万丈「こいつらもしつけえよなぁ。なんかエボルトのやつ思い出しちまうぞ」
桐生「あ、それ分かる。なんかスッゲーエボルトに雰囲気似てるんだよな、あいつ」
士道「なあ、エボルト、ってなんだ?」
真那「エボルタ?」
桐生「エボルトだよ、エボルト。ていうか真那来たんだ」
真那「はい!まあ私、一応このコーナーじゃ準レギュラーみたいな感じでいやがりますからねー!」
万丈「その割には最近出てなかったよな?」
真那「………そ、そんなことねえでいやがりますよ!忘れられてたとか、そんなわけあるはずねーじゃねーですか!」
一同『忘れられてたんだな』
真那「う……うぅーーッ!!もう、知らねーですよッ!ハイ!というわけで、第37話、どうぞ見やがってください!ふん!」
士道「あっ、おい待てよ!」
「はぁッ!」
『ふん』
ビルドが消防車アーマーの左腕、【マルチデリュージガン】から放水させ、ナスティシーカーに牽制を行う。しかし相手はそれをかわし、ビルドに接近しようとする。
こちらではビルドとナスティシーカーとの戦闘が行われ、そしてその一方で。
【ツインブレイカーッ!アァタックモードォッ!】
「オラァッ!」
『おぉっと、危ない危ない』
こちらではクローズチャージとマッドクラウンが交戦状態に突入していた。クローズチャージが出したツインブレイカーのパイルの先端が、クラウンへと向かって進む。が、クラウンはそれを器用にブレードで下段から弾き、リバースチームガンの銃撃を食らわせる。
「おわっ!くっそ……!」
『そんなんじゃあ、俺には勝てないぜぇ?』
「野郎………ッ!」
クラウンの煽るような台詞に、クローズチャージが立ち上がって再び攻撃を仕掛ける。
【BEAT CROSS-ZER!】
【ビィームモードォッ!】
ビートクローザーを構え、左腕に握り直したツインブレイカーをビームモードに切り替え、牽制しつつ接近する。二連装のレイジングビーマーからビームが放たれ、クラウンの動きを抑制する。
『くっ………!』
「もらったぁッ!」
【ヒッパレーッ!SMASH HIT!!】
そして充分接近したところで、クローズチャージがビートクローザーのグリップエンドを引っ張り、エネルギーを装填。蒼炎を纏った斬撃が、クラウンへと襲いかかる。
『甘え………よッ!』
「なっ!?」
だがその斬撃を、クラウンは両手持ちで支えたブレードでもって受け止めた。しかしかなりの衝撃があったためか、クラウンの足場のコンクリートはヒビ割れている。
『まだまだ、だぜぇ?』
「てっめえ………!」
クラウンの挑発する声に、クローズチャージは再び攻撃を仕掛けるのだった。
◆
「はっ!おらっ!」
クローズチャージとクラウンの戦闘地点から少し離れた場所で。
ビルドとナスティシーカーは、互いに一進一退の攻防を続けていた。ビルドがハリネズミアーマーの右腕、【BLDスパインナックル】の針で攻撃を仕掛け、シーカーはそれらを紙一重で躱し、防御の合間を縫って銃撃を叩き込んできた。
しかし、ビルドもただでは食らわない。左腕に持ったドリルクラッシャーでそれを器用に、時に大雑把に防御し、被ダメージを最低限に、与ダメージをなるべく多くするように戦闘を仕掛けていた。
『ふぅむ、やはり、戦闘では君の方が一枚上手、ということかな?』
シーカーはそう言ったものの、ビルドはマスクの下で苦々しげに顔を歪ませた。
「よく言うぜ………さっきから、全然攻撃を食らってねえじゃねえか、よ!」
『まあ、私とて何の用意もなく、戦いに来たわけではないからねぇ』
シーカーもビルドの攻撃に対応し、避けては当て、防御して、を繰り返している。
これでは埒があかない。ビルドはマルチデリュージガンの放水で距離を取り、取り出した新しいボトルを振り、ドライバーに装填し直した。
【オクトパス!ライト!】
【BEST MATCH!Are You Ready?】
「ビルドアップ!」
【稲妻テクニシャンッ!オクトパスライト!イェイーッ!!】
フォームをチェンジし、搦め手に長けた【オクトパスライト】フォームになる。ライトアーマーの左肩に搭載された【BLDライトバルブショルダー】を起動させ、発光させる。
