水をください。 太陽をください。
荷物を引きずりファミレスを飛び出して、慌てて街中の宿を回ること5件目。ルーシィはようやく街はずれに空き室を見つけることができた。
ただ、それなりにグレードの高い部屋であったために相応に高額で、借りると決断づけるまで大いに悩んだものだった。なにせ今日は鍵の件で大きな出費があったのだ。
予算はとっくにオーバーで、しかしこれだけ探してようやく見つけた一室……ここを借りなければ多分今夜は野宿……悩んだものの、ルーシィは自分を許すことにした。
「わ、素敵……!」
案内された部屋は金額に相応しく、広い部屋に大きなベッド、更には簡易キッチンまでついている豪華な仕様。調度品の雰囲気も品があって可愛らしく……一瞬にして気に入ったルーシィは、ようやく今日の
「お出かけかい?」
「ええ、この素敵な街を」
「遅くなる前に帰っておいで。最近、ちょっとガラの悪いのが街をうろついてるって話だからね」
重たくかさばる荷物は部屋に置き、ひと息。身なりを手早く整え必要なものだけを手に取って、ルーシィは街へ飛び出した。
■
―――――たくさんのときめきがステップを刻ませる。
小物店のかわいらしいアクセサリー。
ブティックに飾られた新作のコーディネート。
おしゃれなカフェで食べたイチゴのアイスクリームパフェ。
楽しくて仕方がない。軽く弾んでしまう足音がまるで喜びを歌うように鳴り踊る。
街の中を笑い歩く少女。太陽の光を十分に吸収したような光輝く
まるで宝箱の宝石を眺めるように、街の隅々を見て回る。この時間がたまらなく好きだった。
頬を撫でる風すらも特別なものに感じる時間。はしたなくもはしゃぎ回ってしまいたくなる特別な時間。どれもこれも―――――
知識としてではない、体感としての経験。……手の中の自由。
これぞ旅の醍醐味。目的。―――――ルーシィはこの目で世界を見たかった。
煌びやかな衣装に囲まれているわけでも、一流のディナーが用意されているわけでもない。野宿で硬い地面に寝転がったこともある。さすがにその時は、使い捨てだけれど簡易結界のはれるちょっと高価な
お財布も軽くなってしまったし、使用者の魔力を注ぎ込んで使うタイプだったから魔力がすっかり空っぽになってしまったのは非常に辛かったが、めいいっぱいの魔力で安全を買ったのだ。そう考えれば安いものだろう。
疲れたし、汚れた。けれど、ルーシィは楽しくて仕方なかった。だってその苦労すら自分が選んだものだから。
ここにいる自分は、自分の好きなことを好きなように、自分で選んで進んでいるのだ。それのなんと幸せなことだろう!
「ふふ、次はどこに行こうかしら」
嬉しくて、楽しくて、―――――ほんの少し、悲しかった。
■
―――――ルーシィが最後に足を運んだのは大きな本屋だった。
ルーシィは本が好きだ。時には食事を忘れて読み込んでしまうほど大好きなもので、着いた街ではいつも本屋に足を運んでいた。
探検家気分になる古本屋も好きなのだがそれは明日の楽しみに取っておくとして、とルーシィが手に取ったのは、「本日発売」のコーナーにあった最新号の「週刊ソーサラー」という雑誌である。
『週刊ソーサラー』とは、魔法専門誌のことで、様々なギルドの紹介や、魔法使いたちの関わる話題を取り上げているルーシィの愛読誌だ。
最新の情報が手に入るし―――――何より雑誌の目玉は、毎度毎度とんでもない事件を起こしてあっちこっちを引っ掻き回す『
ハズレ無しの大スクープ。記者も
「あら……ふふ、やっぱり大見出しは
ルーシィは人通りの少ない公園のベンチに腰掛け、さっそく入手したばかりの雑誌を堪能する。
大見出しは想定通り。盗賊団を壊滅させたってこれだけ被害を出せば利益と損益はトントンかマイナスだろう。どれだけ暴れたのか。壊れた民家の住民たちは大丈夫だったのだろうか。
毎度のことながら内容のハチャメチャさに呆れたようなセリフがこぼれた。
