鷹月夕矢は楠芽吹を想い続ける   作:こうが

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ホントに難しいね。くめゆ(´・ω・`)

今回は、説明が多いから微妙かもしれません( ̄▽ ̄;)

でも、ちょっとアベンジャーズの小ネタ混ぜた。解説は後書きで(´ω`)


2話 力と理由

自分用の防人システムの調整の為、ゴールドタワーを離れた俺は神官の車で、大赦本部に向かっていた。その途中、まさかの神官から、俺に喋り掛けてきた。

 

「貴方の、防人システムの調整には一人担当の神官を付けます」

「そうですか。で、それを何で今俺に言うんです?」

「貴方が、よく知る人物だからです」

「……そうか」

 

大赦に勤めていて、俺のよく知る人物。脳内に、浮かんできたのは親父の後輩である一人の男性。

 

(会うのは……随分久しぶりになるのか。元気かな、春信さん)

 

そうして、大赦本部へと着いた俺は神官に連れられるがまま、本部内を歩いていく。神樹を祀っているにしては随分、陰気臭い場所だ。

 

「ここに、彼がいます。あとは、彼の指示にしたがってください」

「はいはい」

「では……」

 

それだけ言うと、神官はゆっくりと歩き出した。ホントに、この人は……機械かなんかなのか?少しくらい、愛想よくしたっていいだろうに。

 

(だけど、なんだろうな。あの人は……なんか望んでああなっている感じではない気がする。まぁ、勘なんだが)

 

そんなことを考えながら、ドアをノックし部屋の中へと入ると、すぐに聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「奇遇だね、夕矢くん。こんな所で会うなんて」

「ええ、ホントに奇遇ですね」

 

仮面の男から発された軽口に、軽口で答える。よかった、会ってない間にさっきの神官みたいな感じになってんじゃないかと、思った。

 

この人の名は、三好春信さん。親父の後輩で、昔から交流があった。詳しいことは、知らないが妹さんがいるらしい。

 

「最近は?昔みたいに、いつものゴルフ場に行ったりはしないの?」

「ゴルフに関しては、正直、もう昔のような面白味はないですね。18ホール18打で、回りました」

「相変わらず、さすが鷹の目(ホークアイ)だね」

「そのあだ名好きですね、春信さん。で?俺の防人システムってどこです?」

「はぁ……そうだったね」

 

一気に、声のトーンが落ちる春信さん。なんか、不味いこと言ったか?これ、本題のはずなんだが。

 

「まぁ、ここに来たということは……そういうことだろうとは思ったけど、あの人から勇者に関する事を聞いたよね?」

「はい、そりゃもうべらべらべらべらと」

「勇者適正のことも?」

「聞きましたよ、勇者ってのは男はなれないんですよね。なら、矛盾してないですか?何で、俺はその適正ってのがあるんです?しかも、今になって」

「君に適正があることについては、詳しいことは分かってないよ……でも、今になって君の勇者適正が明かされたは理由は知ってる」

「それは、何です?」

 

春信さんから、発されたトーンが真面目なものに変わった為、こちらも真面目に聞き返す。

 

「君に、勇者適正があることは……僕と、ある人は前から知ってたんだ」

「ある人?」

「僕とその人は、君に勇者適正が見つかったことを大赦に隠し続けていた。何故なら、君に適正があることが分かれば大赦がそれを利用しないはずがないからね」

「その人ってのは……もしかして、親父ですか?」

「うん、あの人がいなくなったことで上層部にその情報が漏れた。だからだよ、今になって君が呼ばれたのは。先輩は君を危険に晒したくないといっていたのに」

「ちっ」

 

またか、なんなんだあの人は。お節介なだけじゃなくて、考えが独りよがりとか。余計なお世話もいいとこだぞ。

 

「ふざけてるな、何が危険に晒したくないだよ。舐めんのも大概にしろってんだ。あの、クソ親父」

「そこまで言わなくても……先輩は君のことを」

「心配していたとでも?嬉しくないですよ、そんな優しさ」

 

