「前回ほとんど出番がなくて悲しい思いをした、見習い魔道士である藤丸立香は
アリンや学園長と一緒に、アリンの結界の中で悪戦苦闘するアラタの活躍を視て、魔道の道がなんなのかを知ることが出来た!」
「これだけの量を早口で言えるなんて、すごーい。パチパチパチ。」
「凄いでしょ?最っ高でしょ?天才でしょ?」
「あぁ、そうだな」
「では、第6話どうぞ。」
「チョロいのね。」
「チョロいな。」
藤丸にとっては、今日もも良い学園日和…なのだが。一つ、おかしな点がそこにはあった。
「ジーッ!」
それはハッキリと分かるぐらいにとても、おかしい。
「なぁー。リリス、リツカ。どういうことだ、これ。」
「密着取材かな……?」
「えーと…多分、密着取材…なのでしょうね?」
藤丸は急遽、一部のサーヴァントと一緒に食べることなったのでアラタとは別行動をすることにした。
アラタの方では食事中も、廊下も、さらには。
「トイレもかーって!いやいやいや!!」
アラタは慌ててトイレから出て、説教じみた口調で「さすがに、ここはアウト!」と叫んだ。
「確かにさっきのは私が悪かった。だが私は謝らないわ。」
「そこは謝れー!アリンんん!」
「難しいのね。」
「珍しいな。すっかりツッコミ役じゃないか。」
流石のアラタでも、アリンの自由奔放さには振り回されるようだ。また、それ以外にも理由はあるようだ。
「ははー。聖に似ているってのもあるのか?」
「そうかもしれん。」
「魔道書?」
アリンは、アラタの魔道書ことアスティルと初めて会話した。
一方で、藤丸は。
「で、どうなのマスター?ここでは上手くやっていけそう?」
学食の従業員となったブーディカが、彼女のマスターに話しかける。
「もちろん。20歳になった私からすれば、この制服はただのコスプレだけどね。」
「ほう。それは結構。…でここに呼び出された理由、分かるよな?」
とエミヤも会話に混ざっていると、向こうから先生の格好をした褐色肌の美女がきた。
「はぁい。そこの貴方。隣いいかしら?」
藤丸は、「はい。」と返事をした。この魔道学園は常識に囚われないがコンセプトなので、制服さえ来ていれば異世界の人間だとしても追い出されることは無かろう。
「で、何を見たの?ミドキャス?」
藤丸は教師に扮した、ミドラーシュのキャスターことミドキャスに話しかける。
「良いですか?マスター?これから貴方は一時的ですが、二人のトリニティセブンと敵対関係になります。」
「は?」
藤丸はつい、豆鉄砲に撃たれた鳩のような返事をしてしまった。
「それは金髪の女の子と黒い髪の背が高い女の子の二人組。特別機関の魔道士として、貴方の前に立ちはだかってくるわ。」
「まさか…死ぬ…なんて未来はないよな?」
「死にはしませんが。最悪、二度と闘えない身体になるかも。それを逃れるキーとなるのは、怒りを抑えること。そりゃ、人間だれしも怒るときは怒ります。ですが、ある程度は怒りをセーブすることはできるでしょ?」
「確かに私はある程度セーブ出来るけれど。」
そこで、エミヤが口を挟む。
「良いか?マスター。私やバーサーカー以外のサーヴァントはともかく、君は怒ると殆ど鬼のような性格へと変貌してしまう。下手すれば…。」
エミヤは藤丸の耳元で囁いた。
「人類の敵になりうる可能性がある。」
こう言われては、誰も反論のしようもない。それもそのはず。藤丸立香はこの世界において、「魔王」に匹敵する存在なのだ。さらに悪いことに、これから敵対するであろう二人の魔道士にそのことを見破られてしまったのだ。
「あぁ、焦れったいな。おい。もし何か起こったら、俺が最初に止めるからよ。まぁ、乱暴になるかもだがな。」
アークミネルバとの脳内会話が始まった。
「お前。意外と良いやつなんだな。」
藤丸は脳内でそう答えると。
「馬鹿が。お前に死なれるとこっちが困るだけだ。」
「いや。理由はともあれ、そう言ってくれるだけで私は嬉しいよ。」
なお、保健室のほうは……。
「アリン。話があるんだが。」
「婚前交渉?」
「大変魅力的な提案だ。」
いつもの婚姻の話(コント)が始まったのだ。
「真面目にやってください!」
「ああ…やっぱりお前がいると安心するよリリス。ずっと俺のそばにいてくれ。」
こんな冗談半分な台詞を萌え…失礼。リリス先生は本気で受け止めたかの如く、赤面してアリンも「早速浮気された伴侶」とため息をついた。
「俺は二人同時でも一向に構わなー」
「はい、アウト。」と言わんばかりに、リリスの手のひらはアラタの頬にシュート!超エキサイティング!