ただ―――――読み進めるルーシィの表情はセリフに反してどこか柔らかく、笑いが堪えられていない。ああ、これだから、ソーサラーを読む時間はルーシィにとって一番幸せな時間だった。
わくわくとした表情を隠せないまま読み進めていたルーシィだったが、ページをめくった先にグラビア写真が現れ思わず雑誌を閉じてしまう。
それから、ほんの少し頬を赤らめてもう一度そうっと雑誌を開くと、その露出の多さに毎度どきどきとしながらも感嘆のため息を漏らした。
「ミラジェーンさまですわ。相変わらずお美しい…」
ページに書かれた『Mirajane of FAIRY TAIL』のとおり、ルーシィの見ているグラビアアイドルは
その美貌にうっとりと見惚れながらも、ふと、先ほどの記事を思い出したルーシィは―――――こんなに綺麗な方でも民家7軒を壊滅したりなさるのかしら、と考えてみる。……まったく想像ができなかった。
「『
……ポツリ、呟く。問題ばかりで、でもあたたかくて、幸せそうな、素敵な『
素敵だと思った。美しいと思った。だから羨ましいと―――――憧れてしまった。
例えば。例えば、もし、の話だとして。そんなことを何度考えただろうか。
もし、仮にも、
そうしたら、彼らのように、自分も……
「へぇ、君
「きゃあんっ!?」
■
唐突に聞こえてきた声と背後で勢いよく立ち上がった(と思われる)気配に、ルーシィは驚いて座っていたベンチから飛びのいた。
流れていたどこか
驚きで見開かれていたルーシィの瞳は、話しかけてきた相手を認識したとたんにスッと温度をなくした。
だってこの男は、
その瞳がもはや敵意や侮蔑の意志を孕み始めたことに気がついた
「い、いやあ探したよ。先ほど街で会ったよね? 君のような可憐な女性を、ぜひ我が船上パーティーに招待したくて」
「………まあ。それはそれは―――――あなたさまほどのご高名な魔導士さまから、直々にお誘いいただけるだなんて、光栄なことですわ」
丁寧な言葉とは矛盾してルーシィの顔に浮かぶのは温度を持たない微笑み。その笑顔を見て
―――――やっぱり。この女は、俺が『
「高名な魔導士? はは、そんな風に言われるのは照れ臭いな……ありがとう!」
あくまで紳士然とした微笑みの下で男は思考を巡らせる。どうすれば
―――――この男、実は名高き魔導士の『
その名はただ隠れ蓑に過ぎないのだ。
男の本名は『ボラ・スキーム』―――――魔法を悪用し罪を犯して数年前に『
刑期を終え
―――――そうして数年にわたる準備の末、ボラは見つけた。『完璧なビジネス』を!
だからボラはルーシィを野放しにするわけにはいかない。ようやく軌道に乗ってきたビジネスと、それによって手元に落ちてきた富を決して手放さないためにも。
必要なのは万が一に備えること。つまり現状、万が一にもルーシィがボラのことを軍や評議員に通報してしまわないためにも、しっかり手を回さなくてはいけない。
ボラが知っているルーシィが気付いた『ボラがやったこと』といえば、
しかもボラは前科持ちだ。初犯の人間より念入りに捜査が入るのは想像に難くない。
そうして
「そんな、ご謙遜なさらないで、
―――――ですが生憎にも、
目の前でにこにこと笑う少女に、やっぱりこう来たか、とボラは思う。
冷静そうに見えて感情的な物言い。正義感に透けて見える
今まで
今日もそう。あの昼間の騒動の時、ボラはルーシィの様子に気が付いていた。ルーシィが
だからボラはルーシィが立ち去ってからすぐに撤収し、魔法で変装して街中を調べ回って彼女を探して街中を走り回っていたのだ。
そしてじっくりと観察したからこそ知っている。目の前の少女が年相応の少女然とした側面を持つことを。そして―――――
「ああやっぱりね! 君、僕が
―――――けれど、どうか誤解しないでくれ。確かに僕は
なんとも白々しい言い様だ。実際ルーシィの瞳はすでに氷点下を迎えている。しかしボラはくじけなかった。
軽蔑? 失望? 嫌悪? なんとでも思えばいい。今後の展開を想えばその程度の視線、かわいらしいだけだとも!
