GOD EATER The SAMURAI   作:umiusi

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 どうもおひさです。ISの方を書いていたらだいぶ遅くなってしまいました。すいません。
 今回はエミールとウコンバサラの回ですが、そっちに行っておりません。代わりにキーキャラクターが登場します。


第九話 神の鴉

「これで30。あと何体だ?」

 

 廃虚の街に佇む人影。シュウジだ。彼は今回、単独で任務に訪れていた。というのも、鉄塔の森でウコンバサラ、贖罪の街にコンゴウと多数のアラガミが出現したからで、多数の方にシュウジをぶつけても平気だろうというグレムの判断である。

 

「またか……これで、何体目だったかな、小型は」

 

 今回のこの任務のアラガミの多さははっきり言って異常だ。現時点でシュウジは、コンゴウや堕天種、シユウなど中型を30体、小型を100以上討伐している。

 

『シュウジさん、いい加減戻ったらどうですか?局長も帰還してもいいとおっしゃってますし……』

 

「いや、まだいい。それに、ここには恐らく、本命がいる」

 

『どういうことですか?』

 

「見てて気づいたんだが、どうもこいつら、怯えてるんだよ」

 

『怯えてる?』

 

「ああ。まるで、何かから逃げているようだ。中型の連中は、逆に凶暴化しているがな」

 

 そう、今ここにいるすべてのアラガミの様子がおかしいのだ。小型は、群れがいつもの倍近く膨れ上がっていて、その全てが落ち着きなく辺りを見回している。中型は、今はいないがシュウジを見た瞬間、怒り状態で襲ってきた。

 

「とにかく、もう少し探ってみる。なにか見つかるかも知れないしな」

 

『分かりました。ですが、くれぐれも無茶はしないでください』

 

「了解。まあ、無茶をするような相手は今のところいないがな」

 

 と、通信を終えた瞬間、以前にも感じたことのある圧迫感がシュウジを襲った。

 

「っ―――――!?」 

 

 そこにいるだけで、心臓を掴まれたような感覚、喉元に刀を突きつけられたような感覚、圧倒的な気配。それは、強者の存在を表していた。

 

(どこだ……何処にいる)

 

 その時、シュウジを影が覆った。

 

――――闇よりも深い、漆黒の躯。真紅に輝く目。名刀のごとく輝く刃翼。

 

 シユウに似てはいるが、全く別の…覇者の気迫を持つ存在がそこにいた。

 

「こいつは……」

 

【私は】

 

(声……?)

 

【私は八咫烏、己が道を極める者だ。貴様、名は?】

 

 それはまるで、地の底から響くような声だった。だが、その声を笑い声が打ち消した。

 

「ハハハハハ!こんなところで、同士に会えるとはな。俺はシュウジ、月刀シュウジだ」

 

【ほう?私を同士と呼ぶか。面白い、さすが私が見込んだ男だ。だが、これ以上言葉はいらんだろう?さあ、来い!】

 

「オーケー……いざ、参る!」

 

 それを合図に、二人は飛び出した。

 

※BGM The Hot Wind Blowing

 

 ぶつかり合う影、それを邪魔するものはない。舞散る火花、それはお互いの歓喜に染まった顔を照らす。

 

【シュウジ、その刀、いい物だな】

 

「あんたの、その羽もな」

 

 横に一閃しようとムラサマを振るが、刃翼で受け止められる。刃翼が振るわれるが、ムラサマで凌がれる。そして、剣戟は更に加速する。

 

【生半可な攻撃は効かぬようだな。ならば、これはどうだ!!】

 

 八咫烏は両手を振り上げ、叩きつけるようにして振り下ろす。それをシュウジはバク転で避け、刃翼に飛び乗り、駆け上がり、跳び、空中で逆さまになった時には八咫烏の背後をとっていた。

 

「もらった!」

 

 斬撃モードを発動させ、斬りつける。

 

【グウゥ、ええい!】

 

「なっ!?」

 

 すぐさま反転し、裏拳を叩き込んできた。シュウジはそれを避けることができず、ビルに向かって弾き飛ばされた。

 

「ぐふぁ!あ……お…お……ま、まだだ。まだ終わってない!」

 

 ムラサマを納刀し、ビルを駆け下りる。

 

「んぬぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 そこから八咫烏の下に向かって跳び、抜刀の構えを取った。だが、標的のもとへたどり着くことは叶わなかった。

 

「な……」

 

 目の前に迫る雷。それを見た時には、既に横に吹き飛ばされていた。

 

「くそ、こんな時に……!」

 

 シュウジを撃ち落としたソレは、人の顔を持ったヴァジュラ、ディアウス・ピターだった。

 

「はあ……全く、なんてことしてくれやがる」

 

 シュウジは回復錠を飲み、立ち上がる。

 

【クク、ハハハ……】

 

「ほう?お前も話がわかるようだな。―――おい、クソネコ」

 

「【勝負の邪魔をして、ただで済むと思うな!!】」

 

 ディアウス・ピターの顔は、人間で言う「やっちまった」時の顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ということがあった」

 

「あ、うん。記録見たあとだからそれが嘘とは言わないけどさ、お前ってどこまで規格外なんだよ」

 

「まあシュウだからねぇ~。何でもありなんじゃない?」

 

 あの後ディアウス・ピターを二人で八つ裂きにし、帰還したシュウジは治療を終えて、ロミオ達と話をしていた。

 

「で?そいつを倒したあと、お前たちはどうしたんだ?」

 

「ああ。お互い、あの横槍で興が冷めてな。次に会ったときに持ち越しになった。ところで、そっちはどうだった?」

 

 シュウジはウコンバサラ討伐に行った組に結果を聞いた。

 

「最後に、エミールがやってくれた。ただ、戦闘はお前が相手の時しか想定していなかったみたいで、かなり下手だったがな」

 

「うっ……それを言わないでくれ……」

 

 どうやら無事終えることができたようだ。その時、上から誰かが降りてきた。

 

「シュウジ君、あなたの出会ったアラガミ、フェンリルに登録されたわ」

 

「レア博士……それで?」

 

 ラケルの姉、レアだった。レアは一瞬、シュウジを見て眉をひそめるが、何もなかったかのように詳細を話し始めた。

 

「まず種族だけど、極神種という新しいカテゴリに分類されることになったわ。で、アレはシユウ極神種。名称は、あなたに名乗ったとおり、ヤタガラスになったようね。他に、何か情報は?」

 

「ええ、恐らく、俺以外は攻撃しないでしょう。別れ際に弱い奴には興味がないと言っていましたし」

 

「……それじゃあ、上には見かけても攻撃をしなければいいと報告すればいいかしら……じゃあ、あとはもうないの?」

 

「はい」

 

「わかったわ。それじゃあ……あ、そうそうシュウジ君。怪我をしてるようだから今回は見逃すけど、次に会ったときはゆっくりとOHANASIしましょうね……」

 

 どうやら、シュウジの平穏はしばらくお預けのようだ。




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