鷹月夕矢は想い続ける   作:こうが

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後半の不穏さ以外は、全体的に日常成分強めです!( ^∀^)

皆をうまく書けてるか心配ですが……なんか変なとこあれば言ってください!では、本編スタートォ!!(アベンジャーズ成分は、今回殆ど無いです……申し訳ない)


4話 必要な日常

「ごめん……本当にごめんなさい」

 

私の前には、力無さげに座り込んだ少女が項垂れた様子で呟いていた。

 

「あなたは、それでいいの!?せっかく防人として訓練してきたのに……ここで諦めたら何も!」

「落ち着け、芽吹。どうするかは、本人次第だろ?」

 

横にいた夕矢に、肩を掴まれる。その声で、少し冷静さを取り戻す。

 

「とにかく、もう少し考えてみて」

「うん、でも……考えは変わらないと思う……本当にごめんなさい……」

 

少女は俯いた状態で、自室へと戻っていった。夕矢とその場に取り残された私はため息をつく。

 

「これで三人目、ね……」

「しょうがないさ、あんなもん体験すれば嫌になるやつも出てくるだろ」

「っ……」

 

初めての任務が終わった後、三人の少女が防人をやめたいと言い出した。例え事前に、結界外の惨状を知らされていたとしても、彼女達にとって実際の光景は絶望的なものだったんだろう。

 

前回の任務の中での、被害は少ないといえど負傷したものはいる。それを目撃すれば、次は自分かもしれないという恐怖が押し寄せてくるのも理解できる。

 

「一人は大丈夫そうだが、さっきの子ともう一人は無理かもな」

「情けない……勇者にも選ばれなくて、ここでも逃げてどうするのよ!!」

 

苛立ちが募り、それを吐き出すかのように怒鳴る。聞いた話では、勇者たちは星屑なんかよりももっと格上の敵と、戦っているらしい。それはまるで、格の違いを見せられているようだった。

 

「私は……違う。私は……逃げない」

 

拳を血が出るのではないかと思うほど、強く握りしめた。

 

「私は……落第者じゃない。私は、勇者になるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

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やって来たのは、ゴールドタワーの展望台。ここは、大赦の改築によって、防人達専用の個室がたくさん用意されている。

 

「戻らないの?あんた」

「せっかく、再会したんだ。出来るだけお前の傍にいたいんだよ」

「何それ、私と一緒にいても楽しくないでしょ?」

「何言ってんだ?芽吹の、傍にいれることほど楽しいことないだろ。今すぐにでも、跳び跳ねたい位楽しいぞ?」

「あんたが、何言ってんのよ」

 

溜め息をつき、芽吹の視線が外に向けられる。さっきの発言といい、今の彼女の状態といい空気が重苦しくなっている。俺が、芽吹を元気付けようと口を開くと、背後から気配がした。

 

「防人の御役目を、辞退したいという者が二名出たそうですね」

 

現れたのは、俺達防人の監視役……ではなく見守る係的な立場にいるまるで機械のような神官だった。

 

「なんで、ここにいるんです?まさか、芽吹や俺たちの不手際がどうこうと言う気でも?」

「いいえ、あなた達を責める気は毛頭ありません。辞退する者の代わり人員の件について、伝えるため参りました。指揮官系統の欠員は無さそうなので、すぐに補充は出来るでしょう」

「補充……?」

 

その発言は、明らかに俺達のことを人として扱っていないということを物語っていた。どうやら、大赦ってのは防人のことを人類が生き残るための踏み台くらいにしか思っていないらしい。俺はその言葉を聞いて、苛立った。

 

「なぁ、神官さんよ」

「なんでしょう?」

「大赦の上の連中に伝えとけ。俺達のことを舐めてると、痛い目見るぞってな」

「確実に伝えられるかは分かりませんが……分かりました」

 

淡々と告げると、俺達に背を向け、エレベーターに乗って展望台から降りていった。

 

「補充、ねぇ。俺達は消耗品じゃないってんだよ」

「夕矢……」

「行こうぜ、芽吹。明日の朝も訓練あるだろ?隊長が行かないと、あいつらもサボるかもだし、今日は自室に戻ってゆっくり休もうぜ」

「……そうね、行きましょう」

 

二人で、エレベーターに乗り込む。その途中、俺は聞き逃さなかった。芽吹が、俺にありがとうって言ってくれていたことを。こういう素直じゃない所も、俺はとても愛しく感じた。まぁ、好きだから当たり前だが。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

そして、次の日の早朝。訓練施設の一部であるグラウンド場で防人の面々は芽吹考案ランニングプログラムの真っ最中であった。

 

