万丈「その前に!お前らがボスのところ向かってる間にも、俺たちはそれぞれの場所で戦ってたわけだ」
士道「うおびっくりしたぁ!?どうしたんだよ万丈急に」
万丈「どうしたじゃねえよ!俺前回ごっそり出番なかったんだぞ!俺だって主役なのによ!」
士道「それ言ったらこの章の中盤から殆ど出番のないあいつは………」
万丈「という訳で!今回は俺が主役だッ!!全国の仮面ライダークローズファンのみんな、楽しみにしてくれよな!」
士道「誤魔化したよ。後でアイツに殺されるなこりゃ…………ま、というわけで、クローズが主役の第75話、どうぞー!」
_____場所は、DEM第一社屋のある空間へと移る。
「ぐっ………がぁっ………」
クローズは、ビートクローザーを杖代わりにして地に片膝を築き、マスクの下で血を吐きながら、あちこち傷を負いながらもナスティシーカーと戦い続けていた。耶倶矢も必殺技を食らった事で、既に地に伏してしまっている。
ナスティシーカーは、今まで戦った時よりも格段に力が増していた。クローズや耶倶矢の攻撃を物ともせず、まるで予測したかのように回避行動や反撃を繰り出してくる。
そこで、体力の消耗したクローズと、半身の夕弦がいない上に霊力も封印された状態の耶倶矢が戦っても、勝てる筈がない。攻撃もまるで児戯のように効かず、今の醜態を晒すこととなってしまった。
『……まだ、戦うつもりかい?そんな無様な姿になってまで、戦う意味がどこにある?』
「うる……っせェッ!!うぉぁぁぁぁぁッ!!」
最早走ることすら覚束ない足で、クローズがシーカーへと迫っていく。
だが、シーカーはその攻撃をブレードで弾くと、クローズの胴に蹴りを入れ後方へと吹き飛ばした。弾かれたビートクローザーが、硬い床へと突き刺さる。
「がはっ………!」
それが、限界だった。纏っていた装甲が粒子のように搔き消え、万丈は壁へ叩きつけられ項垂れる。身体の中で、何か硬いものが食い込んだような、鋭い痛みが襲う。
『もうやめておいた方がいいよ。骨の一本くらいは折れていてもおかしくないからねぇ……さて』
万丈の方を一瞥した後に、今度はシーカーは耶倶矢の方へと歩み寄っていく。耶倶矢もまた霊装に守られていたとはいえ、所詮は限定解除されたもの。全身傷だらけになり、地に伏していた。
「ぐっ………この……」
『君もまだ戦えるのかい?大好きなお姉様とやらのために?』
「舐めるで……ない……ッ!!」
耶倶矢はフラつきながらも立ち上がると、突風を纏って
シーカーはそれらを易々と躱し、一瞬で耶倶矢の眼前に迫ると、首元を掴み持ち上げた。
「がっ…………」
『拍子抜けだねぇ……。精霊の君も、片割れがいなければこの程度かい?』
「何、を………ぉ…………っ!?」
「耶倶矢ッ!ぐっ………くそ、が………ッ!!」
シーカーに首を掴まれ、息苦しく苦悶する耶倶矢。
万丈が叫び、シーカーに飛びかかろうとするが、思うように身体に力が入らない。彼の言う通り、どこか骨が折れているのだろう。力を入れれば入れる程、全身に鋭い痛みが伝わっていった。
『クローズも倒れ、大好きなお姉さまとやらも、片割れである八舞夕弦もいない。……今の君を助ける者は、もう、一人もいない』
「………ッ!」
シーカーが耶倶矢の心を抉るように、言葉を並べる。
そして左手に持ったスチームガンを構えると、耶倶矢の胸元_____心臓の辺りへ、カチャリ、と突き立てた。
『世界の災厄たる精霊は………一人残らず、消えなくちゃ、ね』
「あ…………」
_____その瞬間、耶倶矢は抵抗していた手を離した。
シーカーに投げ掛けられた言葉。
自分の力が悉く通じなかった事。
自分を助けてくれる人が、誰もいない事。
この場に揃ったあらゆる要素が、耶倶矢の心を折った。
手にした
やがて意識も遠のき、最早後は死を待つばかりだった。
「(…………私、は……………)」
やがて耶倶矢の脳裏に、様々な人々の顔が浮かんでは消える。
