「くそ!舵が動かない!!」
「どうなっているんだ!?このままだと空中分解するぞ!?」
突如現れた謎の穴に吸い込まれた俺たちは今穴の中を飛んでいた。穴の中は真っ暗だったのだがまるで台風の中を飛んでいるみたいに大きく揺れところどころ雷のなる音が鳴り響き。コックピット内では警報が鳴り響く。確かに菅野の言う通りこのままだと空中分解する恐れがあった。すると俺たちの目の前に一筋の光が見えた
「一尉。光が見えます!!」
「ああ、どうやら出口らしいな」
俺がそう言った瞬間光の穴が大きくなり俺と菅野の乗るF2は光りの穴へと吸い込まれ、光が収まるとどこかの空を飛んでいた
「・・・・元に戻ったのか?」
「・・・・そう見たい・・・・ですね?」
俺と菅野は穴から脱出できてひとまず安心する
「ソードウィング02。機体に異常はないか?」
「大丈夫ですレーダーも燃料も武装もピンピンしています。01の機体は?」
「俺のも大丈夫だ・・・・・とりあえず、基地に無線をしないとな・・・・」
とそう言い俺は無線で基地に呼びかけるがノイズ音しか聞こえない
「だめだ…あの時と同じように無線が使えない・・・・・」
「こっちも同じです・・・・・それにしてもここはどこなんでしょうか?」
「わからん。とにかく雲の上じゃあわからない。降下しよう」
「了解」
そう言い俺たちの乗るF2は降下し始める。雲の中を進む中菅野は
「01。先ほどの空・・・・・・夜でしたね?」
「ああ、そうだな俺たちが基地からスクランブル発進したのは朝早くだ。とてもじゃないがおかしい」
と俺たちは穴から出て空の様子がおかしかったことに気が付く。先ほど俺たちが発進したのは午前6時くらい。だが先ほど空を見たら月と星が輝く真っ暗な夜の天候であった。そんな長時間飛んでいられるわけがない。そんな中俺たちは雲を突き抜けるとまたもや信じられない光景を目にする
「なっ!?ここはグランドキャニオンか!?」
「嘘でしょ荒野がいっぱい!?」
俺たちの目にしたものはいつも見る日本の街の風景ではなくアメリカのグランドキャニオンらの崖や荒野が広がっていた
「い、一尉・・・・私たちもしかしてアメリカに・・・・」
「馬鹿!そんなわけあるか!日本までどのくらいの距離があると思っているんだ!もし仮にそうだったら米軍機がこちらに来ていて無線で知らせてくるはずだぞ!」
俺と菅野は知らない風景に困惑する。あの穴に遭遇してからおかしなことばかりだ。
「一尉・・・・私は夢でも見ているのでしょうか?もし夢だったら早く目が覚めて、基地に帰ってシャワー浴びたいです・・・・」
「俺も同感だ俺も基地に帰ってコーヒーでも飲みたいところだが、これは夢じゃない現実だ・・・・・さっきGPSで場所を確認しようとしたが表示されない。それどころか衛星が使えない・・・・」
「それは悪夢ですね・・・・」
「ああ、だがレーダーだけ使えるだけましだ・・・・・・」
「たしかに・・・・・・ん?」
「どうした菅野?」
「レーダーに無数の何かが反応しました」
「なんだって?ミサイルか?」
「いえ、速度は100。ミサイルにしては遅すぎます。恐らく小型のセスナ機かと・・・・それだけではありません。その小型機の所に大型の飛行物体の反応があります」
「なんだと?」
菅野の無線に俺は自分のレーダーを確認すると。確かに菅野の言った通りレーダには無数の小型飛行物体が大きな飛行物体に接近しているのが見えた
「この小型はともかく大型の奴はなんだ?爆撃機か?いや、爆撃機にしては大きいな・・・・」
「わかりません・・・・・レーダーだけでは何とも・・・・・」
「仕方がない。こうなったら、ちょっと確認しに行くか?」
「了解」
俺と菅野は高度を上げてその飛行物体が何なのか確認しに行く。そして高度一万くらいにあがると菅野が
「01。小型の飛行物体を目視にて発見!」
「あれか・・・・・菅野。お前は俺より目がいい。なんなのかわかるか?」
菅野は隊の中では目がいいことで評判で一キロ離れた小さな看板でも読めるというのが自慢だ。すると菅野は・・・
「はい。信じられないと思いますが・・・・」
「なんだ?何を見た?」
「はい。旧海軍の零戦が10機」
