申し訳ございません。
「前回のあらすじ。私こと藤丸立香は、アラタやトリニティセブンの皆さんと共に、セリナの姉であるリーゼに立ち向かうが。」
「俺の魔力を利用した攻撃にリツカ、ニンジャ、ミラ以外の全員がスッポンポンに」
「さぁ、第13話はどうなるんだこれは?」
あらすじ完
「ミラさん。アキオさんの代わりに今回は自分が行くッスよ。」
「ここは協力しないと…ね」
「彼女の魔力をスキャニングします。その間に時間稼ぎを!」
立香、ミラ、ニンジャことレヴィの三人は結束してリーゼの捕獲を目指す。
「へえ…楽しそうね」と余裕たっぷりなリーゼに対して、立香とニンジャは素早い攻撃を繰り出す。
白と黒の刃を持つ夫婦剣とクナイがリーゼを切りつけたが。
また瞬間移動をされてしまった。
「やれやれ。相変わらずなんつースピードよ。そちらの魔王候補くん、貴女のスピードに付いてこれるなんて。中々やるじゃない♪」
「それはどうも。」
と立香が無愛想に返事をした。
すると、レヴィの制服の左袖が破れる音が聞こえた。
「この体を傷つけられるリーゼさんも十分強いッスよ。」
「うーん『束縛』までは出来なかったみたいね。セリナの魔術もまだまだね。」
リーゼは皆のほうを向くが、ミラが最後の砦であるかのように立ち塞がっていた。
「三人の目を盗んであの子らの魔力をいただくっていうのも、出来そうにはないわね。」
強いだけではなく、状況分析も侮れないことを立香は知った。
「………」しかし、彼は慌てずに待つ。リーゼが油断するその瞬間を。
「解析〈アナライズ〉。」
その声が聞こえたとき、リーゼはまたワープしていた。それも私とニンジャの後ろにだ。
「今のニンジャは左側がヤバいでしょ?」
「いやらしく、弱点を読むところは変わらないッスね…!!」
すると、ニンジャは高くジャンプをして、リーゼとの距離をとった。
そして、彼女の数秘術の帯を切り落としたのだ。
「…ニンジャってホント凄いわね。自分の体をあっさり捨てて逃げられるんだもの。」
とニンジャの強さに呆れた悪の女魔道師がぼやく。
「…自分の妹と世界を捨てるのは真似出来ないッスけどね。」
「でも、あたしに勝てないでしょ?」
「無理ッスねー。今のリーゼさん目茶苦茶強いッス。でも、今は一人で相手にしてないってこと。忘れてないッスかね?」
「え?」
悪の魔道士は気付いた。一人足りないことに。その一人は何処に行ったのか。
キョロキョロと探していると。背中に手を置かれた。
「アンタの敗けだ。リーゼロッテシャルロック。」
「しまっー」
彼女は逃げようとしたが、無駄だ。
リーゼの足元には束縛用の魔法陣が置かれており、その背中には解析〈スキャン〉魔術を
施されていた。
「そのまま私たちにパスしなさい!」
「作戦通りだな、マスター!」
ミラにリーゼの魔術の解析結果を送り、魔王刻印を消すデータを幼女の体へ変身したアークミネルバへと送る作戦だ。
「名付けて『メイガス作戦第一号』だ!」
「俺のマスターのネーミングセンスは放っておいて。魔王刻印を剥がしていただくぜぇ!」
アークミネルバは、その口とは違って細かい作業を淡々とこなした。
「どうにかして魔王刻印を消したぞ。」
「リツカさんのお陰で読み取り完了。怠惰〈アケディア〉の書庫から停滞〈スタグナ〉のテーマを抽出」
「やっと名前で読んでくれたか。さぁて、おまけにアラタとセリナの魔力も返して貰うかな。」
立香はリーゼに奪われた二人の魔力を吸収しようとしたが!
「!!!」
彼は自分が覗かれている感覚を感じて逃げようとしたが、逃げることが出来ないことに違和感を感じたのだ!
「弱点解析完了♪では、プレゼントの時間よ。リツカ君。」
そう、リーゼは罠を張っていたのだ。初めから藤丸の移動先を計算し、彼を暴走させるための罠を仕込んでいたのだ!