これが走馬灯と言うものだろうか。 美九や夕弦。間近にいた人達の顔が、次々と浮かんでくる。
しかしその中に一人、何か靄のかかった顔があった。
でも、何故だろうか。その顔は何だか、心から安心できるような顔で。
自分の全てを、預けてもいいと思えてしまうような______
そう、あれは________
_____その思考を真横からぶった切るように、失いかけた意識を引きずり出すように、つんざくような、自分を呼ぶ声が響いた。
その声の主は、
『何………!?』
「…………っ」
強い衝撃を伴って殴られたシーカーは、突風に煽られたように後方へと吹き飛んでいく。
そして耶倶矢を抱き留めた声の主は、飛ばされたシーカーへ強い意志を込めた視線を向け、そして言った。
「誰もいない、だと………違うな。ここにいるぞ」
「あ___________」
そして耶倶矢は、その顔を見た。
その顔を、見た時。
「______今ここに!どんなことがあろうが、こいつを守るバカが、今ここにいるッ!!」
_____耶倶矢の思考を支配していた靄が、みるみる晴れていくのを感じた。
『万丈、龍我…………まさか、まだ立ち上がれるとはねぇ………確実に骨は折れていたはずだが』
「うるせぇっ……こいつの為に今動けねえんだったら、骨の一本だろうが百本だろうが、くれてやる」
口調とは裏腹に、万丈の表情は苦しげだった。恐らく相当無理をしたのだろう。汗が滲み、手足は震えていた。
しかしその万丈の様子を見たシーカーが、被りを振って尋ねる。
『……君といいビルドといい、私には理解できないね。何故彼女ら精霊を庇う?精霊は人類の敵、世界の災厄だ。これを摘み取る事は即ち、君達の謳う正義、ってやつじゃないのかい?』
「………っ」
シーカーのその言葉に、耶倶矢の表情が曇る。
「………違えな」
だがそれでも万丈は、その言葉を否定した。
その目には、どこか確固たる意志が籠っている。
『違う?……何が違うというんだ』
「テメェらなんかにゃ、分かんねえだろうさ……。俺たちは、正義の為じゃねえ………『生きる』為に戦ってんだ」
強く視線を向けながら、彼はそう言う。その言葉は、かつて元の世界で仲間が放った言葉であった。
『生きる?……それのどこが、精霊を守ることに繋がるというんだい?』
「……精霊?……んなモン、関係あるか。精霊だろうが人間だろうが、俺の、俺たちの生きる明日に、『八舞耶倶矢』はいなきゃ駄目なんだよ!」
万丈はより強く、そして優しく耶倶矢を抱きとめ、叫ぶ。
「例えお前がどんなにこいつを否定しようが、世界中の誰もがこいつを否定しようが!俺はこいつを、八舞耶倶矢を信じるッ!!信じて一緒に明日を生きてくッ!!何故ならッ!!耶倶矢は俺を信じてくれたからだ!!だから俺は守ると決めたッ!!戦うと決めたッ!!どんなに骨折ろうが、どんなに血反吐吐こうが、信じて守ると決めたモンは絶対守るッ!!それが俺だ!!仮面ライダークローズだッ!!」
『……理解できない。何故だ。何故そこまで戦おうとする』
シーカーが先程までの声音とは僅かに違う、どこか恐怖を抱いたような声で聞く。自分の理解の及ばない、自分の常識からあまりにも逸脱した、彼と彼の言葉に対して。
そしてその問いに万丈は、不敵に笑って返してみせた。
「決まってんだろ………俺が!世界で唯一人……八舞耶倶矢の、最っ高の、ヒーローだからだよォォッ!!」
「…………っ!!」
その時、耶倶矢の頭の中を支配していた靄は、完全に取り払われた。
_______嗚呼、そうだ。
_______自分を救ってくれたヒーローは。
_______こんなにも真っ直ぐで、誰よりも馬鹿で…………
_______誰よりもカッコいい、そんな奴だった。
耶倶矢は目に涙を浮かべながら微笑み、万丈の顔を見上げる。
すると万丈は耶倶矢を後ろへやり、立ち上がってシーカーを見据えた。
全身が痛みを訴えている。とうに限界は近い。だがそれでも、全身から沸き起こる
