万丈「前回に引き続きまた変えたのか。てか蘇ったも何も、お前死んでねえだろ」
桐生「細かい事はいいんだよ。こういうのは掴みが大事なんだよ掴みが」
士道「ていうか、前回の最後からこの始まり方ってどうなんだ?もうちょいあるだろ他に」
桐生「苦情はこの台本作った人に言って?俺もあらすじ紹介の台本渡されてちょっとこれでいいのかって不安なんだから」
万丈「まあ別にいいんじゃね?つーわけで、第15話をどうぞ!」
桐生「ああっ!俺が言おうとしてたのに!」
ビルドがゴリラアーマーの【サドンデストロイヤー】で、クローズがビートクローザーで攻撃を仕掛ける。
しかし、マッドクラウンも応戦するように、手元からブレード型の武装を取り出す。
『おいおい、いきなり攻撃なんて酷いじゃぁないかぁ』
「うるせえっ!とっととそのマスク剥いで正体暴いてやるッ!」
クローズと剣を交えながら、しかしビルドへの警戒も忘れない。ビルドが迫ってきた方向へ、銃撃を叩き込んだ。
「うわっ、くそっ、抜け目ねえやつだな………!」
『ハッハァーッ、褒め言葉として受け取っておくよぉ〜!』
軽口を叩きながらも、クラウンは容赦なく反撃をしてくる。右手のブレードでクローズとの距離を離し、左手の銃でビルドに攻撃をする。
「くそっ、だったら………これで!」
ゴリラモンドのフォームでは不利と悟ったビルドが、別のフルボトルを取り出し、振ってドライバーに挿した。
「ビルドアップ!」
掛け声と共に、ビルドのアーマーが切り替わった。
パワー重視のゴリラモンドに対しての、スピード重視のベストマッチフォーム、【ニンニンコミック】フォームである。専用武器の四コマ忍法刀を取り出し、トリガーを一度引く。
瞬間、ビルドの身体が複数体に増え、一斉に攻撃を仕掛けようとする。
しかし、マッドクラウンはさして驚く様子もなく、フルボトルを取り出した。
「っ!フルボトルっ!?」
『フルボトルを持っているのは、お前らだけじゃないってことさぁ』
そしてフルボトルを、銃に装填し、本体上部にあるパーツを二度引いた。
音声が鳴ると同時に、銃口から蔓のようなエネルギーが舞い、ビルドの分身体を一気に攻撃した。
しかしその手応えに、クラウンは首をかしげる。
『んぅ?手応えがねえなぁ………本体は、あっちか』
そう言って横に振り向くと、既にドリルクラッシャーを構えて攻撃体制となったビルドの姿があった。
「はぁぁぁぁーッ!!」
『ちぃっ!』
そのままニンジャアーマーのスピードで以って急接近し、装填したダイヤモンドフルボトルのエネルギーをぶつける。クラウンはその衝撃に耐えきれず、地面へ倒れる。
すかさず、ビルドが呆然としていた士道に叫ぶ。
「士道、今だ!ハーミットをっ!!」
「っ!わ……分かったッ!」
『キュルゥッ!』
その言葉に反応し、覚束ないながらもハーミットの元へ駆け寄ろうとする士道。
しかし、クラウンはすぐに立ち上がり、手元のブレードにあるスイッチ状のパーツを操作した。
『そぉぅはいかねぇなぁ』
低い電子音が聞こえたと同時に、ブレードの先端から液体が流れ、士道とクローズの目の前で収束する。
それらはやがて肉体を形作って行き、二体のスマッシュを生み出した。
「っ、スマッ、シュ………っ!」
『どぉうだぁ?このリキッドスマッシュは。普通の奴よりちいと強いぜぇ?』
「くっそ、俺も行かせねえつもりかよ!」
クローズが毒付きながらも、ビートクローザーを構えて応戦する。
しかし、敵のリキッドスマッシュは、身体をスライムのように崩して、攻撃をぬるりと躱した。
「なっ、うっそだろっ!?」
『ま液体だからなぁ。溶けて動いて避けられるんだよぉ。ここ、テストに出るから覚えてろよぉ〜?』
「くっそ、舐めやがって!」
「万丈っ!クソッ!」
ビルドと交戦しながら、軽口を叩くクラウン。
一方の士道は目の前に現れたスマッシュに怯えつつも、ポケットの中にある朱色のボトル______戦兎命名、【スピリットフルボトル】を振り、硬く握り締めた。
「や、やってやる…………スマッシュが、なんだ………っ!」
身体が震えるのを感じながらも、歯を食いしばってスマッシュと対峙する。