『くっ………』
急激に現れた強力に光により、ナスティシーカーは視界を奪われ思わず目を覆った。その隙をついて、オクトパスアーマーの触手、【フューリーオクトパス】が稼働し、シーカーに向けてそれぞれ連打攻撃を叩き込む。
『ぐっ……くあっ………ッ!』
いかに回避に優れたシーカーといえど、視界を奪われては元も子もない。何とか攻撃を躱そうと身体を曲げるが、やはり避けきれずにフューリーオクトパスの鋭い攻撃がシーカーのアーマーを損耗させる。
『やる、ねぇ………!』
攻撃の衝撃で距離を取られたシーカーは姿勢を直し、スチームガンを構え直してビルドへと銃撃を仕掛ける。ビルドは立ち止まり、銃撃をフューリーオクトパスの触手を巧みに動かして銃弾を防ぐ。
が 、立ち止まったその隙を突いて、シーカーが立ち上がってブレードを構え、ビルドへと迫る。
「ッ!」
ビルドは触手を引っ込め、ドリルクラッシャーでブレードを受け止める。両者が向かい合わせになり、互いに拮抗した状態が続く。
そして次の瞬間に、シーカーがマスクの下で口を開いた。
『……君達は本当に、自分のしている事が正しいと言い切れるのかい?』
「……何?」
言葉を区切り、ブレードを押して距離をとる。そして、再び言葉が響く。
『クラウンからも、前に訊かれたんじゃあないかい?君達のしている事は、平和の為でも、何でもない、ってね』
「………ッ!お前達が、言えた事かッ!」
ビルドはその言葉に反論し、ドリルクラッシャーを構えて再びシーカーへと攻撃する。
「身勝手な事ばっか言って、真那をあんな体にしたのも………全部、お前らだろうがッ!」
『だが結果として、それは
シーカーは心底不思議そうに言って、ブレードを弾きビルドを斬り刻む。
「ぐあッ!!」
『何を言おうが無駄だ。認めるんだな。どう言い繕うが………君達のしていることは、無駄だと、ね。醜悪な綺麗事を並べて、人々の不安を煽る、ヒーローもどき、だと』
そう言って、シーカーがマスクの下で笑う。そしてブレードの攻撃が、ビルドを地に伏せさせた。
「…………ッ」
シーカーの言っていることは、ある意味では正しかっただろう。
確かに、精霊は出現するだけで世界を滅ぼす存在かもしれない。
その力は、人の手に余るものだろう。それを匿う事も、間違っているのかもしれない。
だが______ビルドは。桐生戦兎は。絶対にそれを許容できなかった。
「…………違う………!」
『はい?』
ビルドは力を振り絞って立ち上がり、言葉を紡ぐ。それは自分にも言い聞かせるような、口調であった。
「……確かに、精霊は強大な力を持っている。それが、人類の脅威になり得る事に、なるかもしれない………ッ!」
_______でも。
「でも、それは……………あいつらの幸せを守る事を、諦めていい理由に、ならない………ッ!」
力は、あくまで力だ。
それは振るう物によって良い方向にも、悪い方向にも傾く。
その力を、ただ人より多く持っている。
ただそれだけで、十香が、四糸乃が、琴里が、そして______狂三も。
彼女達が、人としての生を諦めるなんて、絶対にあっていい事じゃない。
それは戦兎の、単なる自己満足や思い上がりなのかもしれない。
だがそれでも。桐生戦兎として、仮面ライダーとして。
彼女達を救う事を諦めるという選択肢は、戦兎に、仮面ライダービルドに、存在し得ない。
戦兎が言い切ると、シーカーは呆れたように首を振り、一つ息をついた。
『……やれやれ、正義の仮面ライダーが聞いて呆れるねぇ。人々の幸せを、君は願っていたんじゃないのかい?その幸せを、摘み取ろうとでも?』
シーカーの問いかけに、ビルドは意志を持って答えた。
「確かに、俺はみんなの幸せを願ってるさ。でもそれは………精霊だって同じことだ。人々の幸せを、精霊達を守る。それが
自分がするべき事、貫くべき意思を、戦兎は今、ハッキリと見出した。
誰かを助け、救って、笑顔を守って、心に触れて、愛と平和を届け、伝える。
