ベースが奏でる2つの音色   作:ジャングル追い詰め太郎

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遅れてすんません(初手謝罪)
はいどうも、作者です。
いやほんとマジで遅れてすんませんした。
ライブだとか野球観戦だとか色々と予定があったんで…… すいませんただ単に遊び呆けてただけです() では本編どぞ


球技大会(後編)

『1番 ショート 鈴木さん』

放送部員の声がグラウンドにこだまする。今日は球技大会だ。

 

「晴れて良かった」

「だな」

 

俺と将平はベンチで話し合っていた。

将平は中継ぎ投手で登板予定。俺は6番指名打者でスタメン。6番指名打者って栗〇巧感あって好きなんだよね。仕事人って感じがして。

ちなみに打順は

1番 遊 鈴木さん

2番 中 中田さん

3番 左 松本さん

4番 一 福田さん

5番 捕 斉藤さん

6番 指 内海

7番 三 松田さん

8番 二 辻さん

9番 右 松井さん

 

「しっかし、暑いな今日は」

「そうだな」

 

晴れたはいいものの日差しがキツい。

こりゃ焼けるな(確信)

 

「飲み物なくなりそう」

「早くね?」

「緊張してんだよ」

「緊張してんのかよ。ま、俺も緊張はしてるけどな」

「なんだお互いに緊張してんじゃねえか」

「そうだな、でも楽しもうぜ」

「おう」

 

将平と話しているうちに1回表が終わった。

まだ俺まで打順は回ってこないし今のうちにトイレ行ってこようかな。

 

「おう、龍世もうすぐでお前の打順だぞ」

「そうか」

「頑張れよ」

「分かってるよ」

『4番 ファースト 福田さん』

 

そろそろ行かなきゃな。ヘルメットを被ってバットを持ってベンチ前で待機する。

 

「うおっ、やっぱ日差し強いな」

 

独り言のように呟く。こんな日差しが照りつけるんなら日焼け止めでも塗っとけば良かったかな。そんな事を考えていたら福田さんがヒットで出塁。1アウト満塁。

 

『5番 キャッチャー 斉藤さん』

 

ネクストバッターサークルに向かう。俺いつもここで何やってたっけ…… もう2年も前なのか…… あの頃から成長したのかな俺。

いやここでこんな事を考えるのはやめよう。今は目の前の事に集中するんだ。

斉藤さんが三振して2アウト満塁になる。いよいよ俺の打席だ。

 

『6番 指名打者 内海くん』

「龍世ー!頑張れよー!」

「ホームラン期待してるぞー!!」

 

将平がベンチから声を出す。あいつ元気だな。てかそれ以上に元気なやついたわ。拳士お前は敵チームだろ…… なんで俺に声援送ってんだ。

 

「お前は敵チームやろ」

「そうよ。拳士くんいつ裏切ったの?」

「う、裏切ってないやい!」

 

どう考えても裏切り者なんですがそれは

おっと、集中しなきゃいけないな。

 

「しゃす」

 

とりあえずこれ言っとけばなんとかなる。

打席に入り、野球を辞めるまでやっていたルーティンをやる。 よし、とりあえず出塁しなくてはな……

 

「とりゃっ!」

「アァァァイッ!」

 

初球からバットを振ったけど当たらず空振りした。次こそは当ててみせる。

 

「あぶなっ!」

「ボール!」

 

ひぇー、こっわ。顔の前にボール来たぞ。

ピッチャーが帽子を取って頭を下げる。

カウントは1ボール 1ストライク。インハイのボールに気を付けなければ…… ピッチャーが投球モーションに入る。あ、これ真ん中に来そう。狙うか。

 

「オルッシャァ!」

 

狙い通り球が真ん中に来た。

白球は高々と上がってスタンドへ……

 

「なんで入らねえんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

入らずフェンス直撃走者一掃タイムリーツーベース。

いやまあ、タイムリーだからいいけど……

クソォ……

 

『7番 サード 松田さん』

 

サードで松田は松田〇浩が思い浮かぶわ。

で、相手ピッチャーは十亀さん……

あっ…(察し)

対十亀打率.618、通算本塁打6本。

十 亀 と 松 田 。

何 も 起 こ ら な い は ず も な く 。

 

「あっ」

「あっ」

「飛ばないなー」

 

知 っ て た

お ま た せ

い つ も の

十 亀 の 恩 返 し

 

