万丈「どうすんだよせっかくエボルト倒したのに!お先真っ暗じゃねえか!」
桐生「まあまあ落ち着きなさいって、ほらバナナあげるから」
万丈「ウッホホーイバナナだぁ!って、俺は猿じゃねえよ!」
桐生「そんなバナナに簡単に吊られるまだ本編で出番がない馬鹿な万丈は置いておいて、突如現れた謎の美少女!果たしてこれからどうなるのか!?第2話をどうぞ!」
万丈「俺まだ出番無えのかよ!」
桐生「ツッコミが遅えんだよ」
「あの子______なんであんなところに」
「あんな爆発があった後で、人が無事でいられるわけがない。なのに何で…………」
玉座の肘掛に足を掛けるようにして立っている奇妙な少女は、格好もこれまた奇妙だった。
長い黒髪に不思議な輝きを放つドレス。どう考えても現代社会ではあまりお目にかかれない格好だ。コスプレと言った方がまだ説得力のある衣装である。
「ん………?」
すると、少女が気怠そうに首を回し、五河と戦兎の方を見た。二人に気づいた、と見るべきだろうか。
二人がその判断を下すより前に、少女は玉座の背もたれに生えた柄のようなものを握ったかと思うと、それをゆっくりと引き抜いた。
「……………剣だと?」
それは幅広の刃を持った、巨大な剣だった。
なんとも形容しがたい、しかしとても綺麗な透き通るような輝きの、不思議な刃だ。
少女は剣を振りかぶると、振り下ろすようにして______
「ッ!?危ないッ!!」
戦兎は五河を巻き込みながら、力を振り絞って横へ飛んだ。
すると次の瞬間には、五河と戦兎のいた場所には、真っ直ぐと刃の軌跡が刻まれ、その後方にあった家屋や店舗、街路樹などが一瞬にして真っ二つに切れた。
「………………マジかよ」
戦兎のいた世界であっても、こんな光景を見ることは無かった。そして数瞬遅れて、建物が崩れ去る音が聞こえる。
「じょ、冗談だろ……………っ!」
五河は腰が抜けて引きずるようになっていたが、無理もない。仮面ライダーとしていくつもの戦いを経験した戦兎ですら、目の前の光景に圧巻されているのだから。
戸惑いながらも、いざという時のために懐の
だが。
「________お前らも………か」
「?………うおっ!?」
ひどく疲れ、摩耗したような声が響いたかと思うと、遠くに居たはずの少女は、いつの間にか五河と戦兎の前にいたのである。
「あ…………っ」
はっとしたように、一瞬遅れて五河が声を漏らす。
外見は、戦兎の目にも、とても美しく見えた。透き通る水晶のような双眸、絹のように滑らかな長い黒髪。
こういう表現は変かもしれないが、『暴力的』、という表現がしっくりとくる。それほどまでに、この女の子は美しかったのだ。
こんな絶世の美少女を、他に見たことがあるだろうか。
「君の、名前は…………」
五河の問いかけに対して、少女は物憂げそうに、心地の良い声音で話した。
「………名、か。………そんなものは、無い」
どこか悲しげに、目の前の少女は言った。戦兎の目にはその顔が、今にも泣き出しそうなものに見えた。
そしてその顔のまま、カチャリという音を立てて剣を握り直した。
「ちょ………、待った待った!」
五河が必死に声を上げていた時。
戦兎は、確かにそちらも気になっていたが、それよりも。
「?………なんだ、ありゃ」
上空から飛んでくる、複数の影が気になっていた。
鳥にしては大きすぎるし、戦闘機にしては小さい。まるで人のような大きさの…………
「って、人!?」
その姿を確認した瞬間、戦兎は好奇心と驚きに満ちた声を上げた。
奇妙な装備を付けた人間が空を飛び、あまつさえ手に持った武器で以って、こちらに攻撃してきたのだから。
「うおすげぇ!あれどうやってんだ!?そもそも推進器を付けずにどうやって人をあそこまで…………」
「何言ってんだ!伏せろっ!!」
五河に押さえられる形で、戦兎は身を屈めた。
が、いくら待っても、ミサイルや弾丸が飛んでくる気配がない。
「え………?」
