緋弾のアリア 円盤は静かに転輪する 作:新月の時を待つ人
「普段アンタがどんなものを書いているか知らないが……それぞれ別々に書けばいいだろう?」
「食傷気味の発想……読者は読んでくれません」
「オイオイオイオイオイ
オイオイオイオイ
オイオイオイ
オイオイオイ
オイオイオイオイオイオイオイ
読んでもらえないものを書こうってのか!?それって『無駄』って事だろうッ!?」
「書くのは私です……あなたはただ読んでくれるだけでいい」
「ナアナアナアナアナア
ナアナアナアナア
ナアナアナアナアナア
ナアナアナアナアナア
ナアナアナアナアナア
読むだけって……僕は暇じゃないんだ……他にもたくさん読みたい作品があるんだぜ……
しかも!クロスオーバーは非常に扱いが難しく クロスさせる作品どっちも立てないと非常に面倒くさいことになるッ ましてや両作品ともに有名!地雷扱いもやむなしだ!
何より読む側の苦労も考えるととてもじゃあないが書くことなんてできやしない!!」
「『転生』させます」
「だから気に入った」
……といったやり取りが脳内で起きた結果このような拙いものを書くこととなりました。
プロローグ
覚悟とは幸福である。
その神父に言わせてみれば、たとえ明日死ぬ事がわかっていたとしても…それを知っているから、覚悟しているからこそ幸福であるらしい。
悪い未来であったとしてもそれを知り、覚悟する事で絶望を吹き飛ばす…らしい。たとえそれが死ぬことであったとしても、だ。
先程かららしい、らしいと濁しているのはどうもそういった考えに賛同するのは性に合わないからであり、端的に言えばしっくりこないというだけの理由だ。
……話を変えよう。転生という言葉をご存知だろうか。古くインドのヒンドゥー教等で伝えられてきた宗教用語であり、生まれ変わりとも言われる。生まれ変わりと一言で言い表しても親類等に生まれ変わり魂が循環する転生タイプ、生前の業によって魂と姿が流転する輪廻タイプ、人間は生まれ変わりを繰り返すことによって魂そのものが進化していくリインカーネイションタイプ……まあ色々思想はあるらしいが要は『死』がキーになっている。
どうも自分はその『転生』というやつをしてしまったらしい。赤ん坊の肉体になり、そこからすくすくと育ち、今に至る……
死ぬ事を覚悟するのが素晴らしいとは思えないというのは性に合わない以上に事実一度死んだという事実があるからかもしれない。どのようにして死んだのかは覚えていないし、思い出したくもない。ただ自分の肉体の力が抜けて何かがふわりと浮かびあがった事は覚えている。今思えばあれは魂が体から抜けたのだろう。
自分が転生した存在である事を自覚したのは中学2年生の2学期頃だった。突然脳裏に走馬灯が走り……前世を想起した。
それからだろうか……奇妙な出来事が同時にいくつも身の周りで起こった。
自分の背後に何かがいるような気配がする。聞き覚えのない声のようなものが聞こえる。ペットとして家で飼っていた亀の甲羅に不思議な窪みができている。……関係ないかもしれないが、両親がお土産として妙な雰囲気の弓と矢を買ってくる。(しかもインテリアとして!)
ジョジョの奇妙な冒険。
一世紀以上に渡るジョースター一族と邪悪な吸血鬼と化したディオ・ブランドーや邪悪な意思を持つ者たちの戦いの軌跡を描いた大ベストセラー漫画である。その長さから複数の部に分けられており第3部から登場する『スタンド』という概念によってそれ以降の作品の方向性は決まったとよく言われ、多くの作品がインスパイアを受けたとされる。
……背後には恐らく自分の『
白い肉体全身に塩基配列が描かれ、マスクと王冠が一体化したようなものが頭部に張り付けられている変態だった。
『自分自身ヲ変態呼バワリスルト言ウノハ如何ナ物ダロウカ』
正直変態に変態呼ばわりされるのは納得がいかなかったが……スタンド――――ホワイトスネイクがいるという事は自身がスタンド使いであるという揺るぎない事実であった。
何故出てきたのか、とホワイトスネイクに聞いたら『ソノ時ガ来タカラ目覚メタ、タダソレダケダ』とどうも要領を得ない答えしか返ってこなかった。要はあれか?前世の事を思い出すといった神秘体験を契機にスタンドを使えるようになった……そういう事なのか? しかしなぜホワイトスネイクなんだ……もっとこう、スタープラチナみたいに大体の人に聞いて大体の人がイカしているといったスタンドの方が良かったというのは贅沢な望みだろうか。
