士道「いやちょっと待て。なんだよこのタイトル」
桐生「ん?何もおかしいとこないよ?」
士道「いやおかしいだろ!なんでちょっと『冷やし中華始めました』みたいな感じでタイトルにしてんだよ!」
桐生「その文句は元ネタの方に言ってくれよ。ていうか、お前今回大丈夫なの?なんか三人とデートするってあったけど」
士道「ああ、それなら作者が、『どーせここ原作で読んでる人多いやろしカットしてもええやろ』とか言ってバッサリカットしてたぞ。あと全部書くと文字数かさむからって」
桐生「そんな裏の事情聞きたくなかったなぁ………まあ取り敢えず、第24話をどうぞ。あ、一応はデートしてるからね?」
「……むぅ」
十香は椅子に座ったまま顔を上げ、黒板の上にある時計を見やった。もう少しで昼休みが終わってしまう。
朝ごはん以来食べ物を口にしていないので、健啖家の十香はもう目眩がするくらいお腹がペコペコだった。
でも、弁当はまだ開けていない。士道は先に食べていろと言ったが、士道たちと一緒に食べるご飯の美味しさを知ってしまった十香は、どうもそういう気になれなかったのである。
「シドー………」
教室の扉を見る。士道はおろか、戦兎や万丈の姿も見えなかった。
「う、う……………」
何故だろうか。目がじんわりと熱くなって、鼻で呼吸をするのが苦しくなってくる。ずずっと洟をすすって、目元を拭う。服の袖が、少し濡れた。
と、そこに。
「あれ?どしたの十香ちゃん」
「何、まだご飯食べてないの?」
「マジ引くわー」
外で昼食を摂っていたらしい、よく十香を構ってくれる亜衣麻衣美衣の三人がやってきた。どうやら似たような名前が縁で仲良くなったようだ。
「ってうわ!どーしたのよ十香ちゃん!泣いてんじゃん!」
「うちの十香ちゃんに手ぇ出したんわどこのどいつじゃぁッ!!」
「マジ引くわー!」
見事なコンビネーションで三人が十香を囲む。
「ち、違うぞ!別に何もされていないぞ!」
十香が慌てて手を振り、三人に訴えかけた。
「ええ?そうなの?」
「じゃあどうしたのよ」
「マジ引くわー」
三人が訊くと、十香は震えた唇を開いた。
「シドー達がな、戻ってこないのだ。……それで、今日は、あまりシドーと話せていないなぁと思ってしまって、そうしたら、なぜか、こう……」
それを口に出すと、目からポロポロと大粒の涙が溢れた。
「あぁっ!十香ちゃん!これ以上言わなくていいのよ!」
「五河君め!こんな健気で良い子を泣かせるなんて!」
「マジ引くわー!」
三人がやたらと高いテンションで叫ぶ。十香は再びあわあわと制止した。
「し、シドーは悪くないのだ!ただ、私が………」
十香は乏しい語彙から言葉を掻き集め、士道には非がないこと、十香が少し士道に依存気味であった事が原因なのだと説明した。
「ふぅむ。つまり十香ちゃん的には、五河君とお話しできて、ご飯とか食べちゃって、あまつさえ遊んだりできたらスーパーハッピーなわけね?」
十香はその言葉にコクコクと頷いた。
「くぅッ、なんて純真無垢で良い子なの。よし、分かった!十香ちゃんのためなら一肌脱ぐよ私は!」
と、亜衣が言うと、自分の鞄から紙切れを二枚持ってきた。
「あ、亜衣、あんたそれは………!」
「そう、天宮クインテットの水族館のチケットよ………ッ!確か明日は開校記念日で休みでしょ?十香ちゃん!これあげるから、明日五河君と行ってらっしゃい!」
「亜衣!それはあんたが万丈君と______」
麻衣が言いかけるのを、亜衣が制する。
「それ以上言うんじゃあねぇ!十香ちゃんが遠慮しちまうだろぃ………」
「む?リューガに何か用があるのか?」
「だ、大丈夫よ!十香ちゃん………五河くんと………幸せに…………ね」
「ぬ、ぬぅ………?」
十香は戸惑いながらも、肩を掴みながら震えた手で渡してくる亜衣から、大人しくチケットを貰った。
するとその瞬間、亜衣がその場に崩れ落ちる。
「あ、亜衣ぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!」
「おい、よしてよ………嘘でしょ………ねぇ、目ぇ覚ましてよ亜衣!亜衣!亜衣!亜衣ぃぃぃぃいッ!!」
「………!?………!?」
十香は目を白黒させキョロキョロと首を回すと、何がいけない事をしたのではないかと思い、亜衣の手にチケットを戻した。
