日刊……1位………?
あり、がとう、ござい、ます。皆さんの応援の、おかげ、です。そんな訳で、お礼の代わりに、短い間隔で投稿させていただきました。
久我重明こと中村さんに手紙を持たされて日本へ送り返され、今は薙切仙座衛門の前で正座をしている。
外には鹿威しが設置され、程よく地面に落ちた紅葉は季節を感じさせる。まるでどこかの旅館のようだ。
「お主が薊の手紙を持ってきた少年か?」
「はい」
日本料理界の重鎮、薙切仙左衛門。お姫様の祖父にあたる人だ。
「なぜ、ここに?」
「なぜ、ですかね。俺も状況がのみこめてないんですよねぇ。海外で出会って日本に送られて、空港でタクシーに乗せられて、ここに到着したってのが現状っすから」
「では、この手紙については?」
「内容知らないんで見せてもらえます?」
そういって薙切仙左衛門は、机に手紙を俺に見せるように置く。
――その者、料理の才ありし者。手元に置くべし。
「どゆことすか?」
「こっちの台詞だ。あの者が何者か知っておるのか?」
「や、全く。不法入国して、ヤンチャした俺を日本に送り返すとんでもない人ってことしか」
「それだけ聞くと、お主の方がとんでもないぞ。お主には聞きたいことがやまほどある。まず名前はなんだ」
「愚地独歩です」
「マッハ突きくらいたいか小僧」
「すいません冗談ですここの障子全部破けますから」
刃牙読むんですね。
その後は、俺の親がどうとか、向こうではなにをやっていたかなどの質疑応答を繰り返していた。お姫様のことに関しても、軽く答えておく。
「アリスの従者であったか」
「従者というのも違和感ありますけど。イタズラにも付き合わされたりして、大変でしたよ。あーまったくとんでもないですね」
ちなみにこの男、アリスのイタズラに関しては双子レベルでノリノリで付き合っていた。ほんとクソ野郎である。
「なるほどのう。お主、儂に雇われてみないか?」
「お断りします」
「では、薙切インターナショナルに連絡いれるとするかのう」
「雇われます」
そんなこんなでこの私、薙切仙左衛門に雇われることになりました。
「では、採用試験をさせてもらおう」
「採用試験あるんですか?」
「無論。お主はあくまで働く意思を示したに過ぎん。実力はこの眼で確かめさせてもらう。拒否・不合格の場合、薙切インターナショナルに連絡を入れさせてもらおう」
俺の意思?脅迫の間違いだろ。
「んま、いっか。試験内容はなんでしょうか?」
「ついてまいれ。用意は出来ておるな?」
「はい。いつでも始められます」
傍にいた黒スーツサングラスをかけた側近の姿はさながら、悪魔的金融会社のようだ。そう考えると、俺の前を歩くこのおじいちゃんは………。
制裁されないように気を引き締めなくては。
薙切仙左衛門は暖簾のかかった部屋に入ると、そこは案の定キッチンだった。ただし、薙切インターナショナルのような最先端な設備が整っている風ではない。昔ながらの日本らしさを感じる。
土鍋。炭焼き台。柄が木製の包丁。食材を彩る陶器。
キッチン台に乗せられた、氷で冷やされた魚。海藻。どれも一級品といえるものばかりだ。
「この中から、食材を選択し、儂を満足させるものを作り上げよ」
いいね。薙切インターナショナルにいたころ、料理のことはもちろん、料理界の著名人はそれなりに知っている。中でも、このお爺さんは相当な曲者だことで、遠月学園の長だとか。そんな竜王レベルの相手に美味いの一言を言わせたら、最高じゃねえか。
「一つ、聞きたいんですけども」
「申してみよ」
「俺が用意する食材、調味料。使っても構いませんか?」
それより、なによりも、久しぶりの日本料理に血が騒ぐ。最高の音楽を聴いたら、テンションが上がったような、この感覚は絶好調の証である。