五河が呆然と声を漏らす。
そこには、空から放たれたミサイルが、眼前の少女の上空数メートルあたりで、まるで何かに掴まれたように、ピタリと静止していたのだから。
「………こんなものは無駄だと、何故学習しない」
気怠げに声を漏らしつつ、少女は剣を握っていない左手を上へやり、グッと握る。
する、数発のミサイルが圧潰れた空き缶のようにひしゃげ、その場で爆発を起こした。その上規模も小さい。威力が内側に引っ張られているような感じだ。上空の人たちが狼狽しているのも分かる。
「………物体のベクトルを動かしてるのか………でも、なんであんな女の子に、そんな………」
目の前で起こった事象を、戦兎は冷静に分析する。だが依然、頭の中は混乱したままだった。
「_____ふん……………消えろ………消えろ………一切合切、消えてしまえ…………っ!!」
少女は今にも泣き出しそうな顔になりながら、剣を無造作に振った。
「ぐっ………ッ!」
瞬間、凄まじいまでの衝撃波が戦兎と五河の体を襲う。上空を飛行していた人たちも慌ててそれを回避した。
が、次の瞬間。
「ッ!」
先ほどとは全く別の方向から、光弾が飛んでくるのが見えた。
少女はそれを止めたものの、先ほどよりも苦しげに顔を歪ませた。
「な、なんなんだよ次から次へと………ッ!」
五河がうんざりしたように声をあげる。
そしてその光弾に、戦兎は見覚えがあった。
「………まさか」
______そんなはずは無い。だってあれは、この世界に存在しているはずがない。している道理がない。
が、そんな戦兎の考えを無慈悲に打ち砕くように、視界にその
それは、隣の少女よりも異常であり、そして、戦兎にとっては見慣れた、見慣れてしまったものであった。
「…………スマッシュだと…………っ!?」
◆
スマッシュ。
かつて戦兎のいた世界で、かつて戦兎の元であった存在_____【葛城巧】によって創り出された、人工の怪物。
スカイウォールから採取された特殊なガス、【ネビュラガス】を人体に注入することで完成する存在。
かつて戦兎は、その脅威から東都を、人々を守るため、戦っていた。…………その筈だった。
例えそれが黒幕の掌の上であったとしても、それでも信じた志を疑わず、戦って、何度も救ってきた。
そしてその存在は、戦兎のいる世界でしか存在し得ない物である。
「な、なんだよ、あの、化け物………ッ!!?」
五河が恐怖から後退りしようとするが、うまく動けていない。恐らく完全に力が抜けてしまっているのだろう。
戦兎も一瞬面食らったものの、半ば反射的に、懐にあるドライバーを取り出そうとした、その時。
上空から、空を飛んでいた人たちの中から、一人の人間が降下してくるのが見えた。背には大きくスラスターが付いており、手にはゴルフバッグのような武器を構えている。
「なんで、あんな女の子が………」
目の前に降り立った、機械の鎧と武器を身につけた少女に、戦兎は唖然とする。
その武装の未知のテクノロジーにも興味を惹かれるが、それより何より_____あんな女の子が、武器を持って戦っているという事実が、戦兎の心に深く突き刺さった。
「
すると、後ろの五河がそんな名前を漏らした。次いで、目の前に飛んできた銀髪の少女が反応する。
「五河士道…………?」
返答のように、五河の方を一瞥しながら呼ぶ。
名前を呼んでいたことからも分かったが、その呼び方はどこか親しげな関係性を思わせるものだった。
「知り合いか?」
「あ、ああ。今日見知ったばっかだけど、クラスメートだ。一応。ていうか、なんだよその格好_____」
と、五河が視線を鳶一折紙、と呼んだ少女に向けた途端、その少女はすぐさまスマッシュの方へと姿勢を向け、手に持った武器を構えた。
「まさか、戦う気か?おい、やめとけって」
「______ッ!!」
戦兎の忠告に反応することなく、鳶一折紙が前方へと飛び出した。いつの間にか手に持った武器には、光で構成された刃が出現していた。