「うっわぁ…… エッグいなぁ……」

 

松田さんがホームベースを踏む。

 

「結構飛んだよあの打球」

「そうなの?詰まったと思ったんだけどなー」

 

あれで詰まったとか頭おかしい(褒め言葉)

飛ばしすぎでしょ。

 

「松田さん飛ばしすぎでしょ。俺びっくりしたわ」

「戸川くんまでそんな事言っちゃってー」

「いや、あれは流石に飛ばしすぎだろ……」

 

相手ベンチを見てみろ。ポカーンってしてるぞ。さっきまで元気だった拳士が黙ってんぞ。

 

「あっれー?相手ベンチ元気ないねー?」

「松田さんがホームラン打ったからだと思うよ」

「えっ?そうなの?」

「「いや自覚なし!?」」

 

将平と声がハモった。なんで自覚ないのこの人……(困惑)

 

「まあいいや、やったーHRが打てたよ!」

「うわぁ楽しそう」

「お前も先制タイムリーお見事だったぞ」

「そらどーも」

 

って言ってもなぁ…… 真ん中の球だったし…… あれなんでホームランに出来なかったんだろう……

 

「ホームラン打ちてぇな……」

「お前がそこまでホームランにこだわる理由はなんなんだ」

「理由なんてないさ」

「そうか」

 

俺がホームラン打ちたい理由なんて1つしかない。雪に捧げるホームランにしたいからだ。

 

「あいつの為にホームラン打ちたいのか?」

「……お前には隠せないか」

「何年お前の幼馴染やってると思ってんだ」

 

俺らが話している間に1回表が終わった。長かったな。5-0か。うーん、この山賊。

山賊打線とはこの事か。セ界よこれが山賊だ。えっ違う?いいじゃん別に1度言ってみたかっただけなんだ。

 

「守備の間暇だなぁ……」

「問題発言するな。」

「だってよぉ」

「それにお前はそろそろブルペン行かなきゃまずいんじゃないか?」

「あっ、そうじゃん」

「なんで忘れてるかなぁ」

「んじゃ、行ってくるわ」

「行ってら」

 

将平がブルペンに行って守備の間暇になった。マジでなんもやることなくねえか?

いやあるんだろうけどさ、分からねえや。

 

「何したらいいんだろう……」

「お困りのようだね内海くん?」

「あっ、江藤さん」

「こんな時は応援しよう!」

「応援ですか」

「そ!応援!ピッチャーがピンチの時に声援を送るの!」

 

ピッチャーがピンチの時に声援を送る…… か…… でもねえ……

 

「なんか碌な声援送れる気がしない……」

「なんで弱気になってるの!」

「いやだって……」

「いいじゃん、碌な声援でもさ?ピッチャーは声援送られるだけでも嬉しいんだよ?」

 

そうか…… そういう……

でも俺、ピッチャーがピンチ招いたら野次りそう……

 

「あっ、なんかヤバい雰囲気」

「えっ?」

 

目を離している隙にノーアウト満塁。そして3ボール…… あっ、押し出した。

5-1。満塁弾で同点の大ピンチ。

 

「かなりヤバそう」

「これは…… 大丈夫かな……?」

 

なんやかんやで抑えるだろ(適当)

あっ、打たれた。これは入ったな。

 

「あっ、同点……」

「あらら」

 

なんか同点にされたんですが……

おいおい、俺と松田さんが援護点取ったのにもう吐き出したの……?早くない?西〇でももうちょっと持ってるよ……?あっそんな変わらないわ。

 

「ピッチャー交代するかなぁこれは……」

「するんじゃない?」

『ピッチャー大沼さんに代わりまして戸川くん。ピッチャー戸川くん』

「将平が投げるのか」

「おう、投げるぞ」

「いつの間にそこにいた将平」

「さっきからいたぞ」

「あっそう。早く行け」

「つめてーやつ。まあいいや行ってくる」

 

そう言って将平はマウンドに向かって行った。将平には頑張ってほしい。あいつならピンチを招いたとしてもあいつなら巧みな投球術で打者を翻弄することだろう。

 

「頑張れよ将平」

 

小声で呟く。誰にも聞こえていないはず。

 

「内海くん、将平くんのこと応援してるの?頑張れって聞こえたけど」

 

前言撤回。聞こえてたみたいだ。まあ隣に座ってるから聞こえてもなにもおかしくはない。聞こえなきゃおかしいレベルだからな。

 

