一応の終わりへ。
職員総員退去命令と後日談
各港。 そこには多くの職員が集まり、本土への舟に乗っていく。 見送りは多くのフレンズだ。
どうして? と涙目に問う子もいる。
元気でね! と元気に言う子もいる。
またね! と約束をする子もいる。
その中に、ニホンオオカミがいた。
今まで相棒として共にいてくれた。 それだけに別れはとても辛い。
願わくば本土に連れて行きたい。 だけど、それは叶わない願い。 そんな事をしたら、けもの に戻ってしまい、思い出も全て消えてしまうから。
それだったら、島で別れた方が利口なんだけど。 それにしたって残酷な行いには違いない。 俺は涙を流す。
「ごめん……ごめんな。 俺が不甲斐ないばかりに」
「ううん! しょうがないよ! あんじゅ はすっごーく頑張ったよ! 私が知ってるもん!」
「すまない……いつか。 いつか必ず島に戻る。 だから……待っていてくれ。 約束だ」
「うん! 約束!」
そう言って指切りをして別れ……舟に乗る。
終始、笑顔のニホンオオカミは、きっと忘れる事はないだろう。
「カコ」
同じ舟に乗る幼馴染に問う。
「俺ら職員は、いつ島に戻れるだろうか」
「分からない」
素直に言われた。 変に希望を持たされるよりは優しいと思った。
「火山の噴火が危険。 海底火山もある、航路だって 近いうちに使えなくなる可能性が高い」
「そうか……いや、だとしても」
「うん」
互いに頷く。 きっと この想いは、総職員同じだろうから。
そして、決意をする為に口に出すのだ。
離れていくジャパリパーク本島に向く。 手は、互いに繋いだ状態で……口を開く。
必ず戻ると。
約束。
それをしたフレンズは どれくらい いただろう。 果たせずして散った子は ヒトを含めて何人いただろう。
本土でのヒトの物語は、ここで語る事はないが、努力していた事は述べておく。
だけど。
いつか必ず。
その言葉が儚く脆いものだって、フレンズとヒトが知った時。
悲しかっただろう。 胸が痛んだだろう。
遠く離れた島。 海の向こうを見て、人々は……フレンズは想いを馳せる。
それでも信じて、あるオオカミと忠犬は それぞれの「おうち」で待ち続けていた。
いつか。 いつか必ずヒトが戻ってくるって。
多くのフレンズがヒトを忘れても。
多くのヒトがフレンズを忘れても。
彼女たちは忘れない。 忘れずに、約束を守ろうと、努力する。 待ち続ける。
そして───。
「やあ。 俺はヒトだ」
「ヒト?」
「おう。 森にな、ニホンオオカミって子が待ってるんだけど知らないかい?」
「い、いえ。 あのー、貴方は?」
「おっと失礼、申し遅れたね」
少なくとも。
その約束は誰かの役に立つかも知れない。
「パーク職員です」
ヒトやフレンズは、繋がっていくのだから。
杏樹君は、島を出た際、男に戻れています。
読んでくださった方々、稚拙な文でしたが、付き合ってくれて ありがとうございました!