五河「どうしたんだ琴里、ぐれちゃったのか…………それとも反抗期か?それとも中二病なのか?カットしてるから分かりづらいかもしれないけど、あんなに口汚くなって………」
桐生「まあそう言ってやるなって。あの時期の女の子にも色々あるんだよ。それを暖かく見守るのも兄の役目だろ?」
五河「いや後半はともかく前半のパターンだったらちゃんとダメって言わないとダメだろ!?」
琴里「あんたら人のいないところで何好き勝手言ってるのよ!違うからね!?別にグレたわけじゃないからね!」
五河「ほ、ほんとか!?良かった、グレてたらどうしようかと………」
万丈「てかお前ら!俺については触れねえのかよ!折角前回のラストで登場したってのに!」
桐生「どうせ読者の皆さんは展開わかりきってんだから説明する必要ないだろ文字数勿体無い。では、ちゃっちゃと第5話、どうぞ!」
万丈「俺もう泣いていいよな?」
戦兎と士道がフラクシナスに収容され、避難命令が解除されてから約十分後。
「______ったく……どうなってんだよここは…………」
青いスカジャンを羽織った、筋肉質の茶髪の男。
戦兎のかつての相棒______
エボルトに取り込まれ、戦兎が決着を付けた後、目覚めた時には既にここに居たのである。身体にあった傷は塞がり、おまけに………
「ていうか、なんで身体が縮んでんだよ!!」
身体が、恐らくは十六、十七歳程度にまで若返った状態で。
しかもその後どうするか柄にもなく考えていたときに、人が誰もいなくなるわ、謎の大爆発が遠くで起こるわで、その後時間が経って人が来ても、状況が全く理解できていなかった。
「戦兎もいねーし………あぁ!どうすんだよクソっ!!」
普段なら思ったことはすぐに行動に移す万丈だが、考えが全く頭に浮かばないから実行のしようが無い。
しかもことタイミングで。
______グルルルルルル……………
と、中々に凶暴な音が腹から鳴り響いた。かれこれ目覚めるどころか、エボルトとの戦いから何も口にしていないのである。いつも食べているカップ麺とプロテインの味が恋しくなってきた。
「あぁ………腹減った………カップ麺食いてえ………」
と、腹を抑えて悲嘆にくれていたその時。
「キャァァァァァァッ!!」
「!?叫び声?」
悲鳴のした方を見ると、万丈はその方へと向かった。何となくだが、嫌な予感がしたのである。
果たして、その予想は的中した。
「お、おい!何があ…………っ!?」
そこで、万丈が目にした物。それは_____
「い、嫌っ………助けて………っ!!」
「や、やだっ………やだよ…………」
「マジ引く…………っ!!!」
怯えきった様子で後ずさりする女子高生三人と、
「嘘だろ…………っ!!」
「グルルルァァァ…………!!」
戦兎が、万丈が何度も拳を交えた相手、スマッシュだった。
大柄な体躯で、じりじりと眼前の女子高生たちへと迫っている。
何故ここにスマッシュがいるのか、その理由も考えず、万丈は動いた。手に、金と青と、赤のボトルを握りしめて。
「オラァッ!!」
万丈が握りしめたボトル_____【グレートドラゴンエボルボトル】の効果により、威力が増強された万丈の拳がスマッシュに響く。その攻撃に怯んだのか、スマッシュは後方へと吹っ飛んでいった。
すかさず、後ろの女子高生三人に叫んだ。
「早く逃げろっ!!」
「えっ………?」
「いいからっ!とっとと行け!」
三人はどこか困惑したような顔だったが、やがて全速力で後ろへ逃げた。
改めて、スマッシュへと向き変える。
「…………上等だ。やってやろうじゃねえか」
言いながら、万丈はスカジャンに仕込んでいたそれ_____【ビルドドライバー】を取り出し、腰に巻きつける。
『ギーギギーギガー!ギーギーギー!』
そして上空から、龍の意匠のガジェット_____【クローズドラゴン】が飛来し、シールディングキャップを外した【グレートドラゴンエボルボトル】を挿し込む。
瞬間、クローズドラゴンの黒いパーツが赤色に、黄色のパーツが青色に、青色のパーツが金色に変化、【グレートクローズドラゴン】へと変化する。
そして前部にあるボタン型のパーツ、【ウェイクアップスターター】を押し、ドライバー本体へと挿し込んだ。
威勢のいい音声と共に、龍の鳴き声のような待機音が鳴る。同時に、【ボルテックレバー】を回し、【ボルテックチャージャー】でエネルギーを生成、【スナップライドビルダー】、及びドラゴンの成分のアーマーを展開する。
音声とともに、万丈は拳を手に打ち付け、ファイティングポーズを決めて力強く叫んだ。
瞬間、スナップライドビルダーで形成されたアーマーが万丈を挟み込み、その姿を変えた。
_______仮面ライダーグレートクローズ。
東都の、世界の為に戦ったもう一人の仮面ライダーが、降り立った瞬間であった。
「今の俺は……………負ける気がしねぇッ!!」
