「前回、リーゼを撃退したトリニティセブンたちであったが。」
「また出るようですねぇ。」
「あのな、ユイ。こういうときはちょっとシリアスにって。その本、マーリンのじゃないかよぉ!」
「あと、お兄さんとリツカさんは。特訓を得てパワーアップを果たして…おっと、そこから先は未来の出来事である。では第14話どうぞ。」
「「それ、俺たちの台詞ー!!」」
あらすじ完
「特訓するのは良いんだが…寄りによって体操着か。」
「まあ、リツカ。塔に登ったりダンジョンに潜ったりってことをする時間も無さそうだし…。」
藤丸立香と春日アラタが話していると。
「認めたくはありませんが。リーゼさんに対抗するには、貴方がたの潜在能力を引き出す必要があります。」
同じように体操服なミラがやってきたのだ。
「…で、修行の内容は?」
「勿論、二人にはそれぞれ別の修行をさせて貰います。」
ミラがこのように言うのには理由がある。
まず、藤丸立香と春日アラタは同じ魔王候補に値する魔道士だが特徴が異なることだ。
アラタは相手の魔術を複製するものである。一方で立香のは相手の魔術を吸収して無効化するものだ。
「それに加え。立香は魔力量は比較的控えめだが戦闘経験豊富。アラタは戦闘経験は浅めだが魔力量はピカ一ってわけか。」
「つまり、昨日私が暴走したのは…。」
「吸収できる魔力量のキャパシティーが超えてしまった。その弱点を突いたのでしょう。」
立香は昨日の出来事を思い出したのか。顔が険しくなった。
「ですからアラタにはこれからアキオと戦って頂き」
「私の魔術である『真言術』を掻っ払って貰うってわけだ!」
それを短時間で稼ぐ方法はあるのだろうか?と立香は考えたが、考えたところで仕方無いと割り切るしかなかった。
「なるほど…バトル用の魔術を掻っ払うことでバトル漫画になるわけだな。」
「そういうことだ!そうすりゃ私もガチでバトル出来るしなー!」
「って待て待て!!プロセスってのが分かってねーぞ?」
と慌てるアラタ。
「ええ。なので短時間でそれを貴方が見付けないと。死にます。」
そうミラが助言する瞬間に、アキオがアラタの近くの地面に皹出来るほどに踏んだ音が響いた。
「チッ。ではリツカはこちらに」
「あのさ…。アラタの修行、物騒過ぎじゃね?ってか、ミラお前。舌打ちしたよねぇ?ねぇ?」
とツッコミを入れる立香のことを無視するかのように、ミラが移動する。
「で、何するわけ?」
「貴方は大量の魔力を吸収させて貰います。もちろん、キャパシティーオーバーの物ですが」
ミラの質も量も高めな魔力の光線が立香を襲った。
立香は吸収を試みるが。
「アチチチ!ミラの魔力が不浄な物特攻なの忘れていたぜ。」
「これ程の物を熱いで済ますとは。」
「いや、これは打ち所が悪かったら消滅してるやつだよな?」
「えぇ。ですから。どうにかしてこれを何のダメージも無しで吸収してください。」
「『さもないと死ぬ』でしょ?皆まで言わなくても分かっているつもりさ。」
光線の量が増えた。それだけミラは本気だということだ。
そして、立香も死ぬ気でその光線を吸収することで、本気を示していた。
そうして修行をしていたが、ハプニング発生。
「おわぁぁ!?」
「あっ!やべっ…」
「では、次!行きます!」
「いや、ミラ!上を見ろ!!」
「え?」
アキオの蹴りの衝撃で、トランポリンで翔んだかのように跳ね上がったアラタが、ミラにぶつかったのだ。
「いつう…ん?」
ぶつかったが無事なアラタの手にソフトボールよりも柔らかい感触が広がった。
「決して大きいわけではないが。だからといって小さ過ぎるほどでもない、素晴らしい手のひらサイズは…」
その答えは…ミラの胸だ。
アラタは背筋が凍りついた。
そして、悪いことが起きるフラグは見事に回収されることが、ミラの目覚めによって確定してしまった。
「…え?」
「お。落ち着いて聞いてくれ!!きっと俺は数秒後。絶望的に血塗れになっているはずだ。だから今のうちに言っておく!!」
アキオと立香は半ば呆れた表情で彼を見る。
そして、彼は最期になるであろう台詞を口にした。
「大変気持ち良かったです。ありがとう。そしてごめんなさい。」
「いやあァァァ!!!」
「春日アラタ…良い奴だったよ…」
「そうだな(適当)」
