うん、この話題くめゆファンからしたら、ちょーどうでもいいね!それじゃ、本編行きましょうか!!
あ、いつも通り小ネタは後書きで、解説しますわぁ〜(弥勒さん風)
「総員、戦闘態勢に入って!」
『了解!』
芽吹からの、号令で俺を含めた防人の面々は全員がスマートフォンを取りだし、アプリを起動させる。
同時に体に変化が起こる。着ていた服が一瞬にして特殊な装束に変化し、周りの少女たちの手には銃剣、または盾が握られている。俺には、折り畳み式弓と背中には矢筒。
そして、同時に体の奥底からよく分からないが力が沸き上がってきた。
(これが、神樹様の力ってやつか)
折り畳まれた弓を、強く握る。すると、相変わらずの無機質な声が聞こえてきた。
「あなた達は防人です。敵を倒すことが目的ではありません。決して、無理はしないように」
「分かってますよ、そんなこと」
横にいた芽吹が、うんざりした様子で呟く。そこに、先程の無機質な声とは違い、幼い少女の辛そうな声が聞こえてきた。
「芽吹先輩、夕矢先輩、それに皆さん……絶対に無事に帰ってきてください……」
この子は、国土亜耶ちゃん。巫女という役目に就いている俺や芽吹よりも年下の女の子だ、外見は幼くその雰囲気はどことなく小動物を思わせる。
まぁ、とりあえずこちらを心配して言ってくれているんだ、礼くらいは言わなくちゃな。
「安心してくれ。芽吹はもちろん、皆も何があっても俺が守り抜くからな」
「夕矢先輩……はい、頑張ってください!」
「おう、ありがとな。亜耶ちゃん」
自然と手が伸びて、彼女の頭を撫でる。すると、亜耶ちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
「夕矢、何してるの?そろそろ行くわよ」
「あ、ああ」
少しドスを効かせた声色で芽吹に呼ばれ、俺も先頭にいる彼女の横に立つ、防人の皆は壁の外側に向かってふみだした。壁上の特定の位置を踏み越えると、目に移る光景が一変した。
「ここが、結界の外……」
「すげぇな、まるで地獄みたいだ」
「……そうね」
「お、おい?芽吹?なんか、怒ってないか?」
「……別に。皆、壁から降りるわよ!離れず一箇所にまとまって!」
芽吹の指示で、俺も少女達も巨大な壁の上から飛び降り爛れた地に降り立った。よく分からんが、俺たちの着ている戦衣ってのは耐久性を特別に高めてあるらしい。
「わぁぁぁ!?怖いよ怖いよ!!助けてぇ〜メブゥー!ユウ〜!」
「離れて、雀。動けないから」
「おい、加賀城。助けてほしければ、もうちょい芽吹から離れろって」
「やだよぉ!!だって、なんか白いのがめっちゃ飛んでるもん!!あれ、絶対ヤバイってぇ~!!」
この子は、加賀城雀。彼女は盾を持ち護衛を行う護盾型防人の一人だ。自己評価が、非常に低くめっちゃネガティブ。あと、芽吹と俺にやたらと引っ付いてくる。
「そもそも、ユウの武器は弓と矢でしょ!?だったら、盾の私がメブの側にいた方が絶対いいって!(まぁ、基本守ってもらうけど……)もし、メブのお尻を狙ってあの白いのが来たらどうするのさ!?」
「安心しろ、芽吹のけつは俺が守る」
「雀は怯えない!夕矢は、真顔でイヤらしい言い方しない!」
「ご、ごめんなさい」「……すまん」
先程よりもドスの籠った声と銃剣の先端を向けられ、二人で謝る。結構、真面目に思ったこと言っただけなんだが。すると、颯爽と最前線に割り込んでくる少女がいた。
「雀さん、何を恐れることがあるのです!今こそ、活躍を見せる時ではありませんか!!」
「げっ……弥勒さんか」
「鷹月さん、楠さん!ここで功をあげ、お二人に勝った暁には、弥勒家を」
「弥勒さん、突出しようとしない!」
「っ!?」
芽吹に怒鳴られ、不満そうな顔をさせながらも止まったお嬢様口調をした彼女の名は、弥勒夕海子。銃剣型防人の一人で、三年生で、弥勒家という名家の令嬢だそうだ。俺と芽吹に加賀城とは違った理由で、突っ掛かってくる。