いつもそうだった。家族に頼りもせずに、なんでもかんでも一人でやろうとして。確かに、父親として家族を守ろうとするのは大事なことなんだろう。だけど……

 

「俺は、そんな重要なことを隠してまで守ってほしいとは思いません。寧ろ、そういうのは言って欲しかった」

「……ごめん」

「春信さんが、謝ることじゃないでしょ?」

「それでもだよ。ごめんね、夕矢くん」

「分かりましたから、そろそろ本題に入りましょうよ」

「……うん、そうだね。じゃあ、こっちに来てくれるかい?やらなきゃならないことが多いんだ」

「了解です」

 

微妙な雰囲気が流れる中、防人システム調整のための検査が始まった。身長、体重、視覚、聴覚、触覚、血液検査、血圧。正直、必要ないだろってことまで検査した。検査されている間、ずっと春信さんの妹自慢を聞かされた。

 

(まぁ、暗い雰囲気よかマシか)

 

そして、ある程度の検査が終わった頃。再度、春信さんに声をかけられる。

 

「そうだ、夕矢くん。君の防人システムには他の子達と違う部分が一つあるからそれについて、説明するよ」

「違う部分?それは、なんです?」

「これだよ」

 

そう言って手渡されたのは、黒い棒のようなものだった。

 

「これは?」

「折り畳み式の弓さ。折り畳んだ状態なら槍のように近接武器としても扱える。あと、この矢筒に入った矢……トリックアローって呼ぼうか。これと、組み合わせて使う君専用の武器だ。その矢には、沢山の機能が備わっているんだけど……それについては今度話そう」

「分かりました。んで?これが、他との違いってやつですか?」

「そう。他の防人の少女たちは銃剣か盾を、装備することになっている。でも、君のはこれにした」

「何でですか?」

「君の防人システムは、君用に再調整するんだ。上からの命令で、様々な可能性を試せって言われたから。だったら、少しの変化を加えてもいいかなって、何より、鷹の目を持つ君には弓と矢が合ってるだろ」

「まぁ……」

 

折り畳まれた弓を開き、矢筒に納められた矢を取り出して、弓を引く。

 

「悪くないですね。いや、寧ろ気に入った」

「それはよかった」

 

口の端を吊り上げながら、そう呟く。すると、春信さんが神妙な面持ちで俺に語り掛けてきたので、矢を戻し弓を折り畳む。

 

「正直な所、僕は先輩の思いを汲んで君を危険な目には合わせたくなかった。でも、こうなった以上は全面的に協力する。ここに来たってことは、君は防人の役目に付くことを自分で決めたってことだもんね」

「そうですね、丁度俺にも目的が出来たので」

「目的?」

「好きな人……芽吹の傍にいて彼女を守るって、目的が出来たから」

「芽吹?ああ、楠さんか。はは、相変わらずなんだね。その想いも」

「当たり前ですよ。俺はこの想いだけは、曲げるつもりはありません」

 

俺は、春信さんに向かってそういい放つ。何があろうと、この想いは変わらない。

 

「そっか、君の気持ちはよく分かった。システムのことについては、神官を通して伝えるよ。お疲れ様、夕矢くん」

「了解です、色々とありがとうございました」

「礼を言われるようなことじゃないよ」

 

困った様に、頬を掻いた春信さんを見届けながら部屋を出る。

 

(防人、それにシステム……か。まぁ、関係ないな。もう離れないために俺は芽吹の傍にいるだけだ)

 

胸の内で、そんなことを呟きながら本部に来た迎えの車に乗りこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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私達、防人はゴールドタワーで訓練を受けながら、暮らすことになった。どうやら、事態はかなり逼迫しているらしい。

 

防人は、数が多いという利点を生かして集団戦をすることとなる。私は、選考の際に双剣の扱いを鍛練を受けたけど、防人は銃剣か盾を使うことになる。私は銃剣を扱うことになったため。戦いの技術を一から学び直しとなった。

