ーーフランとの遊びを終えた後、俺はフランをまず寝かせてから執事の作業に取り組んだのだが……物凄い作業量だった。
まず基本の廊下掃除なんだが……紅魔館が馬鹿デカイだけあって一苦労を通り越してた。
能力があって良かったと、本心から思っている。
因みに咲夜は時を止めて休んでいるそうだ……ん…?それ休んで無くないか?
そして次に咲夜がやっている農園……みたいな所を手伝った。
……農園なのに変な物がいたのは気の所為だろう、そう思いたい。
因みに看板が置いてあった、書かれていたのは……
『この農園を荒らさないでください、もし荒らした場合、とてつもなく酷い事になりますのでご注意を』
……咲夜の苦労が少しだけ分かった気がした。
そして次にパチュリーに紅茶とお菓子を届ける仕事をやらせてもらった。
流石にあの仕事量を見せられた後では咲夜にこれ以上無理をさせてはいけないと思って俺が少し強引にやらせてもらった。
その間咲夜には休んでもらわないとな……
〜〜〜〜少年移動中〜〜〜〜
「ーーパチュリー!お菓子持ってきたぞ」
「あら、ありがとう、そこに置いて頂戴」
「おう……フランは大丈夫か?」
「ええ、妹様ならぐっすり寝てるわよ」
「そうか…」
因みにボロボロのフランをパチュリーに見られた時にちょいと騒動があったのは省いておく。
「しかし本当に物凄い本の数だな……見てるだけで首が痛くなるよ」
「貴方も大概よ、"全部の本を読み切る"だなんて無理よ、私だってまだ完全には読み切ってはいないんだから」
「いや〜だって本を読むと知識欲が湧くだろ?あの感覚が良いんだよなぁ…」
「それは分かるわね」
「だろ?」
「ーーパチュリー様!本の整理を一通り終えましたー!あ!如月さん!お仕事お疲れ様です!」
「ああ、ありがとな」
「あら、こあ、お疲れ様、先に休んでいて良いわよ」
「?パチュリー様はなにかなさるのですか?」
「ええ、少し如月と話をしたくてね」
パチュリーがそう言った瞬間、こあの表情がキラキラしたと思ったら。
「如月さん!これはパチュリーフラグですよ!!」
などと意味の分からない事を言ってきた。
瞬間ーー
「ーーこあ、"休みなさい"」
と、物凄い声音で言ってきた。
こあはさっきまでの勢いはどうしたのか少し涙目になって
「そ、それでは〜」
と言って出て行ってしまった。
「…なんだったんだろうな」
「気にしなくて良いわよ……それより貴方に聞きたい事があるのよ」
「ん?何だ?」
「喰龍の事についてよ、私は今までそんな力の事すら知らなかったわ……それで少し調べさせて欲しいの」
「……具体的にどんな方法で?」
「そうね……まず、喰龍の力を少しだけでも良いから見せて欲しいわ」
「見せるって言ってもな……具体的に表せる技とかは無いんだよな……基本的に俺の扱える喰龍の力は接触系だし」
「接触系?どんな物なのか私に試してくれない?」
「え?…まあ良いんだけど…少しだけでも疲れると思うぞ?」
「良いわよ、やって頂戴」
少し興奮した様子で言うパチュリー、よっぽど未知な力に知識欲を刺激されてるらしいな、研究者肌だな。
「それじゃあ少し手を拝借……」
そう言い、俺はパチュリーの手を掴んだ……少し顔が熱いのは気の所為だ、うん。
そして喰龍の力を最小限にして発動する…ッ!