大量の魔力を藤丸は浴びた。普通ならば吸収だけで済むのだが。
「あぁぁぁぁぁ!」
彼は声を荒くして狼のように吠え、目の色が赤くなり瞳孔が細く尖ったような形状に変身したのだ。
「!!」
「世話焼けるな!ったくよ!!」
皆は驚いているなかで、アークミネルバはそんな彼の元に走る。
その体から白銀の鎖を伸ばすと、竜化した藤丸にそれを巻き付け、その行動を抑えようとしたのだ。
「こいつは、どうにかするから!やれ、ミラ!」
「えぇ!リーゼ!その満身…正義〈ユースティティア〉の担い手たる私に見せたこと。後悔しなさい!白き時冬の世界〈ホワイトユニバース〉!!」
ミラから白い衝撃波が放たれた。もちろん、それは。魔王などの不浄な魔力を纏った者殺しの物だ。
「うわっ!やっぱこれっ…ヤバー」
光とともに、凄まじい突風が起きた。
それはミラを中心とした地面が、半径数メートルにドーナツ状になるほどだ。
「アークミネルバ!そっちは?」
「まだだ。コイツ、鎖を引きちぎろうとして。言うこと聞かねぇんだ!」
アークミネルバは焦った。彼女の想像以上に、暴走した立香の力は強大だったからだ。
「リーゼに関しては『やったか』とかここで言うべきッスか?」
レヴィがミラに聞いた。
すると、ミラの後ろから黒い手が。
「あぁ、リーゼのことに関しては。倒せてないのは、明白ですから。」
ミラは、水晶を黒い手にぶつけて難を逃れた。
「いったぁ!?二人の魔王候補クンの魔力を奪ってなかったら、危なかったーっ。」
「全く…忌々しいのは彼らですね…」
「魔力が暴走しているときに少し奪われていたか!」
アークミネルバはリーゼの力の強大さを知った。
その時。竜化立香は鎖を引きちぎってしまった!
「クソッ!」
すると、立香は魔力を求めるかのように息を殺した。
そしてこの中でも一番魔力の質が高く、量が多い者をターゲットに。
「え…?」
そう、悪の魔道士へと堕ちた彼女だ。
立香は無言で、その女の元へ猛スピードで駆け寄った。
それも、敵のワープをも阻止出来るほどのスピードだ。
あっと言う間にリーゼの首を絞めると、その首を掴んだ手から魔力を吸い始めたのだ。
「うっ…!!アァァァ!」
「ウォォォォ!!」
敵が持つ、自身の魔力だけを吸った彼はさらに凶暴性が増したのか。
次は永久図書館の天井を見上げる。すると、彼はこう呟いた。
「コワス…コワシテやるコワシテやるコワシテやるコワシテやるコワシテやるコワシテやる。」
その手には青白い炎の玉が現れていた。そして、それを貯めるかのように両手でその玉を持って、じっと動かなくなった。
その様子を視て、アラタは焦りだした。
「何がなんだか分からねーが。おっかねーことになってるなぁ、おい。」
「レヴィさん、ミラさんにアークさん!彼を止めてください!」
魔力とは、この世界においては。それぞれの「存在するための力」そのものなのである。
そもそも、魔道士は世界の法から逸脱したことを行っている。この世で「存在するための力」が無いと、死を迎えるか消えるか。さらには暴走の危険性もあり得るのだ。
今の藤丸立香は「力」が不安定になったがために、暴走しているのだ。
さらに、永久図書館を壊すのに不安定な力を使えば、自分だけではなく回りも破壊する危険性がある。
「しっかりしろってんだよぉ!」
アークミネルバが焦るのも無理も無かった。
「ミラは解析を頼むッスよ!」
「えぇ!」
「…!」
ドラゴン立香は、三人の気配を感じて溜めていた魔力の塊を消した。何よりも先に邪魔者を排除しようとするその様はまさに、『魔王』としての魔性を秘めていると言えよう。
暴走した彼はニンジャのスピードに追い付くことが出来るのか、彼女が斬り付ける瞬間に身をかわしたのだ。
「!!!」
「ニンジャのスピードに追い付いただと!?」
さらに、ニンジャの腕を掴んだ。
「これはヤバいッスねぇ!」
ニンジャの足元には黒い魔法陣が敷かれていた。そして、その背後には大きなドラゴンの顔が現れて彼女を喰らおうとしていたのだ。
「やめてくれ…やめろぉぉぉぉ!」
「レヴィさぁぁん!!」
「ニンジャぁ!!」
皆が叫ぶなかで、立香がニンジャにトドメを誘うとしたその時。
「…!!」
「駄目じゃない?目の前に集中し過ぎちゃ。」
彼は、リーゼに隙を突かれてしまったのだ。
そして、魔力を吸収された。
「今しか無ぇ!!オウルチェーン!!!」
アークミネルバは黄金色をした梟が彫られた鎖を使って、暴走した立香を抑えることを試みる。
「あぁ!もう少し吸収したかったのに!」
「ワガママもいい加減にしろってんだ!」
金髪の魔道書少女は、悪の魔道士の文句にツッコミを入れつつ、立香の暴走を食い止めることに成功した。
「うぅっ。俺ってば何を?」
やっと目覚めた立香は暴走したことを殆ど覚えていないみたいだ。
