ここまで読んでくれた方々には感謝の言葉しか出てきません。
残りあと5話!
「前回のあらすじ。魔王候補・春日アラタの魔王形態=アストラルトリニティをソラと共に止めた、藤丸立香はイリアに敵対心を現す。しかし、アラタの計らいによって藤丸の敵対心は解け、しばらくはイリアの造り出した空間で休むことにした。」
「急に大真面目になったな、マスター。」
「しょうがないだろ?さっきから、誰かに見られてる気がしてならねぇんだ。てなわけで、22話スタートだ。」
あらすじ完
「すっかり、魔力がすっからかんだな。魔道書の魔力も感じねぇ。」
「やはり、魔王化というのはそれだけ危険なようですね。」
「魔王化…アラタが…ですか?」
藤丸が黙り込んでいると、ミラが話した。
「魔王『アストラルトリニティ』。本当に、危険な存在でした。」
「…ミラがそこまで言うなら、本当はさっさと殺しておいた方が良いんだろうな。と言っても、殺しはしないさ。私もコイツのこと気に入ってるしな。そんなことしたら、他の連中がうるせーだろうし!!」
アキオの台詞で、その場の緊張は少し和らいだ。
「で、今回の件。リベル学園を壊したのは、その新しい魔道書ってことでいいのかい?」
「『イーリアス断章』もとい『イリア』か…」
「どうやらそうではなく、彼女の持ち主の意思で異空間へ学園を飛ばし、アラタさんを閉じ込めようとしたようです。」
「持ち主…?」
「アラタさんが探している少女、春日聖のことです。」
藤丸は驚いた。何故なら、伝説の魔道書とされたアスティルとイリアの二つをアラタの大切な人が持っていた、ということになるからだ。
「春日聖ほどに強力な魔道士が、アラタの側にいたというのは。」
「…偶然にしては出来すぎている。」
当の本人は、スヤスヤと眠っていた。
「皆。この鈴を持っていてくれ。」
「なんですか、これは?」
藤丸はリリスたち三人に、銀色の鈴を与えた。
「アラタの部屋に結界を貼っておいた。我々以外の何者かが現れた場合、これが結界と連動して鳴る。」
「どうして結界を?」
「リリス先生と私は感じたんだ。何者かの気配をな…。そして、この勘が正しければ。そいつは間違いなく、春日アラタを狙う。」
三人は、藤丸の要求に従ってそれぞれの部屋で寝ていた。
一方で、アラタは息を荒げていた。
「ハァ…ハァ…聖…聖……。」
アラタは空に手を伸ばした。すると、その手を握る何者かがいた。
「う…あ?……聖…なのか?」
そこには、アラタの大切な人(聖)がいた。
「よく分かりましたね、アラタさん。」
月を背景に、窓際でその影は立っていた。
「……俺が見間違うわけないだろ。」
「ふふっ、ちょっぴり嬉しいです。」
「ごめんな聖…。あの時、お前の手を掴めなくて。お前を助けられなくて。」
「良いんです…アラタさん。私を助けるため、魔道士にまでなってくれて…私とっても嬉しいんですよ?」
「お前を助けるなら、なんだってしてやるさ。だから……もっと強くなって、聖を俺のところに取り戻してみせる!!」
「……私達が敵だってことも、今はまだ私の方が強いってことも。分かっちゃうんですね。」
「あぁ、なんとなくだけどな。でも、俺はかなり最強の魔王候補らしいぜ?」
「ふふっ、その通りです。」
「必ず、お前を俺の方からこの手を届かせるよ。聖」
「はい、じゃあ。私に届くのを待ってますからね。」
聖がゆっくりと手を放つ。そして、放った手の中から魔力が込められていた。
その時!爆発音がアラタの部屋からしたのだ。
それは、聖のではなくリリスの銃で発生した爆発だ。
「無事ですか、アラタ!?」
「……いいところだったんだけどなぁ……まぁ、こっちも美味しいならいいか。」
「えっ?」
爆風のせいか、リリスのスカートの後ろが捲れ縞模様の下着が見える状態でいた。
それに気付いたリリスは絶叫しながら、それを直した。
「あれは聖だよ。」
「そのようですね、そして悔しいですが。全くの無傷のようです。」
聖はリリスの銃擊を魔法陣で防いでいた。
「浅見リリス。ビブリア学園の才女。最年少でトリニティセブンへなった、天才魔道士ですか。」
「その魔力。貴女もリーゼさんのように、魔王因子をその身に宿しているのですね。」
リリスの言葉に、黒装束の女魔道士が黒い笑顔で答える。
「はい。あの日、アラタさんに飛ばされたその先の…『破滅世界』から頂いてきました。」
その左腕はまるで墨のように黒くなっていた。そして、聖は藤丸よりもそしてアラタよりも量も質も良い魔力を放出させた。その衝撃に黒装束が耐えられなかったのか、破けてしまった。
「そしてこれから見せるが、その魔王因子を使用したメイガスモードを上回るー」
聖の体を黒い魔力が再び覆う。そして闇のなかから現れたのは左頬に黒い血管のようなものが浮き出し、肩のみを露出した黒いドレスを着た聖だ。
「アーカイブ・憤怒『イラ』の顕現装束…『セイタン』ですよ。」
