それにしても、今日一日は濃厚だった。流されるままに女の子になっちゃったけど、これって指輪を外したら戻れるんだよな。なんか、危なそうだから今はやめておこう。
『リアとリスの二人組ってさ、ミリアとアリスを思い出すよね』
『そうだな』
『あのアオイリアって人少しミリアに似ていたね』
『確かに、あの腹黒そうな所が少し似ているな』
『逆にクレアリスって人はアリスとはあんまり似ていなかったね』
『確かに、真逆といってもいいくらい似ていなかったな』
『会いたいね』
『そうだな』
説得力がある、という訳でもないのに何故か彼・・・いや彼女の言う通りにしてしまった。それにして、ユイがいないのに、自信の性別を男だと思うと何故かしっくりこないのは、この指輪の効果なのだろうか。それにしても、あの二人が『変身』した時は、明らかに俺・・・いや私よりも多そうな気力が一瞬にして無くなった時は驚いた。もしかしたら、私が男から女になる時と似たような原理なのかもしれないな。
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眠れない・・・そういえば、指輪の機能の一つに『不眠不休』といった物があると言っていたな。確かアオイは眠らず、休まず活動出来る、と言っていたが、つまり出来るのであって眠ることができない訳ではないはずだ。指輪を外せば直ぐに眠れるかもしれないが、この際意地でも付けたまま寝てやる。・・・よし、眠れない時は温泉に行くと相場が決まってる。あの、大きな浴槽に一人で入ってみるのもいいかもしれない。
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あっ、今は肉体が女だから女湯に入らないといけないんだった。性自認が曖昧だと肉体が女であることを忘れそうになる。女としての膨らみや丸みがあるのに何故ここまで意識しないのだろう。
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内装は男湯とあまり変わらないな。・・・いや、露天風呂に関しては結構違うな。男湯は開放的だったのに対して女湯は閉鎖的な感じがする。誰かと入るお風呂もいいけど、一人でゆっくり入るお風呂もいいな。
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「初めまして、貴女が星海ユウね」
いつの間にか、横に私よりも胸が大きそうな女性がいた。これは、どの様な反応を返せばいいか困る。まずは返事をしなければ。
「はい、そうです」
彼女は私の名前を知っているということは、あの二人の知り合いだろうか。ということは、私の本来の性別を知っているはずだ。なのに何故、彼女は私と一緒にお風呂に入っているのだろうか。
「ああ、自己紹介がまだだったわね。ワタシは
「はい」
「それは慣れてるから、かしらね。昔、親睦を深める為に仲間と大きなお風呂に入ったことがあったのよ。ああ、本来の性別は男でも肉体的には全員女性になっていることが前提条件だけどね。そんなことを続けていたから、本来の性別だとかより肉体が女性なら特に気にしなくなったのよ。まぁ、流石に変な目で見てくる様な人とは入らないけどね。そこら辺は夫からも色々と言われているしね」
お、夫ってことはジュンさんは即婚者って事?・・・大人の女性感ばりばりだったけど、まさか即婚者だとは思わなかったよ。
「ねえ、貴女はあの二人のことをどう思う?」
「いい人達だと思います」
「そういう答えを聞きたいんじゃないんだけどね。そうね、あの二人は普通の人間、に見えた?いえ、こう言った方が分かりやすいかしら。あの二人は、ごく普通の日本人に見えた?」
普通の人間には見えた。二人と接していると、ちゃんと心を持った人間なんだということはよく分かった。けど、普通の日本人と言われるとどうなんだろう。私だった自分のことは普通の人間だと思っているけれど、普通の日本人かと聞かれると、分からなくなる。違うのかもしれないけど、普通だと思いたい。
「分かりません」
「正直でよろしい。そうね、これから話すことは他言無用にして欲しいの」
「・・・分かりました」
「まぁ、あの二人と接していれば分かるだろうけど、壊れてる、という訳じゃないけど、少しズレているのよ。普通の人と感性がね。何をもって普通というかって話は置いておくとして、昔から変だったって訳じゃないのよ。あっ、
私は無意識に避けていたけど、アオイは意識的に避けているのだろう。多分、これが私とアオイの決定的な違い。
「少し分かる気がします」
「そう。ワタシが貴女にこの話をしたのは、多分貴女から二人と似た何かを感じたからかもしれないわね」
「そうですかね」
