緋弾のアリア 円盤は静かに転輪する   作:新月の時を待つ人

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 緋弾のアリア最新刊が発売されたりここ数か月の間、コロナウイルスの流行下でも出勤しないといけない職種だったので初投稿です。


キラー・クイーンVSキラー・クイーン

「非常に興味深い……今の今までスタンド使いと遭遇しなかったが……スタンドの妙とでもいうべきか?」

 

 誰が言ったか『スタンド使いはスタンド使いに引かれ合う』という運命か因果律にでも干渉されているのではないかと言わんばかりのこの法則。これが今まさに自分と理子に対して適用され、付かず離れずの縁がガッチリと繋がった……そんな気さえしてならない。それこそ今まで通りの間柄ではなく、宿命や因縁染みたものに変化していくような……

 

「スタ……ンド? 何を言っているのかさっぱりだけど一撃防いだ程度で調子に乗らない方がいいんじゃなーい?」

 

 だがそれ以上に確信を得た事実がある。何者かの手によってスタンド使いは生まれている! しかもよからぬ意志を持つ者によって! そしてやはり……この世界のどこか、自分の所有する以外の『矢』もしくはそれに類する物体が存在するという事を。なら尚更手掛かりになるであろう理子を捕まえなくてはならないッ!

 

「それならちょいとばかし、レクチャーしてやる……キラークイーンッ!」

 

 2、3m程の合間で互いに打つ、打つ、打つ。理子のキラークイーンによる拳打が飛んでくる。しかしそれは速度と威力こそあるものの、大分単調な動きであったため払い退けようと思えば払える。が、同じタイプのスタンド……そう考えれば迂闊に弾こうとして失敗した際には……あまり想像したくはないが、その結果が常に脳裏にちらつく。なので、紙一重で避け、拳に触れないよう弾き続ける。

 

「その程度かよ?それだったら普通に銃なりナイフなり……お前の得意分野で勝負した方がまだ面倒だったな?」

 

「掟造こそ殺意が乗りきってなくなーい? それで理子を捕まえようなんてぇー……笑わせるなよッ!」

 

 余裕ぶってはいるものの、理子は……恐らくまだスタンドの操作に慣れていない。以前軽くカマをかけた時、理子はホワイトスネイクの攻撃が見えていなかった。あれが見えていて何の反応もせず、表情一つ変えないとなると余程の胆力を持っているか、あの時点ではまだスタンドそのものを得ていなかったと考えられる。となるとスタンドを得たのは直近一週間以内。それも扱いを習熟する程にキラークイーンを発現させていない!

 彼女がスタンドを暴走させずに制御している点は流石としか言いようがないが、自分が最も警戒しているあの『能力』を未だに使ってこないのは解せない。無防備に受ければ必殺、警戒した上でも危険極まりない能力なのだ。だからこそ自分を殺すつもりならば絶対に使う筈だが……

 

「これでも食らいなッ!」

 

 先ほどまで自分が水を飲んでいたグラスを理子に向って投げつける。それには既に――――――キラークイーンが触れている。

 

「こんなので理子をどうにかしようなんて――――――」

 

「思っていない。それが普通のグラスなら、な!」

 

 理子のキラークイーンが拳でグラスを叩き割ったその瞬間、爆風を発生させ、理子の小柄な体を吹き飛ばして壁に叩き付ける。

 

「……思い込みってのはさ、恐ろしいものだよ。普通なら絶対にありえない、ってことを無意識的に除外してしまうのだから。常人同士であれば兎も角、俺も理子も生憎どちらも常人ではない。だから俺がわざわざ普通のグラスを投げつける……理子はこの行動を苦し紛れの愚行だと思い込んだんだろう? だが無防備に叩き落したのは間違いだったな」

 

「ごほっ、なんとなくだけど……わかってきたよ。理子の『キラークイーン』の能力がね……『思い込みは恐ろしい』その言葉、そっくりそのままお返しするよ……」

 

 空気を一気に吐き出し、咳き込みながらもその瞳からはまだ闘志は消えていない。だがそっくりそのままとはいったいどういう事……!?