「!?っはぁ!」
「お、おい!大丈夫か?」
「え、えぇ…大丈夫よ…」
そう言うパチュリーだが少し息を荒くして辛そうな表情を浮かべている。
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫よ……いきなりだったから少し吃驚しちゃっただけよ……喰龍の力は力を吸い取る事なの?」
「ああ、少なくとも俺にはそれしか出来ない、今ので結構加減したんだけど…」
「そうなの?だとしたら凄いわ……その吸い取った力はどうなるの?」
「俺の力として使われるな唯、この力を使うと倦怠感が凄いからあんまり全力では使えないんだ」
「成る程…だから貴方に魔力が宿っていたのね」
「ああ、そうだろうな」
事実、俺が魔法を使える様になったのは魔理沙の魔力を喰らったからだしな。
「確か、貴方が喰龍の力を使えるのは"喰龍の因子"が埋められているからよね?」
「そうだな、それが無かったら俺は喰龍の力を使えてないだろうな」
「…成る程ね…如月、貴方に頼みがあるのだけれど」
「ん?なんだ?」
「ーーちょっと服を脱いで貰えないかしら?」
「ーーは?」
【咲夜side】
ーー私は今、衝撃の現場に出くわしていた。
如月様の帰りが遅いから大図書館に向かったらーーー
「ーー何故、上半身裸なんですか……?」
「ま、待て!何か勘違いをしてる気がするぞ!!」
「い、いえ、決してパチュリー様と如月様の"そうゆう所"を見るためにココに来たのではありません!如月様の帰りが遅いから来ただけであり…」
と、物凄い顔を真っ赤にして何故か弁解をする咲夜、そしてそれを聞いた如月の顔はもっと真っ赤になる。
「ま、待て!本当に違うからな!?てか落ち着いてくれ!!ナイフを取り出すな!!」
「…はぁ…落ち着きなさい、咲夜」
そう言い、咲夜の頭に風の塊をぶつけるパチュリー。
「…すみません…私とした事が取り乱してしまいました…それで、何故如月様は上半身裸なのですか?」
「如月には喰龍の術式の構造を見るために上着を脱いでもらったのよ……別に貴方の考えている様な事はしてないわよ?」
少しパチュリーがからかう様に言うと、ボフッ!と効果音が出てきそうな位に顔を真っ赤にする咲夜。
「…なあ、もう良いか?」
「ええ、もう着てもらっても構わないわ」
はぁ…やっと着れるよ…
「それで、術式の構造は分かったか?」
「全然…複雑過ぎて分からないわ、魔法だって結構複雑なのに喰龍の構造は複雑過ぎるわ…まるで"他の者には使わせない様な感じ"」
「そうか…ん…?」
「どうかしたの?」
「……何か強い力が近づいてくる!」
そう言った如月は突然、ダッシュ大図書館から出て行ってしまった。
「如月様!?」
「…私なら問題無いわ、如月を追いなさい……何かあれば私がレミィに伝えるから」
「分かりました、失礼します!」
そう言って、咲夜も能力を使い、如月を追った。
「さて…この妖怪の館でなにが起こるのかしら…」
そう言い、パチュリーはレミリアの所に向かうーー
【如月side】
ーー何か嫌な予感がする。
そしてダッシュしたは良いのだか…。
「ワン!」
白狼が追いかけてしまっているのだ、多分、追いかけっこをしてるのだと勘違いされているんだろうな。
こいつごと連れて行く訳にも行かず、俺は立ち止まりこう言った。
「狼、ココから先は来ちゃダメだ!」
「グルル……ワン!ワン!」
狼は"首輪"を噛んで外そうとしている。
ーーまるで"壊して欲しい"かのような。
そして如月が狼の首輪に触ろうとした瞬間ーー
ーー"美鈴が壁を壊して飛んできた"
比喩でも無い、現実だ。
「なっ…!美鈴!!」
俺はすぐさま近づいて、美鈴の様子を確かめる。
「美鈴!しっかりしろ!」
「…ゴホッ…!如月さん…気を付けて…!」
少し辛そうだが、美鈴は何とか立った。
だが見た目の損傷は激しく、立っていられるのもやっとだろう。
その瞬間、舞い降りるーー
「ーーやっと見つけましたよ」
ーー銀色の戦乙女がーー
次回からまた戦闘です←