パーク職員です。(完結)   作:ハヤモ

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駄文更新中。
仲直り。 そして異変。


仲直りと異変と。

 

カコの研究所から飛び出して、どれくらいの月日が経ったのか。

怒ったのは後悔していないが、出て行ったのは後悔している。 あの後、ちゃんと話し合って解決するべきだった。

パークが この先どうなるのか分からない中、この気持ちを引き摺るべきではないからだ。

して、俺は研究所に帰った。

研究所の皆も こうなるのを知っていたのかも知れない。 警備員さんには普通に会釈され、廊下ですれ違う白衣の研究員らにも同じ反応をされた。

責めるような目でも異端の目でもない。 普通に接してくる。 それが逆に違和感と不安を誘うから怖い。 責めるなら責めて欲しい。 ドMじゃないけど。

そうこう歩いているうちに。 カコの研究室までやって来た。 必要なのは この先に入る勇気と言う勇気。 それだけで良い。 良い筈なのに……勇気がない。

そうやって扉の前でごまごまし、やっぱ森に帰ろうと踵を返した刹那。

 

 

「……杏樹」

 

 

聞き馴染み、幼馴染な声が。

振り返る。 カコだ。 見つかった。 良いんだけどね。

 

 

「や、やあ」

 

 

愛想笑いで、ぎこちない挨拶。

もっと別の言葉があろうに。 もっと相応しい表情があったろうに。

馬鹿な俺は、こんな挨拶をしてしまう。

 

 

「取り敢えず、入って」

 

「おう」

 

 

カコに勧められるがまま、研究室内へ。

ふと寮での暮らしを思い出して……少し緊張がほぐれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい」

 

 

まず入室後1番のカコの言葉がそれ。 行動はお辞儀。

謝られたのは いつ振りだろうなと思いつつ、俺も仲直りしようと優しい声で返す。

 

 

「良いんだ。 過ぎた事さ。 こっちこそ、ごめん。 勝手に消えて」

 

「ううん。 良いの。 無事だったから……森にいたの?」

 

「流石に知ってたか。 そうだよ、今は火山を何とかしようと四神の手伝い」

 

「そっか……所長はきっと、視察に行ったのかな」

 

 

え? 所長が自ら視察とは。

それは火山の事だろうか。 嫌な予感がするのは俺だけか。

いや、俺の勘は当たるんだよな、こういう時!

 

 

「火口へ?」

 

「ひとりだったから、管理センターかな……時々個人で行動するから、本当に その場所に行っているかは」

 

「今まで確認した事は!?」

 

「な、ないけど」

 

 

本能が警笛を鳴らす。

思い返されるは所長の言葉。

 

 

───ジャパリパークを何処まで知っている?

 

 

それは地域や神秘の秘密に留まらない。

個人に至るまで全ての謎だ!

 

 

「今すぐ火山に向かうぞ!」

 

「え? え!?」

 

 

返事を待たずに研究室を飛び出すのと同時。

 

火山で噴火を観測した。

それは一瞬にして、全ての始まりを意味するのか、終わりなのか。

 

衝撃波はパーク上空を包み込む。

そして、空は灰色に包まれた。

 

降ってくるは暗くて黒い雪。

セルリウム、そして生命の反物質……。

 

サンドスター・ロウだ。

 

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