やがて、スマッシュが動いた。
「ァァァァァグッゥアアアッ!!!」
「がぁっ!ぐっ………!」
「士道ッ!」
反撃がかなわず、一撃をもろに受けてしまう。
遠くへ吹き飛ばされ、腹から打ち付ける。身体中を鈍い痛みが襲うがしかし、前回とは決定的に違う何かの違和感に、その時気付いた。
「(前より………痛くない?)」
そう、痛いことは確かなのだが、なんか、前よりもそれが軽くなっている気がするのだ。
ボトルの影響か、それともスマッシュの攻撃自体が前のやつより弱かったのかは分からないが、とにかく立ち上がれるだけの力は残っていた。
「やられる………このままじゃ、死ぬ………っ!」
切ってしまったのか、口から血が流れる。それを手で拭き、もう一度スマッシュと対峙した。
「ァァァァァゥグルァァァァアッ!!」
そして、今出来る精一杯の力で、向かってくるスマッシュに、拳を据える。
「うぅっ………だぁぁぁぁぁぁーーッ!!」
そして、あらん限りの力を込め、叫び、思いっきりスマッシュへ殴り付ける。
その瞬間、信じられないような光景が広がった。
先程の万丈の攻撃は、液化した避けたはずのスマッシュが。
その体を粘土のように歪ませ、思いっきり後方へ吹っ飛んで行ったのだ。
「えっ……!?」
「なっ、あいつ………」
『………なんだとぉ?』
三人から、戸惑いの声が上がる。
そして、自分の拳を見て、確認する。
「はぁっ………はあっ…………痛くない………これならっ!」
もう一度拳を握り、スマッシュへと向かっていく。
不思議と、先ほどよりも身体が軽い気がした。
「ふっ!!はッ!だぁッ!!」
「ぅグゥォォォォッ!!」
士道が立ち上がるスマッシュに、渾身の攻撃を繰り出す。蹴っては殴り、蹴っては殴る。型もクソも無い、素人丸出しの、必死な攻撃。
相手もそう簡単には倒れないが、確実に手応えがあった。度々液化して躱してくるが、それでも攻撃が当たった時は数歩後ろへ下がり、痛がる様子をする。
『五河士道………この短期間のうちに、ハザードレベルがどんどんと………!ハッ、ハハッ』
そんなクラウンの声すらも気にせず、目の前の敵に立ち向かう。
スマッシュからの攻撃を受けるがそれも厭わず、ただ、ひたすら殴りつける。外傷は、あの不思議な炎がかき消してくれた。痛みそのものが消えるわけではないが、大規模な怪我は心配せず戦える。
『凄い………凄いぞ………2.7、2.8、2.9…………!』
「さっきから、何を言っているんだお前はっ!」
『感謝するよぉビルドォッ!君達のおかげで…………ついにっ………!』
そんな会話が、聞こえる。
しかし、気にしない。あの子を、助ける為に、目の前の敵を倒す。
そして、士道が放った、その一撃が。
「がぁぁぁぁぁあああっ!!!」
「ゥッ!!?」
ボトルの力を込めた、その一撃が。
ついに、目の前のスマッシュを、爆散させた。
「なっ!」
「やりやがった!?」
「はぁっ………はぁっ………はぁっ…………!」
その後には、なにか水跡のようなものが残った。どうやらリキッドスマッシュは、倒された後はそのまま水のような物質になるらしい。
凄まじい倦怠感が、身体を蝕む。
全身の鈍痛と、何度も打ち付けた拳の痛みが、よりそれを加速させた。
ふと、スマッシュを呼び出した本人であるマッドクラウンへ向き変える。
悔しがっているのか、と、淡い期待を向けて見たそこには。
『くっ………くくっ………フフッ………ハハッ…………!』
「な………に…………?」
笑いを堪えきれない様子で、腹を抑える道化師の姿があった。
そして。
『フッハハハハハハハッ!!ハハハハハハッ!!』
「「「!?」」」
ついには顔を見上げ、手を広げて大きく笑った。
「何が…………おかしいん、だ………!」
『おかしい!可笑しいだって!?まさか!寧ろこれ以上ない感謝だよぉっ!!ああっ、狂おしいッ!
「どういう事だ……!」
ビルドがそう言うと同時に、クラウンがその名の通りの狂ったような口調で語りだす。
『ハザードレベル3.0…………とうとう、とうとう、とうとうッ!!覚醒したかァッ!