―――――もちろん、ボラに年頃の美少女から蔑まれて悦ぶ性的嗜好があるわけじゃない。ただ、ここからが起死回生の瞬間なのだ。
「まずは恥じよう。確かに
舞台俳優のように大仰なリアクションを見せる目の前の男から視線を離さないまま、ルーシィは腰のキーケースに指を這わした。選ぶのは金の鍵―――――
―――――これ以上聞き苦しい言い訳を続けるのなら、多少手荒な真似も厭う場合ではないと。
そもそもの話、ルーシィはボラのことを通報するつもりは無かった。
確かに違法改造した魔法道具を使用したハーレムの作成は褒められたことではないが、あれだけ派手に動いていれば周りの目がある。何かが起こっても、むしろ何かが起こる前に見咎められるだろうと判断した。
では魔法道具の使用はどうなんだと言われれば、違法改造はルーシィがそう判断しただけであって確証がないし、
一番ギリギリのラインにあるのは
つまり現状、ルーシィから見てボラの行いは通報するレベルのことではなかったのだ。
もちろん万が一の場合を考えるのなら、一応通報しておけば親切かもしれないが―――ルーシィは
緊急性を感じられないのなら黙殺して問題ないレベルだと、ルーシィは自分を納得させていた。
―――――しかし、この様子では話が変わる。
今こうして目の前に立つ男を見れば理解できる。この男は
確かに高名な魔導士なら自身のキャリアに傷がつくようなことは避けたいだろう。けれど、それだけにしてはあまりに必死だ。
思考がつながる。―――――もしや自分が気づいていること以上に後ろ暗いことがあるのではないだろうかと。
自分はこの男のことを……軍に通報するべきではないだろうかと。
―――――思考に意識を向けすぎていたルーシィはミスを犯す。ルーシィは無意識にボラを侮ってしまっていたのだ。
なにせ、
その認識から生まれた慢心がルーシィの首を絞める事になる。
ボラには『油断』がなかった。一度捕まったことがあるという経験がボラを慎重にさせた。ボラは馬鹿のように身振り手振りを交えながら、ルーシィの一挙一動を入念に深く観察していたのだ。
だからボラはルーシィが腰のキーケースに手を伸ばしたことにも気がついた。―――――その伸ばした手に、触れている鍵にすらも。
ボラは確かに本物の
「ねえ君、
「たとえそうであっても、それは植え付けられた偽物ですわ」
間髪を容れずにルーシィは切って捨てた。否定することではなかった。でもそれはルーシィを揺らがせるほどのものではなかった。けれど―――――
「僕はね、よく意外だと言われてしまうのだけれど……実は話すのが得意じゃないんだ。存外臆病で面白みのない男なんだよ。
けれど、パーティーの主催者として客である彼女たちには楽しんでもらいたかった。招待客が全員女性なのは、まあ、男としての下心なんだけれど……もてなしたいという気持ちは本当だった!
