ」
言われた通り生徒会室の前にまで着いた三人はドアを開いて生徒会室に入る。
「失礼しまーす」
「よ、ようこ、ようこそ……お忙……お忙しいところ……きょ、恐縮です……」
生徒会室のパイプ椅子に座る燐子がしどろもどろに話しており、彩がその姿に疑問を持つ。
「燐子ちゃん、どうしたの? いつもよりおどおどしているみたいだけど……」
「分かった! お腹が空いてるのね!」
「きょ、今日はおっさん……お三方に会いたい方が……います……」
彩とこころの言葉を無視して続ける。
「会いたい人それって誰……」
香澄が言いかけたその時、棚の裏手からエクスードが歩いて現れ、三人はその姿を見て叫んだ。
「エクスード⁉」
「どうしてここに⁉」
「シーじゃない!」
青い龍のエクスード、幹部クラスのシーの登場で三人はDバレットを構えて警戒をし始める。
「皆様、お久しぶりです。お嬢さん、手荒な形をとってしまって申し訳ございませんでした」
「え……あの……」
「後は私達だけで話をしたいので席を外してもらうと助かるのですが……それと、この事は内密に……お互い大事にはしたくないでしょう?」
「は、はい……」
しかし、シーは巻き込んでしまった燐子に謝罪と警告をすると、燐子は逃げる様に生徒会室から出て行くのだった。
「学校を好きな様にはさせないよ!」
香澄は叫ぶが、シーには戦う意思が全く見えてこない。
「いえ、本日は皆さまにご依頼があってこちらに来たのです」
「依頼?」
「はい、我が主であるクラム様を見つけてもらいたいのです」
「主……まさか、貴方の上司⁉」
少し考えた彩が驚きの声を出す。
「はい、お恥ずかしながらクラム様が外に勝手に出てしまわれましてね……あの方を狙う者は、我々の内部にもおりまして……」
「それで、見つけて守って欲しいって事?」
「はい」
香澄は少し考えて断ろうとしたその時
「いいわよ! あたし達に任せて頂戴!」
「こころちゃん⁉ あの……!」
こころの快諾に彩は驚愕し、断りを入れようとしたがシーがそれを遮る。
「ありがとうございます。保護してくだされば、私達で迎えに行きますので、それまでは面倒を見て下されば幸いです」
「だから……」
「それでは私はこれで」
「あの!」
去ろうとするシーに香澄が叫ぶ。
「どうして、私達にそれを教えてくれたの⁉」
「……貴女方は我々が最も苦戦している相手、そして同時に信頼できる相手だからです」
「どういう……!」
シーは一礼すると、液状化して跡形も無く消えた。
「こ、こころちゃん! いくら何でもこんな事引き受けちゃうなんて……!」
「そうかしら? シーはクラムの事がとっても大好きだから、あたし達と力を合わせてクラムを守りたいのよ!」
「だけど……!」
彩とこころが言い争っている最中、香澄の携帯に電話が入る。
「もしもし」
『私よ。湊よ』
「友希那先輩?」
『今日の午前中、幹部クラスのライトが羽丘に来たわ』
「え⁉ 私達もさっきシーと話をした所です!」
『だったら話が早いわね。放課後、和奏さん達を連れてそっちに行くわ』
「クラムを見つけるんですね! 分かりました!」
その後は何事もなかったかのように時間は流れ放課後、香澄達は言われた通りに花咲川の校門前で四人が来るのを待っていた。
「けれど、ライトって何を考えているんだろう?」
ポピパの面々も合わせて
「分からない、けれどクラムは命を狙われているって言ってたし、もし死んじゃったりしたら、私達もただじゃすまないかもしれないし」
「そんなの相手の出まかせかもしれないだろ」
「それでも私は気になるって言うか……」
「待たせたわね」
そこへ友希那が三人を連れてやって来る。
「友希那先輩!」
「まずは、人気の無い場所からの捜索ね。それぞれ……」
友希那が考案しているとポップが香澄の肩に現れる。
「人員配分をしている暇はなさそうだな。エクスードだ」
「場所は⁉」
「この距離だと駅前だな」
「みんな行こう!」
香澄の号令に六人が頷き、現場へ走り出す。
「オラオラー!」
「わわわ!」
イノシシのエクスードが近くにある椅子に手をかざすと宙に浮きあがり、あどけない顔の少年に向かって飛んでいく。
少年が焦っている声を出すが、それとは裏腹に余裕そうにかわしていく。
「誰かが襲われている!」
「そこまでだよ!」
指を突き刺す香澄を見つけると標準を変える。