「ふぇぇ、も、もう無理だよぉぉぉ……」

「むむ、これはペース配分に気をつけなくてはなりませんわね」

「珍しい……弥勒にしてはまともなこと言ってる……」

「私にしては、ってどういうことですの!?」

「なんで、弥勒さんはそんなに元気なの……もう、私無理だよぉ。はぁ〜サボりたい〜!!」

「サボったら…もっと酷くなる」

「……だよね」

 

雀がこういうのも、無理はなく芽吹の考える訓練内容は地獄のようなものだった。サボることもできるが……やらなければもっと量を増やされるという恐ろしい罰が待っていたので、防人の面々は参加せざるをえないのであった。

 

「にしても、芽吹さんと鷹月さんは一体どういう体の構造をしているんですの?」

「駄目だよ、弥勒さん……あの二人は色んな意味で人間じゃないから」

「加賀城の意見に……賛成。ほら……噂すれば」

 

しずくが、指を指したその先には……。

 

「はぁ、はぁ……」

「悪い、芽吹。左失礼っと」

「っ!!この、待ちなさい!夕矢!!」

「ちょっ!?なんで、怒ってんだ!?」

「なんで……ですって?そりゃ、抜かされる度に左失礼って言われ続ければ腹が立つに決まってるでしょ!?」

「怒ってるお前も可愛いが!頼む、謝るから……背中をぶっ叩くのやめてくれぇぇぇぇ!!」

 

鬼の形相で、夕矢を追い掛ける芽吹の姿だった。

 

「なんなの……あの二人……なんで、ランニングこなしながらイチャイチャしてるの?」

「しかも……私たちより、ペースも速い」

「これは、負けていられません!さぁ、雀さん!ペースを早めますわよぉー!!!」

「ギャァァァァァァァ!!やめてぇ、弥勒さん!!足ちぎれるぅ!!」

「ギャァァァァァァァ!!やめろぉ、芽吹!!背中が、壊れるぅ!!」

「……阿鼻叫喚の世界……」

 

これが、基本的な防人の訓練風景である。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

訓練が終わると、あの神官がやってきて防人の面々を全員展望台へと集めた。しかし、昨日防人をやめたいと言った二人はいなかった。替わりに見覚えのない少女が二人いた。つまり、新しく入る防人メンバーのことを知らせる為に集めたようだった。

 

(俺達は、消耗品とでも言いたいのかねぇ?大赦は……)

 

「わーん!メブゥー!!ユウゥー!」

「……」

「加賀城、どうかしたのか?」

 

食堂に、叫び声が響く。もう、このやり取りも随分慣れたもんだ。

 

「やっぱり私も防人やめるって言うべきだったよ〜!タワーを出ていった人たち、あんな簡単にやめられるんだったら私もやめるぅ〜!やめるやめればやめる時ー!」

「雀、何度もいってるでしょう、やめるなんて言わない」

「そうだぞ、加賀城」

「でもでも、防人やめてった人たち、私よりも訓練成績良かったんだよ!」

「訓練はあくまで訓練よ、実戦では雀、あなたの方が優秀だった」

「そうだぞ、加賀城」

 

加賀城は自身の評価が、低いが俺や芽吹は彼女の能力を認めていた。頭の回転の速さなら俺や芽吹よりも上だろうと思ってる。

 

「雀、あなたはもっと自分に自信を持ちなさい」

「そうだぞ、加賀城」

「自信なんて持てないよぉ!てか、ユウはさっきからそれしか言ってない!自分の意思とかないの!?」

「芽吹の意思が俺の意思だ」

「答えになってないよ!?」

「夕矢、ちょっと黙ってて。でっ?雀、防人をやめるって件はどうなったの?」

「そ、そうだった!よし、言うぞ!やめるって言っちゃうぞ!あのロボット女神官さんに、行ってくる!……行って、やっぱり無理ぃぃぃぃぃ!!」

「芽吹(泣)……まぁ、なんというか、情緒不安定だよな……加賀城って」

「ユウがそれ言う!?」

「あらあら、ずいぶんと騒がしい人達がいらっしゃいますわね。食事とはもっと優雅に行うものでしてよ?」

 

てな、こと言って現れたのは俺や芽吹達よりも年上で三年生の弥勒夕海子。どうやら、いつも通り俺達以外に絡んでくれる人がいないから同じテーブルについたようだ。

 

