ハイスクールD×D 赤龍帝ともう1人の主人公 作:Lycka
皆さんお久しぶりです。
平成中に出したいとか言ってましたね......すまん、ありゃ嘘だ(真顔)
すみません、GW中でやる気が起きなかったです。
今回でとりあえずアニメ1期の内容終了です。
一誠sideのレーティングゲームは勘弁してください。
ライザーとリアスの結婚式にはオカ研全員で乗り込もうと思いますので。
それでは第10話。ご覧下さい。
~レーティングゲーム当日~
「一誠、お前ならやれる。特訓した事を思い出して全力で戦って来い」
「おう、任せとけ!んで、お前はどーするんだよ恭弥」
「俺は俺でやる事あるからな」
そう、今日はグレモリー眷属vsフェニックス眷属のレーティングゲームの日である。既にこの事は冥界中に広まっており試合を観戦するものもたくさんいるだろう。そして、それを邪魔してくるやつらがいる。グレモリーとフェニックスと言えば、冥界では名の知れた悪魔だ。そいつらを一気に叩くチャンスでもある。
「
「おいおい、レーティングゲームを目の前にして他人の心配か?」
「そーじゃねぇよ。前みたいに少数じゃなく大勢で攻め込まれたらどうするんだよ」
珍しく一誠がまともな事を口にする。そう思っていたのが顔に出ていたのか一誠も気づいた様だ。
「お前、失礼な事考えてねぇか?」
「なわけないだろ。とりあえず、お前らはゲームに集中してろ。俺がお前を守ってやるから、お前はリアス部長を守ってやってくれ」
我ながら臭い台詞だと思う。だが、リアス部長を守れるのは
「わかった。無茶だけはすんなよ!」
「おう。いけすかない
そう言ってお互いに背を向け合い、それぞれの闘いへ向かった。
*回想*
「アザゼル、今度の闘いは一筋縄ではいかないだろうか?」
「そうだな、グレモリーとフェニックスが餌だからなぁ。連中も本腰入れてくるんじゃないか?」
今までは小競り合い程度で済んでいた。しかし、今度は状況が状況だ。アイツらも今まで通りとはいかないだろう。そうした場合、俺一人で対処出来るだろうか。守りきれるだろうか。不安と焦りが募ってくる。それは、一つ一つが足枷となり動きが鈍くなる元だ。今まで経験したことのない感情に駆られ、自分自身が信じられなくなってきていた。
「なぁアザゼル。俺って一体何者なんだ....」
俺は小さい頃に両親を亡くしアザゼルに引き取られている。目の前で両親を亡くしたショックで、幼い頃の記憶が曖昧になっている。アザゼルが言うには、俺の父が堕天使でアザゼルの部下だったと言う。母親は普通に人間界で過ごしていたらしい。アザゼルが異変に気付いてその場へ向かった時には既に両親は殺されていたらしい。
「お前は.....なんつうか、小さい頃から一緒に居たからな。言い方は変かもしれねぇが、俺は家族だと思ってるよ」
「アザゼルの口からそんな言葉が出るとは思ってなかったよ」
「俺だって恥ずかしいんだよ!」
家族か.....。確かにアザゼルは小さい俺をここまで育ててくれた。俺にとって間違いなく大切な存在だろう。
「恭弥、ちょっとこっちこい」
「おう、どうしたんだよ」
アザゼルに近づく。そうすると、アザゼルが右手を俺の額に当てる。瞬間、光が溢れてくる。
「な、なにしたんだよアザゼル」
「お前、小さい頃は力が不安定だったからな。俺がいくつかに分けて枷をつけておいたんだよ。それを今一つ外した」
確かに身体の奥底から力が溢れてくる。これが俺の力.....。しかも、この枷がまだいくつかあるってことか?この力も俺の過去に関係してそうだな。
「ありがとな、アザゼル」
「おうよ、お前ならやれる。アイツらにキツイの食らわせてやれ。
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~駒王学園近くの森~
「はぁぁ....」
らしくもなく叩き落としてこいとか言ってしまった。今更ながら少し恥ずかしい。後からそれでみんなからイジられたりしたらどうしよう。特に一誠から馬鹿にされそうだな。木場は許さん。
ザッ...ザッ...
まぁ、それもこれもこの闘いが終わってからだな。
「出てこいよ、そこにいるのは分かってるぜ」
ガサッ
「流石はキョーヤ!久し振りだなぁ!」
「そうでもないだろ。お前はいつも通りで何よりだ」
「残念だったな。今日はガチでやり合いに来てんだぜ!」
確かに周りに気配は感じない。こいつ、まさか一人か?