「音撃戦隊! でも、今はお呼びじゃない!」
そう怒鳴り、突進をしてき香澄とレイヤが転がって避け、五人が後ろに下がる。
イノシシが背中を晒した所を二人が蹴りを入れ、距離を置くとDバレットを取り出した。
『スター!』
『スダレ!』
「早く逃げて!」
少年の元に向かった彩は、彼に逃げる様に促し走り去っていたのを確認するとDバレットを出す。
『クローバー!』
『サンセット!』
『ローズ!』
『スマイル!』
『バタフライ!』
「音撃チェンジ!」
「Raise Your Hands!」
香澄の台詞と同時に七人は一斉にその姿を変える。
「おおー!」
だが少年は逃げておらず、物陰から七人の正体を見つめていた。
「オラオラー! 猪突猛進!」
イノシシはまたしても突進で攻撃するが、全員がそれを軽々とかわす。
「だったらコイツでどうだ!」
イノシシは近くにいたレイヤに手をかざす。
「がっはぁ⁉」
その瞬間、レイヤは顔を歪ませて地面に両膝両肘をつく。
「レイさん!」
「どうしたの⁉」
彩はレイヤを起こそうと彼女に近づいたその時
「わ゛ああああ⁉」
「丸山さん⁉」
「か、体が……潰される~!」
「ああ、俺は今Dバレットを持っている!」
イノシシはそう得意げに地面の絵が描かれたDバレットを掲げる。
『グラビティ!』
「だったらそれを貰うわ!」
こころが走って近づきジャンプ、エクスードの手からDバレットをかすめ取った。
それと同時に、二人に掛かっていた重力も消えた。
「おい、返せ!」
「させるか!」
Dバレットを手に入れたこころを捕まえようと、真っ直ぐに走り出すが、側面から蘭の攻撃。
「はぁ!」
「せいっ!」
「うらっ!」
それに続いて、香澄、友希那の斬撃、レイヤが香澄を踏み台に高く跳び縦に切り裂く。
「ぐわあああ! ……くそっ、こうなったら……」
腰を落とし、構えを取った所で七人は警戒をするが
「逃げる!」
イノシシは目にも止まらぬ速さで戦線から退いていった。
「逃がすか!」
『スピード!』
「すごいすごーい!」
レイヤが追いかけようとDバレットを出したその時、少年が割って入る。
「音撃戦隊って本当に強いんだね!」
「き、君逃げてなかったの⁉」
「みんないろんな物を持ってるんだなぁ」
彩の台詞を無視して音撃戦隊に興味津々な少年は一方的に話し続ける。
「これって銃だよね! 金色でカッコいいなぁ」
「これはハッピー砲って言って、これを使ってエクスードと戦うの!」
「この剣は何て言うの⁉」
「子供の玩具じゃないのよ。触らないで頂戴」
「あ! ギターアックス!」
「君、これを知ってるの⁉」
「コナモが作ったんだって! 持ち主が裏切ったってコナモが怒ってたよ」
一行の知りえない情報に香澄は予感しつつ問う。
「もしかして……君って?」
「名前をいいなさい」
香澄と友希那に聞かれ笑顔で答えた。
「僕はクラムだよ」
「!」
あっけからんと自己紹介したクラムに対して音撃戦隊の面々は一斉に警戒し始める。
「みんな、一旦集まって」
香澄の号令に七人は輪を作って会議を始めた。
「あれがクラム? もっと怖そうだと思ってたんだけど……」
「どう見ても小さな男の子にしか見えませんよね……」
「もしかして子供のイタズラ? ……じゃないよね」
「ええ。私達の事情も知っている所を見ると本人だとしか言えないわ」
「香澄あのさ、あたしと湊さんはライトに会ったって聞いた?」
「うん」
「アイツその時、香澄でも勝てないって言ってて、あたしには到底そうには見えないんだけど」
「そうかしら? クラムは純粋で素直だからとっても強いに決まってるわ!」
「純粋ゆえに残酷……って事?」
「レイさん、それってどういう事?」
「何て言うかあの子、悪意や善意とかじゃなくて、何も知らないから笑っていられるんだと私は思うんだ」
「みんな、何を話しているの?」
会議をしていたが、ハブられていたクラムが声を掛けた。
「も、もうちょっと待っててね!」
香澄が顔を向けて一言言うと、再び輪に顔を向ける。
「香澄ちゃんどうするの?」
「やっぱり幹部の二人に伝えるべき、じゃないですか?」
「ええ、シーと約束したんですもの!」
「それじゃ、私が伝えてきますね!」
「戸山さん」
「何ですか?」
「相手の内面が見えない以上、変身を解かない方が良いわ」
「分かりました」
