評価者のみなさま、ありがとうございます。
漫画版へ足を突っ込み始めた模様。 未来は不安。
現状の不安と、ワガママなキツネさま。
パーク開園の報は、多くのメディアを通じて、
島を丸ごと敷地とした、スケールのデカさも注目されているが、何より人類が
その結果。 ジャパリパークは想定を遥かに超える来園者数を記録する。
多くを占めるは見物客。 当然ではある。
目的の多くはフレンズだ。 一目見ようとする者が多い。 他じゃ見れないからね。
勿論、アミューズメント施設を楽しむだけでも飽きる事はない。
普通の けもの を見て回るのでも十二分である。 1日じゃ見切れない。 それだけパークは広大だ。
だがしかし。 立ち入り禁止区画には行けない。 サファリ区分の一部だけ、ガイド付き観光バス等で行ける場所があるようだけど、本当に一部のみ。
セルリアンが確認された場所、猛獣が放たれている場所は駄目だ。 当たり前ではある。
次に職員。
これは臨時職員の俺も含まれるのだが、その後も増員されて今尚、新規職員が増えている。
管理センタースタッフ、レンジャー、飼育員、警備員、接客員、保守点検員、整備員、清掃員、調査隊員、研究員などなど。
改めて思うが、パークは多種多様な職員で溢れているよなぁ。
どこにも大抵、知り合いがいる自分にも驚きだ。 彼方此方に行かされているからな、そのぶん色んな職種に関わったから。
ヒトとの繋がりを、まさかパークで感じようとは。
フレンズとイチャイチャ出来れば良いと思っていたけれど、ヒトも悪くない。
あくまで、パークでの話だが!
そこは強調する。 本土での人間関係は前世と相変わらずだった。 島の外では期待しないよ。
職員の割合で多いのは、接客員あたり。 当然か。 動物園であり遊園地であり観光地であり。 なにより広大故に。
いくらいても困らない。 俺も人手不足を理由に駆り出された。 接客業務もまた、多岐にわたるので、必要なスキルも多く大変だと思い知らされたよ……。
飼育員もそれなりだ。
特殊動物……アニマルガールにも飼育員がいる。 書類や管理上の問題もあるが、生活の全てをサポートし……心身の健康を維持させ、また教育を行い治安向上に努めなければならない。
これは漫画版でミライが言っていた気がする。
だから、飼育員はフレンズが最も身近な職員ともいえる。
羨ましい一方で、第1世代キタキツネのようにワガママガールや変な子に振り回されるのもまた、飼育員である。 大変なのだ。
ミライみたいに、上は けもの耳 から 先は尻尾まで、睨みつけられても快感というような、全て愛せるヒトは多くはない。 多少はイラッとくるかビビる。
それでも愛故に。 皆は教育を施し、褒めて、時に叱り……笑い合う。
菜々は、そんな立派な飼育員になる為に、これから来るんだよなぁ。
俺は、立派な職員を目指しているワケじゃないけど、劣等感を感じるのは否めない。
でも、努力はしない。 先は長いからね。
作戦は「のんびり いこうよ」である。 異変関係は、足掻くけど。
研究員も増えてきた。
サンドスター、フレンズ、セルリアン……この島そのもの の研究以外にも、対象はある様子。 具体的に何かは知らない。
たぶん、絶滅種とか けもの 関係。
ファンタジー要素に科学的アプローチをかける試み。 成功したものもあれば、上手くいかない事もあったそうな。
俺は研究員じゃないから、詳しく分からん。 ただ、カコが上陸時点でジャパリパーク動物研究所の副所長になったのは知っている。
スマホに本人からのショートメッセージが届いていたから。
さすが、優秀な我が馴染み。 俺とは大違い……。 いや、素直に祝福するよ?