それこそが、戦兎のヒーローとしての、仮面ライダービルドとしての、在り方だ。
そしてビルドはその決意を胸に、二本のボトルを取り出した。
一本はビルドの使い慣れた、赤のラビットフルボトル。
そして、もう一本は______
『……そのボトルは………』
まるで氷のように輝く、青白のウサギのボトル______四糸乃の霊力が詰まった、【ザドキエルエンジェルフルボトル】である。
これこそが、戦兎が持った、切り札だった。
「さあ____実験を始めようか」
______シンシン、シンシン、シンシン_________
ザドキエルボトルから、まるで雪がまばらに降るような、優しい音が聞こえる。同時に空中に白の図式が、冷気を伴って現れた。
そして充分に成分を活性化させたそれを、ビルドドライバーへとセットする。
そして、ドライバーからまるで雪国を彷彿とさせる、凍えるかのような待機音声が流れる。
ボルテックレバーを回し、チャージャーにエネルギーを装填する。そしてビルドの前後にスナップライドビルダーが形成される。赤と水白のアーマーが形成され、最後には二つとも、急速に氷漬けになった。
「ビルドアップ!」
掛け声とともに、氷漬けになった鋭利なアーマーが、ビルドを挟む。
挟まれた瞬間にも氷が発生、その氷が割れるように拡散し、内部から赤と水白のアーマーを身につけた、ビルドが現れた。
ビルド、 【ラビットザドキエル】フォーム。
戦兎の、ビルドの力と、四糸乃の力が詰まった、ビルドの新たなフォームであった。
『その姿は………』
「行くぞ………神大ォッ!」
大声とともに、ビルドが足を踏み出す。
瞬間、ラビットアーマーの強化装甲、【アイシクルラビットアーマー】の左脚に搭載された、【スケイトホップスプリンガー】のバネが駆動し、氷片を飛ばしながら高速で低空ジャンプ、一気にシーカーとの距離を詰める。
その勢いのまま、【アイシクルザドキエルアーマー】の、ウサギの頭部を模したナックル、【スノウラビットブレイカー】が、握られた五指を凍らせ、さながら氷のドリルのような鋭利な形状を生み出す。
そしてそのナックルを、シーカーの胸アーマーへと殴り付け、後方へと吹き飛ばす。
『ガハァ…………ッ!?この力は………ハーミットの………!ぐっ………』
しかし、相手もしぶとく立ち上がり、リバースチームガンで攻撃を行う。が、ビルドはそれを容易く回避する。アイシクルザドキエルアーマーの右脚に搭載された【フリーザーアイスシューズ】から、多量の冷気と水蒸気が放出される。精霊ザドキエルの力が宿ったそれは、一瞬でビルドの周囲を凍らせ、スケイトホップスプリンガーに備えられたスケートブレードが展開、氷の上を淀みなく滑り、銃弾をいっそ華麗な程に全て避け切った。
そしてそのまま接近し、拳で連打をかます。それらは既に手負いだったシーカーに全てヒットし、再び地面を転がった。
『ぐ………ッ、まさか、これほど、とは………!』
「これが正義の力______四糸乃と、俺の力だッ!」
そして更にスナップライドビルダーから、ビルドが武器を展開する。
戦兎が先日作成した武器、【アイスボックロー】だ。それをアイシクルラビットアーマーの右手に装着し、モードを爪の【クローモード】へと変形させる。
【クローモードッ!】
そして後部に設けられたフルボトル用差し込みスロットに、ザドキエルフルボトルを差し込んだ。
【ANGEL MATCH BOTTLE!コオールゥッ!】
音声と共に、アイスボックローの爪の先端部に雪氷のエネルギーが充填される。それぞれ渦を巻きながら二本の爪にチャージされ、そのエネルギーは二本の鋭い刃となった。
「ハァァァーーーーッ!!」
【FREEZE CLAW BREAK!!カッチィーンッ!!】
そしてそのエネルギーを、シーカーへと放つ。十分すぎるほどに溜まったそのエネルギーは、消耗したナスティシーカーを捉え、凶暴な兎の爪のように斬り裂いた。
『ぐっ…………ぬぁ…ッ!!』
それでもシーカーは倒れず、堪える。そして攻撃をしようと、リバースチームガンを構え、銃撃する。
