万丈「いよいよ敵のアジトに侵入だな!燃えて来たぜ!」
士道「ああ、早く十香と戦兎を助けよう!」
一海「つーか戦兎攫われてから、あいつの出番めっきり減ったよな。主役なのに」
真那「そうですよね。最早このギャグ時空であるあらすじ紹介の場にも出てませんよね。主役なのに」
士道「本編でフリーなやつしかでちゃいけないみたいな空気あるけど、今敵対してる美九とかクラウンとか、神大とかも出てたのに、戦兎だけ全っ然触れられないよな。主役なのに」
シュルシュルシュル_______スパッ。
万丈「ん?なんだこの手紙。えーと、何々…………」
『みんなへ。
オマエラ後デ覚エテロヨ。
戦兎より。』
全員『…………………』
士道「………さーて!そろそろ本編行くか!」
万丈「そ、そうだな!つーわけで、第71話を、どうぞ!」
一海「………本当に大丈夫なのか?」
「はぁぁぁぁ____ッ!!」
アライブラスターを構え、立ち塞がるデウストルーパーに向けて炎のエネルギー弾を発射する。
「おりゃぁぁぁぁあッ!!」
ビートクローザーを振り抜き、波形のようなエネルギー波を飛ばす。それらは敵に多段ヒットすると、その衝撃で以って敵を後方へと吹き飛ばした。
「応戦。ふっ_____!」
______アライブ、クローズチャージ、夕弦がビル内に侵入してから、どれほど経っただろうか。
最初にトルーパー隊と遭遇してからというもの、それからは立て続けの戦闘だった。立ち塞がる敵を斬っては倒し、撃っては倒す。その繰り返し。
そして勿論、足を止める事は許されない。一度でも足を止めれば、瞬間に数の暴力によってアライブ達は瞬く間に蹂躙されてしまうだろう。だからこそ、先へと進み続ける。身体が軋みを上げようと、その魂に想いが燃え続けている限り、例え歩けなくなったとしても進み続ける。
「いたぞ!侵入者だ!」
「【ベルセルク】も一緒だ!ここで仕留めるぞ!」
「っ、くそが…………ッ!」
「ふざけろ………っ!」
どれだけ倒そうとも、すぐに増援が来る。
果てなき戦いにアライブは憤り、そして遂に、赤のボトル_____【カマエルエンジェルフルボトル】を取り出し、ガルーダに装填した。
「うぉぉぉぉぉおぉおおおお_____ッ!!!」
この身に降り注ぐ弾丸の雨を真っ向から受け止め、全速力で駆け抜ける。
そして瞬間、アライブは業火に包まれる。
アライブカマエルと化して炎の鎧を身に纏い、手には炎熱の赤き戦斧【
「なっ、あれは………天使!?」
「邪魔を_______すんじゃねぇぇぇぇぇぇッ!!!!」
戸惑う敵にも容赦なく炎を纏った
「ぐ、ぐあ………ッ!」
「馬鹿な……ッ!」
そんな苦悶と共に、トルーパー達がビル外部へと放り出される。
だが、まだ敵は残っていた。残ったトルーパー二人がアライブに肉薄して来たかと思うと、腰からデュアルスレイヤーを抜いて斬りつけようとしてくる。
「______オラァッ!!」
しかしその攻撃は、すんでのところで割るように入ったクローズによって防がれる。ビートクローザーとツインブレイカーで以って二人のトルーパーの斬撃を受け止め、既にドラゴンが装填されていたツインブレイカーのトリガーを引く。
「だぁぁぁぁあッ!!」
そしてブレイカーを横薙ぎ払うと、まるで鞭のようにクローズドラゴン・ブレイズが振るわれ、その二体のトルーパーも地面に倒れ伏した。
「ぐっ………はッ、はぁッ_______」
だが、クローズはその場で膝を着くと、荒い呼吸を繰り返した。やはりこれまでの連戦によって、如何な歴戦の戦士のクローズでも体力が失われていたのである。相手とて素人ではない、戦闘のプロとも言える相手だ。その消耗は計り知れないだろう。
「う、あ_______万丈、平気か…………?」
一方のアライブもクローズを気遣うも、体力の限界が近づこうとしていた。ただでさえ体力を消耗したところに、負担の大きいアライブカマエルに変身したのだ。既にマスクやスーツの下には脂汗が浮かび、
「別に………。ちと、張り切りすぎたな………」