「お前まさかとは思うが一人で来てんのか?」
「ウチのボスに頼み込んで一人で来てるぜ!」
「お前一人で大丈夫かよ?今ならお仲間呼ぶ時間待ってやるぜ」
少し嘲笑気味に問いかける。だが、相手には確たる自信があるようだった。
「その頼み込みついでに貰いもんもしてきた訳よ!開幕から行くぜぇ!」
ライグスが拳を構えた刹那、姿が消える。魔力の反応は無かったはず。あったとしても見逃す訳がない。焦りながら周りを見渡す。アイツの
「どこみてんだよキョーヤァ!!!」
声のする方は、今自分が警戒していた真逆の方向だった。咄嗟に防御の構えを取り振り向く。コンマ何秒の差でライグスの攻撃の方が早かった。ライグスの拳が構えを通り抜け顔面にヒットする。
ドゴォ
「ガハッ!!」
俺はライグスの一撃を受け、木々をなぎ倒しながら遥か後方へ突き飛ばされる。なんとか、立ち上がりライグスを視界に捉える。
「その力はなんなんだライグス」
「簡単に言えば俺の神器の力をボスが引き上げてくれたのさ!これがその証だ!」
そう言ってライグスは着ている服を少しはだけさせる。そうして見えた奴の胸の辺りに魔法陣の様な紋章が描かれていた。
「その紋章がお前らのボスがくれたものか?」
「詳しくは分からねぇが、これがウチらのボスの力よ!」
能力強化系の付与魔法か?しかし、ライグスは神器の力の底上げとか言ってたな。そういうタイプの神器か?でも、神器の底上げが出来る神器ってあんまり強くなくね?
「ボーッとすんなよキョーヤ!」
「おうよ!かかってきなライグス!」
今はこいつとの戦闘に集中しなきゃな。俺は光の槍と
「んん?」
少し違和感を感じる。
「行くぜキョーヤ!」
しかし、考える暇が無い。
「もうごめんなさいじゃすまねぇぜライグス!」
互いに真正面から突っ込み鍔迫り合う。毎回思うが俺の槍二本と鍔迫り合えるお前の腕はどーなってんだよ....。
ピキピキ
「.....?ピ、ピキピキ?」
「おらおらおら!まだまだだぜぇ!」
ライグスが腕を振り抜いた瞬間、光の槍が霧散する。俺はその反動で少し後ろへ飛び退き距離を取る。
「ドーピングってレベルじゃねぇなこれ」
「そんなことよりもっとやり合おうぜ!」
ライグスが距離を一瞬にして詰めてくる。なんとか攻撃を受け流しつつ再度距離を取る。その繰り返しだった。
「くっ...!なんでそこまで闘いに拘るんだよ!」
「.....いいぜ、教えてやる」
***
「俺は、昔両親を亡くしてる」
「ッ!!!.......お前もかよ」
「家に強盗が入ってきて、対抗して殺されたんだよ。あの時は俺もまだ小さかったから何がなんだか分からなかったがな。それから、少しの時間が経ってウチのボスに拾われた。その時ボスが言ったんだよ」
『両親を亡くしたのか。それは何故だが分かるか?貴様の両親が弱かったからだ。弱くなければ殺されなかった.....。この世は残酷だ、弱い者は強い者に虐げられる。それを貴様は身にしみて経験している訳だ。それなら、貴様はどうする?』
「幼いながらも俺の中に響いてきたよ。その時俺は心に誓った。
「俺は闘いに勝ち続けて、俺自身が強いことを証明する!!!」
そう言ったライグスの目には、確かな覚悟があるのが見て取れた。
「だけど、お前らのやってる事は間違ってる!人の神器を奪う事が何を意味するのか分かってるだろ!」
「そんな事は俺には関係ないぜ。言ったはずだキョーヤ。弱い者は退け虐げられる運命なんだよ!だから、俺は強くなる!その為にお前にも勝つぜぇぇ!!」
間違ってる。お前のしている事は確実に間違ってるよライグス....。確かに弱肉強食の掟は存在する。だからって、簡単に人を殺めていい訳が無い。両親を殺されている点に関しては同情するぜ。
なんせ俺だって両親を殺されて今でも復讐心が無いわけでは無いからな。でもやり方は間違ってる。だから俺はお前には負けねぇ。
「なら俺は————————お前を超えていくッ!!!!」
自分の身体に意識を集中させる。
「ライグス、次の一手で決める。お前も本気でかかって来い!」
「いいぜキョーヤ!どっちが強いかそろそろ決めようぜぇ!」
ライグスが目を閉じ拳を構える。身体から赤色のオーラが滲み出ているのが分かる。そして、胸の紋章も怪しく光り輝き出す。途端にどんどんオーラの量が跳ね上がっていく。これがヤツの本気か......。
「......今のお前相手に手を抜いて勝てるとは思ってねぇ。俺も本気で行くぜ」
俺は右手にある
「———————
身体が光に包まれる。
「
「知ってるぜ。それは神器の第二形態とも言える
「お褒め頂き光栄だ。全開でいかせてもらうぜ!」
バサッバサッ!!
