「そういえば、キャーエッチーって私が言ったらどう思う?」
「少しドキッとする。」「興奮するっすね。」「胡散臭過ぎるわよ。」
三者三様ってやつだね。うん、喜んだ方がいいのか、悲しんだ方がいいのか難しい反応だね。まぁ、元男としては、そういうモテ方はきっと喜ばしいことでは無いんだろうけど。いや、私がモテているのかは知らないけどさ。
「というか、揉まないで下さい。」
「ぐへへ、き、きのせいっすよ。」
「いや、そんなあからさまな嘘をついても意味ないですから。」
「ぐぬぬぬぬ。」
「蒼も一度くらいは怒らないとそいつ調子に乗るわよ。」
「友好度が高くない人にされたら怒るでしょうが、友好度が高い人に対して怒るのってあんまり得意ではないんですよね。まぁ、友好度が高い人ほど苦しんでいる姿を見た時は楽しいというか面白いと思うのですが。……ということで純さんの方に行って下さい。」
「蒼も蒼で性格が悪過ぎるでしょうが。好きな子を虐めたい小学生じゃあるまいし。そもそも何が、とういうことで、なのよ。こっちに矛先を向けさせないちょうだい。」
「えー、純はガードが硬いから全然触らしてくれないのは蒼っちも分かっているじゃないっすか。」
「もういい、ボクも触ってやる。」
一応モテているのかな。というか、私ってそんなに触り心地がいいような体つきはしてないはずなんだけどね。まぁ、必要最低限の感覚以外も切ってるのもあって、触覚的な不快感は全くないんだけどね。そんなことよりも正直、動きずらいって感情の方が大きいし。
「ワタシはもう上がるわ。」
「じゃあ、私も上がりますね〈生命停止〉っと。」
「本当に容赦ないわね。」
「これくらいしないと抜け出せませんからね。」
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「えっと、すき焼きですか?」
「さっき、厨房を漁っていたらこれを見つけたから、折角だし使ってみたんだ。冷蔵庫の中に必要な食材もあったしな。」
「ああ、殆ど使った事は無かったけれど、そんなものもあっわね。」
そういえば、何度か皆ですき焼きを食べたことがあったよね。私も含めて何人か肉が余り好きじゃない人がいたから、確かそこまですき焼きを仲間内で食べたことは無かったけれど。その分懐かしいと思えてくるね。ああ、体感的にはもう数十年も前なんだよね。
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「二人とも遅かったね。」
「そうさせた君がしれっと言うなよ。」
「蒼っちも時々酷いっすよ。」
「いや、あれくらいしないと二人が離れてくれなさそうだったからさ。」
「何をしたんだ?」
「単純に精神から肉体への伝達を一時的に止めただけだよ。」
「うわー、エグいことをするな。」
「そうっすよね。蒼っちはおかしいっすよね?」
「そこまでは言っていないって。」
「というか、真さんには言われたくないです。」
「はいはい、無駄話は終わりにしような。では、いただきます。」
「「「「いただきます」」」」
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「もう、無理です。」
「アオイってこのメンツの中では一番少食なんだな。」
「そうですなんですよね。確かこの中では一番体格が小さい真さんが大食漢というか、大食いなんですよね。」
「そうなのか。」
「もぐもぐ、酷いっすよ。これでも、最近はセーブしているっすからね。」
「一応、昔よりかは多少ましにはなったのよね。ただ、蒼の二倍くらいは普通に食べるんだけど。」
「五倍が二倍に減ったんっすから結構進歩しているんっすよ。」
「つまり、半分以上に減ったということか。今でも結構食べているのにその倍以上だと考えると毎日の食費が大変そうだな。」
「そうなのよね。今は社会人だから自分の食費くらいは自分で稼がせているけど、学生の時は大変だったのよ。真にお金を渡すと食費分の仕送りも直ぐに使っちゃうんだから。」
「そう言いながら、毎日朝昼夜ご飯を作ってくれた純がアタシは好きっすよ。」
「仕方がないでしょ。そうしないと貴女まともに生活出来ないんだし。」
やっぱり、こういうのを百合っていうんだろうね。昔はガチレズの真さんが色々と酷かったし、そもそもそんなこと考えている余裕は無かったけれど。うん、こういうザッ百合って感じの姿を見ていると私とリスは別に百合的な関係ではないというのが分かるね。
「うん、やっぱり百合の間に挟まる男は処さなければいけないとボクは思うんだよ。」