強がるように応えて、クローズが立ち上がる。しかし、その声音からは疲労を隠し切れていなかった。
「思慮。二人とも………」
「夕弦………大丈夫だ」
「ああ。………先を急ごう。戦兎達が、危ねえ…………」
夕弦に大丈夫、と制し、戦斧を構え直す。
そしてアライブ達は、再び歩み出した。
◆
アライブ達が、DEMのビルに侵入してからしばらく経った頃。
神大はモニターを眺めながら、愉快げに顔を歪ませていた。
「んー……これは少々予想外だね。よっぽど、彼等の事が大事という訳か。いやはや、素晴らしい友情だ。感動的だね」
モニターの一つにはアライブ、クローズ、夕弦がビル内部でトルーパー隊と、もう一つには、グリスとファングが【アクエリオスオーバースマッシュ変異体】や、その取り巻きの【リキッドスマッシュ・スカーレット】と交戦している光景が映されていた。
彼らがトルーパー隊を倒す速度は、神大の予測を大きく超えていた。彼らにはモニター越しにも疲労が見えるものの、それを差し引いてもあれは驚異的だ。
まったく、素晴らしい仲間意識だ。まるで仲間の為とあらば、命を捨てるとでも言わんばかりの懸命さ。仲間の為に戦う事が、自らの存在意義だとでも言わんばかりのか弱さ。
本当に、なんて素晴らしいんだ。感動的な話じゃないか。
「だが………無意味だ」
その言葉を言うと、神大はその笑みをより深く、猟奇的に歪ませる。
そして指をパチン、と鳴らすと、研究室の奥から一人の男がゆっくりと歩いてきた。
「…………」
全身黒の外套に身を包み、顔はフードで隠している。そして_____首元には、一点が赤く光る首輪のようなもの。
その姿を確認し、神大は口を開いた。その声に、隠しきれない愉悦を滲ませながら。
「侵入者を迎撃してくれ。………これを使って、ね」
そう言って神大は、赤く光るガジェット_______【ハザードトリガー】を渡した。
「…………」
目の前の人物はそれを一瞥して受け取ると、コートのポケットへと入れた。
そして翻ると、研究室のドアを開けて後にした。
「さてさて………どうなるか。………ふふっ、楽しみだ………」
_____彼らの戦う理由が、無に帰す事になった時、彼らはどうなるのか………ね。
◆
「だぁぁぁぁあ______ッ!!」
「ぐ、ぐあッ!?」
「何ッ!?」
振り下ろした
「ハァッ………ハァッ…………ぐっ……」
「士道………大丈夫か………?」
「思慮。士道……」
「平気だ………これ、くらい…………」
人智を超えた力を、科学の力で以って人の身で扱い、人智を超えた力で負担をねじ伏せる。
だが、こんな過酷なサイクルに、何度も何度も耐えきれるはずが無かった。いくらハザードレベルがあろうが、変身していようが関係ない。その上、これほどの長時間、この形態で戦ったのは初めての事態だ。だからだろうか、先程から全身の血が昂ぶったかのように身体が熱くなり、全身が痙攣している。
「さあ、早く行くぞ……………このままじゃ、十香達が_______ッ!」
と、前へ足を踏み出そうとした、その時。
________カツン、カツン、カツン_____________
_____誰かの足音が、聞こえた。
「っ、また敵かッ!?」
その足音に、三人はまた臨戦態勢を取る。
幸いにも、足音は一人分。油断はできないが、今の三人でも大丈夫だろう。
段々と、足音が近くなり______そして、現れた。
「………黒い………?」
「……トルーパーじゃあ、なさそうだな」
警戒は緩めず、相手を見据える。
全身を黒コートで包み、フードに隠されているその顔を窺い知ることはできない。
相手は俺たちの姿を確認しても臨戦態勢を取る気配も無く、ただ淡々と歩み寄ってくる。その服装と相まって、この空気の中で途方も無い不気味さを感じさせた。
「……不審。一体……………」
「…………」
その男は三人の少し手前まで来ると、そこで立ち止まった。
そして被ったフードに手を掛けると、目の前で外した。
「______なっ……………!?」