◆
変身したクローズは、スマッシュめがけて拳を打ち出した。蒼炎迸る拳はスマッシュの腹部にヒットし、大きく吹き飛ばす。
「オラオラァッ!!」
その隙を逃さず、即座に相手に詰め寄り、右の拳と左の拳を交互に打ち出す。【GCZアンリミテッドスーツ】によって支えられた運動能力によって、通常形態のクローズを上回る攻撃が、連続してスマッシュへ襲いかかる。
しかしスマッシュも負けず、腕に生えた羽のようなパーツを飛ばし、当ててくる。
「うわっちょ痛ててててっ!!くそ、痛えじゃねーかっ!!」
スマッシュの蹴りによる追撃をいなし、回し蹴りを叩き込む。だがスマッシュも吹き飛ばされるだけではない。腕から羽状のパーツを高速で射出し、クローズめがけて放った。
「やべっ!くぅっ!」
何本かはヒットしたものの、殆どは【GCZブレイズチェストアーマー】によって弾かれた。
スナップライドビルダーから、専用武器である【ビートクローザー 】を取り出す。
「オラァッ!」
グリップエンド部を二度引っ張り、刀身から衝撃波を飛ばし連続で当てる。スマッシュは怯み、攻撃で地に膝をついた。
「これで終わりだ!オラオラオラァッ!!」
勢いよくボルテックレバーを回し、ボトル内の成分をより活性化させる。
同時にクローズの右足に蒼炎が宿り、空中へとジャンプした。
瞬間、クローズの周囲にエネルギー体、【クローズドラゴン・ブレイズ】が渦を巻くように現れ、飛翔する。
そこから空中で体を捻ってムーンサルトを決め、クローズドラゴン・ブレイズの放った蒼炎放射を背に受ける。
その勢いのまま、敵へボレーキックを叩き込む必殺技______
「オラァァァァーーーーッ!!!」
「グァァァァァッ!!!」
グレードドラゴニックフィニッシュを受けたスマッシュは、断末魔を上げて爆散した。
◆
「よっし、終わったな」
一息つくと、ドライバーからクローズドラゴンを抜き、変身を解除した。
すると突然、クローズドラゴンからグレートドラゴンエボルボトルが勢い良く抜かれ、万丈の手のひらに収まった。
「うわっと!?何だって………はあっ!?」
瞬間、万丈の手の上にあったボトルが、粒子となって消滅していった。
「あれ?おい、何でだよ!ちょっとー!どこ行ったのー!?」
突如ボトルが消えたことに困惑し、その場で忙しなくバタバタしてしまう。ポケットの中なども探ったが、案の定ボトルの影も形もなかった。
と、その時。
「なーに馬鹿っぽい動きしてんだよ」
という声とともに、目の前で倒れていたスマッシュから粒子が流れ、やがて元の人間に戻った。その声は、いつも聴き慣れた、相棒の声だった。
「戦兎!?…………だよな?」
一瞬疑問符を浮かべたのは、戦兎の姿が普段見慣れたそれではなく、それよりも幾らか若返っていたからだ。一瞬別人か、という疑念を抱いたが、次の瞬間にはそんな疑問も消え失せた。
「当ったり前でしょーが。俺の顔を忘れるとは、いよいよ脳みそまで筋肉に侵食されたか?あ、それは元からか」
「うるせぇっ。無事だったんなら、連絡くらいよこせ……っ!」
と、互いに軽口を叩きながらも、戦兎と万丈の顔には自然と笑みがこぼれた。
「その様子だと、お前も身体が若返ったみたいだな」
「ああ。どうなってんだほんと……………つかそれより戦兎、ここどこなんだ?さっきでけえ爆発があったし……本当に新世界なのか?」
「………いや、それがどうも違うみたいなんだ。ま、細かい事情は後で話すよ。取り敢えず付いて来いバナナやるから」
「ウッキーバナナだぁ!って、猿扱いすんな!てか、付いて来いってどこにだよ」
「船に」
「は?」
何言ってんだこいつ、と万丈が思った瞬間、全身が謎の浮遊感に襲われた。
「は?」
◆
万丈達が戦闘をした場所から、少し離れた建物。
『………へえ、予想より少し早いな』
まるで
『………ビルドとクローズ………これで後一人………。さてさて、いつ来るかな……………』
その男は楽しげに______しかし、どこか狂気を滲ませた声で呟いた。
『まあ、どちらにせよ。こちらの計画に支障は無いさ。十本の天使と、十二の星座。そして………フフフ』
『精々、楽しませてくれよ?
その言葉を最後に、男はまるで解けて消えるかのように、その場からさっぱりといなくなった。
その姿を見たものは、いない。
今回短くてごめんなさい。とりあえず仮面ライダービルド本編でかなりのヒロイン力を誇る万丈龍我さんの登場フラグを回収しました。
加筆修正に伴い、グレートクローズについての描写を追加しました。以前感想で教えてくれた方、ありがとうございます。キックの描写は、龍騎のドラゴンライダーキックをイメージしていただければ。
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第6話 二人のニュースクール をお楽しみに