失踪はしないように……
プロローグ
はっと、目が覚める。何度も見なれた天井と体を包む布団。
モゾモゾと起き上がり、寝巻きから制服に着替える。セーラー服に。入学式だ。
白いセーラーに胸元に緑のリボン、青いスカート。
隣ではすこし響く鼾、まだ寝てるとは……大丈夫なのかな?
居間に降りると、朝からいい匂い、ご飯ご飯。
「おはよう、お母さん。」
「おはよう、叶愛。守はまだなの?」
「まだだねぇ、起こしてくる?」
「いいわ、先に食べてて」
そう言えばドタドタと出ていき、「守ー!」と大きい声が。すぐあとにドタンッ!と音がすればまたバタバタと音がする。着替えてるんだろうね。
「なんで起こしてくれないんだよー!叶愛ー!」
「目覚まし掛けなかったのが悪いんでしょ!先行くからね!」
「わぁ!待って待って!」
知りませーん、なんておどけながら玄関に。トントンとローファーをつま先をつついて足に合わせる。
またドタバタと聞こえれば隣には守が。どうやら間に合ったようで、運動靴をしっかり履く。
「それじゃあ母さん!行ってきます!」
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい!二人とも!」
二人揃って駆け出すように出る。何故か足の速さは一緒で、
「……やっぱり、似てないとは言っても、双子なのね」
刻み良く走りながら目当ての場所へ。ここに来るのは、私達にとって、とても夢だった。
伝説を築き上げた、元名門校、雷門中。
制服を着るのも、ここに向かって走るのも、サッカー部に入るのも……全部、あの日からの目標。
「やっぱり守はゴールキーパー?」
「勿論!叶愛はディフェンダーだろ?」
「当たり前だよ!サポートは任せてね?」
「あぁ!頼りにしてるぜ!」
3年前、大会に男子も女子も関係なく出られるようになって、少しづつ女子選手が目立ってきた。でも、サッカーはまだ。
だから、私が出て、女子選手をもっと増やすんだ。
「おーい!二人共ー!」
「おっ!秋!」
「おはよう!秋ちゃん!」
同級生の秋ちゃんと合流してまた走る。
「楽しみだね!二人はサッカー部でしょ?」
「あぁ!勿論!」
「頑張って女子選手増やすんだ〜!」
話しながら走っていれば門前に。雷をあしらった校章を前面に構える、雷門中に。
「来たぞー!!雷門中ーー!!」
「気持ちは分かるけど落ち着いて」
さぁ、サッカーやるぞ!
「悪いが、うちの学校にはサッカー部は無いんだ」
「ええええええええええええええ!!!!!!!」
「嘘でしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
少ないですが、プロローグとして、こんな感じでやっていきます
……え?前のはどうしたって?
……ソンナモノハナイ