ハイスクールD×D 僕は人畜無害なんです。   作:絵画(あーと)

2 / 6
皆様、こんばんわ。

お気に入り、感想ありがとうございます!

なんとか同じ日に出来上がったんで

では、どつぞ。


第二話 森の中で迷子になったんです。

 

 

 

 

 

「どうしよ……道、迷っちゃったかな……?」

 

 

 歩き始めて約10分ほど経った頃だろうか、クロナはそう呟いた。

 森の中は木の葉の隙間から覗く月の光のおかげで少し前が見えるだけだ、その先は闇に染まっている。

 夜目が効く悪魔でも少し離れると何も見えなくなってしまうような暗さだった。

 

 

 正しく前に進めるかどうかさえ怪しいこの場所で、何も考えずに突き進めば迷子になるに決まっている。

 

 

 そして、一つ言うのであれば……クロナに自覚がないだけで、既にクロナは数日前からこの森の中で迷子になっている。

 

 

 “SS級はぐれ悪魔”であるクロナは、悪魔だけでなく天使や教会の者にもそれなりに容姿を知られている。

 そんな悪魔が森の中で数日前に入った後もウロウロと徘徊しているのだ、討伐依頼も出るだろう。

 やはりその事にも本人は気がついてないが。

 

 

 

「あれれぇ……? ここってさっきも通らなかったっけ? 僕本気で迷子になっちゃったのかな……? こんなことなら歩かないで初めから飛んどけばよかったよ……」

 

 

 

 はぁ……と、溜息を吐いて近くにある切り株に腰を下ろす。

 

 

 

「あぁあ……迷子になるんだったらもっとあの男の人と話しとけばよかったよ。誰とも会話出来ないのって寂しいんだよねぇ……あ、そう言えばあの子も寂しがり屋だったなぁ……」

 

 

 

 懐かしい。

 母親から初めて与えられた、クロナの初めてのお友達。

 古い記憶思い出そうと珍しく口を閉じ、記憶の海に溺れていく。

 

 

 

「きゃぁあぁああっ!?」

 

 

 

 ふと……そんな叫び声で目が覚めた。

 丁度良い、今の人に教会のある村の場所を聞こう。

 そう思い切り株から腰を上げ、声の聞こえた方へと足を進める。

 

 

 声の聞こえた場所には片腕から血を流している女性と1匹の大狼、そして数匹の狼が女性を囲っていた。

 

 

 きっとあの大狼が群れの主なのだろう。

 こちらに気づき唸り声を上げて威嚇してきた。

 

 

 

「狼さん狼さん、僕ちょっとそこのおねぇさんに聞きたい事あるんだよね!少しだけ話していいかな?」

 

 

 

 勿論、ただの野生動物である狼に人間の言葉が通じるはずがない。

 

 

 こちらに敵意があると思ったのか、群れの1匹がクロナに飛びかかり首に噛み付いた。

 

 

 ガリガリガリガリ…ッ!

 

 

 まるで硬いものでも噛み付いたかのような音がし、クロナの首から数滴の“黒血”が空に舞い……狼の頭を貫いた。

 

 

 

「 “Αγκάθι μαύρο αίμα(ブラッディ・ニードル)”」

 

「ギャウッ!?」

 

 

 

 そのまま“黒血”の針によって地面に頭を縫い付けられた狼はもがき、苦しんでいたがやがて動かなくなった。

 

 

 その光景に唖然とする女性、そして後退りをするように後ろに下がっていく狼達……そして狼たちが逃げ去りその場にはクロナと女性だけが残された。

 

 

 

「あらら?狼さん達逃げちゃった。ったく酷いなぁ、仲間一匹見殺しにして逃げちゃうなんて、そんなんじゃーーー

 

「あ、あの!」

 

「ん?ああ」

 

 

 

 今の今までそこに女性が居たことを忘れてたクロナだったが、聞きたいことがあったんだ、と思い出し女性に向き直る。

 

 

 

「あ、あの!助けていただきありがとうございました!」

 

「いやいや、気にしないでいいよ。僕も君に聞きたいことがあってさ、それで助けたんだよ。それにたまたま近くに居ただけだしね。」

 

「それでも!私が命を救ってくれたのは貴方です!本当にありがとうございました!あ、そ、それで聞きたいことってなんですか?私にわかることなら何でもお答えします!」

 

 

 

 勢い良く頭を下げる女性。

 

 

 

「いやいやぁ、丁度よかった!僕この近くの教会がある村を探してるんだよね!ちょっとそこの場所教えてくれないかな?」

 

「教会ですか?教会のある村なら…私の村にはありませんけど、私の村の近くにある隣村に教会がありますよ」

 

「そうなの?良かった良かった!そこの方角教えてくれないかな?ほら、大体この場所から見てどっち側にあるか、とかさ。分かりそう?」

 

「はい!私の村の方角と殆ど一緒なので、向こうから走ってきたから……えーっと……ここから北にあるから、あっちの方です!」

 

 

 

 そう言ってさっきまでクロナが進んできた道から少し逸れた方向を指差す。

 

 

 

「あちゃぁ……そっかぁ……。それだとここからまだ距離がありそうだね。ありがと、この恩は一生忘れないよ。また生きて会えたら何処かで会えたらいいね!」

 

 

 

 そう呟いて。バサァ……ッとこすれるような音を出しながら翼を広げる。

 

 

 

「えっ……?あ……つ、翼……?」

 

「あれ?悪魔が珍しかった?あぁ、そうかそうか君は知らないのか。まぁいいや、覚えとくといいよ、この世界には天使も悪魔もいるんだ」

 