「突然何を言い出すんだ。」
「ああ、すみませんユウさん。これはこいつの病気みたいなものなので。そっとして置いてやって下さい。」
「あ、ああ分かった。」
というか、昔から言っているからもう言うのが面倒くさくなってきたから声には出さないけど、翠君を処そうとするならリスでも許さないからね。まぁ、そんな感じの視線を向けておけば伝わるでしょう。
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皆もう食べ終わって、残りは後片付けだけって感じかな。折角、皆集まっているんだし、あの話をしようか。
「そういえば、この惑星の名前ってどうしますか?多分こんな惑星だと名前なんか付いていないでしょうし。」
「そうね、とりあえず私とネーミングセンスが悪い真以外の三人で一人一つずつ考えましょうか。」
「えー、いつも名前を決める時はアタシを除け者にして、酷いっすよー。」
「そう思うなら、もう少し真面な名前を考えられるようになってから言いなさい。分かったわよ。貴女もいれて四人でね。」
「あざっす。てっ、なんでアタシが我儘娘見たいな扱いを受けているっすか。」
「実際その通りじゃない。あー、私が大人げ無かったわね。ごめんなさいね。」
「謝られたのに微塵も嬉しくないっす。そうやっていつまでも子供扱いはやめて欲しいっす。」
「そうねえ。考えておくわ。真の所為で話が脱線してきたから戻すけど、一人一つこの惑星の名前の候補を考えて欲しいの。期限は……明日の朝食の時でいいかしら。まぁ、無いなら無いでいいから気楽に考えてくれていいわ。」
「「「Yes, My Captain.」」」「了解した。」
十数年ぶりのはずなのに、魂で染み付いているからなのか、みんな台詞の内容もタイミングも揃うね。昔何度も練習したからってのもあるだろうけど。まぁ、ユウさんに関しては仕方が無いというか、流石に私達の掛け声を会ったばかりの人に強制させるのも酷だからね。予め言っていた訳でもないし。
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よし、一通り片付いたので、孵化しますかね。てか、孵化しますかね、なんて普通に生まれたならば絶対に心の中でだとしても言わなかった言葉なのに平然に思っている自分が嫌になるね。慣れとかそういうものなんだろうけど。えっと……あったあったこれが一番性能が良い<孵卵器>だね。えっと説明書を見る限り、孵化するのに必要な時間が1/60に短縮されるみたいだね。ということは、元々孵化時間は500時間だから、<孵卵器>を用いると約8時間になるのかな。分かってはいたけれど、改めて自分が対象となるとその性能の凄さが実感出来るよ。
「で、地味にネーミングセンスが良いリアは何か考えた?」
「一応もう考えてあるよ。というか、そうじゃないと自分から話題に出したりはしないからね。そういう、リスこそ何か考えたの?」
「うーん、まだかな。色々と考えてはいるんだけど、これといった名前が思いつかないんだよ。」
「まだ決まってないならさ、<孵卵器>に入ってから考えない?今この状態でじっくり考えるのも時間の無駄になるし、孵化時間は約8時間だから、今から入ったら出る時には、いいくらいの時間にはなるだろうからね。」
「……分かった。じゃあそうしようか。」
あれ、よくよく考えたらこれ一緒に寝よう、って言った様なものじゃないか。まぁ、何かある訳ではないんだけどさ。私は健全な未成年なのです。合計的な年齢は未成年ではないですけど、肉体的な年齢は未成年なのです。というか、地味に恥ずかしいことを言ってしまったけれど、これくらいでは後悔は少ししかしていない……いや、後悔はしていないのです。していなったらしていないのです。
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えっと、これとこれを並べて、温度設定は……60.0℃でしたね。では入りますかね。よくよく考えたら、これって中に入った会話は出来るのかな。まぁ、入ってから念話を試してみて出来なかったら諦めますかね。
「では、入りますかね。」
「うん。」
あっ、入る前に卵に戻らないとですね。……よし、これでいいでしょう。無駄に<孵卵器>が大きかったので、そのまま入るというバカなことをする所でした。まぁ、後々恥ずかしくなりそうなので、気にしないでおきましょう。