「………すぐに終わらせる。待っててくれ」
「あっ…………」
一言そう言うと、ビルドドライバーを取り出し、腰にあてがう。
そして、先程から握りしめていた右手を開き、そこに収まっていた、槍と翼の意匠が施された橙色のボトル_____【ラファエル・Rエンジェルフルボトル】を持ち直した。
「……力、借りるぞ」
『ギーギギーギガー!ギーギーギー!!』
一言呟くと、頭上へと舞ってきたクローズドラゴンを掴む。
_____ビュゥ、ビュゥ、ビュゥ______
ラファエルボトルを振ると、まるで小さな突風のような音が鳴り響く。更には室内であるはずの彼らがいる空間に、一陣の風が吹く。
成分を活性化させたボトルのキャップを開けると、クローズドラゴンへと装填した。
『ギィャォガァァァーーッ!!』
瞬間、手元のクローズドラゴンが輝き、鳴き声と風車のような音と共にに、そのボディがまるで耶倶矢の霊装のようなカラーリングへと変わる。
ガジェットモードへと変形させると、前面に設置されたスターターボタンを押し込んだ。
聞き慣れない音声が鳴り響くと同時に、ガジェットをビルドドライバーへとセットする。
猛々しい龍の鳴き声と共に、周囲に颶風の吹き荒れる音が鳴り響く。
ボルテックレバーを回すと、ドライバー中央付近のボルテックチャージャーが、回転と同時に周囲の風を取り込んでいった。徐々に風が小さな竜巻へと変わっていき、風をまとったスナップライドビルダーが形成されていく。
もう何度も聞いた、問いかけの言葉。
覚悟はいいか?と、このベルトはいつも場違いな程に調子良く聞いてくる。
そしてその返答も、いつも決まっている。覚悟は済ませた。
ならば後は、自分のままで変わればいい。
だからこそ、叫ぶ。熱い魂を込めて、己を変えるための、その言葉を_______
瞬間、スナップライドビルダーのアーマーが万丈を挟み、その周囲を風が渦巻く。
そしてその姿が露わになった瞬間、背面から紫紺のマフラーが現れ、風に巻かれて靡いた。
_____橙の装甲に身を包み、銀の複眼を光らせて、紫紺の龍をその身に纏う。
「____力が溢れる……!魂が震える………!!」
万丈と耶倶矢の力が融合した_______
_______仮面ライダークローズラファエルが、爆誕した瞬間だった。
『それは……』
「さぁ……行くぜェッ!!」
クローズラファエルが叫ぶと、力強く足を踏み出す。
するとその瞬間に、シーカーの眼前からクローズが消え去った。
『何………!?馬鹿な!?』
「オッラァッ!!」
反応する間もなく、背後からクローズの回し蹴りが繰り出される。疾風を纏ったその蹴りは、目にも留まらぬ速さでシーカーの胸部を直撃する。
さらにシーカーが反撃しようとすると、次の瞬間には視界から消え、次も死角からパンチが繰り出される。クローズラファエルの全身に組み込まれた加速装置、【サイクロンアップクレスト】と、肩部の【CZRインファイトショルダー】から伸びた紫紺のマフラー、【サイクロンハイヤー】がクローズのスピードを爆発的に引き上げ、両腕部に設置された【CZRドラゴヘッドアーム】により、竜巻を纏った爆砕パンチが繰り出されるのだ。
その後も神速の如きスピードで以ってシーカーを翻弄し、次々と攻撃を繰り出していくクローズ。
『追い切れないだと………ならばッ!!』
劣勢を悟ったシーカーはスチームガンにビーオルタナティブボトルを装填すると、必殺技を発動。銃口から無数の蜂を象ったエネルギー弾が分散して放たれた。
「龍我っ!」
「大丈夫だ!」
耶倶矢が叫ぶが、クローズは動じない。
クローズが耶倶矢の前に庇うようにして立ち止まると、ドライバーから何かが飛び出してくる。それはクローズと耶倶矢の周囲を高速で回転しながら飛び回り、シーカーの攻撃を弾くと、クローズの右手へと収まった。
クローズが手にしたのは、八舞耶倶矢が持つそれと同じ、紫紺の突撃槍。
否_____少し違う。彼が手にしたそれは、耶倶矢の持つそれから、少し機械的な意匠が施され、細部の形状が異なっていた。
