氷の皇女の名はアナスタシア。
彼女はクリプターによって、ロシアの異聞帯『ロストベルト』でクリプターの一人・カドックという名の少年によって召喚されたキャスタークラスのサーヴァントだ。
彼女は藤丸立香の手で倒されたが、クリプターとイシュ・カリオテの協同実験によって異聞帯で敗北した後の記憶を持って、スルトらと共に蘇生された。
左半分の顔の溶解は、炎を扱うことが出来るビーストモードの藤丸によって付けられた深い傷が元になっている。
そのため、藤丸と同じような魔術師を憎み氷漬けにしたのだ。
そこへ、黒い影が現れた。
影は女の形を持って、アナスタシアに剣を向けた。
「アンタがマスターが言っていた、氷女『アナスタシア』ね?」
「マスター…?そう言う貴女は、汎人類史のサーヴァントね?」
「えぇ。アンタと私は同類ね。憎しみを抱いたことがあるって意味では。」
「えぇ、そうね。ジャンヌダルク・オルタ」
両者が黙って睨みあっていると、二つの空気がぶつかり合った。
そのためか、二人がいる図書館の上空には暗雲が立ち込め雷が獣のように吠えた。
そして、両者はそれぞれ逆の性質を持つ魔力をぶつけ合った!
「黒い魔女さん。貴女を援護します。」
「へぇ、アンタがマスターの言っていた。まぁ、足を引っ張らなきゃなんだって良いわ。」
ミラとジャンヌオルタのコンビは、氷の皇女の復讐心を溶かすべく共闘する決心を示した。
「凶がれー!」
浅上から放たれた、全てをねじ曲げる力がスルトを守るワルキューレの一体に炸裂。
「盾で守って貰ったお陰で、スキだらけだ!」
「いいえ、黒い騎士様。今は私たちが…」
「強い」
「!?」
スルトは、突然後ろから聞こえた声に驚き振り向くが銀の槍で自慢の赤い剣を弾かれてしまった。
「ヌゥっ!」
「貴女は援軍ですか?」
銀の槍の少女は浅上の質問に答えた。
「神無月アリンよ。貴女は?」
「浅上藤乃です。」
二人はお互いを紹介しあった後で、黒い騎士へ立ち向かった。
「俺は!神霊だぁぁ!」
「私だって、ホルスの化身と謳われた身です!」
冥界の魔術と雷が激しくぶつかり合う中、一つの影が現れた。
「なぁ、ホルスさん。手ぇ貸そうか?」
「ファラオの一人・ニトクリスです。口を慎みなさいと言いたいところですが、手伝いには感謝致します。」
「OKってことだな!?」
女は足に込めた魔力で、雷を放つ神霊を蹴り飛ばした。
「てめぇ…!」
「正当防衛ってやつさ。」
「当機の宝具を三個も……。当機は戦闘不能です。が、『彼女』が来たら…どうします?」
「『彼女』って、まさか!?」
すると、ビブリア学園の空が暗くなり屋根の上に一つの影が舞い降りた。
そして、ルーグはその影の側に膝を屈して称えるようにその名を言った。
「お待ちしておりました。春日聖。」
「お待たせしました、ルーグさん。では、ビブリア学園の皆さん。」
聖は黒い大玉を造りだして、それを投げた。
「永遠に…アデュー。」
すると、それを打ち消すような声を挙げる若者の声が。
「お別れするには、少し早いんじゃないか?」
「お前を止めに来たぜ、聖!」
「二人とも、集中して放ちましょう!」
黒い大玉を斬るように、白い光線が瞬時に現れ、学園の崩壊を食い止めたのだ。
そして、3つの影のうち1つが叫ぶ。
「ネロ!着地は任せた!」
空には、一つの赤い光が落ちながらも輝いていた。
そして、赤い光の持ち主は赤い舞踏服を着た男装の麗人の懐にいた。
「貴様はいつも遅いな。だが、やる時はやる良い男だ。」
「お待たせ、ネロ。」
一方で、アラタは落ちたところに柔らかい物が当たるのを感じていた。
「この柔らかさは。」
ルーグがクッションの代わりとなって、アラタが掴んだのは胸だった。
そして、そんなアラタをクッション代わりにリリスが座っていた。
「おーい、アラタぁ!起き上がったのなら返事を………黒い服の上に付いている二つの丘を眺めれるとは羨ましい身分だな。」
「貴方、アラタさんのこと言えてないですよ。その手は何処に伸ばしているんですか。」
「おっと、久々の感覚なんでついつい。」
すると、藤丸の使っている通信からクレームが飛んだ。
「おい、マスター!劇奏女のを揉むのなら、私のハンバーガーをだな!」
「もう、相変わらずですね。」
リリスも状況を飲み込んだのか、アラタと藤丸の二人に怒鳴った。
「貴方たちって人はー!!」
「余は…悪く無い。このまま黄金劇場を開いても」
「おい、マスターの番サーヴァント。マスターたち共々ふざけるのもここまでだ。」
「なっ、貴様は。小生意気な魔道書!」
「小生意気で悪かったなっ!」
ネロとアークミネルバの相性は良くはなかった。
藤丸はそんな二人をどうにか宥め、体勢をアラタとリリスと整えた。
「ルーグは戦闘不能になったため、撤退したと見える。」
「あー、まぁ。照れながら、聖の後ろに隠れているけどな。」
「ルーグさん、アラタさんの野望は全ての魔道士にエッチなことをすることッス。」
「ちょっ、人が真剣になってるときに」
「またそのノリかよ、ニンジャ!?」
ルーグを食い止めるのを終え、通信越しでおふざけするレヴィに藤丸はたじたじだった。
「でも、アラタさんはシたいんでしょ?」
「愚問だなっ。」
「アラタっ!!」
「まーたお説教の時間だよ。申し訳ございません、このようなぐだぐだで」
レヴィ以外の通信から冷めた空気を感じて、アラタはコホンっと咳たてた。
「というわけで、聖。反撃開始といくぜ?リリス、ネロ、リツカ。力を貸してくれ!」
「よし、皆!少し前に話した、作戦名が!真の反撃の合図だ!
作戦名は!『メイガス・オーダー』!!」
藤丸の号令を合図に、カルデアとビブリア学園の同盟チームの皆の魔力が上がった!
「令呪を持って命ずる!皆、もっと魔力を高めろ!!」
すると、闘い終えた沖田を除いた六人のサーヴァントたちは魔力を高め、制限が無くなったかのような動きをしだした。
「これなら、負けることはなかろう!」
そして、魔道士たちも真の戦闘体勢に入るため叫ぶ。
「行くぜ、皆!『テーマ』を実行するぞ!!」
「「テーマを実行する!!」」
「「「「テーマを実行する!!!」」」」
それぞれの戦場で、ビブリア学園とカルデアのチームの逆転劇が始まるのを知らせるゴングが鳴り響いた。
聖ビブリア編の連載が終わっても続編はあります。
お楽しみに