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『リアが考えた名前ってどんなのなの?』
『言ったら言ったらで真似されそうなので言いません。』
『そんな事しないってば。』
念話は無事出来るみたいですね。それにしても、リスがそういう時ってあまり信用出来ないんですよね。まぁ、あくまでも第一候補ではなく第二候補を話すだけなら大丈夫でしょう。
『そういうなら話しますが、アムルタートという名前を考えていますね。』
『どこの神様の名前なんだ?どうせいつもみたいに神話関連なんだろう?』
『そうですね。アムルタートは、アムルダード、モルダードとも呼ばれるゾロアスター教に登場する善神にして、植物の守護神と言われている神様です。私達は植物を植えているんですから、こういう名前もいいと思いますので。』
『まぁ、確かに折角植物を植えたんだから、そういう願掛けみたいな名前も悪くはないのか。』
『それにアムルタートには不滅という意味もあるそうなので、この星が滅びないで欲しい、という思いもあります。』
『そういうのはよく分かるよ。リスがそういうなら僕もそういう名前にしないとね。』
正直、採用されやすいのは浪漫で考えた第一候補よりかは真面目に考えた第二候補なのでしょうが、それでもなって欲しい名前は第一候補の方なのです。まぁ、第二候補になったらなったらで別にいいので、話してしまいましたが、どうなるでしょうね。それは神のみぞ知る、とか言ったら厨二っぽいので、未来の私達しか知らない、としておきましょうか。
『という訳で私はもう寝ますね。』
『流石に早過ぎだよ。』
『<孵卵器>の中では迂闊に物を出せないので、暇なのです。では、おやすみなさい。』
『ああ、おやすみなさい。ってまだ寝ないで。』
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えっと、ここは何処ですか。……そういえば、<孵卵器>の中で寝たんでしたね。時間的には……後数分で孵化が終わるみたいですね。……やっと終わったみたいですね。あれ、もしかしてこれ自分から卵の殻を外さないといけない感じなのかな。多分そうなんだろうね。今まであまり気にしてなかったけど、自動で殻が全方位に吹っ飛ぶ訳では無かったんだね。いや、そんなことにかるのは多分二次元の世界だけだろうけど。……よし、<孵卵器>から出ますか。それにしても、どのような仕組みだったのかは調べてみたいことには分かりませんが、体感時間は約8時間くらいで済んで良かったです。もしこれが元々の500時間だったら流石に長すぎですからね。まぁ、殆ど寝ていたので実際の体感時間は8時間ではなく500時間で、その間ずっと寝ていたという可能性もあるでしょうが。今となっては分からないですね。ふむ、鏡で自分の姿を見る感じでは、フォルム的には猫に近い感じですね。ただ、背中から翼が生えているので、一般的な猫ではないようですが。まぁ、竜なので当たり前なんですがね。この額に埋まっているのが竜眼なのでしょうか。……そういえば、リスはどうなっているのでしょうか。もしかしてまだ寝ているのかな。ふふふ、私は優しいのでもし寝ているのなら起こしてあげましょう。うーん、どういう起こし方にしましょうか。あんまり近づき過ぎると気配的な何かで起きてしまう可能性が高いですから。耳元で叫ぶとかは難しいですらね。だからといって、念話は起きている相手にしか使えませんし。しょうがないので、起きなさそうなギリギリの場所で呼びかけますかね。……ここがギリギリの場所ですかね。猫……小竜なので距離感がなかなか掴めな勝ったですが、ここら辺なら大丈夫なはずです。この部屋の防音機能は優秀なので、少しくらい大声を出しても大丈夫なのです。
「リースーちゃん、あーさでーすよー。」
「うわー。」
驚いてくれたようで何よりです。そして、姿自体は私もリスもそこまで変わらないみたいですね。
「ふふ、調子はどうですか?」
「最悪だよ。もうちょっと穏便に起こしてくれても良かったんだよ。」
「そんなの面白くないじゃないですか。そういう反応を見るのが私の楽しみなんですから。」
「そういう所本当に性格が悪いよね。」
「こんなことはリスくらいにしかしませんよ。」
「はー、すぐそういうこと言うんだからさ。とりあえず、アリガトウゴザイマシタ。」
「はい、どういたしまして。」
「くー、外道め。」
「これくらいでは、外道ではないとリスも分かっているでしょう。」
「そうだけどさ。はー、まあいいや。この話はここで終わっておこう。それじゃあ、下に降りようか。」