【ランサーラファエル】_____クローズラファエルへと変身したことにより、リビルドされたクローズ専用の
「うぉりゃァァッ!!」
叫びと共にシーカーへと向かい、手にしたランスを繰り出す。ランスに組み込まれた円錐形、【ドリルスパイラルスピア】が回転し、シーカーの装甲を削り取っていく。
『ぐっ……馬鹿な……!これほどの戦闘力の上昇は、私のデータに、入っていない………!』
苦し紛れに吐き捨てながら、シーカーがブレードを構えクローズへ放つ。
クローズはその攻撃をランスで防ぐと、ランスを回転させて弾き返した。
「そんなモンで測れるかよ……!1+1で2じゃねえ。俺と耶倶矢の力が合わさったこいつのパワーは、1+1で200だ!十倍なんだよ!十倍!!」
『計算が違う……正しくは、百だ!』
「じゃあ百倍だ!!お前のチンケなデータなんぞで、俺たちが止められるかァッ!!」
そんな押し問答の中でも、激しい攻防が繰り返される。だがこれは、どう見てもクローズが優勢であった。
クローズはランスを構え直すと、グリップ上部に配置されたエネルギー充填機関、【スキルズファン】を三度回した。
やがてランスのドリルが回転し、穂先からグリップに掛けて、周囲に颶風が巻き起こる。竜巻のようになったそのエネルギーは、やがて槍のような形状へと変わっていった。
ランスを突き出すようにして構えると、クローズはグリップ部のトリガーを引いた。
「ウォリャァァッ!!!」
裂帛の勢いでランスを突き出すと、槍状に充填された颶風のエネルギー波がミサイルのように放たれた。
ドリルの回転を伴ったそのエネルギー波は、一寸の狂いもなく暴風を伴いながら、シーカーへと向かっていった。
『ぐっ……ぐぉぁぁッ!!?』
最早シーカーにそれを止めるすべはなく、苦し紛れにブレードで防御の姿勢を取るも、クローズの必殺技を止められる訳もなかった。ブレードは穿たれ木っ端微塵になり、シーカーも後方へと大きく吹き飛ばされる。
だが、これで終わりではない。クローズはランスを下に突き刺すと、ボルテックレバーを勢い良く回す。ボルテックチャージャーの回転に合わせて、中央へ向けてまたも竜巻が巻き起こった。
「はあぁぁぁぁあ……………ッ!!」
右足にパワーが溜まると同時に、背後から嵐のようなドラゴンのエネルギー体、【クローズドラゴン・タイフーン】が現れる。更にクローズの背中から銀色の右翼、【CZRソレスタルライトウイング】が出現した。
クローズドラゴン・タイフーンが大口を開けて鳴くと、クローズの周囲に竜巻が吹き荒れ、クローズもまた竜巻に乗って飛び上がる。クローズドラゴン・タイフーンのオーラも纏うと、その竜巻と共に、敵に向けて強力なボレーキックを叩き込む必殺技_____
「ドォリャァァァァァーーッ!!」
颶風を纏った渾身のキックは、シーカーを確実に捉え、更に大きく吹き飛ばした。衝撃とともに、旋風が巻き起こる。
『ガハッ…………!?』
シーカーは苦悶の声とともに吹き飛ぶと、壁に激突した。更にダメージの許容量を超えたアーマーは霧のように搔き消え、瓦礫と共に中から露わになった神大が地に伏す。
「馬鹿な………これ程の、力が…………」
ヨレヨレになりながらもどうにか立ち上がり、その面立ち良い顔を歪ませ、クローズを睨みつける。
憎しみと悔しさの入り混じった感情と共に、万丈の名を呟く。
「万丈……龍が……ぁっ!?」
しかしその瞬間、神大の脳裏に激痛が走った。堪らず頭を掴み、その場で膝を屈する。
何か得体の知れないものに、頭の中を引きずり出されるような感覚。
「ぐぁ、あぁ…………ッ!!何、が…………!?」
「お、おい!どうしたんだよ!」
クローズの声が聞こえる度に、まるで剣山で貫かれたような激痛が脳を走る。
この感覚は、覚えがある。確か以前、或美島で仮面ライダーグリスと戦った際に覚えた、あの痛みと同じ______