アラタは、頬を赤く腫れさせながらもアリンに昨夜の出来事の原因がなんなのか、質問した。
すると、アリンから衝撃な発言が。
「貴方たちを閉じ込めたこと?」
「あれはアリンさんだったんですか!?」
「何故あんなことを!?」
「学園長に『君の番だよ』って、言われたから。あと、リツカも魔道の勉強のために付き合わせて貰ったわ。」
「あの二人…!」
やはり、アリンはトリニティセブンの中で指折りの、マイペースウーマンなのだろう。
藤丸からすれば、魔道の勉強のためとは言えど、覗いたのがバレてしまったのと同じくらいに都合が悪い。
「で、学園長はどこに?」
「えぇ。心配なく。縛って焼却炉にぶちこんでおきましたので。」
焼却炉では。
「これで、食堂のゴミ掃除完了だな。って、学園長!ナゼェこんなところにいるんです!?」
「ムググ」
「しかしなんで崩壊現象なんて」
「多分こういうことだと思う。」
アリンは、指輪をつけた左手でアラタと掌を重ねる。
すると、指輪が光を発しエネルギーが溢れ出す。
「憤怒『イラ』の書庫『アーカイブ』に接続。『テーマ』を実行するわ。」
まるで、アニメで視るような魔法少女のようにアリンの制服が消え、新たな衣装に。
黒いフードがついた服という、明らかに「魔女」染みた姿へと変わったのだ。
これがアリンの『メイガスモード』だ。
「私のテーマは崩壊『ルイーナ』。だから、ほら。」
リリスはアラタの方を見た。アラタはまるで病人のような青い顔色を浮かべて、苦しんでいた。
明らかに、彼に余裕はない。
「おいおい!コイツの魔力を暴走させるつもりかよ!」
「えぇ。そうよ。制御そのものを崩壊させて貰ったわ。」
つまり、アラタの中に眠る魔王の力を無理矢理引っ張りだしたのだ。
「ぐあああ!!」
すると、学校にあった様々なものが黒い粒子へと変わっていく。
「黒い太陽!?」
藤丸は、学園長を焼却炉から引っ張り出して助けたあとで、この光景を見て驚愕した。
「いやはや…こりゃまた。アリンちゃんもやるよねぇー。」
「またアリンですか!?」
「このまま学園崩壊!っていうのも燃えるけど。リツカ君は止めるだろう?」
藤丸は「もちろん」と言ったあとに、魔力源である保健室に急行した。
保健室では、リリスがアラタの暴走を止めようとするがアリンに阻止されてしまった。
「退きなさい!」
「いいえ、させないわ。これは私の魔道の研究のためよ。この崩壊の先に何があるのかを知りたいの。」
アリンがリリスの行為を邪魔する理由をはなしていると壁から。
「なーるほど。そいつを止めればいいだけなのか。」
壁に皹が入り、崩れた。そして、そこから二人の女が現れた。
「こりゃびっくりだ。崩壊現象を止めて帰ってきたら、まさか学園でも発生するなんてな。」
背の高い女の出現に、リリスは驚いた顔をして。
「検閲任務中のあなた方が、何故ここに!?アキオさん!ミラさん!」
そう、二人の女は藤丸が転校した日に彼自身に会った者たちだった。
「崩壊が停止させられている?」
金髪の女ことミラが口を開く。
「私の魔術で、同等の崩壊の力をぶつけて中和しています。」
つまらなさと驚きが混じった表情を浮かべたアリンを無視するように、ミラが続けて言う。
「私の傲慢『スピルビア』のアーカイブに属する、テーマ・正義『ユースティア』の名の元に!私の前で一切の不浄は許しません!!」
「スペルビア…傲慢か。」
息を荒げるアラタに容赦なく、ミラは背の高い女ことアキオに、抹殺命令を下す。
アキオは「あっさり言ってくれるぜ」と軽い口を叩くが、目は本気そのものだった。
足に魔力を集中させると。彼女は宙を舞った。
「いけません、アキオさん!!」
「体が動かない!?」
「悪く思わないでくれよ?恨みはないが。魔を討つのが私の役目なんでね!!」
そこで、保健室の扉が開けられた!現れたのは藤丸立香だ!!
「アラタぁぁぁ!逃げろぉぉぉ!!」
彼はアラタに手を延ばすが……。
「誰だが知らんが遅い!!」
ドッ!とアラタの方から血飛沫があがった。さらに瓦礫が落ちた。
「彼の魔力の消滅を確認しました。ありがとうございます、アキオ」
「やれやれ。」
アラタは死んでしまったのか?藤丸は、その事実を否定するなにかを捜したかった。しかし、確かにアラタの魔力は見当たらない。そして、藤丸は目の前で知り合ったばかりの友を殺された怒りで魔力が溢れ出してきた。
「なにが『正義』だ。」
「!貴方は…!」
そして、藤丸は怒りを体現するかのように人類悪の魔力を発動させた!!
「アラタは誰も殺してねぇ!!これは、アリンの仕業なんだろ!?なんでアラタを殺すんだよ!!」
怒りのマグマを燃え上がらせる藤丸とは対照的に、ミラは氷のように冷徹な口調で話す。
「そういえば貴方も魔王候補でしたね。」
「中々の殺気だな、おい。そして、不浄な魔力。」
藤丸は怒る龍のように吠えた。
「不浄とかなんだか知らねぇが!お前らは許さん!!」
完
次回予告
「マスター!余が助太刀するぞ!!」
「ここは…天国か…?」
「そうだ、俺は…。ネロを…大切な者たちを守るために!あらゆる敵対者の魔力を喰らいたい!!」
「祝え!」
次回で、藤丸とアラタのメイガスモードが見れます。