寒い時期に人間を支えるモノ、それはコタツと呼ばれる神器。なんと、母さんが俺の為にとわざわざ届けてくれた(走って届けにきた)。こたつを部屋に配置した所、真っ先に駆け込んできた人物がいた。
その意外な人物とは……
「なぁ、芽吹よ」
「…何かしら?」
「いや、そのさ…そろそろ、コタツから出た」
「やだ」
「早すぎるって。ほぼノータイムで拒否るなよ」
「……やだ」
「可愛いかよ…珍しく部屋に入り浸ってくれるから舞い上がってたけど、改めて考えたらコタツに負けてる事に気づいたよ俺」
「……出ないから」
「ま、寒いしな。折角だゆっくりしてってくれ…あ、そういや加賀城から貰ったみかんが」
「美味しいわね、これ」
「もう食べてる。なんか今日は色々早いな、芽吹」
「とりあえず…その、アンタも入りなさいよ。寒いでしょ」
「……可愛すぎんか?可愛すぎて、体が燃えてるみたいに熱いんだが」
「じゃあ、入らなくていい」
「いいや!限界だ!入るね!とーう!!」
「結局入るのね」
「芽吹と一緒にコタツで過ごすとか、芽吹大好きな俺が逃すわけないだろ。そんなチャンスを」
「はいはい、にしても…美味しいわね。このみかん」
「だろ?俺も気に入ってんだ〜、加賀城がくれるみかんさ、毎回すごい美味しいからよ。ほら、まだあるぜ」
「夕矢も食いなさいよ、はい」
「ムグっ……おお、美味!ていか、はいあーんされた!やったー!」
「うるさいっての。全く……いちいち喜びすぎなのよ、アンタは」
「仕方ないだろ、好きな人からあーんされるなんて嬉しい以外の何物でもないんだから」
「……」
「ん?どした、芽吹。顔赤いぞ」
「……気のせいでしょ」
「そうかぁ?んー、なんかいつもより赤いような…」
「もういいから…あ、甘い…本当に、このみかん美味しいわね」
「気に入ってるな。あ、そうだ、そんなに気に入ったらならさ、たくさんあるし何個か持って帰るか?」
「…いいの?」
「あぁ、勿論だ。加賀城からはいつも多めに貰ってるからな。部屋に持って帰ってたべても良いと思うぜ?」
「……はむ」
「?、芽吹?」
「ここでいい」
「へ?」
「持って帰って食べるより…私は、ここで食べてたい」
「?、そう、なのか?」
「ええ、そうよ」
「コタツから出たくない…的な感じ?」
「まぁ、それもあるけど……なんとなく、もう少しここにいたいなって思ったから」
「なっ、ウッ…そ、そっか!おし、じゃあどっちが多くみかん食べれるか勝負しようぜ?」
「なにそれ、そんな子どもみたいな…」
「なんだ〜勝負しないのか?じゃあ、俺の勝ちって事で」
「あ?いいわよ、やってやろうじゃない、ほらさっさとかかってきなさいよ」
「ごめんって…そんな怒んなって」
「別に怒ってないけど」
「ま!そんなムスッとしてる芽吹もめちゃくちゃ可愛くて好きだけどな〜!」
「またそれ?飽きないわね…ま、アンタらしくて良いけど」
二人で一緒に入るコタツは、いつもとはまた違った暖かさがある事を知った芽吹と夕矢なのであった。
いかがでしたでしょうか。今回は冬の特別短編という事で恒例のマーベルネタはありませんでしたが、いつも通りのメブタカが書けて作者としても楽しかったでございます。
さて、まずは本編の投稿が全く進んでおらず申し訳ありません。現在十二話を書いているのですが、戦闘描写が上手く書けず頭を抱えてしております…一応、その後の話は書き溜めしてあるのですが、十二話が完成しない限り出す事ができないのでもう少しお待ちください。お待たせしてしまい本当に申し訳ありません。
そして、もう一つ。こちらは良い知らせなのですが、実は夕矢の父である鷹月刀夜さんを主役としたスピンオフ『鷹月刀夜は愛を知る』の執筆も始めました。現在、三話までは書き上がっており、夕矢の物語の進み方次第ではその内あげると思うのでこちらもご期待してお待ちください。
後書きが長くなりましたがここいらで…これからも鷹月夕矢は想い続けるを是非よろしくお願いいたします。