パーク職員です。(完結)   作:ハヤモ

79 / 85
不定期更新中。 駄文。
果たして上手くいくのか。


今後の動き

 

さて。 なんか四神のうち三神が初代キタキツネの別荘に集まるというトンデモ事態になっている。

というのは字面だけで、実際は かなりフレンドリーに話す。 流石フレンズ。 話しやすくて良い。 場所も場所なので、許されている気がするよ。 よよよ。

 

 

「わしはゲンブ。 北方を守護する者、四神獣のひとり。 お主が あんじゅか。 噂には聞いていたが……本当にヒトか?」

 

 

と言うのはゲンブ。 北を守護する者であり、四神のひとり。 見た目はゴスロリっぽい感じ。 頭に蛇の髪飾り。

そんな彼女は、ビャッコに連れられてここまで来た。

それまでは、俺の事は話にしか聞いておらず、こうして初めて出会い、お話をしている形だ。

 

 

「ヒトです。 色々あって、女になった挙句に犬のフレンズみたいになってます」

 

「…………まあ、多くは聞かぬ。 同じく喜怒哀楽を感じる者だ。 有限の時を共に楽しもうぞ。 それと、敬語はいらん」

 

「はい……じゃなくて、おう?」

 

「ふふっ。 可愛いヤツよ」

 

 

ぐぬぅ。 何か笑われたが、気にせず前進しよう。 次はセイリュウのみだ。

 

 

「残るは東のセイリュウ。 行ってきます」

 

「うむ。 あやつは不真面目だからのぅ。 ちゃんとした理由を説明出来ないと協力してくれんぞ」

 

「ちゃんとした理由?」

 

 

それはあるから平気かと思うが、ハッキリ言えるようにしろという事か。

火山の様子がおかしいから、協力してくれ……じゃダメか。 未来を知っていて、パークがヤバいので助けて下さい?

うーん。 どっちも微妙だな。 でも言うしかないよな。

 

 

「分かりました。 行ってきます。 ホワイトタイガーは みんなと一緒に火口へ。 結界の準備をして欲しい」

 

「結界?」「成る程、分かった」

 

 

適当に言ったのだが、神さまには上手く言った様子。 首を傾げるホワイトタイガーに対して、ゴットな皆様はグッドな感じに動き始める。

良いね。 楽に越した事はないよ。

 

 

「では、火口で再開出来たら」

 

 

そんな神々なフレンズに俺はそう言って、ニホンオオカミと共に再び走り出す。

今度は東。 日の出づる方角だ。 未来は明るいってね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ あんじゅ」

 

 

運転中。 おもむろにニホンオオカミが語りかけてきた。 運転中なので顔は見れないが、きっといつもの顔だろう。 笑顔のような、不思議がっているような。

 

 

「どうした?」

 

「うん。 あのね……この冒険が全部終わったら、カコ博士のところに行きたいよ」

 

 

カコ……なんでまた、急に。

アイツは、俺を実験台にしたんだ。 願わくば会いたくないし、会っても語る事はない。 あるなら恨み節だ。 余計に嫌いなってしまう。

それだったら会わない方が良い。 未練ばかりが積もる。

 

 

「どうして?」

 

「カコ博士と あんじゅ、今、仲悪いでしょ」

 

 

どこで知ったんだよ、それ。

そんな思考を予想してか。 ニホンオオカミは続ける。

 

 

「分かるよ。 いつもカコ博士とめぇる? してたし。 いつも話をしてたじゃん」

 

「そうだっけ?」

 

「そうだよ」

 

「そりゃあ……俺が家出……じゃなくて、冒険してるからさ。 バッテリーだって無いわけで」

 

「でも、話をしないよ」

 

 

なんで話を続けたがるのか。 子どもが両親の不仲を感じているような、そんな感じなのだろうか。

 

 

「一回、話をして欲しいな。 ね?」

 

「分かったよ。 約束だ」

 

「わーい! あんじゅ、大好き!」

 

 

また、いつもの笑顔純度100パーセントに戻る。

敵わない。 して、心が痛む。

でも俺以上にニホンオオカミは痛がっているんじゃないだろうか。

ハンドルを握る手が震えた。 結局、俺はわがままなんだ。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。