「うおすげぇっ!エネルギーを空中で固定してるのか?というか、地表に限りなく近い状態で浮遊して、なおかつあのスピードで飛ぶなんて、どう考えても物理法則的に………」
「な、なんでこんな状況で平然としてんだよお前!」
と、五河が言い切った直後、鳶一とスマッシュが接触した。光剣を振りかざし、スマッシュへ向かって斬りかかろうとする。
だが、鳶一折紙が振るった剣は、スマッシュの両の剛腕によって止められてしまった。
「なら……っ!」
すぐさまミサイルを展開し、撃とうとする。が、それよりも先に、スマッシュが鳶一の手をつかみ、前方へ投げつけた。衝撃とともに、鳶一の身体がビルへ叩きつけられ、地面へと落下する。
「と、鳶一!」
飛ばされた折紙の方へと駆け寄ろうとする士道だが、うまく体に力が入らなかった。
「っ………まだ…………」
鳶一は起き上がろうとするが、相当に衝撃が強かったらしい。うまく力が入っていなかったようだった。
すると、その時。
「_____やれやれ。ま、ここで見過ごすわけにもいかねーしな」
戦兎がスマッシュに立ち向かうように、トレンチコートを揺らして五河と鳶一の前に立った。
「お、おい桐生!逃げろよ!何してんだ!」
「大丈夫。こいつは______俺に任せろ」
そういうと同時に、戦兎は懐からとある機械を取り出した。
手回しのレバーに、歯車のようなパーツと何かをはめ込む空間が設けられた機械。
その機械______【ビルドドライバー】を腹部にあてがうと、電子音と同時に、腰に黄色いベルト、【アジャストバインド】が巻き付く。
そして、服のポケットから二本のボトル______赤いウサギの柄の【ラビットフルボトル】と、青い戦車の柄の【タンクフルボトル】を取り出した。
「何、を………」
鳶一が息を絶え絶えにしながら呟く。それが聞こえたか聞こえなかったか、戦兎は言い放った。
「さあ________実験を始めようか」
カチャカチャカチャ_______
左右に持ったボトルを振り、内部成分である、【トランスジェルソリッド】を刺激、活性化させる。そして周囲には、白い数式が具現化し、辺りを漂い始めた。
「あれ、は……………」
それは五河のものか、それとも鳶一のものだったか。誰かが呟く中、戦兎は十分に成分を活性化させたボトルの上部パーツ、【シールディングキャップ】を開け、ビルドドライバーの接続部に差し込んだ。
「らびっとに……たんく?それに、ベストマッチって………て、うわっ!?」
電子音声が流れ、待機音が流れる。ドライバー右側に備え付けられた、【ボルテックレバー】を回す。すると、エネルギー生成機関たる【ボルテックチャージャー】が、赤と青の光と共に回転した。
回転に合わせるように、フルボトル内のトランスジェルソリッドが、外部に展開した【スナップライドビルダー】を通して前後へ移動し、
覚悟は良いか?と、ベルトが語りかける。それは、戦兎にとって戦う覚悟を固める問い掛けであった。
そしてその答えは、いつも同じだ。
_______できている。
ファイティングポーズを決め、一言、叫ぶ。
同時に、アーマーを形成したスナップライドビルダーが戦兎を挟む。白い蒸気とともに、赤と青のアーマーに包まれた、戦士が姿を現した。
ベルトに左手を添え、右手でアンテナをなぞり開く。
ポーズを決め、そして、決め台詞を叫んだ。
「勝利の法則は_____決まったッ!」
仮面ライダービルド____かつて東都の、世界の平和の為戦った戦士が、世界の枠を超え、降り立った瞬間であった。
デート・ア・ビルド
「仮面、ライダー………」
士道とビルドの出会い!
「なんで浄化済みのボトルが………」
浄化済みのフルボトル!
「ようこそ、ラタトスクへ」
謎の秘密結社、ラタトスク!
第3話 邂逅のラタトスク
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