「何が10機だって!?」
「旧日本海軍の零戦です!新品同様で太平洋戦争前期の明灰緑色の塗装で飛んでいます。骨董品ですよ」
「なんで零戦が複数飛んでいるんだ?航空イベントか?」
「真夜中に高度4千で飛ぶイベントがどこにありますか!?それに国籍マークも変です」
「マークが変?」
「はい。翼や胴体についているのは日本の日の丸ではなく何かのゆるキャラみたいなマークをしています」
「・・・・・」
俺は菅野の言葉に頭が痛くなった。それは菅野も同じだろう・・・・なぜ70年前の戦闘機が飛んでいるのか理解ができない。もしかしてタイムスリップかと思ったが先ほど菅野が言う国籍マークが日の丸じゃないとするとタイムスリップの類ではない・・・・すると零戦が何かに向かっているのが見え俺はその方向を見ると
「あれは・・・・・・飛行船か?」
俺が目にした大型機の正体は巨大な飛行船であった。なんであんな大きな飛行船が飛んでいるのか不思議に思っていると
「一尉!零戦が数機の戦闘機と交戦!」
「なんだと!?交戦しているのはなんだ?」
「はい。青い塗装でずんぐりした形を見ると・・・・・大きさからしてF4Fだと思います。でも、その機体の国籍マークも星ではありません・・・・あ、また一機F4Fが零戦に撃墜されています!一尉!突入しますか?」
「待て!状況がわからないのに飛び出してどうする!」
「ですがこのままでは・・・・・・・あ、零戦が落ちました」
「なに!?F4Fが撃墜したのか?」
「いえ……あの機体は・・・・・・」
と菅野は目を凝らしてみて零戦を落とした期待を見ると目を見開き
「隼です!!旧陸軍の一式戦闘機隼です!!」
「何、隼!?」
俺は下で行われている空戦を見ると確かに隼らしき戦闘機が零戦と戦っているのが見えた。
「おいおい・・・どうなっているんだ?味方同士が戦いあうなんて?聞いたことないぞ?」
「わかりませんがあの隼。あの飛行船を守るように戦っています。あの飛行船もしかして民間船では?」
「・・・・・」
俺はただ黙ってその空戦を見ていると確かに隼はあの大型飛行船を守るように戦っているのが見える。
「01・・・いえ一尉。もしあの飛行船が民間船なら助けに行かないと・・・・・」
「02、助けに行く・・・・・・それはあの零戦を撃ち落とす。つまり人を殺すことになるぞ?それにだ。俺たちが先制攻撃できないのはお前も知っているだろ?」
「はい知っています。ですが私たち自衛隊の任務は一般市民を脅威から守ることです。そのためなら・・・・・」
「国や人を守るためなら、仕方なし・・・・・か・・・・・」
「はい。私は民間飛行船が攻撃されるのを見て、ただ黙って見過ごすなんてできません。一尉が反対しても私は行くつもりです・・・・・」
と俺は菅野の言葉に目をつむり、そして目を開けると隼の防衛網を突破した零戦が飛行船に向けて攻撃したのが見えた。それを見た俺は・・・・・
「よし、02。交戦を許可する。万が一の場合の責任はすべて俺が取る。だだし使うのは威嚇用として20ミリ弾だけだ。できるだけ脅して追っ払うぞ」
「了解!!」
そう言い俺と菅野の機体はその飛行船を襲う零戦へと向かうのであった
「空賊の戦闘機こちらに接近!」
「おい、勘弁してくれ!?」
飛行船の中、レーダーを見た少女がそう言うと艦長?らしき男が慌ててそう言う。すると、先ほどレーダーを見ていた少女が
「本線から三時方向新たな機影接近!!」
「また新手!?」
「不明機、高速で接近数は二機!あと5秒でこちらに来ます!」
「おい!それは速すぎだろ!?」
「来ます!!」
とそう言っうと飛行船の窓から見たこともない戦闘機が接近するのが見えるのであった
「くっ、空賊の分際で!!」
零戦を追う隼の搭乗員のエンマがそう言うと背後からすごい音が聞こえる
「なんだあの音は?」
コトブキ飛行隊の隊長であるレオナがそう言った瞬間背後からものすごい速さで飛んでくる大型の飛行機二機が隼を追い越し、零戦に向かって行くのが見えた。それを見たレオナは
「なんだ……あの機体は?」
レオナは零戦に向かって行く二機の戦闘機を見て目を丸くし驚くのであった・・・・・