俺の全力の料理をぶつけたい。
「駄目に決まっておろう」
「ええっ!?ダメ?ダメすか!?」
「試験にならんであろう」
「待ってくださいよ!?ほんと後悔させません!美味しいんですよ!」
「駄目なものは駄目だ」
「後悔させませんから!ほっぺが落ちますから腰ぬかしますから!」
「しつこいぞ」
「病みつきになります!中毒になって禁断症状起こせるレベルですから!体が発光したり、筋肉が膨張しますよ!?」
「逆に食べたくなくなるわ」
俺の必死の言葉も届かず、しぶしぶ調理にかかるとした。
「やべえテンションダダ下がりだわ。これとこれでいいか。っとこれも、あーしてこうしてそうしてどうしてと」
使う材料はキッチン台に乗せられた材料の中から、ほんの少しだけ。
「あっという間に出来上がりましたよ」
「いや、2時間かかったぞ。儂も仕事してたから良かったが」
「米炊くのに時間かかっちゃいましてね。ささ、伸びないうちに」
「お主、米と言ったよな?」
薙切仙左衛門の前には一人用土鍋が置かれている。取り皿はなく、箸の代わりに木製のレンゲを用意した。この時点で、上品とは呼べないスタイルに薙切仙左衛門は俺の実力に疑念を抱いている。
それでもなにも言わず、土鍋の蓋を開けると表情が変わる。
「ぬうっ!これは、鮎飯か」
土鍋の中には、頭の無い鮎の出汁を吸った焦げ茶の炊き込みご飯。鮎と米の上にウルイが並べられている。
「凛とした香気に、焼霜に仕立てられた鮎。山の生命力、力強い豊饒さ。穏やかに上品で、飾られていないのに花がある」
はよくえ。
薙切仙左衛門はレンゲを掴んで、魚を切り分けようとした瞬間、驚愕した。
「まさか」
はよくえって。
魚はなんの抵抗もなく、刃物でもないレンゲに切断される。薙切仙左衛門の持つレンゲの上には、米・鮎・ウルイが乗せられている。それを一口頬張ると、なんということでしょう。薙切仙左衛門が着ていた着物が弾け飛び、褌一丁になったではありませんか。
「うわあ………」
薙切仙左衛門はそのまま品性などお構いなしに、鮎飯をがっつく。鍛えぬいた肉体を持つ爺さんが、褌一丁で飯をがっつく姿は正直キツイ。
土鍋に米一粒残らなくなったところで、レンゲを置き一言つぶやく。
「………採用だ」
クビにしてくれ。
薙切仙左衛門が驚いた理由の部分に関しては、一番下に答えに近いヒントだけ出しておきます。いつエタるかわからないので。
評価の件で指摘がありました。20文字めんどくせえ、と。
私としては、なんでこの点数なのか知りたいからです。
例えば10点なら、こういう部分が面白いとか。
0点なら、こういう部分が駄目とか。
面倒かもしれませんが、ハーメルンの機能の部分もあるので、ご容赦ください。
また、主人公の性格に関しては、賛否両論でしたが、結論を申し上げます。
このまま性格悪くいきます。
というのも、私の持論なのですが、主人公がいい子ちゃん過ぎてもつまらないし、人間的欠点がないと登場人物の色が出ないと考えています。漫画ならともかく、小説の場合だと実際に顔が見えないわけです。そもそも、欠点の無い人間なんていないわけですから。
幸平は食わせるし、城一郎はプラつくし、ストーカーはいるし。原作自体に性格難ありが多いですから、主人公なんてかわいいもんです。
あとはキャラを動かしやすいから、というのもあります。
以上になります。
次は、女の子だれだそうかな。
上記で申した通り、鮎飯で薙切仙左衛門が驚いた理由はヒントだけ下記に乗せておくので、見たくない人は気をつけください。万が一、見てしまっても答えではないので、あしからず。限りなく答えに近いですけど。
ヒント:サンマ