「私は帰ってきたぁぁぁっ!!」
すると、亜衣が復活した。
「亜衣!」
「奇跡よ!」
「って、いやいや」
急に冷静になった亜衣ぁ、十香にチケットを渡し直してくる。
「返しちゃ駄目でしょ十香ちゃん。これ持って、五河君にお誘いかけてみなさいって」
「お、おさそい………?」
「そ。明日デートしてらっしゃいって言ってんの。デート」
「………!」
言われて、十香は目を見開いた。士道と、デート。
______嗚呼、それは、とてもいい。
◆
そして、その日の夜。
「………………それで?」
「…………狂三と、十香と、折紙の三人とデートする事になりました」
何故か、士道がそう独白してきた。
今日の放課後、狂三攻略の為放課後に明日デートしようと誘いを掛けた。それ自体は上手くいったのだが、問題はその後起きた。
その後家へ着くと、十香が何故か凄くイケナイ雰囲気でデートに誘ってきて、そのままなし崩し的に承諾。というか、承諾しないと駄目な感じだった。
さらに息もつかせず、折紙から電話が届き、士道に喋らせる事なく明日デートの誘いを受け、行く流れになった、と言う事だ。
琴里には既に話したのだが、当日どうしたらいいかアドバイスを聞くため、現在戦兎の部屋へと出向いていた、という訳だ。
「………まったく。少しは断るってものを身につけなさいよ」
「し、仕方ないだろ!受けちまったもんは!」
「ま、そりゃそうだけどさ。あ、そうだ」
すると戦兎が何かを思い出したように、机の上から何かを取り出し、士道に放ってきた。
「おっと………!あれ、これって……」
渡されたのは、士道がアライブへの変身に用いるリビルドライバーだった。
「この前変身した時は、動作チェックもせずいきなりだったろ?だから、不具合がないかと思って、メンテナンスしといた。これで当分持つだろ」
「あ、そうか………いや、悪いな。ありがとう」
「気にすんなって。取り敢えずは、明日のデートについてだろ?」
「……そうだな」
リビルドライバーを懐にしまい、話を戻す。
「まあぶっちゃけデートプランについては、琴里とか令音さんが何とかしてくれるだろ。正直、俺から言ってやれることなんてなぁ」
「そんなこと言うなよ、正直不安で…………つか、何作ってんだお前」
戦兎は会話をしながらも、視線と手先は机の上に集中していた。覗いてみると、何か武器のようにも見える。
「アライブの武器だよ。クローズにもビートクローザーがあるしな。流石に何もないってのはあれだし」
「え?マジか。ていうか、ドライバーのメンテナンスまでやってそれもやって、大丈夫なのか?」
「モノを作ってる時の方が、何もしないより気が休まるんだよ。とりあえずお前は、明日に向けて休んどけ。明日は、お前がやれるようにやればいい。………つっても、アドバイスになるかは分からないけどな」
「………いや。サンキューな。俺、部屋戻るよ」
「ん。じゃ、おやすみ」
「ああ。おやすみ」
言うと、士道は戦兎の部屋を出て行き、自分の部屋へ戻った。
士道を見送ると、戦兎は作業を続けた。正直なところ、このアライブの武器、【アライブラスター】については大体仕上がっているのである。あとは各種機能の動作チェックをすれば、そのまま使えるのだ。
「あとは…………」
戦兎は、机の隅に置かれた、
そこには、水色の本体に、金色のレンチが取り付けられた、壊れたドライバーが置かれていた。
「………こいつも、直さねえとなぁ」
それは万丈がかつて使っていた、もう一つのドライバー_______【スクラッシュドライバー】であった。
それを見てふと、かつての仲間の一人______仮面ライダーグリス、
「………いや、仮面ライダーは、既にネットでも都市伝説として出回ってる。それなのに一向に接触してくる様子がないってのは…………そう言う事なんだろ」
その沈んだ気持ちを誤魔化すように、戦兎は手元の作業を続けた。全て終わったのは、深夜の二時だった。
◆
天宮市オフィス街にある、とあるビルの屋上。
「うふ、うふふふふ」
『なんだぁ?やけにご機嫌じゃあねえか。お嬢ちゃん』
紅と黒のドレスを着込み、黒髪をツインテールに纏めた少女______時崎狂三と、サソリのような仮面の男______マッドクラウンが、話をしていた。そこから発せられる空気は、とても禍々しかった。