それを見た途端、リリスの体が震えた。それほどまでに、セイタンは大量の魔力で造られたものなのだ。
「崩壊『ルイーナ 、創造『パルタム』そして分解『アナリシス』。三つのテーマを極めた私は、既に『トリニティ』たる資格を得たというわけです。』
リリスの顔が恐怖に覆われた。しかし、そこでただ腰を抜かして逃げる彼女ではなかった。
「アラタ…!」
リリスはアラタのところへ駆け寄ると、庇うようにアラタを抱き寄せた。
「おっおい!?リリス!?」
「魔力の尽きているアラタは、あんなものを食らったら一溜まりもありませんから!!」
「アラタさんを守るということですね、なるほど。」
聖は邪悪な微笑みを浮かべて、魔力を再び高める。
「アラタさん。貴方の魔道書と魔力はちゃんと、私が回収してあげます。そうすれば、いつか貴方を再生させることも私ならできますので。」
「出来たら、殺さないでくれるのが嬉しいんだが…」
アラタの意見など問わないと言わんばかりに、聖は魔力の放出の準備にかかる。
「では、耐えてみせて下さいね。この憤怒『イラ』の一撃を!!天魔勅諚『ブラック・アバゼル』!!」
「聖ぃぃ!!」
聖は黒いビームをアラタに放った。
「アラタ!リリス!逃げろぉぉ!!」
白と青の色をした鎧を纏った藤丸が、その剣て黒い光線を防いだのだ。しかし、それが破れるのも時間の問題だった。
そこに白い一閃が現れて、聖の光線を無効化したのだ。
聖は詰まらなそうに、自身の攻撃を無効化した人物を睨む。
「まさか…またアンタに助けられるとは……。」
「私は旦那様の声が聞こえたから、助けたのだけれど。」
「助けてもらうのに、どんな理由だろうと構わないさ…。ありがとな。」
「アリン…!!」
アリンはアラタの声を聞いて、時間と空間を無視してやってきたのだ。
そして、彼女は手に銀色の槍を持っていた。
「アリン、その槍は何だ?」
「聖儀術『カオシック・ルーン』の始祖『スカサハ』が使っていた、『魔槍ゲイボルグ』よ。」
アリンによると、この世界のゲイボルグは憤怒『イラ』の魔術を無効化できるようだ。
「俺だけじゃ、アレは防ぐことは出来なかった…」
壁に皹が入って、壁から出てきたのはミラとアキオのコンビだった。
「アラタぁ。遅くなったな」
「アラタさん、まだ生きてますか!?」
アリンは不思議そうな顔でミラを見た。
「…デレたの?」
「え?あっ…!デッデレてませんっ!?」
「俺なら、まだ生きてるぜ。リツカ、リリスそしてアリンが助けてくれたからな。」
「アリンが来たことで、聖を取り戻すための一歩は出来たってわけだ!」
もう少しで、アラタの目標が達成出来ると知り奮起する藤丸とは対照的に、聖は少し落胆したような表情を浮かべた。
「空間を越えさせてまで、この世界の番を召喚するなんて。本当にアラタさんは、どんどん魔王化してしまうんですね……」
「聖…」
「ですが……アリンさんがこちらにいたら、あちらはもっと大変なのでしょう。」
「あちら……?」
アラタたちが困惑しているのを楽しむかのように、微笑みを浮かべた聖。
彼女は黒い魔法陣を頭上に浮かべた。
「一足先に、我々福音探求会『イシュ・カリオテ』とクリプターの同盟が。アラタさんの学園に向かっています。」
「福音探求会…?」
「早く帰らないと…『また』帰る場所がなくなってしまいますよ、アラタさん?」
「ま…待て、聖ぃぃ!」
聖は、ビブリア学園へとワープしたようだ。
「……!!」
藤丸は思い出した。リーゼがその名を口にしていたのを。そして、自分が罠に嵌められたのを悟ったのだ。
「クソッ!!」
藤丸は息を荒くした。しかし、少しの間を置いて落ち着きを取り戻した。
「取り乱して済まない。だが、私は少しここに残る。学園にいるサーヴァントたちと連絡を取るための、魔法陣を造るためにな。」
「えぇ、分かりました。リツカさん以外の我々は、近くの転移装着まで行きましょう。」
藤丸はビブリア学園内がどうなったのかを、どうにか造り出した魔法陣を介してサーヴァントたちと連絡した。
「魔術師殿!魔術師殿!あぁ、やっと繋がった!こちら呪腕のハサン!異常事態が発生した!!クリプターの仲間と思われる人物が、ビブリア学園を攻めてきました!」
「やはりそうか…!あと、呪腕さん。もう少し詳しくその人物について話してくれ。」
「ハッ。和服を着た女が外の大きな西洋風の庭で、レヴィ殿と闘って負傷!しかし、学園長に治して貰っている最中の模様!!」
「沖田総司に繋げろ!彼女をそこに向かわせる!!」
To Be Continued
次回のFate/Grand Orderは!
「やりますね、貴女」
「余裕見せられてるッスもんね」
「マスター。レヴィさんと合流しました。学園長のお陰で、ケガは無い模様で。」
「なに、カイニスまで!?」
「彼女は神性スキルをお持ちしております。ですので、私に行かせてください、マスター。」