「ったく。俺たちが命懸けでお前を止めたってのによぉ。」
「皆…ごめん。」
「まあ。ヒヤヒヤしたッスけど、結果オーライじゃないッスか?」
「全く、忌々しい。貴方は下がっていなさい。」
この時ばかりは、立香もミラの意見に賛同するしか無かった。
魔力はアークミネルバが、リーゼによる魔力吸収を妨げたのでまだ残っているが。
また暴走する危険性もあるので、不本意ながらも撤退するしかなかった。
「アークさん。セリナはどうなったんだ?」
「あぁ。刻印はどうにか抑えたのだが、それも応急措置程度だ。まだ魔力は不安定そのものだ。」
すると、アスティルの写本も答えた。
「あぁ、アレは私もトンズラを提案するしか無ぇな。」
立香は黙りこみ、アラタは驚いた。
「そんなにやべーのか!?」
「取り込んだお前らの力がヤバいからな。」
立香の顔は歪んだ。
すると、彼は膝を地面に着いて頭を下げながら言った。
「すまない、俺が暴走したばかりに!」
それに答えるように
「それに関しては幸い怪我人もいねぇし、気にすることはねぇよ。」
とアキオ。
「で、アスティル。どうやって、トンズラするつもりだ?」
とアークミネルバが渋々と、アスティルの写本に尋ねると。
「あら?魔王候補クン逃げちゃうの?じゃあ、従姉妹ちゃんはいいんだぁ?」
と言ったリーゼの意図は明らかにアラタに対する挑発だ。
「ー…無論いいわけはないが…今はセリナがまだまだピンチなんでな。逃げさせてもらう!」
「…ッ!簡単に逃がすと思う?」
リーゼの態度に立香とニンジャ、アキオは違和感を感じた。
今のはアラタの態度に怒ったのではない。だが、ほんの一瞬だけ。リーゼの魔力に変化があったのだ。
「…そういう時こそ。自分の出番ッスよ。」
ニンジャがそう言うと、彼女は素早くそして高くジャンプした。
「残念だけど、あたしには止まって見えるわよ!ニンジャ!!」
「そうッスか?」
「戦闘出来ない私が言うのもアレかもしれないが。」
「なんだよ、最後まで言おうぜ?」
「うん、リーゼは負けるな。原因はその力への傲慢だ!」
ニンジャはリーゼの瞬間移動について来られるスピードで動く。
いや、正確には違う。
確かにニンジャは素早く動いている。
しかし、リーゼは慣れない翼を生やしての戦闘を長く続けてしまったので、相手の攻撃への反射速度が低下しているのだ。
彼女はその焦りを突いて、リーゼの両翼を斬り落とした。
「まさか、さっきの異変で見抜かれていたとは……」
「弱点を突く戦法をレクチャーをしたのは私ですよ。リーゼ。」
罰が悪いかのような顔をしたリーゼに、説教するミラ。
「現在貴女の魔力は最高位ですが。それを使いこなせてないなら、それは三流魔道士と同じこと。」
リーゼは不服なような、敗北を受け入れるような複雑な表情を浮かべた。
「あははー…これは部が悪いわね。あたしの魔力が安定したらまた招待するわね。アデュー♥️」
リーゼが立香でもミラでも感知出来ないところへワープしたおかげなのか。
『永久図書館』は姿を消して、元の学園へと戻ることが出来た。
「あー、キッツ!」
「戻って…これたのか……?」
「……ま。今回は痛み分けってとこッスね。」
どうにか撤退出来たので、一安心したニンジャたち。
「……ですが次は。貴方たちの不浄な力を使いこなせるようになっているということですか……」
「あーえっと。その…スマンっ。」
アラタが顔を赤くしながら謝った。その不思議な光景を視てミラは首を傾げていると。
「セクシーな格好ありがとう…だな。」
「え?」
「え?なっ…なっななっ…」
このあと、アラタが睨まれるのはお約束そのものだった。
「アキオ…本当は嫌ですが。」
ミラはアキオと相談する。
「リーゼさんが次に襲ってくる前に。そこの不埒な魔王候補を、使えるようにさはますよ。」
「両方か?」
「えぇ。そのほうが良いでしょう。」
「なるほど…。つまり、特訓中の事故死に見せかけるってわけか」
何か物騒なことを言っていると、少し引くアラタ。
「認めたくありませんが。リーゼさんに対抗するには、貴方たちの力が必要です。奪われたはずの魔力もある程度は回復しているみたいですしね。」
ミラの提案に「了解」とだけ言って、立香は一人で何処かに消えた。
そして、暫くして一人の少女・マシュが見たのは。ボーダーのマイルームに残された3本の吸殻がある灰皿と。缶ビール一本だけであった。
次回のFate/Grand Orderは
「特訓するのは良いんだが…寄りによって体操着か。」
「認めたくはありませんが。リーゼさんに対抗するには、貴方がたの潜在能力を引き出す必要があります。」
「魔物!?まさか、崩壊現象!?」
リーゼ編の後は、アークミネルバの過去に焦点を置いた特別編をやる予定です。