「聞こえてたのか……」

「そりゃあねぇ?隣に座ってますし?」

「でしょうね。聞こえてなかったら耳大丈夫か?って聞いてたし」

「おっと?随分酷いじゃん?」

「そうかな?」

「酷いよ」

「すまんかった」

「よろしい♪」

 

女子ってたまに怖くなるよね。なんですぐにジト目になるんだ。ゾクz…じゃないビクビクする。なんか変な扉開きかけたわ。

 

「あっ、将平くんピンチ招いてるじゃん」

「え?あっほんとだ。まあ、大丈夫でしょ。あいつそんなヤワじゃないんで」

「信頼してるんだね」

「まあ、幼馴染だからね。」

 

俺と江藤さんが話をしている間に将平はピンチを招いていた。1アウト2、3塁。ここからどう抑えるのか……

 

「ここからどうやって2アウト取る気なんだ将平は……?」

「併殺とか?」

「いや、それは現実味があまりない……」

「うーん、どう取るんだろうね」

 

確かに江藤さんが言った通り併殺を打ってもらえれば簡単に2アウトは取れる。だがこの状況で併殺が簡単に取れるかと言ったらそう簡単ではない筈だ。これが1アウト1、2塁なら簡単に2アウトは取れる。野手がヘマをしない限りという文言が付くが。

 

「あっ」

「どうした?あっ」

 

江藤さんが声をあげた。何事かと思っていると将平がピンチを拡大させていた。

1アウト満塁。ヤバいじゃねえか。あれ?でも心做しか将平笑ってるぞ。

 

「将平くんピンチ拡大させてるのに笑ってるよ?」

「楽しいんだろうな。これでこそ野球とか思ってんじゃないのかな」

「そーなの?」

 

あいつは昔っからそうだ。負けそうな試合でマウンドに立っている時に笑う。その度に監督に怒られていた。でも俺はそれが羨ましかった。俺は気負って凡退ばっかりしていたからな。

 

「あいつ…… 本当に野球を楽しんでいるんだな…… それに比べ俺は何やってんだ……」

「何を言っているの?内海くんだって野球楽しんでるじゃん!」

「はっ?」

「だって打席に立ってる時内海くんの顔笑ってたよ?」

 

笑ってた……?打席に立っている時に……?

 

「……気の所為じゃないの?」

「気の所為じゃないよ。確かに内海くん笑ってたもん」

「そうなのか……」

 

打席に立っている時に笑ってたのか。心では楽しんでたんだろうな……

 

「あっ!抑えた!」

「やるな将平」

 

1アウト満塁を抑えた将平がベンチに帰ってくる。

 

「流石だな将平」

「おう、火消しなら任せろ」

「お前が抑えるとはなぁ……」

「なんだ?信じてなかったのか?」

「抑える4割、打たれる6割で見てた」

「言ってくれるじゃねえかこの野郎」

「喧嘩はダメだよ」

「「じゃれあいだ」」

「わあ息ぴったり」

 

将平とそんな事をしているとこの回の先頭バッターの松井さんが四球で出塁していた。松井さん足速いみたいだから盗塁するのかな。あっ、やっぱり走った。松井さんが盗塁してノーアウト2塁。

 

「……松井さんって足速いんだなぁ」

「だな……」

「「羨ましい……」」

「ほんと気持ち悪いくらいに息ぴったりだね」

 

だって足速いのいいじゃん…… 盗塁出来るし、内野安打で安打稼げるし…… 俺はお世辞にも足が速いとは言えない。将平も同じだ。

 

『1番 ショート 鈴木さん』

 

打順は戻って1番の鈴木さん。送るのかな。

やっぱり送るみたいだ。鈴木さんが送って1アウト3塁。

 

『2番 センター 中田さん』

 

2番は中田さん。打ちそう(小並感) あっ、打った。フェンス越えるか?あっ取られた。

中田さんの犠牲フライで勝ち越し6-5。

中田さん悔しそうだなぁ……

 

「あぁっ!くっそぉ!!」

「悔しそうだね」

「だってさぁ!!」

「まあ、上手く拾ったよね。」

「よく飛ばしたわ」

「うん、自分でもあそこまでよく飛ばしたなって思ったよ」

「打った本人が驚いてどうすんだ……」

「いやー、内野フライかと思ったんだけどねぇ」

 