「っ、なんだって!?」
その言葉を聞き、ビルドが動揺したような口調になる。
士道はその言葉を聞いても、何の事だかさっぱり分からなかった。そういえばリビルドライバーについて話した時、戦兎がそんな単語を言ってたっけな、という事くらいしか、朦朧と思い出せなかった。
その後、クラウンは信じられない一言を発した。
『気が変わったよぉ〜!この場はぁ、引き上げる事にするぅっ!ありがとうゥッ!』
「なん……だと………っ!?」
先ほどまでは通さないと言っていたにも関わらず、あっさりと手のひらを返したようにそう言った。
そして、手元のブレードを操作し、クローズと交戦していたリキッドスマッシュを元に戻す。
「オリャァッ!って、アレ?どこいった?」
『精々ハーミットとの対話をぉ、楽しんだらいいんじゃなぁーい?んじゃ、まったなぁ〜っ!』
「待てっ!………お前は、何が目的だ。何故俺たちのことを知っていた」
翻って手を振り、その場を去ろうとするクラウンを、ビルドが引き留める。クラウンはその場で立ち止まって肩を竦め、一度こちらに振り向いた。
そして大仰に手を挙げ、芝居掛かった仕草で答える。
『俺はただの引き立て役さぁ。舞台を盛り上げ、観客を笑わせるための
「……どういう意味だ」
『そのうち分かるさぁ。それじゃ今度こそ、バァイナラァ〜!』
もう一度手を振ると、銃を取り出し水蒸気を発射する。
それが晴れた後には、マッドクラウンの姿はどこにも無かった。
それを確認すると、ビルドとクローズは変身を解除する。
「………………」
そして、士道は。
「…ん?士道、おい、士道っ!?」
_______バタン。
糸の切れた
「おいっ、大丈夫か士道!?しっかりしろ、士道!」
『キュルッ!?キュルルゥッ!』
戦兎が駆け寄り、ガルーダも心配そうに鳴き声をあげ、士道の顔を突く。
すると突然耳元のインカムから、ノイズ混じりに音が聞こえてきた。やがてノイズが除かれ、声が鮮明になってくる。
『……っ!通信、繋がってるっ!?今どういう状況なの!?応答して!』
「っ、琴里か!」
どうやらマッドクラウンが去ったと同時に、通信妨害も解除されたらしい。琴里の声がインカムから聞こえてきた。
「今しがた敵と交戦していた。ハーミットは眠らされて、士道は気絶してる!」
『っ!……分かったわ。士道はこちらで回収する。戦兎たちは、作戦を続行して。まだ、ハーミットの反応は消えてないわ』
「………分かった、頼む」
そう言って通信を切った戦兎は、士道の身体を地面に寝かせた。するとガルーダが士道に寄り添うように、その場で着地する。
そして、呟く。先ほど、クラウンが放った一言が、戦兎の胸に痛烈に残っていた。
「………ハザードレベル、3.0だと………士道が……………」
その数値は、仮面ライダーに変身できる________普通に暮らしていたら、まず到達し得ない数値だった。
◆
士道とガルーダが転送されるのを見届けた後、戦兎と万丈はハーミットの元へと向かった。幸い少し強く眠らされていただけのようで、何か攻撃を受けたような後は見えない。
「おい、大丈夫か?おい」
気遣いながら、少し強めに肩を揺する。大きいフードが揺れる事数十秒、ようやくハーミットが目を開け、そして肩を震わせた。
「あっ…………う……………」
「あ、俺は、桐生戦兎。こっちは、万丈龍我だ」
「おう」
『ギーギガー!ギギー!』
「………で、こいつがクローズドラゴンだ」
と、軽く自己紹介をする。ドラゴンも『俺も俺も!』と主張するように鳴き声をあげたので、万丈が補足するように指差して紹介する。この世界に来てから、やけにこのドラゴンも感情豊かになったものだ。
すると突如、ハーミットの声とは少し違う声音が聞こえてきた。
『_____君たちも、よしのんをいじめに来たのかなぁ?』
見ると、ハーミットの左手に装着されたパペットが、パクパクと口を動かしていた。
『って、よく見たら、君、昨日の変身したおにーさんじゃない』
「昨日?っていうと、あのスマッシュをやっつけた時か……見てたのか?」
『うん!ばっちりねぇ〜!しっかし驚いたよぉ〜。まるで、正義のヒーローみたいだったね!』
「おっ、なんだ分かってるじゃん!でも、あれは他人には秘密な?」
『うんうん!そこは
そう言うと、パペットが両手を広げて笑う仕草をする。片手でやっているとは思えないほど自然な動きに、戦兎も思わず驚いた。
しかし、何故だろう。何処と無く違和感を感じる。
「……なぁ、戦兎。なんか、イメージしてたのと違くね?」
『随分とまあ、陽気な精霊ね』
万丈と琴里も同じような感想を言ってくる。パペットでの演技とはいえ、なんだか見た目とのギャップが激しい。
