ケイトとチカとエンマとキリエは格納庫の鍵をうっかり壊してしまい、そしてその格納庫の中に入ってしまう。そして彼女らが見たのは二機のF2戦闘機であった。
4人がイジツにない大型の戦闘機を見て驚いていると、そこへF2のジェット燃料の買い物を終えて戻ってきた航空自衛隊員の加藤健と菅野奈緒が現れるのであった
「あんたたちそこで私たちの愛機に何をしているのよ?」
「あなたたちはこの前の・・・・?」
奈緒が警戒する目でそう言いエンマは二人を見てそう言うとエンマは何か思い出したのかそう言いかけた時
「あー!兄ちゃん!」
「あの時パンケーキをダメにしたやつ!!」
チカとキリエが健を指さしてそう大声で言った
「お・・・おう。どうもあの時はすまなかったな・・・・」
健は苦笑いしながらそう返事をする。するとケイトが健と奈緒に近づき
「あの大型の戦闘機はあなた達の?」
無表情で二人に訊くと奈緒が
「ええ。そうよ・・・・で、それが何?」
「とても興味ある・・・・あの飛行機のこと教えてほしい・・・・」
「え・・・とそれは・・・・」
健がどう答えればいいか悩んでいると
「それよりあんた、この飛行機のパイロットでしょ?何で私の撃墜の邪魔したの!!」
と、キリエが健に食って掛かった。それを奈緒が
「邪魔って・・・あんた何言っているの?もしかしてさっきの飛燕との戦いのこと?それとも夜の零戦の戦闘のことかしら?」
「両方だよ!それになんで私の獲物を奪っただけじゃなくて、撃墜しなかったの!あ、そうかあんた射撃がへたくそなんだね」
キリエが挑発的にそう言うと、奈緒の眉間に青筋が出る
「へ~面白いこと言うじゃないの。私の腕がへたくそね~だったら飛燕の時、列機の位置を確認せずに勝手に独断で飛んだり、また背後に忍び寄っている敵に気づかなかったのは何処の子娘さんかな?」
「ちゃ・・ちゃんとわかってたもん!それにちゃんとまわりはみているし~!」
「へ~あやうくもう一機の隼を危険な目に合わせるところだったじゃないの」
「なにを!」
「なによ?」
と、奈緒とキリエは火花を散らしながらにらみ合う。そして健はケイトに質問攻めをされて困っていると・・・・・
「キリエ、チカ、ケイトにエンマ。そこで何をしているの?」
「4人とも集合時間はとっくに過ぎているぞ!」
と、そこへ隊長のレオナと副隊長のザラがやってくるのだった。
「すまない。私の仲間が勝手に・・・・・・」
「いや、いや。わざとじゃないんですから構いませんよレオナさん」
その後、格納庫のすぐそばに在る喫茶店らしき店で事情を聴いたレオナが健に頭を下げてそう言う。
「いいや、壊した鍵は私が弁償しよう。それにあなた達には二回も助けてもらったことだし」
「そうですか・・・・」
と、健は頷く。健はこの人が貸し借りを作りたがらない人だとわかってこれ以上言うのは止めたのだ。そしてレオナはコホント咳をすると
「では改めて、私は私はコトブキ飛行隊の隊長、レオナだ。先ほどの飛燕、さらには夜間に襲ってきた空賊の時は助かった」
「いいえ。私たちはあくまで自衛官として集団で民間飛行船を襲っている相手をほおっておくことができなかったので、改めて申し遅れました俺は日本国航空自衛隊第64戦隊所属の加藤健。階級は一等空尉です。そしてこっちが相棒の・・・」
「同じく航空自衛隊の菅野奈緒。三等空尉です」
とレオナの挨拶に健と奈緒が挨拶をするとレオナは
「少しいいか?先ほど日本国とか航空自衛隊と言っていたが、もしかしてあなたたちはユーハングの人間か?」
「ユーハング?」
ユーハングについては二人は薄々日本のことだと考えていたが、あくまで推測なので彼女自身からユーハングについての情報が知りたかった。そしてレオナはユーハング人について話す
「ユーハング人とは70年前、「穴」を通ってこのイジツにやって来て、そして帰っていった人々のことだ。ユーハングとは正式な言葉は「日本軍」と言われている」
「「(日本軍・・・・・・やはり)」」
レオナの説明により、二人の推測が確信に変わった。そして健は
「確かに私たちはあなた達の言うユーハングと呼ばれるところから来た。しかし俺たちは日本軍ではない」
