名前とか、展開に突っ込みがあるかと思いますが容赦を……。
終わりへ向けて。
火口に駆け付けた時には、四神はプレート化して転がっており、護衛役なホワイトタイガーは傷付き倒れている。
唯一、立っているのは初老の男性。 所長だ。
そう。 本来はいない筈のヒトが、この場にいる。 手には拳銃のようなもの。 簡素的で、グルーガンやデトネーターのように見える。
して、背後の火口からは黒い霧が噴き出ている。
それが全ての状況を物語っていた。 犯人は目の前だ。
「ゲンダイィイイイイッ!!」
思わず所長の名を叫びながら、吶喊。 殴りかかるも、銃口を向けられて───。
パビュンッ!
「グッ!?」
虹色のビームが飛んできて、モロに食らってしまった。
俺の身体はみるみる代わり、犬耳とフサフサ尻尾は消えてしまった。 身体も心なしか重い。 反動で思わず膝をつく。
フレンズ化が解けたのだと理解した。 そういう効果のある銃なん? それ。
「すまない杏樹君。 全ては私の所為にしてくれて構わない」
「そのつもりだ……ッ! 何でこんな事を……ッ!? ジャパリパークが どうなっても良いのかよ!?」
「どうにかなるさ。 それは君が1番知っている」
かばんちゃん世代を言っているのか?
確かに、ヒトのいない あの世界は人間社会に縛られない。 だが全てが良い訳じゃない筈だ。 今のヒトたち……管理センターの小動物や森林警備員の隊長、調査隊兼ガイドのミライ、そして俺の幼馴染カコ。
多くの笑顔の中にいた職員のみんな。 追い出したいのか、このヒトは!
「あの未来を望むだと!? だから今のヒトがどうなっても良いと!?」
「その今を続けた場合、ヒトはどうする? 既に薄々感じている筈だ。 アニマルガールに対して良からぬ事を企んでいる者共を。 島を手中に収めようとする組織の存在を」
確かに。 そんな雰囲気や勘はあった。 たぶん、当たっているのだろう。
でも それをどうにかするのも職員の仕事じゃないか。 あの子たちを守らずして、何が職員か。
「火山によるサンドスター・ロウやセルリウムの噴出はヒトの手に余る。 管理しようなど、最初から無理なのだよ杏樹君」
「でも結界は……!」
「結界は私じゃなくても、壊そうとする者がいた筈だ。 私利私欲の為にね。 そうなるくらいならば、早めに現実に目を向けるべきだ。 全ては自然に返すのが1番だと。
セルリウムやロウによるセルリアンの模倣はヒトが何とかしようとすればするほど危険だ。 武器すらも模倣するからだ。 それこそ核兵器がそうだ───進化ではない。 人工物を増やしてはならない」
何となく言わんとしている事は分かった。
「ヒトの敵はヒトだ。 断じてセルリアンでもアニマルガールでも、それこそジャパリパークそのものでもない。
本土へ脱出したまえ。 既に職員総員退去命令が下っているぞ」
「───アンタは?」
「共に行くよ。 事の顛末を説明する。 世間には分かりやすい悪者と英雄の物語が必要なんだよ」
何が正しいのかなんて、俺には分からない。 正義は1つじゃない。 ヒトがいるのが悪だとする考えも、そりゃあるだろう。
だが、いても良い物語も あっただろうに。
俺にはこれ以上、どうすることもできない。 所詮、無力だったのだ。
歴史は修正を嫌う。
きっと、このまま……かばんちゃん世代へ続くのだろう。 この後のセーバルの犠牲を踏まえてな。