神器の禁手化と共に堕天使の力も解放する。
「おいおい、翼の数も増えてるじゃねぇか!!おもしれぇなぁ!!」
ライグスの言葉を聞き背中を見てみると、確かに翼が2枚だったのに倍の4枚2対に増えていることに気付く。これがアザゼルの言っていた
「ライグス、精一杯の力をぶつけてこい!!」
「言われなくてもやってやるぜッ!うぉぉぉぉぉぉ!!」
朱乃さんが言っていた。魔力は身体中から集中して搔き集めることで密集させると。
小猫ちゃんが言っていた。打撃は体の中心を狙って的確かつえぐりこむ様に放つと。
木場が言っていた。闘いのコツは視野を広げることだと。
『
極限まで高められた互いの力が反発しあい空間が悲鳴をあげる。
ファーブニル、済まないがお前の力も借りるぜ......。
「行くぜぇ!キョーヤァァァ!!!」
俺は魔力、堕天使、
『喰らいやがれぇ!!——————-
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今持てる力の全てを互いにぶつけ合った。
そして、先に崩れ落ちたのはライグスであった。
「くそ....負けちまったか」
俺は倒れているライグスに近づいていく。
「お前の攻撃、確かに届いてたぜ」
「なぁキョーヤ。俺は強くなれてたか?」
そんなこと、決まってるだろ.....
「ああ、この上なくな」
そう言ってやると、ライグスは満足げな顔をした。
「忠告しといてやるぜキョーヤ。一つは"クロユリ"の部隊長には気をつけな。いや、部隊そのものと言った方が正しいかもな」
「それは何故なんだ?」
「俺らも中々の悪者だが、アイツらは群を抜いてる。正直、同じ組織にいた俺から見ても異常だ」
"クロユリ"って言ったら、ジルとかいう奴が副隊長だったよな。確かに不気味な奴ではあったが。
「そしてもう一つ。一番気をつけるべきはウチのボスだ」
「ッ!!......お前にその紋章を授けた奴か」
「ああ、その通りだ。ウチのボスは一言で言えば神様みたいなもんだ......。恐ろしいのは、ボスの能力である......う、ぐあぁぁぁ!!!」
そう言いかけたライグスが途端に苦しみだす。その原因は、胸に刻まれていた紋章にあった。
「紋章が光ってる.....?」
「ぐはっ.....。どうやら、ウチのボスは俺を殺す気らしいな」
ライグスの口から信じられない言葉が出てくる。部下であるライグスを殺す?何の為に殺すんだ。
「どうしてだライグス!しっかりしろよ!」
「ウチのボスはそういう奴だ。使えない奴は容赦無く切り捨てる......。
『裏切り者の弱者には罰を与える』
頭の中に声が響いてくる。
次の瞬間
ドゴォォォ!!!
ライグスの身体に激しい雷撃が落ちてくる。どこから落ちてきたのか。果たして、それが本当に雷撃であったのか。そんなことを微塵も感じさせないスピードだった。
「俺は....俺は、弱くねぇ!!」
『消えろ、ライグス。永遠の闇の中で眠れ』
「あぁぁぁぁぁぁ!!」
ライグスの胸の紋章が光り輝きライグスの身体を包む。そして、遂にライグスは光と共に消え去ってしまった。
信じ難い光景だった。目の前で起こった事が理解できずにいた。俺は独りでに呟く。
「お前は誰だ!?どうして、ライグスを殺した!!」
『貴様とはいずれ出会うことになるだろう。それまでに、死なないように努力しておけ。我が名はカイン......。この世界に終焉をもたらす者だ』
それから、声が聞こえる事は無かった。
カイン、
今回はすごく長くなってしまいました、すみません。
次回、結婚式乱入を恭弥を交えて書いていくつもりです。
あまり、書くこともないので作中出てきたもののイメージについて説明しときます(基本的に主のイメージです)
・カイン 最後の方にチョロっと出てきました奪う者のボスです。当面の恭弥の倒すべき敵となります。容姿や詳細な内容についてはおいおい判明しますのでお待ちを。
・胸の紋章 ライグスの胸に刻まれた紋章については、ボスであるカインの能力であるとライグスが告げております。あくまで能力の一部であります。上記の通り、具体的な内容についてはおいおい。紋章のイメージはそれぞれ異なりますが、わかりやすく言うならトリニティセブンのマントラエンチャントみたいな感じです。
・龍光撃 作中で恭弥が最後にライグスに放った攻撃です。恭弥自身も言っている通り、恭弥の魔力に堕天使と龍の力を上乗せして放つ技であり、現状では禁手化状態でしか使用できません。技のイメージはHUNTER×HUNTERのキルアが放つ雷掌みたいな感じです。あ、因みに攻撃と堕天使の力である光で掛けてます(どうでもいい)
こんな技作って欲しいとかありましたらどんどん応募しております。もしかすると意見が採用されるかもです(ネタ切れとかじゃ無いですよw)
他にも感想等お待ちしております......貰えたらモチベがぶち上がります。