「さて、次の御役目こそ、わたくし弥勒夕海子が……」

「うう、次の御役目いつになるのかな……次で死ぬ絶対死ぬ」

「安心しろ、芽吹が見てるんだ。お前や皆を死なせたりは絶対にしねえさ」

「あんたが、言わなくても私の部隊で死者なんて出さないわよ」

「ああん、メブ&ユウ!なんて頼もしいんだろう!流石、隊長と副隊長だよぉ〜」

「ちょっと!わたくしを無視しないでくださいませんこと!?」

「「「あ、弥勒さん、いたんですね?」」」

「な、な、あなた達!仮にも私は上級生ですのよ!?」

「仮にもって自分で言っちゃうんですね?」

 

弥勒さんがギャーギャー言っているところに、また二人の少女が俺たちの方にやってきた。山伏しずくと国土亜耶だ。

 

「弥勒先輩はいつも前向きですね!頼もしいです!あ、芽吹先輩横いいですか?」

「弥勒さんは前向きすぎて、周りが見えなくなるのが欠点だけどね。ええ、いいわよ、空いてるし」

「……鷹月、横いい?」

「おう、山伏。構わねぇぞ」

「ん、ありがとう……」

「気にすんな」

「なんか、この六人で集まるのも当たり前になってきたわね」

「ああ、確かに。まぁ、でも、いいんじゃないか?皆といると楽しいし。芽吹と二人きりの時間が減るのは……まぁ、まぁ、あれだが」

 

俺がいつも通り思ったことを言うと、芽吹は手をわなわなさせ、他の面々は呆れつつジト目を向けてきていた。亜耶ちゃんだけは目をキラキラさせてるが……。

 

「んっ、お、おい、どうした?」

「出たよ。ユウのメブ依存発言」

「もうここまで直球だと、ツッこむのも馬鹿らしくなってきますわね」

「常にプロポーズ……」

「流石、鷹月先輩です!そういう真っ直ぐに愛を伝えられる男性はカッコいいと思いますよ!ねっ、芽吹先輩!」

「私にとっては頭痛のタネでしかないけどね……」

「でも、メブってたまにユウの言葉を聞いて嬉しそうにしている時とか、あるよね?」

「ふんっ!!!」(ザクッ)

「んにゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!目がぁぁぁぁぁぁ!!」

「なっ!?そうなのか!?芽吹!?やっぱり俺達は」

「鷹月……耳元で怒鳴らないで」(ザクッ)

「んぎゃぁぁぁぁぁぁ!!目がぁぁぁぁぁぁ!!」

「皆さん、今日も元気で何よりです!仲もどんどん良くなってるみたいですし!」

「これは、仲が良いという部類に入るのでしょうか?」

「「目、痛い(泣)」」

 

とまぁ、このような感じで。芽吹、加賀城、弥勒さん、山伏、亜耶ちゃん、俺。基本、この六人で行動することが多く、一つのグループ的な感じで周囲からは認識されていた。

 

(俺からすれば、芽吹と一緒にいられる時間が減るのは少し思うとこがあるが……何気にこいつらといるのも楽しいんだよな。何より……昔から一緒にいたから分かる。芽吹も皆といるのが楽しいんだ(・・・・・))

 

なんであれ、好きな女の子が昔に比べて人と関わる事を楽しんでいるのが嬉しかった。きっと、皆と過ごすこういう日常は彼女にとって必要なんだ。まぁ、おそらく俺にも……な。

 

 

 

 

 

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〜???side〜

 

「そうか……奴は防人に変身出来たか」

 

「ええ、三好春信が上層部へ出した報告が正しければ……」

 

「そうか……ふふふ、ははは!!成功だ……やったぞ!これで私の研究成果も実を結ぶ!!」

 

「一度止まっていたプロジェクト……貴方を抑え込んでいた_____が消えた事でまた再開することが出来ましたね」

 

「ああ、全くもって邪魔な男だった……しかし、奴はもうここにはいない!これで、思う存分に研究を続けられる」

 

「しかし……上層部に勘付かれた場合どうするのですか?」

 

「なに……上層部にはこれからの世界の為とほざいておけばいい。まぁ、私からすれば、世界なぞどうでもいいが……この世界は既に終わっているようなものだからなぁ……それよりも、私は自身の研究に力を注げればそれでいい」

 

「了解しました……では、私はこれで……」

 

「ああ……ふふ、さぁ、もっと働いてもらうぞ……鷹月夕矢!!私の研究の進歩の為に!!」

 

〜???side out〜




小ネタ説明!\( ˆoˆ )/

「悪い、芽吹。左失礼っと」

左失礼って部分は、『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』での冒頭場面のキャップの台詞より抜粋。

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不穏な雰囲気が、見え隠れしてますが大丈夫です……きっと……きっと……( ^∀^)
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