そんなやり取りをしていると、星屑達が俺達のいる方向に向かって飛んできた。
「はわわわ~!?き、来たぁ!!!」
「芽吹!」
「わかってる!銃剣隊、射撃用意、撃って!!」
即座に矢筒に納められた矢を取りだし、弓を射る。号令と共に、一斉射撃が行われた。接近してきた星屑達は、射撃を受けて、消滅していった。
「た、倒したぁ!……倒したよ!メブ!」
「案外、どうにかなるもんだな」
「でしょうね。意外とこんなものよ……人間がしっかりと対策をたててればね」
芽吹の言う通りだ。さっきので、この矢が奴等に効くこともわかった。これならやれる。芽吹を、皆を守れる。
「遠くにいる奴等はどうする、芽吹?俺が仕留めようか?それとも、大勢で袋叩きに?」
「夕矢、今回の目的はあくまでも調査と採取よ。無闇に戦う必要はないわ」
「まぁ、そうだが……」
その時、肩をトントンと誰かに叩かれた。その子は、山伏しずく。基本口数が少なく考えが読みにくいが、芽吹曰く任務遂行能力が高いとのことだ。
「なんだ?って山伏か。どうした?」
「鷹月……あれ」
「ん、ああ……そりゃそうだよな」
山伏が無言で指差した方向を見ると、三人の少女が腰を抜かしていた。一人は失禁すらしている。
「あらあら、怖いのでしたら結界内に戻っていればよろしいのに」
「無理もないですよ。これが、初めての任務ですしね。まぁ、言ってる俺も俺ですが。で、どうする?芽吹?」
「私達に撤退はないわ。皆、一ヶ所にまとまって!!」
芽吹が、すぐに指示を飛ばし三人の少女を守るように防人全員が一ヶ所に固まる。
「銃剣隊、射撃用意!護盾隊は盾を展開!」
「えっ、ユウ!?護盾隊って、私のことだよね!?」
「当たり前だろ。お前が持ってるそれはなんだ?」
「……盾?」
「なんで、疑問系なんだよ。ほら、来るぞ!」
「雀、盾!」
「ううう……お助けぇ!!」
加賀城が、泣きわめきながらも盾を全面に押し出す。同時に何人もの少女達も同じように構える。すると、それは固まって一つの壁となった。そこに、複数の星屑が群がってくる。
「めっちゃ来たぁぁぁ!?」
「加賀城、盾と盾の間に少し隙間開けてくれ」
「へ?な、何するの?」
「あいつらを、一斉に消し飛ばすだけだ」
「そ、そんなこと出来るの!?」
問いかけに無言で頷くと、加賀城は盾と盾の隙間を意図的に開ける。そこから見える群れの一番手前にいる星屑に向かって矢を放つ。
「加賀城、皆、踏ん張ってくれよ」
「えっ?なん……(ドォン!!)わひゃあ!?」
「割りと規模がでかかったな」
「な、何をしたんですの!?あなたが矢を放ったと思ったら急に爆発が……」
弓を折り畳み槍の状態に切り替えながら、横から聞こえてきた疑問に答える。
「それを狙ったんだよ。俺の背負ってる矢筒には、色んな機能を持った矢があってな。その中にはタイマー付きの小型爆弾のものとかがあるんだ」
「それを使って、群がってくる星屑を一斉に仕留めようとしたってこと?」
「ご名答、さすが、芽吹だな。やっぱり俺達は運命の赤い糸で」
「繋がってない。バカ言ってないで、目の前のことを片付けるわよ」
「ユウってさ、強いけどかなりアホだよね?……って、ああぁぁ!?助けて、メブぅー!ユウぅー!」
「そ、そんなことないだろ、うぅ……(泣)」
「自分で自分を助けなさい、雀。夕矢も、ほらしっかりして」
そのやり取りを見ていた防人の面々(((なんだろう、状況が状況だけにこのやり取りを見るとなんか落ち着く……)))
加賀城の悲痛な叫び声を聞きながら、軽く涙ぐみつつも芽吹の指示を聞いて、それらをこなしていく。
しかし、攻撃が続いてくれば疲労するものは必ず出てくる。
「きゃっ……!?」
星屑の突撃の圧力に耐え切れずに、盾持ちの一人が突き飛ばされる。弾き出された少女を狙って無数の星屑が群がり始めた。
「誰も、殺させない!!」
「っ!芽吹!!」