「と、言うと?」
「日本軍とは1871年から1945年までに我が国、日本にあった軍事組織だ。だが、1945年の第二次世界大戦の敗戦により軍は解体された。そして俺たちはその日本軍が解体されたのちに日本の防衛組織として創設された自衛隊のうちの航空部門にあたる航空自衛隊に所属している」
「つまりユーハング人ではあるが組織が違う・・・・そう言うこと?」
「まあ、いうなればそうだ」
ザラの言葉に健が答える
「それで、どういう理由でここに来た?」
ケイトが質問すると
「俺たちにもさっぱりわからない。所属不明機が領空に侵犯したという連絡を受けて急発進したんだが、突如現れた大きな穴に吸い込まれていつの間にかこの世界に来ていた。つまり俺たちは完全な迷子というわけだ」
「迷子って子供じゃないんだから・・・・」
健の説明にエンマは呆れてそう言い、そばにいるキリエは大きい戦闘機に載ってるくせに、パイロットは素人なのかと言わんばかりの冷たい目で見ていた。
「それで、これからあなたたちはどうするの?」
ザラが訊くと奈緒は
「私と健さん・・・・・一尉は今、元の世界に帰る方法を探している。もし見つけたらそのまま日本に帰るつもりよ」
「見つかるまでその間はどうするの?」
「すでにあなたたちは知っていると思いますが。今俺たちはラハマの町長さんの世話になってラハマ自警団の手伝いをしている」
「そうですか・・・・」
もし当てがなかったら、マダムに相談して保護してもらおうと考えていたのだが、すでに行き場のある彼らにその提案をすることはレオナはできなかった。
するとチカが
「ねえ、兄ちゃん。兄ちゃんってユーハングの人なの?」
「ああ。そうだよ」
「ユーハングには海があるんでしょ? ウーミもいるの?」
「ウーミ?…ああ、あの絵本の?」
確か…フグのゆるキャラだったようなと健はチカの言っていたウーミというキャラを思い出す
「イジツには海はないの?」
「はい。大昔にはあったらしいのですが今は枯れちゃって僅かな湖と小さな川が残っているだけですの」
「そうなのか・・・どうりで荒野だけだと思ったが・・・・」
奈緒の質問にエンマは答える。
「それで、ウーミはいるの兄ちゃん?」
「そうだな…トラフグとかクサフグは見たことあるがウーミは見たことがないな・・・まあ、でも海はまだまだ解明されていないことが多いいから、たぶん人間の目の届かないところでひっそりと生きているんじゃないか?」
健は地下の夢を壊さないようにそう言った。事実、海はまだ未発見なところが多々あり、もしかしたらチカの言っていたウーミなる生物が本当に要るかもしれないと健は少し思ってた。すると今まで黙ってたキリエが
「・・・・で、あんたユーハングでの撃墜数は?」
「ないよ」
「え?ないの!?一機も?」
キリエの言葉に健が答えると、その場にいた全員が驚いた
「ああ、俺たち航空自衛隊はもとい自衛隊は創立以来一度も他国と戦争をしていない。俺たち空自も模擬戦はあったが、命を懸けた空戦はまだしていないし撃墜もしていない。よって撃墜数は0だ」
「じゃあ、素人なの?」
「いや、健さんは少なからず腕はいいわよ。アメリカとの合同模擬戦では何度もアメリカ軍の戦闘機の背後を取りキルコールしてたから、模擬戦では無敗だったわ」
「でも0なんでしょ?」
と奈緒の言葉にキリエは皮肉交じりに言うと二人はまたにらみ合い無言で火花を散らす。その様子にレオナと健は
「「(仲良くしろよ。二人とも・・・・・)」」
と内心そう思っていると
「あ!いたいた。ここにいたのかい!」
と店から先ほどの燃料屋イソロクの店長であるお銀さんが入ってきた
「ああ、お銀さん。すまない格納庫にいるつもりだったんだけど・・・」
「それはいいんだよ。店の中であんたがいるの見たからね」
「そうか。それで燃料は?」
「二機分、満タンに入れといたよ・・・・・・て、そうじゃなかった!あんたすぐにラハマに戻れ!!」
「え?どうしたんだい?」
「さっきラハマの町長から電話があったんだ。ラハマが空賊に襲撃されたみたいだぞ!」
「「「「っ!?」」」」
その言葉に健と奈緒以外にレオナたちも驚くのであった