と、ここでハーミットとの会話の中に気になる単語が混じった。
「なあ、よしのん、ってのは何なんだ?君の名前?」
『そうそう!よしのんはよしのんのナ・マ・エ!ねっ?凄いでしょ?最っ高でしょ?可愛いでしょ?』
「あっ、それ俺の台詞……まあ、いい名前だな」
『ギーギガー!』
『あ、君もそう思う?話が分かるドラゴンじゃなーい!』
「え、お前こいつの言葉分かるの?」
と、万丈がよしのんとドラゴンの会話が成立した事実に突っ込む。
とそこで戦兎は、この子は十香と違って名前がちゃんとあるんだな、と心の中で思った。
『十香』は、士道が名付けた名前だ。
「あ、そうだ。おい、よしのん」
『はいはーぃ、何かなー?えーっと、龍我くん?』
すると万丈が何かを思いついたように、よしのんに質問をしてくる。
「いや、大した事じゃないんだけどよ。よしのんってのは、その人形じゃなくて、お前の名前なんだよな?」
本当に他意は無いように言いながら、少女の方へと目を向ける。
「?」
瞬間、戦兎は違和感に気付いた。
さっきまで陽気に話していたパペットが、急に黙りこくったのである。
次いで、戦兎と万丈のインカム越しに、ビーッ!ビーッ!という警報音が聞こえてくる。
『______っ、戦兎、万丈。機嫌の数値が一気に下がってるわ。万丈、あなた一体何を話したの?』
「あ?いや俺はただ、なんでずっと腹話術でしか話さねえのかなと思ってよ」
万丈が素直に口にすると、パペットが万丈にゆらりと顔を近づけてきた。
『______龍我くんの言ってることが分からないなぁ……。腹話術ってなんのこと?』
口調は穏やかだが、明らかに纏う雰囲気が、違う気がした。
慌てて戦兎は万丈の口を塞ぎ、笑って唇を動かした。
「いやー、やっぱよしのんはよしのんだよな!ごめんなー、このバカが適当なこと言ってよー!」
「モガッ、モゴッ!」
「いいからちょっと黙ってろ」
すると。
『ぅうんっ、もー、龍我くんったらお茶目さんなんだからー』
さっきまでの凄味が嘘のように霧散して、パペットが甲高い声を上げた。
「………ぷはっ、何すんだよいきなり!」
「お前は余計なこと言わないの。下手なトラブルになったらどうすんのよ」
と、戦兎が万丈を諌めていると。
『____ッ、戦兎、万丈、今すぐそこから離れて!』
インカムから、琴里の声が聞こえてきた。
「ん?どうした?」
『ASTが動き出したわ。壁を破って来るつもりよ!いいから早く!』
「っ!万丈!」
「ああ!」
聞くや否や、戦兎は少女の手を取り、大急ぎでそこから離れようとする。
が、少し遅かった。
________ドガァァァァァアーーンッ!!
「「っ!?」」
けたたましい爆音と共に、戦兎達の正面の外壁が破られる。
爆風に煽られ、後方へと飛ばされてしまう。なんとか受け身の姿勢をとり、少女を抱えて地面に着地する。
「けほっ……けほっ………、大丈夫か、万丈」
「ああ、何とかな……あいつは?ハーミットは?」
「え、あ、ああ。大丈夫みたい………ん?どうした?」
「あっ………………あぁっ…………………」
少女が、怯えたような声を出しながら、なにかを探すように前へと歩く。
様子がおかしいと思った戦兎は、視線をこらす。そこで、あることに気が付いた。
「………あれ?………
そう、先程まで少女が身につけていたパペットが、
______と、気付いた時には、もう遅かった。
「っ、寒っ!?」
『ギ、ギギッ!?』
「これは………っ!?」
どこからか、血液ごと凍るかのような冷気が発せられると同時に。
全てを凍てつかせる、絶対氷結の白兎が、姿を現した。
どうでしたか?
最後の方雑になってしまいましたが、申し訳ありません
とここで、ちょこっとオリジナルスマッシュ解説。
・リキッドスマッシュ
マッドクラウンがブレードから生成したスマッシュ。通常スマッシュより幾らか強い。肉体が液体で作られており、スライム状に変化させて攻撃をかわすことができる。しかし、広範囲攻撃に弱く、また避けやすい分打たれ弱いという欠点も持つ。
撃破した後は液体になり、その後自然と蒸発するので、ボトルで成分を回収する必要はない。というか出来ない。
と、こんな感じです。今後もうちょっと物語が進んだら設定集を出すので、その時にもう少し詳しく解説できたらなと思います。マットクラウンの変身システムも含めて。
次回はもうちょっと丁寧にやりますので、よろしくお願いします。
それでは次回、『第16話 ヒーローへの条件』を、お楽しみに。
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