一人で、少女に群がる化け物達に切り込んだ芽吹を追って自身も飛び出す。即座に群がって来た奴に対し、矢を手に持ってそのまま化け物に向かって突き刺す。
「一人で先行しすぎるなよ、芽吹」
「私の部隊で……死人なんて出させるもんか!」
「……芽吹?」
俺の呼び掛けが聞こえないのか、鬼気迫る様子で銃剣を振るう芽吹。
気にかけながらも、彼女と共に次々と星屑を殺していく。食われそうになった少女を助け出すと再び盾の内側へと、戻った。戦衣のお陰で、食われかけた少女は多少の傷はあるものの致命的な傷はなかった。
「はぁ……はぁ……」
「芽吹、大丈夫か?」
汗にまみれ、息をあげている芽吹に声を掛ける。
「ええ……大丈夫よ」
「無理はしないようにな、きついなら言ってくれ。皆でフォローするからな」
「余計なお世話……ほら、今は目の前のことを片付けるわよ」
顔をあげそう言った芽吹きの目には、何か強い怒りのようなものが感じられた。
(何をそんなに、焦ってるんだ。芽吹……)
そんな彼女の様子を見て、俺の中には不安が募った。
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今日が、防人達の初めての御役目だ。星屑達の執拗な攻撃が続く。負傷者や恐怖で動けないものもいるため、私達は移動することが出来ない。しかし、今回の目的はあくまで壁外の土壌や溶岩の採取。だから、この場から動く必要はない。
(問題は……星屑の数が多すぎる。その影響で護盾隊のメンバーにも、疲労が見られる……このままじゃ押し切られる)
盾に頼りすぎていては、さっきのように押し切られる確率が高い。思考を巡らせ、すぐに指示を送る。
「護盾隊は、隊全体の防御を継続して!副隊長、そして三番から八番の防人は盾の外で星屑を撃退し、護盾隊の負担を軽減して!それ以外のメンバーは採取を!」
それぞれが指示された通りに動き始める。隊長、副隊長以外に『三』から『八』の番号を持つ防人は能力の高い指揮官型なのだ。夕矢が『二』、私は『一』の番号を持っている。
(私は、絶対にこの御役目を完璧にこなして、勇者に昇格するんだ!!こんな所で、止まってられない!今までの人生を……積み上げてきた全てを、無為にされてたまるか!!!)
息が上がりながらも、怒りに突き動かされるように敵を殲滅していく。だが、敵の数が多すぎた……いつのまに後ろに回ったのか、背後から星屑が一体接近してきた。
(っ!?……まず)
「させるかよ!!」
声が聞こえたと同時に、頰の横を矢がすり抜けていく。それが、星屑に突き刺さると、電流のようなものが流れ星屑の動きが止まった。それを狙い、追撃として夕矢が折り畳んだ弓を槍のように使って星屑を貫いた。
「はぁ……お前のそういう真っ直ぐな所は好きだけど。それが行き過ぎて、周りが見えなくなる所は直さないとな」
「夕矢……」
「何をそんなに焦ってるとか、何をそんなに思い詰めてるんだとか聞きたいことは多いが……お前が話さないのなら、無理には聞かないさ。だけど、これだけは忘れるな」
折り畳まれた弓を、開きながらこちらを向いて夕矢は呟く。
「お前は1人じゃない。ここには防人の皆もいるし、何より……俺がいる」
「っ!?はぁ〜……」
こんな状況なのに、真顔でそんなことを言う
「な、なんで溜息つくんだよ?俺、なんかおかしなこと言ったか?」
「別に、ただこんな時でもいつも通りなあんたに呆れただけよ……」
「わたくしには、呆れたというよりも安心しているように見えたのですが?」
「弥勒さん!?な、何を言って……ってそうじゃなくて!あなたの番号は二十番でしょう!?指示に従ってサンプル採取をしてください!」
「何を言いますか!?それでは、功績を、立てられないではないですか。よって!わたくしは前線で戦いますわー!!」
意気揚々と戦い続ける弥勒さんを見て、更に深い溜息をつく。すると、また星屑達の一群がこちらに向かって飛んできた。