それで褒め言葉を返信したら、喜んでくれたみたいだな。
今は会えず、その笑顔を見れないのが寂しい。
いつかまた、幼い頃みたいに、一緒に けもの を見て共に歩みたい。 して、笑い合いたいって思う。
何にせよ、パークを救うのに役立つ情報ではない、か。
俺には かしこさ が足りない。
現状、どうすれば良いか分からない。
どんな経緯でセントラル
セキュリティホール。
ヒューマンエラー。
セルリアンの能力。
本土や大陸。
多くの国々。
政界。 営利団体。
真心の陰にある思惑と欲望。
フレンズと、ヒト。
多くのモノが絡む、ジャパリパーク。
俺にとって未知の世界。 知っているようで知らない、この世界。
優しさの裏側。
見えない影は不鮮明に、確実に不安を煽る。
何が起きるか分からない。
ジタバタしても仕方ない。 でも、祈って待つのも違う気がする。
俺はパーク職員。
もっというと臨時職員。
今は、やれる事をやろう。 その時その時をこなしていこう。
それがパークの為であり、フレンズの為である。
うん。 というわけだから。
「肉まん1キロで、10秒言うことを聞いてあげる。 それが私の相場よ」
目の前の、ワガママガール……キタキツネを なんとかしようか。
キタキツネ。
アカギツネの亜種。 フレンズとしては、アプリ、漫画、アニメにも出てきた人気のある子。
黄色の縦長な狐耳を生やし、スカートの下から覗かせる茶の尻尾は稲穂のよう。
オレンジのセーラー服みたいな服に、白色のミニスカート。 首には、白色の蝶ネクタイ風ネックウォーマー。
アプリ、アニメ、漫画版と共通している姿だ。
違うとすれば、尻尾がスカートの上から生えて見えるか、中から覗かせているかの違いだろうか。
俺が見ているのは、後者。 アニメもこっちだったかな。
漫画版だとスカートの上から生えていたんだが……気にしない。 どちらにせよ可愛い。
強いて言うと、中からの方が好きかも知れない。 なんか……えっちぃ感じもあるから。
アプリとアニメの性格は、内気な部分は似ている。 前者はボクっ娘で、言葉がたどたどしい。 後者はダラダラ娘。 共通しているのはゲーム好き。
さて。 この共通点から「可愛いモフモフ生物」だと偏見を持って、漫画版に行くと衝撃を受ける。
見た目が同じでも世代が違えば、性格も違うのだろう。 そんな光景に直面だ。
取り敢えず、キタキツネをフレンズ用の食料がある建物……今は果物のみ残っている冷蔵庫の前に呼び出すのは成功した。
肉まんだけ全部パクられて、果物が残っているのは、漫画版と同じである。
へ? 「肉」まん?
ジャパリまん じゃなくて?
残念ながら、漫画版の通り 肉まんである。 そのまま、大衆が知るソレである。
一応ね、フレンズ用の食べ物……恐らくジャパリまん……開発中らしいんだけどね。 今は「肉まん」なのよね。
それはそうと、問題はココからだった。 肉は大丈夫なのかよという議論は置いておく。
「あのぉ、キタキツネ? 俺、臨時職員だけどさ。 仮にも担当だから、言う事聞いて?」
「いやよ。 私たちを管理する仕事なんて、いらないわ」
真っ直ぐな眼差しで、キッパリ言い切るキツネさま。
口調に違和感あるって?
なんだか、文明的で難しい言葉が混ざっているって?
そうだとしても、それが漫画版の子。 して、第1世代キタキツネなのだ。
な? 性格全然違うじゃん?
内気要素ないじゃん?
ボクっ娘じゃないじゃん?
