パーク職員です。(完結)   作:ハヤモ

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不定期更新中。 駄文。 早回しになってる……。


西へ。

 

最初は西の白虎(びゃっこ)に会いに行こう。

軽いノリで。

そんな彼女の住処は西にあるパワースポットとなっている平原。

この平原は彼女の機嫌次第で風が吹き荒れており、彼女に会うのは大変だ。

道中でも色々あったが、ニホンオオカミとホワイトタイガーのチカラでなんとかなった。

暴風も、何とか耐えて耐えて、踏ん張って進み、ようやく対面したフレンズ。

 

 

「よくぞ辿り着いたな。 私はジャパリパークの西方を守護する者、四神獣のビャッコだ。 疾風の恩恵で皆の手助けをする者ぞ」

 

 

四神のひとり、ビャッコ。

アニメのオオカミ先生のようにオッドアイ。 同じ名を持つホワイトタイガーと比べると、少し小柄でスマートな印象。 胸は平たい。

服はほぼ白のみ。 左胸に「の」の字入りの黒い胸ポケットが目立つ。

こうしてみると、本当に神さまなのかな……と疑いもするが、この風のチカラは彼女によるもの。 とんでもないチカラの持ち主である事に違いない。 畏怖と敬意を示さないと。

 

 

「ありがとうございます、ビャッコ様。 つきましては ご助力を頂きたく思います」

 

「貴女が私と同じ名を冠する者か。 手合わせ願いたい」

 

「だから、その為に来たわけじゃないってーの!?」

 

 

折角良い感じに纏めようとしているのに、なんで そうするかね。 脳筋なの?

誰にでも拳を振るいタイガーなの?

 

 

「ほう。 私と同じ名の けもの か……どれ」

 

「ぐっ!?」

 

 

ビャッコがクイッと人差し指を向ける。 刹那。

突風が吹いたと思ったら、ホワイトタイガーが後方に吹き飛んでしまった。 一瞬過ぎて理解に時間がかかる程に速い。

 

 

「なに、風で少し小突いただけだ。 同じ名を連ねていても、差は大きいな。 これが神と けもの の差……だろうか」

 

「ぐぅ……そんな……あんなに鍛えたのに」

 

 

どこか しんみり するビャッコと白虎。 話、進めて良いですかね?

 

 

「いきなり 攻撃しちゃダメだよ! 特に初対面なら尚更ダメ!」

 

 

ここで正論を吼えるニホンオオカミ。 うん、そうなんだけど。 俺の話……。

 

 

「む…………そうだな、すまない。 詫びと言ってはなんだが、同行してやろう」

 

 

あれ。 そんなアッサリで良いんですかねビャッコさま。 俺としてはウェルカムようこそなんだけど。

 

 

「良いんですか?」

 

「ああ、あんじゅ。 ヒトの子よ」

 

「ッ!」

 

「驚く事は無いだろう。 お主の事は有名だぞ? 男の職員がセルリアンの所為で女になって、挙句に けもの にされたとな」

 

 

くっくっ、と不敵に笑うビャッコさま。

情報知るの早いですね……疾風の如く。 風を司る神さまだからですかね?

いや、関係ないか。 有名だと言ってるし。 それにしても、情報回るの、本当に早くなーい?

 

 

「経緯までは知らんがな。 根掘り葉掘り聞くつもりはない。 色々辛い目にあったのだろう?」

 

「ええ、はい」

 

「チカラを貸そう。 そうなってまで、主が前に進む努力を認めてな。 それに……同じ名を連ねている者にも興味がある」

 

「むっ……いずれは超えてみせる!」

 

「はっはっはっ! その勢だ!」

 

 

なんだか、あっさりしているけど、上手くいったから良いか。

 

 

「あんじゅよ。 四神のチカラを求めておるのは、パークの未来が相応以上に危険だから、だろう?」

 

「そこまでの情報を?」

 

「まあな。 他の三獣も知っているだろう。 して、お前の迎えを待っておる。 我も行こう」

 

「……ありがとうございます!」

 

「ビャッコ、ありがとー!」

 

 

とても心強い味方が出来た!

このまま残りも仲間に入れるんだよ!

 


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