短編集 アインズの召喚   作:にゃんこの助

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ナザリックとペンギン

執事助手であるエクレア・エクレール・エイクレアーは歓喜していた、主である偉大なる御方、アインズから直属の部下をいただいたからだ。

その部下の数は30体で見た目はエクレアと同じペンギンである、しかし色は青色で背中には蝙蝠の様な体のサイズと不釣り合いな小さな羽をはやしており腰の辺りにポーチを付けている。

 

「俺達の上司はお前ッスか?」

 

口の利き方は悪いものの仕事はしっかりやってくれる頼もしい部下だ。

 

 

 

通常勤務であればエクレアの元に5人程の部下が常時付く、三交代制で一回に働く時間は8時間、休憩時間は1時間で週5回で持ちまわっている、他の者は自由時間だ。

どうもエクレアは主であるアインズの休暇制度や時間制労働等の事を理解しておらず常時働かない部下達にいつも小言を言っている。

 

「えぇ~、ご主人はこの労働条件で良いって言ってたッス」

 

等とアインズを盾にするので小言で留まってた。

 

 

 

月に一回部下達は皆で主であるアインズの元へ行く、最初こそ『何か用事で呼ばれたのだろう』と気にならなかったエクレアであったが毎月毎月同じ日に行くので気になってこっそり覗きに行く事にした。

そこで見た光景は衝撃的な物であった、なんとアインズが部下達にユグドラシル製の貴重な金貨を渡しているからである。

部下達も部下達で感謝の言葉を述べてはいるもののこの行為が当然と言った風に受け取っている。

エクレアも欲しいと思いしれっと部下達の列に混ざる、前の奴の番が来た、お礼を言い受け取ったぞ、自分の番が来た、部下達と同じく行動する、おぉ!私も貰えましたぞ!

 

「あれ? 人数分用意したはずなのだが…」

 

「俺の分はどこッス?」

 

 

 

 

いろいろと衝撃的な部下達ではあるが同じナザリックの者としての仲間意識はあった、時には数名の部下を引き連れてバーへ足を運んだり、またある時は皆一纏めにシズに抱き着かれたりした。

創造主が設定したナザリックの簒奪を忘れるくらい楽しい日々を過ごした、このままずっとこの生活が続くと思っていた… しかしある時一人の部下が仕事時間でもないのに会いに来た。

 

「あ~… 言いずらいんッスけどそろそろお別れの時ッス」

 

いったい何を言っているのか解らないエクレア、その言葉を言った部下はテクテクとアインズの元へ歩いていく。

解らない、何を言っている… 頭の中はぐちゃぐちゃだ、 この様な状態だが部下に付いて行く事にした。

そしてアインズの元へ到着した部下はアインズにも同じく別れを口にしている。

別れの時は唐突に訪れた、アインズと今だ動揺しているエクレアの前に死神が鎌を構え現れた。

アインズはいつもの様に堂々とその光景を見ている、死神が部下に鎌を振りかざすのを。

 

 

 

唖然として見ていたエクレアの前には部下であった者の皮があるだけだ。

 

 

 

この日を境にまた一人、また一人と部下達が死神に連れて行かれる。

上司であり仲間であったエクレアがその状況を何とかしようとここから去ろうとする部下を体を引っ張り引き留めた事もあったが残った他の部下に「ありがたいんッスけど… どうしようもないッス………」と言われ引き剥がされてしまった。

 

 

 

あれからどれだけ時が経ち、部下が居なくなったか、もう残る部下は1人のみ。

その部下も今日、お別れの時が来たらしい。

もうお決まり事になってしまったアインズ様への最後の挨拶の時、エクレアは主に、アインズに今まで一度もした事が無かった願いを口にした。

 

「アインズ様! どうか! どうか私の部下をあの死神に与えないでください!!」

 

しかしアインズは何も言わない、いつも通り見守るだけだ。

その姿を見てとても落胆する、どうしても私の元から居なくなってしまうのかと。

 

そして最後の部下がエクレアに向けて小さな声で呟いた。

 

「今までありがとうッス、次があるならまた貴方がいいッス」

 

そう笑顔で言い残し死神に連れて行かれた。

この時エクレアは人生で初めて涙を流した、偉大な御方が隣に居ようとも止める事の出来ない涙を…

 

 

 

赤い月 赤い月

罪を 犯した 者共の

汚けがれを 清める 赤い月

今宵こよいは誰が 生まれ変わる

今宵こよいは誰が…

 

 




株式会社日本一ソフトウェア制作 ゲームキャラクター プリニーです。
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