昔読んでいた漫画に、【アカイトリ】という学園戦闘物の漫画があった。
非能力者の【
世界唯一の能力都市で、いろんなことにぶつかりながら成長していく物語だ。
僕がそれを読んだのは、中学2年生の頃。
中二病真っ盛りだった僕は、
本当は能力を持っていて、いつか開花するものだ。と本気で思っていた。
本気で能力都市を探そうとしたし、必死に能力を開発しようともした。
思い返せば苦虫を噛み潰したような顔になってしまう。
一番忘れ去りたい記憶なのだ。
だがしかし、さっぱり中二病から足を洗い、完全に記憶から忘却した頃に
僕は信じられない出来事に出会った。
なんと転生したのである。
嘘や戯言等ではなく、本当に
原因は学校のベランダからの転落。
外の様子を覗いている時に不意に背中を押され、4階から地面に叩きつけられた。
そんな僕が前世で最後に見たのは、殺意に満ち満ちた女生徒の一人だった。
僕自身恨みを買っていた覚えはないし、真面目に過ごしてきた筈だ。
何故だと頭を捻れば疑問しか出てこない。
兎にも角にも、僕は転生した。
第2の人生の幕開けをただ受け入れるしか無かった。
まぁ生きれるのならいいや、最終的にはそう片付けて。
異変に気付いたのは、3歳の頃。
こども園だかに連れて行かれてる当時、僕は周りの幼児だけでなく
保育士の人からも少し避けられていた。
無論世話はしてくれるのだが、それ以外はノータッチ。
近付けば用事を思い出したかのように、逃げて行ってしまう。
今世の顔はブサイクではなく可愛い系。パッチリおめめに、にこやかフェイス。
何故避けられるのかが分からない程だ。
………………自分で言うのは何か変な気分だが。
その件に関しては両親は特に言及しなかったし、僕も相談しなかった。
と言うのも、当時は生活に支障はなかったし、それほど気にしなかったのだが……。
少々困り始めたのは、小学校に上がり二年ほどたった頃だった。
僕は何故か怖がられ始めたのだ。
勿論、手を出していないし怖がられるような事はしていない。
だが、声をかければ泣き出され、挙句には失禁された。
先生すらも子供相手に少し腰が引けている始末だ。
もう一度言わせてもらうが、僕は顔面凶器などでは無い。
幼さの残る可愛らしい顔をしている。
前世の記憶から言うと、子役として売れても何ら可笑しくない顔だ。
発言に棘など仕込んでいないし、寧ろ媚びた声を出していたつもりだった。
「ねぇねぇー?僕ちんと一緒にぃ?遊ばなぁーい?」
これは盛りすぎだが。
兎にも角にも嫌われるような顔でも性格でもなかったのだ。
何故だとうんうん唸っている間に時は流れ小学校卒業を迎えた。
謎は解決できずに声すらかけられない生活が続く中、中学に進学。
【殺人鬼】と囁かれ始めた二学期最後。
聞き覚えのある
その検査の名は【特殊能力検査】。
前世で読んだ漫画【アカイトリ】で、最初に目にする文字列だった。
最初は何の違和感を抱かなかったが、異変を感じ見事な2度見。
読めている筈なのに、頭に内容が入らない。
何故か文字列が異国の言葉に思えてくる。
そんな不思議な感覚に襲われながらも最終的には、【アカイトリ】の世界だと理解した。
まぁそんなこんなで、僕は見事に能力持ちでしたとさ。