「えぇ、えぇ。実はですね、明日、士道さんとデートをすることになりまして」
『ほぉ。そいつぁ良かったじゃあねえか。………そんで、ただそれだけの事で喜んでんのかい?』
「あら?どう言う意味ですの?」
狂三が惚けた様子で訊くと、クラウンはさもおかしいという様子で、笑いながら言った。
『惚けんなよ悪女さぁん。猫かぶった演技の上手いお前さんが、ただデートってだけで、こんな喜ぶ訳ねえだろ。年頃の生娘じゃああるまいし』
「あらあら。そんな風に思われてたのですか?悲しいですわ。それにわたくし、こんなに美しいですのよ?」
『見た目は、な。それに………嘘を吐くのも得意なようだ』
またもおかしいと言った様子で笑う。狂三は上品に、うふふ、と笑うと、天宮市の街並みへと視線を映した。
「あぁ、あぁ。楽しみですわ、嬉しいですわ。士道さんを_____食べられるまたとない機会ですわ。偶然、必然、運命ですわね」
『あぁ………そいつぁ
クラウンは少し同情するような_____しかし、隠しきれない愉悦が混ざった声音でそう言うと、夜の闇へと消えていった。
狂三はそれに気付いたが、特に気に留める事もなく、夜の街を見上げ、月を見つめた。
「待っていてくださいね………、士道さん」
その顔はきっと、愉快で歪な顔になっていただろう。
◆
______その日の士道のデートは、きっと本人にとっても忘れられない物だっただろう。主に悪い意味で。
三人とデートし、尚且つそれを悟られないようにするために、士道には超過密の鬼の如しスケジュールが課せられた。
まずは十香と合流して水族館へ行き、途中で抜け出し狂三と合流。その後十一時に駅前広場へ行って折紙と合流する。その間のタイムラグを少なくしつつフォローして、空白時間を埋めるよう調整すると言う、いっそスマッシュと戦った方が何倍も楽であろう指令が下されたのだ。
とはいえ、これは成功させなければならない。そうしなければ、狂三を封印できないからだ。そもそもは士道にも原因がある訳だし。
さらに士道の周辺は、ガルーダがバレないようにうまくやりながら周囲を飛び回って監視している。鳴き声は戦兎が泣く泣くオフにした。そうでもしないと気付かれるからだ。
「お、士道順調そうじゃん」
「また見張らなきゃいけねえのかよ」
ちなみに戦兎達も例のごとく、ブラブラと歩くふりをしながら士道の動向を見張っている。今回は比較的人も多いので、気づかれにくいのだ。そのため、二人とも今回は普通の服装である。
「ねーママ〜、あのおにーさんたち変だよー?」
「見てはいけません」
……まあ、二人とも電柱の陰に隠れて二人を見ている状態なので、側から見たら完全に不審者なのだが。
「万丈」
「あ?」
「言われてんぞ」
「俺だけかよ!」
「あ、待て。動き出したぞ」
と、小ボケを挟みながらも、二人で追跡する。二人の後を追い、辿り着いたのは_______
「ブッ!」
「おい戦兎。なんであいつら下着見に行ってんだ?」
______駅ビルにある、ランジェリーショップだった。
「…………おい琴里。どう言う事だ」
『仕方ないじゃない。映画館やショッピングだと、十香と鉢合わせる可能性があったし、彼女も絶対断るとは思えなかったから』
「だからってもっとあるだろ?………はぁ、最悪だ………」
と、戦兎がフラクシナスクルー達の腕に今更ながら不安を覚えていると。
「ん?あれは桐生くんと………万丈くん!?」
「二人してお出かけかな?」
「マジ引くわー」
遠くから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
士道や戦兎たちのクラスメイトの、亜衣麻衣美衣の三人だ。しかし、今この状況ではまずい。
「………琴里」
『……ええ。今あの三人と士道たちを合わせたらまずいわ。作戦行動の障害になる』
三人の進行方向は、まさに今士道たちの入って行ったランジェリーショップだったのだ。
今士道達と合わせると、色々と拗れる事が起きてしまう可能性が高い。
『とにかく。何とか三人の意識を別の方へ持って行って』
「……分かった。おーい、万じょ____」
と、戦兎が声を掛けるより前に。
「お、何だ!お前らも来てたのか?」