【チェーンソーモードッ!】
だが、そこでビルドはモードを変更。爪が集約され、内側から幅広のチェーンソーが回転して出現する。幅広の刃は銃弾を弾き、或いは斬り、攻撃を寄せ付けない。
そしてビルドは最後の攻撃に出る。ボルテックレバーを回し、エネルギーを溜めた。
【Ready Go!】
充填された氷の、水のエネルギーが、拳へ、脚へ、集約される。
「ハァッ!」
まず左腕のスノウラビットブレイカーに溜まったエネルギーを放出。放出されたエネルギーはシーカーの胸部に当たり、氷の結晶のような模様を作った。それはまるで、
そしてそこへ目掛けて、スケイトホップスプリンガーのバネの反発力で以って、氷の軌跡を描きながら上空へとジャンプする。
そして、フリーズアイスシューズの冷気が、その右脚を冷却させ、氷塊を作り出し、結晶の的目掛けて、雪氷のライダーキックをお見舞いした。
【HERMIT FINISH!!イェイイェーイッ!!】
「ハァァァアーーーーッ!!!」
氷の結晶の中心に吸い寄せられるように、ビルドのキックが決まる。螺旋にエネルギーが放出されたキックはシーカーへと直撃し、大きく吹き飛ばした。
『ガハッ………ぐっ………』
地べたへと転がったシーカーは、ダメージが許容量を超え、アーマーが粒子化し変身解除を余儀なくされる。
神大針魏へと戻った彼は、腕を抑えながらこちらを睨む。
ビルドもボトルを抜き、桐生戦兎へと戻った。
「はっ、はは…………なかなか、やるじゃないか…………正直、驚いたよ…………まさか、あのボトルにこれほどの力があったとはね………」
眼をこちらを睨みながら、しかし口元はそれと反比例するように面白くて仕方ないような笑みを作る。まるで相反するいくつもの感情がミキサーにかけられたようにごちゃ混ぜになったような、歪な表情をしていた。
しかし戦兎は神大を睨む眼をやめずに、声を出した。
「………あんたには、聞きたいことが山ほどある。俺たちと来てもらうぞ」
「いや………ごめんだね。もう今日は満足したし、見ての通り私は手負いだ…………暫く、お暇させてもらうとするよ………」
そう言い、神大はリバースチームガンを取り出し、トリガーを引く。霧散し溶けるように、彼の姿はそこから消えた。
「ッ、待て………ッ!?」
と、そこで戦兎は、身体がぐらつく様な感覚を覚えた。
まるで身体が急激に疲れたような________そんな感覚だ。
どうにか倒れずに、頭を抑えて近くの木に手を付けて姿勢を直す。
「………あのボトルのせいか?………早く、万丈のとこに行かねえとな…………!」
戦兎は未だに倦怠感が凄まじい身体を引きずり、万丈の元へと向かった。
◆
【ディスチャァージボォトルゥッ!ディスチャァージクラッシュゥッ!!】
【ALTERNATIVE BREAK……SCORPION……!!】
戦兎達が戦いを終えた、少し前。
クローズチャージとマッドクラウンは、未だ激しい戦いを続けていた。今はクローズチャージがロックフルボトルを使ったディスチャージクラッシュを、クラウンが必殺技のオルタナティブブレイクを発動し、相殺したところである。
両者の戦いは、一見すると互角に見えた。
だが、相手の技能か、それともハザードレベルの差か。クローズチャージが息遣い荒く地に膝を付き、クラウンも少し息が乱れていたものの、余裕そうにクローズチャージを見下していた。
「くっ………」
『はっは………劣勢ってやつだなぁ?クロォーズチャージ』
「うる………っせェッ!」
地に膝をついていたクローズチャージが立ち上がり、アクティベイトレンチを勢いよく下げ、ドラゴンスクラッシュゼリーを強く潰した。
【スクラップゥブゥレイクゥッ!!】
威勢のいい音声とともに、飛び上がったクローズチャージの右脚にドラゴン型のエネルギーが纏われる。そのままクラウンめがけて、上空から飛び蹴りを放った。
「オォーーラァッ!!!」
『ほぉ………まだそこまで戦えたか。が………』
クラウンは少し感心したように言うと、リバースチームガンにミストブレードをセット。大型ブレードへと変形させ、ボトルをセットした。