_____その、晒された素顔に。
「_____馬鹿な…………ッ!?」
______敵の、正体に。
「______不、信。…………そん、な……………っ」
______俺たちは、ただただ呆然となるしかなかった。
だって、その男は_________
「……………戦、兎…………?」
_______桐生戦兎、その人だったからだ。
その腰には既にビルドドライバーが装着され、何やら首輪のような物が嵌められている。
何が起きているのか、三人がまるで状況を掴めないまま、戦兎はポケットから何か、赤いガジェットを取り出した。
「ッ、あれはまさか________!」
クローズが何か思い当たる節があったのか、ふと声を漏らす。
戦兎はそのガジェットの保護カバー、【セキュリティクリアカバー】を外すと、設置されていた青のボタン、【BLDハザードスイッチ】に指を伸ばした。
まるで警告を告げるかのような、機械音声が鳴り響く。
戦兎はそのトリガーをビルドドライバーのスロット、【BLDライドポート】に接続する。
そしてビルドの基本形態、【ラビットタンクフォーム】に変身するための、ラビットフルボトル、タンクフルボトルを取り出し、数回振る。そして、十分に活性化させたそれを、ドライバーのスロットへと挿し込んだ。
これまで、少なくともアライブと夕弦が聞いたことのない音声が流れる。
戦兎はその音声が流れると、躊躇いなくレバーに手を掛け、ゆっくりと回す。
レバーを回すと同時に、鋳型のような専用フレーム【ハザードライドビルダー】が形成される。それに表示された黒と黄色の警戒ラインから、それがどれだけ危険なものなのかは容易に想像できた。
いつもの戦兎からは想像もつかないほど抑揚の無い声でそう告げた瞬間、戦兎がハザードライドビルダーに挟まれた。
そして、電子レンジのような音と共に、ビルダーが黒煙のような瘴気を伴って開く。
_______現れたのは、黒のビルド。
色づいているのは複眼部の赤と青のみで、装甲やアンダースーツに至るまで全てが染め上げられたような漆黒。
その姿を見たとき、アライブは小さい頃アニメで見たような、実験で失敗して黒焦げになった科学者の姿を連想した。
「混、乱………。あれ、は……………」
「…………ビルド、ハザードフォームだ」
_________ビルド ラビットタンクハザードフォーム。
かつて封印された禁断のその姿が今、アライブ達の前に最悪の敵として立ち塞がっていた。
「………対象を、破壊する」
短く呟くや、ビルドはアライブ達を捉えると_____一瞬で迫った。
「なっ_____!?」
その凄まじいスピードに対処しきれず、アライブはビルドの拳を真っ向から受けてしまい、吹き飛ばされる。
「う、ぐぅ______ッ!」
どうにか地面で踏み止まり、
「戦兎………おい、どうしたんだよ、おい!!」
「士道ッ!」
クローズがアライブを抱えてどうにか攻撃を避け、ビルドの拳は代わりに近くの壁に放たれる。
だがその拳は壁をいとも容易く破壊し、細かな瓦礫の山へと変貌させていく。
「………畏、怖。……何なのですか、アレは……それに、どうして戦兎が………」
「………あれはハザードフォーム。ハザードトリガーで変身した………禁断の姿だ」
恐れている様子の夕弦に、クローズが説明をする。
「凄えパワーを得る代わりに、時間が経つにつれて自我を失ってく。……でも、変身したばっかなのに、何で俺たちを攻撃してるんだ………!?」
そう言い切ると、クローズが再び立ち上がり、ビルドへと向かっていく。
「うぉぉぉお___ッ!!」
ビートクローザーを構え、上段から斬り込もうとする。
だがビルドはそれを最小限の動作で避けると、クローザーを持った手を左手で強く握り締めた。そして身動きを封じると、右の拳でクローズの顔面にブロウを決め込む。
「ぐふっ………!何………やってんっ、だよ……戦兎………ッ!!」
しかしクローズはその重い拳をどうにか耐え切り、再びビルドの顔面を見据える。
「…………」
「お前………黒いの似合わねえんだよッ!」