「ちっ、ほんと邪魔な奴らだな」
「口が悪いわよ、夕矢。それよりも応戦しないと!」
「メブゥー!!ユウゥー!!」
突然飛んできた雀が、盾を使って星屑達の突撃を阻む。そのお陰で、夕矢と協力し、順当に倒すことが出来た。
「助かったわ、雀!」
「やるな、加賀城。助かったよ」
「2人が死んじゃったら、誰が私を守るのさ!?絶対に生きて、私を守り続けてくれないとダメなんだからぁぁあぁ!!」
「……」
人を守りながら守ってくれと叫ぶ雀に、軽く気圧されていると無線でしずくから、連絡があった。
『楠……』
「どうしたの?しずく」
『弥勒が……そっちに向かったけど気にしないで。私がその分も回収するから……』
「ええ、任せたわ」
無線が切れると、夕矢が口の端を吊り上げながら言った。
「な?言ったろ、皆がいるって」
「ええ、まぁ……そうね」
その言葉を聞いた瞬間に、口元が少し緩んだ。
その後、充分に採取出来たこと、そして護盾隊の体力の限界が来たことからボロボロになりながらも、私達は壁の中へと戻っていった。死人は出なかったものの、多少の被害や怪我人は出た。
「芽吹先輩、夕矢先輩!皆さん!」
「亜耶ちゃん」
「帰ってきてくれてよかった!心配していました……」
「おう、なんとか皆生きてるよ。とりあえず、無事だ」
「よかったぁ……」
亜耶ちゃんが、何度目か分からない安堵の声を漏らす。すると、横からあの神官が歩み寄ってきた。
「楠さん……結界の外の土壌や溶岩のサンプルは取れましたか?」
「はい、各防人が所持しています」
「では、そのサンプルは回収させていただきます……」
すると、神官は無言でサンプルの回収を始めた。それに対し、また怒りを覚える。
「芽吹」
「何?夕矢」
「やったな、お前の指示のお陰で死人が1人も出なかったぞ」
「えっ?私の……?」
「ああ、皆初めての実戦だったからな。混乱したりした時もあったが……うまく、それをまとめたのはお前だぞ、芽吹」
「私が……」
「よくやったな、隊長」
「ちょっ!?や、やめなさい!」
突然、夕矢に頭を撫でられ顔が熱くなる。なんで、顔が熱くなったのか、分からなかった。
戦闘中、私の脳裏には車輪の下敷きという言葉がよぎってた、でも……。
(私は……いや、私達は絶対に下敷きになんてならない!!)
胸の内でそう呟き、手に力が篭もった。
小ネタ解説!!
小ネタ1「安心しろ、芽吹のけつは俺が守る」
「夕矢は、真顔でイヤらしい言い方しない!」
夕矢の台詞と、芽吹の台詞。この会話は、映画『アベンジャーズ・エイジオブウルトロン』より、ソコヴィアでのウルトロン軍団との空中戦最中の時に、アイアンマン/トニー・スタークとウォーマシーン/ローティ・ローズの掛け合いから抜粋。
小ネタ2「遠くにいる奴等はどうする、芽吹?俺が仕留めようか?それとも、大勢で袋叩きに?」
この台詞は、映画『マイティ・ソー』にて、クリント・バートン/ホークアイが、ソーを弓で狙っている際に放った台詞のオマージュ(個人的に、この台詞めっちゃ好き)
小ネタ3『矢を手に持ってそのまま化け物に向かって突き刺す』
これは、映画『アベンジャーズ』や『アベンジャーズ・エイジオブウルトロン』で何度か、ホークアイが戦闘中に行った動き。ホントにかっこいいから見てほしい(^ω^)
小ネタ4「口が悪いわよ」
芽吹が夕矢を、注意した時に言った台詞。これは、映画『アベンジャーズ・エイジオブウルトロン』の冒頭場面で、キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースが汚い言葉を使ったアイアンマンを咎めた時の台詞より、引用。
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どんどん小ネタが、増える増える(^ω^)さて、今回は戦闘多かったので次は、日常メインにしますかね。可愛い芽吹を書きたいからね!