俺は慣れたけども。
ああさて。
フレンズは、みんな 自由に 生きている。
管理されるなんて、
だが、現パークは通常運営されている。 お客さんも大勢いる。 その中では、やって良い事悪い事がある。 それを教えねばならない。
だがなぁ……こんな風に反発されては、ままならん。
菜々風に言えば、女王さま。 或いはワガママガール。
傍観しているぶんには、そんな被害はなかったが、こうして対応しなければならないと、結構シンドい。
見た目が可愛い反面、こういうところでイラッときてしまう。
まさか、菜々の苦労を実体験させられるとはな……して、前任者が俺になるとは。
何故、臨時職員にフレンズの代理飼育員を頼むのか。 管理センターは、何も思わないのだろうか。
何にせよ、任されてしまった仕事。 説教もしなければならない。
「肉まん寄越せって言うけどさ。 その肉まんを勝手に持ち出しているよね。 それ、泥棒だからね。 何度も言ってきたけど駄目だからね」
「弱肉強食の世界に生きてるのよ。 何が悪いの?」
さも当然だ正論だと、堂々と冷たく言い放つキタキツネ。
そりゃあ、自然界の……けもの時代はそうだったかも知れないけどさ。
フレンズが弱肉強食とかいっちゃうと、違和感があるのよね。
フレンズは他のフレンズを襲ったりしない。 捕食、被捕食の関係はなくなる。
代わりに飼育員さんが決められたゴハンをあげる。 もちろん、量も決まっている。
健康管理や治安維持の側面からも、それは双方理解して妥協して欲しい。
じゃないとね。 俺ちゃん、管理センターやミライに怒られるの。
最近は、どこで情報を仕入れたのか、カコにすらメール越しに怒られた。 泣けるぜ。
「ちょ、ちょっと! 泣くことないでしょ。 たかが 肉まん くらいで」
アワワと、慌てるキタキツネ。 どうやら、本当に涙が流れていたようだ。 情けない。
いや、しかし。 女王さまの困った顔とは中々にレアである。
男の泣き落としなんて、キモいと
漫画版を見た身としては、何となく分かる。 ココは利用させて貰う。
俺は、その場でオーバーリアクション。 泣き崩れて床に伏せて見せる。
通りすがりの他飼育員には苦笑されたが、目前のキタキツネは
「よよよ。 これ以上、ドロボーされるとね」
「されると……な、なによ!」
「俺は他のヒトに、首を切られるかも知れないんだ!」
「えっ…………そ、そんな」
サァ…………っと、キタキツネが青ざめる。 ついでに身体が小刻みに震え始めた。
うん。 わかりやすくて可愛い。
首とはヒトに限らず、多くの けもの にとっても急所。 それをヤられる意味。
けもの であるフレンズも理解し……いや。 ヒト以上に重要性を認識していると見る。
弱肉強食の世界を唱ったキタキツネだ。 尚更だろう。
まあ、首を切られるというのは物理的な意味ではない。 キタキツネの飼育担当から弾かれるというコトである。
日本語って難しいね?
キタキツネが理解し切れてなくて、助かったよ。 クククッ。
「ご、ごめんなさい……2度としないから。 そうしたら、あんじゅ、助かる?」
嗚呼。 今度はキタキツネまで涙目に。
狐耳はしゅん、と垂れ下がり、視線も下向きに。
両手はミニスカートを抑えつけるようにして、プルプルしている。
キツネさんを虐めてるワケじゃないよ?
でも、ちょっとは懲りたか。 この辺にしておこう。
「もう2度としないね?」
「し、しない!」
「約束出来るかな?」
「できる!」
「よし。 それなら、俺は助かるよ」
そこまで言うと、ほっと息をつくキタキツネ。
何だろうか。 微笑ましく感じた。
親の気持ちって、こうなのかな?
俺は、親じゃないけどさ。
ふと、カコの両親とカコが脳裏に浮かぶ。
初老となった夫妻であるが、本土を出る直前の見送りでもイチャついてた。
羨ましくなんか、ないんだからね!
俺だって、カコと……カコと、そうなるのか?
今は関係ないな。
雑念を振り払い、現実に戻る。 目の前のキタキツネはとっくに立ち直り、俺を見て首を傾げていた。 可愛い。
「どうしたの? うんうん唸ってたけど」
「いや。 昔と今と、ヒトについて少し考えてた」
「なによ、それ。 変なの」
今度はケラケラ笑われた。 喜怒哀楽の表情が豊かで良いね。 癒されるよ。
きっと、その分、悩みもないんだろうな。 羨ましい。
だからって、その輝きを壊そうとは思わない。 寧ろ、守りたい。
だってそれが、俺の癒しだから。
「でも、あんじゅの部屋の 食べ物なら良いでしょ?」
「だーめ」
「けちー!」
こんな、
いつか、壊れる。
でも、もう少し持たせたいな。
けれども。
それは恐らく、別の
あーかいぶ:(当作品設定等)
キタキツネ
ネコ目イヌ科キツネ属
アカギツネの亜種。 様々な環境にいるキツネだけど、亜種であるキタキツネは日本では北海道の方に分布。
杏樹のメモ:
愛嬌のある顔だが、エキノコックスが怖い。 野生のキツネには不用意に近寄りたくない。 こんなこと、ミライやカコに言ったらど突かれるだろうか。 いや、寧ろ寄生ウェルカム状態かも知れない。 それは言い過ぎか。 言い過ぎ……だよな?
フレンズとしては、好みはボクっ娘で内気なアプリ版が好み。