「………破壊する」
しかし、ビルドはクローズの言葉など意に介さず、ハザードトリガーの上部ボタンを押し込む。
先程よりも一層けたたましい、警告を告げるかのような音声と共に、ビルドがレバーを回す。瞬間に、ビルドの装甲の隙間から、焼けたように黒ずんだ瘴気が漏れ出した。
黒の瘴気を纏い、腹部に蹴りを入れてもう一度顔を殴り付ける。その一撃一撃が繰り出されるたびに重苦しい音が鳴り響き、それがどれほどの威力を持っているのかが知れた。
「………ッ、これは………」
だがその時、万丈は何かに気づいた様子でビルドの首元を見た。だが、それをよく確認するより前に_______
「ぐっ、ぐはぁぁぁッ!!」
「万丈ッ!!」
腕部、脚部に搭載された【HZデッドリーグローブ】、【HZヴァニッシュエンドシューズ】の機能によって、クローズチャージのスーツ、アーマーが砕ける。元々トルーパーとの戦闘によってダメージが蓄積されたのもあるだろう。その二撃が決めとなって、吹き飛ばされたクローズチャージは変身が解除された。
「ぐっ____あぁ_____っ………!」
「万丈!おいしっかりしろ、万丈ッ!」
万丈の元へ、アライブが駆け付ける。
吹き飛ばされた万丈は頭から血を流し、全身も傷だらけになっていた。明らかに重傷だ。
だが万丈はそんなアライブの胸元を掴むと、必死の剣幕で叫んだ。
「何してんだ……ッ!俺はいいから早く戦兎を救え!!」
「ッ……!」
「さっき見て分かった………ッ!あの首輪だ!あの首輪が、戦兎を操ってんだ………ッ!」
「何だって………」
そう言って万丈が指差したのは、ビルドの首元。
そこには確かに万丈が言った通り、全体が鉄色、そして一点に赤いランプのようなものが点灯した、如何にもな首輪が取り付けられていたのだ。
「あれが…………」
「だから………早く!あれを破壊して、トリガーを外せば、きっと………ぐっ………!」
「万丈……!」
瞬間、アライブの中で葛藤が膨れ上がる。このまま、行ってしまっても良いのかと。
「……士道……何躊躇ってんだ!!今戦兎を助けられんのは、お前らしかいねえんだぞッ!!」
だがその葛藤を、万丈の言葉が吹き飛ばした。
_____そうだ。ここで諦めて、良い筈がない。
ここで戦兎を助けられなくちゃ、十香だって助けるなんて出来ない。それに……俺たちはいつも、戦兎に助けられて来た。
だから、今度は_______
「………共闘。私も、闘います」
「夕弦………」
そこで、夕弦も隣に立った。ペンデュラムを握り締め、黒いビルドを強い意志で見据える。
「……返上。戦兎は、私と耶倶矢を救ってくれました。だから………今度は、私が救う番です」
「夕弦……そうだよな。……俺たちが、やらないとだよな」
夕弦の言葉に頷くと、アライブは再び
狙うのは首輪と、ベルトのハザードトリガー。難しいけど、やるしかない。いや、やらなきゃいけないんだ。そうしなきゃ、戦兎を助ける事は出来ない。
「…………」
「今、助けてやるぞ………戦兎」
戦兎______ビルドは静かに、ただこちらを見据えている。
いつでも攻撃できる体勢だ。だが、こちらも一歩も引かずに、ビルドを見据え得物を構える。
「______ハァァァァッ!!」
「奮起。______はぁぁぁぁぁッ!!」
「…………」
そして駆け出し、ビルドへと迫る。
______それぞれの想いを、胸に秘めて。
どうでしたか?
また投稿遅れてすいません。課題とドラクエに追われてたのと、スランプ気味に陥ったことで執筆意欲が失せてしまってました。待っていてくれた方々、大変申し訳ありません。
あと補足ですが、ビルドが「破壊する………」の台詞を言った時点では、まだハザード限界には達しておらず、マックスハザードオンになった時点で、暴走が始まった感じです。
それでは次回、【第72話 セーブした想いが掴む腕】をお楽しみに!
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