「結局、何が言いたかったかというと、あの二人と仲良くして上げて欲しいのよ。まぁ、貴女なら問題無いだろうけどね」
「頼まれなくても、そのつもりです」
「あら、じゃあ余計なお世話だったかしら」
「そんなことはないです」
「ふふ、ありがとう」
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〈強制睡眠〉を使わないとなかなか眠れないってのも考えものだよね。現在の時刻が分からない。うん、やっぱり時計がないと不便だから、あとで作ろう。朝風呂に行こうか迷うな〜。折角だし、朝風呂に行く時は全身誘おうかな。とりあえず、一階に行こうっと。
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やっぱり、純さんは朝が早い。流石、リーダー、もとい委員長たね。
「おはよう」
「おはよう。ぐっすり眠れたみたいね。って、これワタシが聞くことじゃないわね」
この感じ懐かしいな。
「はい、ぐっすり眠れましたよ。他の人達はまだですか?」
「まだ、みたいね。まぁ、
「あ〜、真さんも昔から朝が遅かったですしね。
「別にいいわよ。何時までに起きなければ行けないって訳じゃないのだから」
「そうですね。あっ、お二人はいつ頃帰るんですか?」
「四日後の朝頃に帰る予定よ。此方と彼方の朝ご飯を作らないといけないしね。<世界時計>調べた感じではこの世界での100時間は地球・・・〝タルタロス〟での10時間に当たるそうなのよね」
「1/10ですか。まぁ、1/1000だった〝あの世界〟と比べれば普通ですかね」
「そうだったらしいわね」
「はい。皆まだなら朝ご飯を作りますか?」
「それがよさそうね」
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よしっ終了っと。とりあえず、畳の部屋に戻りますか。あっ・・・ユウさんが起きてきたみたいだ。
「おはよう」
「おはようございますユウさん」「おはようユウ」
「昨日は気づかなかったけど、こんな部屋があったんですね」
「あっ、夜は閉まっていましたからね。というか、ユウさんスカートですか・・・凄いですね」
「あっ、これは・・・そんなことはない。普通だよ」
「あっ、この人は「自己紹介は昨日したからいいわ」・・・そうですか。真さんは多分自分でしたいでしょうから必要ないですかね?」
「まぁ、真は自分から自己紹介をする性格だから」
「そのサナって人は誰なんだ?」
真さんの説明か・・・うん難しいね。
「真はワタシの親友よ。まぁ、詳しい事は本人に聞いて」
純さんは真さんに関しては容赦ないからな〜。
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「おはよ」
「「「おはよう」」」
「やっぱり、真は最後なのね。ちょっと起こしに行ってくるわ」
あっ、やっぱり行くんですか。
「あっ、じゃあ朝ご飯の用意をしておきます。リス、ちょっと手伝って。ユウさんは座っていて下さい」
「「分かった」」
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「おやよ〜っす」
「おはようございます」「おはよ」
「お〜、この子がユウっちですか。アタシは
「うん、よろしく」
「ここは、ワタシが言った方がいいかしらね。では、いただきます」
「「「「いただきます」」」」
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ごちそうさまっと。そういえば、まだステータスを確認していなかったね。ステータスを見ないと種族が分からないからな〜。よし、〈メニュー〉っと。
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名前:なし
年齢:0歳
性別:無性
状態:天魔
種族:卵
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名前がないのはいいとして、卵ってどういうこと。私は何の種族なの?というか、何か丸いな〜、と思っていたけど、卵だったんだね。納得がいったよ。
・ユウ君はスカートを履かない様な気がしますが、とりあえずスカートを履いてもらいました。書いてはいませんが、変身すると、変身後の体格にあった服を着ている状態に自動的になります。<布の服>、的なやつです。ゲームの初期装備でよくある、防御力等が一切ないやつですね。あっ、色は灰色です。
・建物は三階建てです。主人公達の部屋が三階にあり、ユウ君の部屋は二階にあります。部屋の内装はビジネスホテルにある様な部屋をイメージしています。