だからあえてこの方法を取ったんだ。もちろん、こういう道具に安易に頼ることは褒められたことじゃないってことはわかっているんだけど……ここは僕の弱さ、かな。
副作用があるわけでもないし、それなら、普段の大変なことや悲しいことなんて忘れて、せっかくのパーティを楽しんでもらいたかったんだ。
―――――この魔法にかかっている間は、どんな辛いことだって忘れて、幸せになれるから」
幸せになれる。
そこだけ聞けばチープな宗教勧誘に聞こえてしまいそうなセリフも、すべて聞けばどうだろうか。少なくともルーシィはそこに、ボラの言い様に―――――『誠意』のようなものを感じてしまった。
下心は女性から見ればくだらないものだった。けれど、男性からしてみればとても大切なものなのかもしれない。なにより、そこに女性への気遣いがあったというのなら、それは悪ではなく善であるのではないだろうか、なんて。そんな風に考えてしまった。
そして、そう。『辛いことを忘れて、幸せになれる』―――――それは、ルーシィにとって。あまりに優しい言葉だったから。
「―――――本当に、本当にそれだけだと? 女性のために?」
「もちろんだ。わかってもらえたかな?」
「ええ、そういう、ことでしたら……よいことではありませんが悪すぎるということもないでしょう。その、事情も知らず失礼な態度をとってしまい申し訳ありません……」
ルーシィは視線を下げて謝った。一方的な思い込みでひどい態度をとってしまった負い目があったからだ。
ボラはそんな彼女を責めるでもなく優しく微笑む。―――――その微笑みの裏にあるのが悪魔の
ああ、ああ、―――――ああ!!
ボラは表情を取り繕いながら、内心で腹を抱えて笑った。
話すのが得意じゃない? 楽しんで欲しい? もちろん嘘である。そんなわけがあるかよ馬鹿が! 悪魔の舌がルーシィを罵る。
ボラは悪党だ。悪党というのは―――――きれいなものを汚す方法をよく知っているものなのだ。
いともたやすくほつれる警戒心。先ほどまでの態度に申し訳なさすら抱く誠実さ。可愛く、清らかな、優しい子! 愛おしさすら感じてしまいそうだと心の中で高笑いする。
「いいんだ。僕が悪かったことに変わりはないんだから……ああ、そう、それより君。話が変わるけど、もしかして
「えっと……ええ、その…」
内心の醜さを欠片も見せない微笑みで、ボラはルーシィに問いかけた。―――――仕込みは上々。悪魔の指先は忍び寄るように次のステップへ進む。
ルーシィはその問いにハッと顔をあげ、先ほどまでの自分の想像を、願望を思い出す。
―――――もし、もし
ああそれは、なんて素敵な……
「そう、ですね。―――――そうあれれば、きっと素敵だと……思っております。ですが、それが何か?」
「ん、ふふ……気づいていないかな、僕もまだまだだ。今更改めて名乗るのは少し恥ずかしいのだけど―――――『
「ええ、ありますが………
―――――え、あ、うそ、まさか…!?」
それは想定もしていなかった言葉だった。
つまり、つまり、とルーシィの脳内は混乱する。つまり、それは、目の前の『
いやむしろ、逆に何で結び付けられなかったのかとルーシィは自分の想像力のなさを罵った。『
まあ、ボラは偽物なのだが。
それはルーシィの知らないところなので、彼女は唐突な『憧れ』との邂逅に完全に思考回路がショートして固まってしまった。
「せっかくだ。君のこと、僕からマスターに紹介させてもらえないかな。君みたいに
「えっ、あの…で、ですがわたくし、先ほどあなたさまに失礼な態度を…」
「構わないよそんなこと! 言った通り、悪いのは僕だったのだし……それに君は女の子たちを心配していたんだろう? そんな優しいところが素敵だと思ったんだ。
でも、そうだな。どうしても君が気にしてしまうと言うのなら、今夜のパーティに参加してくれたらチャラ、なんて。……どう?」
ボラの優しさと少しの茶目っ気をのぞかせた笑みを向けられて、ルーシィは喜びに震えた。まさか憧れていたギルドの魔導士に会えて、しかもその方が、こんなにも素敵で尊敬できるような方だなんて。早とちりで失礼な態度を取った自分をこんなにも優しく気遣ってくれるなんて!