あの打球飛ばしといてその発言ですか というのは口にしないでおこう。まあ、なんにせよ勝ち越したからヨシ!(現場猫)

勝ち越したはいいものの、その後が地獄だった。次の回の守備でエラー続出。ノーアウト満塁のピンチ。2アウトまでいったが2点タイムリーで逆転される。しかし下位打線は抑え、1点差のまま試合は終盤の7回表。

 

「将平まだ投げるのか」

「当たり前だろ?ここまで来たら9回も投げるつもりさ」

「うわぁ元気」

「褒めてる?貶してる?」

「褒めてる。ま、頑張れ」

「おうよ」

 

マウンドに上がる将平の後ろ姿は何故か知らないが風格があった。あいつの背中があんなにも頼もしいとは思わなかった。

 

「将平くんまだ上がるつもりなんだ」

「最終回も上がるとか言ってたぞ」

「うっそぉ」

「ほんと」

「元気だね」

「元気だけしか取り柄のない奴だし」

 

話をしていると何かハプニングが起きたようだ。どうやら斉藤さんが怪我をしたみたいだ。キャッチャーはそんなにいなかったような気がするが誰がキャッチャーをするのだろうか。

 

「キャッチャー誰がいるんだろう?」

「んーと、私なのかなぁ?」

「え? 江藤さんキャッチャーなの?」

「そうだよー」

「うそぉ……」

「何その反応ー?」

「いや…… 意外で……」

「酷いなー」

 

いや、あなたキャッチャーだって一言も言ってないじゃん…… 隠してたのか。

本人曰く、キャッチャーとしての能力はそんなに高くないからキャッチャーで試合に極力出たくないとのこと。

 

「行ってくるねー」

「頑張れ」

「応援してねー!」

 

元気よくベンチから出ていった江藤さん。

何故だろうか。将平とウマが合いそうと思ってしまう。謎だ。

江藤さんと将平が入念にサインの確認をしている。

サインの確認が終わったみたいだ。

 

「将平頼むぞ……」

 

そう呟く。ここを抑えれば次の回逆転して勝てるかもしれない。

 

「アァァァイッ! バッターアウッ!」

「まずは1人抑えたのか……」

 

球審の声が響き渡る。てか球審白〇なの? 声めっちゃ響いてたけど。まあいっか。

 

「アァァァイッ! バッターアウッ!」

「二者連続三振……!?」

 

将平って三振の取れるピッチャーだったっけ……? 凄いな……

 

「アァァァァァイッ! バッターアウッ! チェンジ!」

「三者連続三振……!? 嘘だろ?」

 

いや普通にびっくりしたわ…… 将平すっご……

 

「将平お前すげえな」

「だろー?もっと褒めてもいいんだぜ?」

 

調子乗りすぎてる所は変わらんか……

 

「さて、最終回までに逆転するぞ。」

「頼むよ。俺はちゃんと抑えたんだからな。」

「分かってるよ。」

 

将平と約束を交わしていよいよ俺達のチームの攻撃だ。逆転するぞ!

 

 

 

 

 

 

……結論から言おう。最終回までに逆転出来ませんでした。こういう時に限って打てないて…… 同点にしたのがせめてもの救いか……

 

「すまねえ将平打てなかった」

「いいって、誰しもそういう時あるって」

 

なんで打てないのか…… 打ちたい……

考えすぎてもダメだけど…… でも打ちたかったなぁ……

 

「攻撃終わったな。行ってくるわ」

「おう」

 

9回裏のマウンドへ向かう将平。抑えて同点のまま試合を終わらせてほしいなぁ……

なんか物凄く嫌な予感がするのはなんでだろう。

 

「あ……」

 

これは行ってしまった…… サヨナラホームランで俺達のチームは負けた。まあでも、少し楽しかったしいいか……

 

 

 

「負けちまったー」

「そうだね」

「でも楽しかったな!」

「そうだな」

「龍世テンション低くね?」

「そうか?いつもこうだけど」

「ふーん」

 

将平にテンションが低いと言われたけど俺はいつもこのテンションだからね。

 

 

試合は6-7で負けた。でも何故か不思議と悔しいという気持ちはない。野球辞めてたからかな。楽しさっていうものを忘れてるな。

球技大会は終わった。これで野球から少しだけ離れる事が出来るかな。

 

しかし、この時は知らなかった。この後も野球というものから離れる事が出来ないということを……

 

 




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