逃げましたね。まぁ、あんまりし過ぎると無いとは思いますがと嫌われるかもしれないので、ここら辺で終わっておくのは無難ですかね。正直、嫌われても別にいいんですけ、後々が面倒そうですからね。
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降りてきましたが、リビングにはリスしかいないようですね。他の人達はキッチンに行っているのでしょうか。……純さんがいましたね。
「おはようございます。」
「ええ、おやよう。」
「手伝います。」
「ありがとう。じゃあ、お願いするわね。」
「はい。」
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「で、みんな惑星の名前は考えたかしら?」
「私は考えました。」「ボクは一応考えたよ。」「アタシもちゃんといい名前を考えたっすよ。」「俺も一応一つは考えた。」
「じゃあ、どういう形式で決める?」
「えっと、何か決める時にしていたのは、ジャンケン式、あみだくじ式、くじ引き式、バトル式、ルーレット式、ダイス式辺りでしたよね。」
「そうねえ。投票式もあるだろうけど、基本的には自分が考えたのが選ばれて欲しいと思うものだしね。するとしても、何で決めるかぐらいしか投票では決められないわね。ただ、それをするのも大変だから、無難にダイス式にするわね。異論はあるかしら?」
「ないです。」「ないよ。」「ないっす。」「ないな。」
ダイス神の加護を信じるのですね。ダイス神はきっと私の願いを叶えてくれるでしょう……まぁ、流石に冗談ですけどね。私は別に熱心なダイス信者ではないですから。
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「じゃあ1d4で、1が出たら真の案、2が出たら紅の案、3が出たら蒼の案、4が出たらユウの案ということで、ダイスを振るわよ。……3が出たわね。で、蒼はなんて名前を考えたの?」
「はい、私が考えたのはファロールという名前です。この名前は、クトゥルフ神話に置ける旧支配者の一柱の名前で、滅びた惑星に配下の二神と共にいた神とされています。私もリスもユウさんの配下ではないですが、一人と二人ということ、そして滅びた惑星という共通点から私達にはあっていると思いこの名前にしました。」
「なるほどね。まぁ、良し悪しは別としてダイス神が選んだのは蒼なんだし、この惑星の名前は今日からファロールよ。」
「「「おめでとう。」」」
「ありがとうございます。」
こうしてこの惑星の名前は決まりました。ただ、私達の惑星改造はまだ始まったばかりですし、ユウさんも元の世界に帰らなければいけないようなので、これからも色々と大変そうです。ただ、きっと順調に進むのはここまででしょうから、ここで一度締めておきましょう。めでたしめでたし、と。
一応これで完結となります。ここまで読んで下さった方はありがとうございました。最終的にこの惑星の名前はファロールとなりましたが、一話に惑星の名前を書いていなければ、作中で第二候補と書いたアムルタートになっていたと思います。当時の私はどういう思いでこの名前に下の方今の私には分かりませんが、その時の思いを尊重したいと思いファロールとしました。ネタバレといっていいのかは分かりませんが、惑星『ファロール』はゲーム的に言うならばフラットな惑星(スーパーフラット)です。本編では『ラナソール』は夢想世界と書かれています。そういう意味ではこの『ファロール』は失敗した世界、廃棄された世界と言えるでしょう。もしくは、惑星としての原型だけを残したバックアップ用の世界でしょうか。本編ではそんなものはないですが、二次創作なのでそういったものがあったかもしれない、という設定で書いています。そんな感じの設定なので、多分異物は排除されるでしょう。もしくはウィルお兄さんがなんとかユウさんを帰還させるでしょう。なので、結構悩んだのですがそういった部分はあえて描きませんでした。私の技量的には難しいでしょうし、そうしてしまうと惑星改造が失敗という結果になってしまいますしね。という訳で改めてありがとうございました。
・Yes, My Captain.
意味的には見たら分かると思いますが『はい、我が船長』とかって感じですね。〘方舟〙という集団でしたし、団長とか組長とか色々と考えたのですが、船長と呼ぶ方が似合っていると思いましたので、こうなりました。元ネタとしては、コードギアスの『Yes, My Lord.』ですね。