「いや!勝手に殺すなァァァ!」
血塗れになりながら、勝手にボケる立香とアキオにツッコミを入れるアラタ。
「おっ。起きたかエロスケ」
「お前に吹き飛ばされた後の記憶はまるでない…。でもなんだろう。とても柔らかくて気持ちが良い物があったような。」
すると、ドスの効いた声と表情でミラがアラタを叱咤した。
「そのまま忘れなさい」
「ひぃぃ!?」
「思い出したら殺します。」
「私にはたっぷりと言ってくれてOK」
「駄目です。」
「すんません。」
落ち着いたところで。
「次は避けないで下さい。訓練になりません。」
「いやいや!避けなかったら死ぬだろあれ!!」
「それはそれで」
「それでじゃなーい!!」
「死にたくない気持ちは分かるが。相手はかーなーり厄介だ。私は如何なる理由だろうと、誰の死も見たくはない。…が、死線に立たないと人間って強くなれないんだよな。」
と立香が言うと、アキオは立香の背中を叩いて声を挙げた。
「この修行の意味を良く分かってるじゃねぇか!」
「まっ。こっちも色々見てきたからね。」
「そういうことならいいぜ…。こうなったらガンガンいったる!!」
修行は再開された。
一方で、ユイのバイオリンの音色が響く保健室では。
セリナを守ろうとするミラとアキオ以外のトリニティセブンがいた。
「ふぅ…。思ったより早く、セリナの魔力回復が終わったよ。」
「ありがとうございます。助かりました。」
「いいっていいって!お兄さんの為だもん!それに、早く終わったのもリツカさんの魔道書のお陰なんだもん!」
リリスとユイがアークミネルバのことについて話す。
セリナの命の恩人であるアークミネルバにはトリニティセブンの皆は感謝してはいるが、
その実態が明らかにされていないので気になるのも仕方無い。
藤丸立香に彼女の正体を聞いて見たことはあったが、彼も何も分かっていないのが引っ掛かっていた。
「…旦那様はアキオにボコボコにされているみたい。」
窓から二人の修行を観察していたアリンがぼやいた。
「ボコボコ…ですか」
「リリスセンセったら、お兄さんが心配なのん?w」
「いっ…いえ!これは別にそういうわけではー」
リリスの複雑な感情をユイは見逃してはなかった。
「それにしてもあの二人が旦那様とリツカを特訓するだなんて…」
「ねー?ちょっとびっくりだよね!?」
本来、グリモワールセキュリティーであるアキオとミラにとって藤丸立香と春日アラタは討ち取るべき敵なのだ。
そんな彼女らが彼らを強くするために、特訓メニューを編んで実行するのは、誰が見ても予想外なことだ。
「本当なら、リーゼさんの魔力が不完全な時に闘うのですが。こちらからあの図書館にアクセス出来ない。だからこそ、彼女らは特訓させたのでしょうね。」
とリリスが解説していると。
「リーゼさんの性格からして。そんな呑気にしている時間はないッスけどね。」
トリニティセブンのニンジャこと、レヴィが何処からともなく参上する。
「レヴィさん…もういいのですか?」
レヴィは包帯で覆われた左腕を見せながら、まだ動かないことを言った。
「…魔道士って自分の道徳や法とは程遠いものをテーマにするじゃないッスか。自分の場合はエクスペクト『期待』とか。」
「ユイの場合はアミキティア『友情』とかだねっ」
「リーゼのテーマはスタグナ『停滞』…つまりー」
「彼女の性格からして、ジッとしていない…」
と彼女たちが話していると。
校内が急に揺れだし、魔物が出現したのだ!
「魔物!?まさか、崩壊現象!?」
そして、リーゼが来た証拠と言わんばかりにガラスが割れた!
まるで、透明な生き物に喰われたかのように砕け散ったのだ!
「これは旦那様とリツカの特訓が終わるまで待つ。っていうのは難しいのね…」
いつになく、アリンの声が真剣そのものだった。
To Be Continued
次回のFate/Grand Orderは!
「ウワァァァ!」
「これはアレだねっ。再び学園のピンチ!!いやあ、興奮するね。こういう展開!!」
「こういうのはどう…?」
『おい、マスター。てめぇ右腕が。』
「では止めです!藤丸リツカ!!」
「ミラ!俺は!!アンタの測定の先に行く力を持っていることを!!忘れたか!!!?」
「この姿になるのは、聖に使われていた時以来だな。」