「う、うん。その……万丈君たちは、どうして?」
「まさか………男同士の、禁断の密会………!?」
「マジ引くわー」
「何言ってっかさっぱり分かんねえけど、ちょっとな」
なんか普通に話してた。とそこで、戦兎はあることに気付いた。
なんか、亜衣のほうが妙にモジモジしている。その上ほんのり頰を赤らめ、どこか緊張した様子で話している。
「…………まさか」
まさか、とは思うが、そうとしか思えない。しかし、そうなら逆にチャンスだ。
とっさにプランを考えた戦兎は、急いで四人の元へと駆け寄った。
「よっ!奇遇だなこんなところで会うなんて!」
「あ、桐生くん」
「おはよー」
「おはよう」
「あ、おい戦兎。早く行かねえとあいつらがムグゥッ!?」
余計な事を口走りそうになった、万丈の口を塞いで。
「そういや亜衣!万丈がお前とデートしたいってさ!」
作戦を実行した。かつて美空に行ったやつとほぼ同じ奴。
「へ……………えぇぇぇぇぇえええええーーっ!!!!?」
「な!?」
「ぬ!?」
「はぁぁっ!?」
四人、特に亜衣から驚きの声が上がった。亜衣は顔を真っ赤にし、麻衣と美衣は好奇の視線を向け、万丈は抗議の視線を送ってくる。
「で、デデデ、デート……!?デートって、その、デートの事?私と、万丈くんが……!?」
「良かったじゃん亜衣!ほらっ、イッテイーヨ!」
「いーじゃん!いーじゃん!スゲーじゃん!」
「でっ、でも、その、色々と…………」
「おい、そんな事一言も_____」
またも余計な事を口走りそうになった万丈をつかみ、連れて行く。
↓以下、パントマイムでお送りします。
「(いいから・黙って・デート・して来い!)」
「(なんで・俺が・行かなきゃ・ならねえんだよ!)」
「(そう・言うなよ!・後で・バナナ・やるから!)」
「(ウキキウキキ!・俺・バナナ・大好き!・って、俺は・猿じゃ・ねえよ!)」
「(プロテインと・カップ麺も・付けるから!)」
「(…………・分かった(グッ))」
パントマイムによる買収、もとい意思疎通完了。前回と同じく、驚くほどに買収は簡単だった。数百円で済むのだから安いものである。
瞬時に万丈は亜衣の元へと行き、肩を掴んだ。
「亜衣!」
「ひゃ、ひゃい!?」
「……デートしよう」
「はぅあッ!?」
亜衣が顔を真っ赤にし、万丈が少々強引に手を掴んで歩いていく。
「ほら、行くぞ」
「こ、心の準備がぁぁ〜……っ!!」
と、最初はなっていたが、しばらくすると一緒に歩いて行った。
「……さて。これでOKか?」
『……ええ。上出来よ。それにしても、よく咄嗟にやれたわね、あれ』
「経験則ってやつさ」
インカムからの通信に答えると、戦兎は麻衣と美衣の方へと向き返った。
「さて。……ここでこうしてるのも何だし、俺らもお茶でもするか?」
「あ、うん。それはいいんだけど……その、ありがとうね。亜衣と、万丈君のこと………」
「ああ、分かってるから大丈夫。まああいつなら、泣かせるような真似はしないでしょ」
今現在、知られたら弱冠二名の女子を泣かせるような事をしている仲間を尾行している最中なのだが。
それを心の中に仕舞い、戦兎たちは万丈たちの後を追った。
「(………グッドラック、士道)」
一瞬振り返り、戦兎は士道のいる方へサムズアップした。
______その後士道に襲いかかるのが
どうでしたか?
今回は少し雑になってしまいました。タイトルも十全に回収されてませんし、物語も全然進んでないし、やめたらこの仕事?(憤怒)
と、それは置いておきまして。次回こそは!次回こそは内容濃くするので、許して下さい!何でもしますから!(ノンケなのでマジで)
最近学校も忙しくなって、オリ文章考えるのもだんだん話が進むごとに難しくなってきて、回数書いてるのに話の組み立て方や構成や地の文会話文が雑になっていくと言う珍現象が発生してしまいます。どうしたらいいのでしょうか?誰か教えてください。
ちなみにこの亜衣と万丈の絡みは本編にそこまで干渉しないレベルでこれからも書くつもりなので、楽しみな人は楽しみにしててください。
次回、『第25話 時の破壊者と枯れたハート』、をお楽しみに!
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