「鬱陶しい……!鬱陶しい鬱陶しい鬱陶しい……ッ!!消えろ……早く、消えろッ!くそっ、くそっ…………ッ!!」
しかし、こんな思考すら許さないとばかりに、頭の痛みはより一層深まるばかりだった。
神大はそのままどうにか立ち上がると、左手で頭を抱えたまま、右手に持ったスチームガンを自身の前へと取り上げた。
「覚えて、いろ………!次は………ッ!!」
「あ、おい待て!!」
神大が震える指でトリガーを引くと、銃口から放たれた煙に巻かれ姿が消えていく。その様は、伸ばした髪とその痛みに苦しむ苦悶の表情と合わさって、さながら現世を求め彷徨う亡霊のようでもあった。
神大の姿が完全に消えると、クローズは変身を解除した。アーマーが風とともに搔き消え、中からボロボロの姿の万丈が現れる。
「ぐっ……ちと……カッコ、つけすぎたか………?」
口元を伝う血を拭い、自嘲気味の笑みを浮かべる。
万丈は全身が鉛のように重く、鈍い痛みが次々と襲ってくるのを感じた。これが、精霊の力によって限界寸前の肉体を行使した代償だとでもいうのか。
だが万丈はそれでも力を振り絞ると、振り向いて耶倶矢の方へと向かった。
「耶倶、矢……。へっ、無事、かよ?」
「龍、我…………」
耶倶矢は、万丈の笑顔を見ると、ほぼ無意識のうちに立ち上がる。
やがて、目から一筋の涙が溢れ、次いでボロボロと、涙が流れ出る。そしてもう、辛抱ならないといった表情になった耶倶矢は、気がついたら万丈に向かって駆け出していた。
「龍我………龍我ぁっ!!」
「ぐっ………!」
思い切り抱きつかれ、一瞬痛みが走るも、どうにか堪えて耶倶矢を受け止める。耶倶矢は両手を万丈の背中に回すと、堰を切ったように泣きながら、嗚咽混じりの声を漏らした。
「龍我……!私……わたし………っ!龍我に、酷いこと…………!」
「………耶倶矢」
「ごめん……!ごめん、なさい………っ!でも、ありがとう………!龍我……龍我ぁ………っ!!」
万丈の胸元で泣きながら、謝罪と感謝の言葉を述べる耶倶矢。
そんな耶倶矢の様子を見ると、万丈は困ったような笑みを浮かべて、震える手で頭を撫でた。
「……バーカ。もう、俺から、離れんじゃねえ」
「え………?」
「……俺のこと、振り向かせんじゃねえのかよ。デレさせるんじゃねえのかよ。だったら、勝手にいなくなるんじゃねえ。もしいなくなったら………そん時ゃ、また俺が………無理矢理にでも、連れ………戻して______」
だが、最後まで言い切ることは出来なかった。
今までの戦いの疲労と、エンジェルフォームによる精霊の力の行使により、肉体は既に限界を超えていた。段々と耶倶矢を抱きとめる手の力が緩くなり、前のめりに倒れていく。
「り、龍我っ!?」
「悪い…………もう……………ここまで、みてえだ……………少し、休___________」
万丈はそこまでいうと、ついにその目を閉じた。
額に流れ落ちた血を拭う力すら残らず、彼の意識は深い闇の底へと沈んでいき、大切な少女に、肉体を預けることとなった。
どうでしたか?
と言うわけで遂に出ました!クローズの新フォーム、仮面ライダークローズラファエルです!
こちらがそのイラストになります
【挿絵表示】
大分前に描いたやつなので汚いので、今後修正版を出しますが、取り敢えずの全体図はこんな感じです。あと変身時に風とかマフラーが出現した際の音は、初代仮面ライダーの『ピキーン!』って音を想像するとよりかっこよくなります。変身時は結構初代ライダーをリスペクトしました。
あと一応言っておきますが万丈は死んでません。気を失っただけです。
あとぶっちゃけ今回はやりすぎた。個人的には『もうこいつらくっついてんだろ』って言われても仕方ない感じになってしまった。
まだ、まだくっついてませんから!!
それでは次回、『第76話 ロボットハートは燃え上がる』をお楽しみに!
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