【FULL BOTTLE……BAT……MISTIC ATTACK……!】
瞬間、大型ブレードの刃に蝙蝠のような霧状のエネルギーが溜まり、クローズチャージのスクラップフィニッシュとぶつかる。
「ウ、ォォォーーーーッ!!」
『ちぃ………ッ!』
しかし、パワーで言えば当然、クローズチャージの攻撃の方が上だ。当然、クラウンが押される形となった。
が、先の戦いでクローズチャージは大きく消耗し、そのパワーをかなり削がれてしまっている。対してのクラウンは多少の消耗があったものの、基本的に優位に立っていた。結果として、本来であればクローズチャージが上であるはずの両者のパワーが互角かクラウンが僅かにリードする形となってしまったのだ。
「ぐあッ!?」
『くぅ………ッ!』
結果、クローズチャージはキックが失敗してクラウンの攻撃に多少ダメージを受け、クラウンもキックのエネルギーを相殺しきれず、傷を負う形になった。一見すれば痛み分けだが、クローズチャージは変身を解除され地面へと倒れてしまい、苦しげに呻いている。
が、対してのクラウンは立ち上がり、多少の余裕があるようにも見える。それは誰の目から見ても、異常としか言えない程の力であった。
『こっちも、だいぶ削られちまったが…………どうやら、俺の勝ちみたいだ、なぁ?』
「くっ、そ……………」
生身の状態で、苦しげに呻く万丈。
クラウンはそれに歩み寄ると、万丈の首元を掴み、持ち上げた。
「ガゥ…………ッ!?何、を………する気だ、テメェ………ッ!」
『殺しはしない。お前の隠された力ってやつを、解き放つだけだぁ』
そう言ってクラウンは、左手を万丈の胸に当てた。
◆
「万丈!」
戦兎が万丈の元へと駆けつけたとき。
『おっと、遅かったじゃあねえか』
「クラウン…………ッ!」
戦兎の眼に映ったのは、倒れた万丈と、その側に立つクラウンだった。万丈は地面へと目を閉じて倒れ、クラウンは右手を少し上げている。
「万丈!」
『安心しな、死んじゃいねえよ。そんじゃ、バァイナラァ』
「ッ、待て!」
戦兎の制止も聞かずに、クラウンはその場から消え去る。
戦兎は歯噛みしながらも、倒れた万丈へと駆け寄った。
「万丈!?おいどうした!返事しろ万丈!」
『…………、やっと通信が繋がったね』
「令音さん!」
とそこで、インカムから久方ぶりに令音の声が聞こえてくる。最初にノイズのような音が走ったのを聞く限り、どうやら通信妨害の類を受けていたようだ。
「令音さん、万丈をフラクシナスに転送してください!クラウンにやられました!」
『……分かった。そこに置いていてくれ。すぐに転送する。セイは、シンの元へ向かってくれ。非常にまずい事態だ』
「ッ、分かりました。すぐ行きます!」
万丈をひとまずはその場に置き、戦兎は重い身体を引きずって駆け出す。
先の爆発から、既にだいぶ時間が経過してしまっている。もしかすると____と、悪い予想が頭をよぎる。
「ッ、な訳、あるか………!」
それを振り切り、戦兎が爆発地へと向かい、たどり着いた時。
「ッ、これは…………」
そこにあったのは。
「やめろ………折紙!」
『そこを退いて。士道』
巨大なユニットを装備した謎のライダーと、アライブラスターを構え、荒く息をしながらも琴里を庇うように立つ、アライブの姿だった。
どうでしたか?
更新がまたちょっと遅れてすいません。
と言うわけで、ビルドの新フォーム、ラビットザドキエルの初登場回でした。………スパークリングどうしよう。
あ、変身音の『バッキィィーンッ!』とかの部分は、若本ボイスで再生して欲しいです。
次回はちゃんと士道と折紙のやり取りを書きますので、安心してください。
それと、リバースチームガンを描いてみました。
【挿絵表示】
これで大分イメージしやすいかと思います。下手くそだったらゴメンね。
それでは次回、『第38話 乱闘エスカレーション』、をお楽しみに!
よければ高評価や感想、お気に入り登録をよろしくお願いします!最近感想少なくてちょっと寂しいです………