ホワイトスネイク。ジョジョの奇妙な冒険第6部・ストーンオーシャンに登場するスタンド使いの一人、エンリコ・プッチの最初のスタンドである。能力は直接頭部に触れたり、幻覚を見せて記憶やスタンド能力を強制的にDISCとして抜き取り、その抜き取ったDISCやなにも書かれていないDISCに命令を書き込んでそれを頭部に差し込んで様々な効果をもたらすというスタンドだ。
この時点で卑怯なまでに強力だが、20mといった長い射程を持ち、本体との距離が近ければ近接パワー型にも引けを取らないパワーとスピードを発揮するというスタンドの基本ルールを捻じ曲げた性能を誇っている。
ホワイトスネイクは強力なスタンドだ。かの悪の帝王曰く、スタンドには強い弱いの概念はなく適材適所に配置することに意味があるらしいが、明らかに『便利すぎる』。DISCを抜き取れば植物人間にして殺さずに無力化することだって可能だし、命令を実行させる能力も正しく使えば絶大なアドバンテージを生む。
それにスタンドというものをその当人の持っている能力や才能という言葉に置き換えたとする。抜き取った才能を上手く移し替え、使わせれば王と呼ばれる程優れた人物をただの無能に、何も持たざる乞食をいっぱしの王にすることさえできるだろう。
ただ、『スタンド使いはスタンド使いと引かれ合う』といった法則をいの一番に思い出してしまったせいでその自分にもスタンドがつかえる!と浮かれるよりこれから死にもの狂いで戦わないといけないのか……という落胆が先に来た。
何せ目と目があったらポケモンバトル、みたいな割と軽いノリで突然命懸けの戦いが始まるのだ。しかも所かまわずにだ。閉じこもっていようが些細なきっかけで命を賭ける羽目になるだろう。
この世界に自分以外のスタンド使いがいるかどうかは知らないが……確実に厄介事に巻き込まれるのは確かだ。そう思ってM県S市に杜王町という町があるか、100年前に太平洋で沈没した豪華客船の中から棺桶が引き上げられたニュースがないか調べたがそういった地名は存在しないし、インターネット上の情報を見る限りではそんなものが引き上げられたという話はない。
それで気が緩んで自分はネットサーフィンを始めてしまった。……その時適当に昼寝でもしておけば真実を知ることを先延ばしにできたかもしれない。だが現実は非情で唯々直視し難い真実を嫌という程に突きつけてくる。その結果、数十分後にネット上に転がっていたとんでもないものを見つけてしまった。
――――――武偵高ホームページといった特級の核弾頭を。今更ながらここは『緋弾のアリア』の世界だったらしい。
よくよく考えてみれば思い当たる点はいくつかあった。自分の記憶では日本は治安のよい国だった筈だが、テロや強盗、違法な銃器の取引等のニュースがあまりにも多かった。外を出歩くと随分と個性的な格好をしていた奴もかなりいた。今思えばあれは武偵や犯罪者といったちょっと荒っぽい世界の人々だったのだろう。
あまりにヌケサクじゃあないか……神が実在するならあまりに残酷じゃあないか……? あ、この世界だと神に近しい存在は実在するのか……
だが別に武偵になる必要はない。美しい手を好む殺人鬼ではないができる限り平穏な生活がしたいのだ。武偵などという危険な職業に足を突っ込むのはゴメンだし、最低限自衛さえできれば問題はない。いざという時はホワイトスネイクでどうにかなる……という考えはあまりに浅はかで、木っ端微塵になった。
「は? 今なんつった?」
「だから武偵高よ、ぶ・て・い・こ・う。じょうくんに拒否権はありませーん!」
「学費が安いからな……それに学ぶことは多い、済まないが行ってくれるか?」
落とし穴は見えないから落とし穴とはよく言ったものだ。否応なしに武偵高に入学することを命じられた。中学が一般校だとついていくのが大変だろうとか学費の安い高校ならほかにもある、と反論しようとしたが両親も武偵だった。そりゃ武偵高勧めますわ。
ならば中学は付属中の方が良かったのでは? という問いに対して、
『一般校と武偵校の空気の差を知っておくことは大事だから』
というありがたいお言葉を母から頂いてしまった。できる事ならずっと一般人でいたかったんですけど、と泣き言を漏らしたら、
『自己防衛が出来ない? 逆に考えろ。捕まえる側に回ればいい。逆転の発想だ』
どんな柔軟な発想をしたら自分の息子を鉄火場に突っ込もうってなるんですかね……(困惑)自分の両親の脳味噌がどうなっているのか覗いてみたい。
その翌年、自分は東京武偵高付属中学に編入していた。なんでやねん。
今やってる五部アニメも佳境に入ってきたので六部アニメ化する前に書かなきゃと思った、後悔はしていない。