 

 

 突然の事に頭がついて行かないと女性にその一言だけ伝えて空に舞おうとする。

 

 

 

「え?あ、あの!い、行っちゃうんですか?」

 

「ん?あぁ、急いでるからね。どうかしたの?」

 

「い、いえ、あの、その……またここに居ると狼がくるんじゃないかなって…」

 

「そりゃ来るだろうねぇ、だって仲間の狼くんの死体も落ちてるし、僕がいなくなったら…そこの木陰に隠れてるボス狼くん達はまた君を襲うと思うけど……それがどうかしたのかい(・・・・・・・・・・・)?」

 

「え……?」

 

 

 

  振り向くとそこには木の影に隠れながらも彼女の周りを囲むようにして狼たちはこちらの様子を伺っていた。

 先程と状況が何も変わってないことが分かったのか青ざめる女性。

 クロナが行ってしまいここで一人になったら、今度こそ私は……そう考えると先程受けた肩の傷にズキィッ……と痛みが走った。

 

 

 

「ん?ほら答えてよ、どうかしたの?僕は今急いでるんだ。早く教会にいって僕の事をしっかり教えてあげないといけないからね!ほら、頭が悪そうな君にだってこれが重要な事ってくらいわかるでしょ?だからほら、早く、いいの?何もないならもう行っちゃうよ?」

 

「え、嫌……待って!お、お願いします!助けてください!もう嫌ですこんなところ……!狼に食い殺されて死ぬなんて嫌ぁ……!」

 

 

 

 涙を流しながら懇願し、地面にへたりこんでしまう女性……。

 

 

 

「そっかぁ……。嫌だよね、狼さん達に食べられて死ぬのは……。僕も嫌だ、本当は僕もさっき噛みつかれた時怖くて動けなかったんだ……。僕も君と同じ弱い人間、じゃないけど悪魔なんだ。君の気持ちはよく分かる……。こんな暗い森の中で狼に追いかけ回されて、ついに捕まってしまった……。怖いよね、早く逃げたいよね。わかったそんな君の願いを叶えてあげる。でも僕のお願いを一つ聞いて欲しいんだ。」

 

「なんでも聞きます!だからお願ぃ……たすけてぇ……っ!死にたくない……まだ、死にたくないのよぉ!」

 

「じゃあ、餌になって」

 

 

 

 餌になって。餌、つまりは食料だ、食料。狼。狼の餌だ。

 

 

 

「ほら?さっき僕って彼らの仲間の1匹殺しちゃっただろ?正当防衛だから僕は悪くないとしても、彼らの仲間を殺しちゃったのは事実なんだ。これは覆らない。このままでは僕と彼らの友情に溝が出来てしまうんだ!そんなの僕は耐えられない!喧嘩したまま別れるなんて嫌なんだ!だからさ……お願い、餌になってよ。そしたらきっと彼らも許してくれる。」

 

「い、嫌ぁーー

 

 

 

 弾けた。

 クロナの手が一瞬、ぶれたと思ったら女性の頭があった場所が潰れたザクロのように、汚く、そこにあったものはこの世から消えていた。

  力が入らなくなったからか後ろに倒れる女性だったもの。

 

 

 

「あ、ごめん、何か言った?僕急いでるんだよ。今更文句言われても困っちゃう。それに君も非情な現実から逃げたがってたわけだし。あれ?よく考えたら狼さんに餌をあげれて、彼女は逃がしてあげれた。一石二鳥?僕ってば天才!?いやぁ、照れちゃうねぇ……」

 

 

 

  一人でにへらぁと笑うクロナ、そして思い出したかのように。

 

 

 

「って急いでたんだった!狼くんたち!これは食べちゃっていいから!じゃあね!ばいばい!」

 

 

 

 そう一方的に狼達に告げて、空へ旅立って行った。

 

 

 狼達もクロナが飛んで行ったのを確認すると、女性の死体を貪り始めた。

 女性の死体からは血の匂いが酷い、このままでは他の動物も血の匂いに惹かれこの場所にやってくるだろう、その前に食べ切らなければ、そう思い、食いつくそうと貪る。

 

 

 

「あはっ。“Βροχή από μαύρο αίμα(ブラッディ・レイン)”」

 

 

 

 刹那、頭上から“黒血”の暴雨が降り注いだ。餌に群がり一箇所に集まっていた狼達が避けれるはずもなく、地面に縫い付けられて行く。

 

 

 

「忘れてた忘れてた!仲間を見捨てて逃げた君達にも罰を与えないと平等じゃない。駄目だよね。僕ってば不平等とか依怙贔屓とか嫌いなんだよねぇ……あはっ! じゃあね、今度こそバイバイ!」

 

 

 

 一人、そう呟いて今度こそ村へと、空を舞った。

 

 

 

 

 




「私にわかることなら何でもお答えします!」
「何色のパンツ履いてるの?」

こんな主人公だったらこんなに殺伐としなかったのでしょうか?
そしてクロナくん以外まだ生存者がいません、どうしてこうなった。

現在3話が半分ほど出来ています、土曜日くらいには完成するかな?

あ、最後に、感想で聞かれたんですがクロナくんは転成悪魔です。
そして“黒血”は神器扱い、名前とかももう考えてあります(=゚ω゚)
そして元々神器の所持者じゃないクロナくんが何故か現在所持しています
何故悪魔になったのか、何故所持しているのか、それはまた後々明らかとなる…予定です(汗

では、また会いましょう!ばいばい!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。