真っ白だった顔色がパッと鮮やかになったルーシィの様子に、ボラは『君のようなかわいい子が来てくれたら、パーティが一層華やかになるよ』と追撃を加えた。
ルーシィのハートはオーバーヒートだ。憧れの人から『素敵』だの『かわいい』だのと褒められれば乙女の心はときめくもの。そういえば話しかけられた当初に『可憐』とも言われた気がする。
―――――こんなに魅力的な言葉選びをなさるのに、話下手だなんてご謙遜なさるわ。ああそれとも、自分の課題と向き合って努力された成果なのかしら。そう、きっとそうだわ。たいそうご苦労されたでしょうに、なんて素敵な方なのかしら!
わざわざ
これがボラ・スキームだった。小悪党だと思っていたか? チンケなチンピラ紛いだとでも? ―――――ああ、可哀そうに。
嬉しそうにパーティへ参加すると返したルーシィに、ボラはバレないように笑みを深める。
準備は滞りなく整った。ウサギは自らオオカミの腹の中へ―――――名前とは、好感度とは、隠れ蓑とはこう使うのだ。
「それじゃあまた夜に。―――――ああ、それから、その、
君がよければ、他の人に内緒にしてもらえないかな。ギルドに迷惑がかかってしまうし、……僕も、これを機会に、
努力をしたい……やり直したいんだ」
「は、はいっ! けして言いませんっ。……あ、あの、わたくしから見てあなたさまはとてもお話上手で素敵な方ですわ。ですので、どうか、自信を持って……あなたの努力が実りますように」
ルーシィは手を組んでそっと目を伏せた。自分のような若輩者が知ったようなくちを利くことに恥はあったが、それでも少しでもその気持ちを伝えたくて。
ゆっくりと瞳を開いたルーシィは、本当の気持ちを込めてボラに笑いかける。それはとびきり可愛らしくて、大輪の向日葵のように鮮やかな―――――この旅でも一番の笑顔だった。
「神さまは、ちゃんと見ていらっしゃいますから」
その笑顔に応えるようにボラもまた、ほほ笑む。―――――今夜が楽しみだと、ほほ笑む。
■
ゆらゆらと揺れる停泊中の船の中、ボラはコツコツと足音を鳴らし奥へと進む。
この船は今夜のパーティ会場。
「おお、ボラさん」
「お帰りなせぇ」
「ボラさん、今回の
「―――――ふ、ふはは、はははははッ!!」
―――――しかしボラは返事もせずに、耐え切れないとばかりに大笑いした。
「ボ、ボラさん?」
「ふっ、クククク…これが笑わずにいられるか!? ククク…」
「そんなにいい
そんな男たちに、ボラは親しげに答えた。
「馬鹿なガキがいたのさ―――――とびっきり上玉の、
その言葉が全員の耳を通り抜ければ、男たちにも次々に品のない笑みが移っていく。―――――だってその言葉が指すのかを、男たちは正しく理解しているから。
これだから男たちはボラをリーダーに据えることに異論はないのだ。この頭の回る男のもとにいればイイ思いができることをよくよく理解しているのだから。
ああ、その時の悦といったら! 泣き叫ぶ女の悲鳴が、次第に光を失っていくその顔が、愉快で仕方なかった。
ボラが、男たちがそんなことをする『目的』―――――それは非人道的かつ最低最悪とも言える最高の
ギヒヒ、ゲラゲラと下品な声が増える。イイ女を好きにできて、たんまりと金も手に入る。今回の仕事は大成功だと誰もが愉快そうに笑う。
ボラもまた、あの少女の絶望にゆがんだ顔を想像して堪らない気持ちになって笑う。
船の中は気味の悪い喜びに満ちていた。
男たちは笑う―――――この先に待ち受ける
水をください。 太陽をください。
愛をください。 私に光をください。
そうでなければ、花は枯れてしまうのです。