 

(もう一度、勇者の選考があるのかと思ったのに……)

 

訓練を受けている間、私の中には強い怒りが渦巻いていた。

 

(失格にしておいて、今になって人が足りなくなったからって呼び出した。まるで、都合のいい道具みたいに。しかも、私は……私達は勇者じゃない)

 

量産型のくだらない役目、勇者になれない私達くらいでも、それくらいは出来ると言いたいのか……大赦は。

 

(だったら、認めさせてやる。この御役目で大赦の連中が想定している以上の成果をあげて、勇者に相応しかったのは私なのだと、認めさせてやる!!)

 

やがて、私達が一通りの訓練を終えた頃、部隊の隊長と副隊長を選出することとなった。その為に、様々なテストが行われた。

 

私は、他の追随を許さないトップの成績を叩き出し、隊長になることが出来た。ちなみに、夕矢は私と並ぶほどの成績を出し、副隊長に選出されていた。

 

そして今、私は防人のための訓練施設として用意されていた道場にいる。来る実戦に向け、トレーニングを行うためだ。私だけではなく夕矢もいる。

 

「なんで、あんたもいるのよ?」

「神官から実戦が近いって言われたから、鍛練を重ねておこうと思ってな」

「……なんで、弓道を?」

 

防人の基本装備は銃剣か盾。なのに、弓を使った鍛練をしてなんの意味があるのか、私は気になった。

 

「前に俺が大赦に行ったときあったろ?」

「ええ」

「あん時に、俺の防人システムについての詳しいことを聞いたんだよ。そしたら、俺のだけ装備は弓と矢だってさ」

「なんで?」

「俺のシステムは、自分用に再調整するらしくてな。その影響らしい」

「そうなんだ」

 

こいつに限って、もう弓の訓練なんて……ていうよりも、射撃関連は鍛練の必要はないと思うが。

 

「にしても、副隊長か。隊長でもよかったんだが、芽吹の傍にいられるなら、いいか」

「はぁ……」

 

にしても本当にこういうことを言うのは、勘弁してほしい。そもそも、こいつはおかしい。自分以外の全員が女性しかいないにも、関わらず平常運転。誰がいても、私への好意を包み隠さない。

 

「た、頼むから……周りに人がいるときにそういうことを言うのやめてよね。夕矢」

「しょうがないだろ?好きなんだから」

「あ~~わかったから!やめて!恥ずか……集中できないから!」

「おわっ!?あぶな!?」

 

いつも通り過ぎた幼なじみの脳天目掛けて、模擬銃剣の先端を突きだす。

 

(そ、そもそもなんで、私はこんなに……)

 

どうしてだろうか。こいつの行動や言動を鬱陶しく思いつつも……どこか懐かしくて心地よく感じている自分がいる。

 

(内心は、案外こいつが近くにいることに安心している?)

 

「いやいや!そんなわけ!ない!!」

「ちょっ!?芽吹!振り回すのやめろ!俺、今袴だから、避けきれな」

 

直後、ゴスッ!という鈍い音が道場内に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着々と、防人たちにとっての初めての御役目を行う日は近づいてきていた。




小ネタ解説(^ω^)

「奇遇だね、夕矢くん。こんな所で会うなんて」
「ええ、ホントに奇遇ですね」

↑この会話は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にて、空港での決戦前のアイアンマン/トニー・スタークと、ウォーマシン/ローディ・ローズの会話のオマージュ。

「18ホール18打で、回りました」

夕矢が春信の質問に対して言った台詞。これは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の劇中にて、アイアンマン/トニー・スタークからの『隠居生活は、性に合わなかったか?ゴルフに飽きた?』という質問に対しての、クリント・バートン/ホークアイの『18ホール18打で回った。的は外さない』と返答した台詞のオマージュ。


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話の進みが遅くて、申し訳ない。恐らく次から、原作に追い付くかと思われます(^ω^)

早く、ドラマCDの内容で番外編書きたい( ̄▽ ̄;)

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