友希那から忠告を受け、香澄は輪から抜けクラムの前にしゃがんで語り掛ける。
「クラム……君?」
「何?」
「実は、ライトとシーから君を探して欲しいって約束をしててね。これから見つけたって伝えようと思うんだけど……」
「え⁉ やだやだやだやだ!」
香澄の言葉に駄々をこね出し仰向けに転がると、四肢をジタバタと暴れ出した。
「僕はみんなと遊びたい!」
「……貴方ね。そんなわがままを言わないで頂戴。私達もね……」
クラムの反応に友希那が苛立ち混じりに問い詰めようとし出した瞬間。
「きゃああああああ!」
「友希那さん⁉」
突如、友希那の下半身が地面に埋まった。
「うわっ⁉」
「ぶぇぇ⁉」
更にそれを皮切りに香澄以外の面子も地面に埋まりだして、悲鳴を上げる。
「分かった! 分かった! 一緒に遊ぼう!」
「……本当?」
「本当本当!」
「やったぁ!」
クラムの歓声を出すと埋まってしまった六人も何とか這い出る事が出来たが、蘭が香澄に聞く。
「香澄……本気?」
「だって、クラム君。遊んでもらいたさそうだったから」
「そうね。どちらにせよ、逆らえば穴埋めされかねないわ」
「確かに、ライトの言葉にも納得出来たしね」
否定的な蘭、友希那、レイヤに対してこころは友好的だ。
「ねぇクラム! どこか行きたい場所は無いかしら⁉」
「う~ん、そうだなぁ……」
「……」
彩は真剣な眼差しで視線の先を見つめる。
何も言わずに小走りし、両手にした鉄球を弧を描いて頭上に振り上げ、振り子の要領で振り下ろす。
鉄球は、スピードを出しながらピン目掛けて転がっていき、跳ね飛ばした。
パコーン!
『スペア!』
「やった!」
「彩、スペアよ! すごいわ!」
クラムのワガママに付き添いボーリング場に来ていた音撃戦隊は、その環境に対して各々の反応をしていた、
「イェイ!」
「イェーイ!」
「イ……イェーイ」
彩とハイタッチをする香澄とましろ。その流れのまま、クラムにも手の平を向ける。
「……何?」
「これはハイタッチ。嬉しさを分かち合う時にするんだよ」
「こうやるんだよ」
ハイタッチを知らないクラムは首を傾げるが、彩と香澄がレクチャーをした。
楽し気な四人と打って変わって、クラムの姿を睨むのは離れた位置に座る蘭、友希那の二人。
「……今の所は何も起きないわね」
「ですね。どこで牙をむく……?」
そこへ、レイヤが人数分のオロナミンCを手にして近づいてくる。
「二人共、何かあった?」
「いいえ」
レイヤは席に着き、オロナミンCを二人に手渡ししながら喋り始める。
「それにしても、最初に言いだしたのがこの世界で遊びたいだなんて予想外でしたね」
「そうね。幹部二人とあの力を見せつけられた手前、乗ったもののいつ襲ってくるか分からないわ」
「ええ、けれど……」
レイヤは子供の様にはしゃぐクラムの姿を見る。
「本当に人間に見えますね。あれが人類を襲う怪物のトップとは思えません」
「それは……分からなくもないけど」
蘭もレイヤの感想に同意。
「レイヤ!」
その時、クラムが用があるのか寄って来た。
「次はどっちがやる? ボク? レイヤ?」
「うーん、それじゃ私からやっていいかな?」
さっきまでの難しい顔とは打って変わって、穏やかな顔で頼む。
「いいよ! それじゃこっちに座って!」
クラムはレイヤの手を掴むと彼女を連れていってしまった。
レイヤはクラムに言われるがままにボールを手にして、思い切り投げた。
パコーン!
『ストライク!』
今度はストライクを決めて、レイヤも空気を合わせるために一緒になってハイタッチをして、友希那らはその光景を見つめるだけ。
「……やるわね」
「次は二人の番ですよ!」
「分かった」
香澄に言われ、友希那が立ち上がる。
「先陣は私が切らせてもらうわ」
「湊さん出来るんですか?」
「舐めないで頂戴」
友希那は一番軽いボールを手にすると、鋭い眼つきでピンを捉える。
「ハッ!」
しなる体、ボールを投げ終え右手指は天井を指し、美しいフォルムをする友希那の放ったボールはガーターへと吸い込まれていった。
『かすみ☆こころ274点 あやまし127点 レイヤ&クラム198点 蘭友希那 92点』
試合を終えて目的地も無く、それぞれ結果が書かれた紙を片手に道を行く八人。
「こころん凄かったね! 全部ストライクを出しちゃったんだもん!」
「