 

「やられたな……いつの間に『それ』を出していた?」

 

「わざわざ教えるわけないでしょー? ぶわぁーか」

 

 理子のキラークイーンの掌から自分の周囲に一つ、二つ……五つ。檻を作るような形で逃がさないよう、まるで空中機雷と言わんばかりに()()()()()が浮かんでいた。

 実に愚かだ。スタンドの姿形が同じだからといって持つ能力まで丸々同じであると誰が決めた? これは理子の言う通り、自分自身の思い込みが作った盲点だ。

 

 シャボン玉を避けてその間から抜け出すことは可能といえば可能だが、目の前にいる相手(峰理子)はその隙を見逃すだろうか? 当然、見逃すはずがない。自分が理子の立場であれば間違いなくとどめの一手を打ってくるだろう。

 

「……ここらで手打ちにしないか。これ以上やりあったら本当にどっちか死ぬぜ。だから一つ提案だ、アリアとキンジ……お前はどうやらこのコンビと戦うことが目的らしい……二人との戦いを邪魔しないから逃がしてくれ……って言ったら逃がしてくれるか?」

 

「だーめ♡ あの時殺しそこなっちゃったからジョジョはお持ち帰りー! 異論は認めませーん!」

 

 くふふ、などと笑って余裕綽綽に自分の提案を拒否した際の猫なで声がかわいいな、などと言う程の余裕はないが……どうやら現在の優先順位は自分をどうにかする事が一番らしい。

 

「じゃあこのシャボン玉を消しちゃあくれないか? 俺の推測が正しければこれは触れたら爆発するだろ? こんなのに囲まれて美少女とお話できる程、肝が太くないんだ」

 

「それもだーめ。ジョジョは理子の目的のために力を貸してもらうんだから」

 

 一歩も譲るつもりはない、と来たか。

 

 

 

 

「……次にお前は『ジョジョはこれでおーしまい!』と言う」

 

「ジョジョはこれでおーしまい! ……えっ!?」

 

 

 

 

「本当に勝ち誇るなら俺の腕の一本や二本吹き飛ばしてからだったな。ちょいとばかし俺だけに時間を掛けすぎたんじゃあねーか?」

 

「掟造! 無事か!」

 

 理子の目的はアリアとキンジ、ついでに自分の抹殺。だが複数人相手にするのは骨だから各個撃破で事を手早く済ませたい。なら逆に最も嫌がることは何か? アリアとキンジがここに来て自分と合流することだ。なら自分を撒き餌にしておびき出し、その場に釘付けにする。キラークイーンの爆発も居場所を分かり易くする為のもので、端から止めを刺すためのものではない。結果的に目論見通りではあるが、それまでに捕まえることが成功すれば言う事なしだったことには変わりはない。

 

「さて、これで3対1。大分不利になったな? ……ん?」

 

 バーの入り口のドアが勢いよく開いてキンジとアリアが入ってくる。キンジは理子の方に意識を向けているが、アリアの様子がおかしい。理子ではなく、理子と自分の背後……丁度キラークイーンのいる場所を注視しているような……まさか!?

 

「理子が武偵殺しって事はこの状況を見れば理解できるわ、でも……あんたたちの背中から出ている()()は何なの?」

 

 最悪の事態というものは意図せずして発生するものであり、最悪の想定というものは常に的中するものだ。ならこの場における最悪の事態とは何か?

 

 

 どういう訳か不明だが、神崎・H・アリアはスタンドを目視できている! 

 

 ヤバい、ホワイトスネイクで今すぐ記憶をすっぱ抜いて……いや、DISCを抜いて植物人間になったアリアを守りながらこの場を切り抜けるのはとてもじゃないが不可能だ……こうなったらプランBで行くしかない、か。

 

「すぐに説明を……って程余裕のある状況じゃないんでちょいとこの場を切り抜けてからでいいか? 向こうのリュパン四世ちゃんがプッツン来てて下手すりゃ死にそーでさ……」

 

「掟造、お前は一体何を言っているんだ? アリアも一体何が見えてるんだ!? 理子、答えろッ!」

 

 キンジの奴、頭に血が上って興奮してるな……俺の知らない間に理子とキンジの間に良からぬ事が起きていたのは確かだ。あれではスタンドを抜きにしてもとてもじゃないがまともな戦いにはならない! そして少し前に知れれば跳んで小躍りするくらい嬉しかったが、この場において最悪な事実としてキンジはスタンドが見えていないらしい。 せめて……あの入試の時と同じくらいの強さがなければ到底理子に太刀打ちできない!

 

 そんなことを考えている間にキンジが理子にベレッタを向けていだ。が、引き金を引くスピードより速く理子のキラークイーンから新たにシャボン玉が飛んでいく。狙いは――――――スタンドが見えていないキンジ! 一人づつ確実に始末するつもりか!

 

「クソッたれ……こいつで!」

 

 DISCを投げる。ただし投げるのは理子ではなくキンジへ、だ。風切音を立てて飛んでいったDISCはバターを裂くように入って当然と言わんばかりにスウっ、とキンジの頭部に刺さった。DISCに書き込んだ命令内容はこうだ。

 

「『アリアを連れて今すぐにこのバーから出ろ!』ここで全員やられるのはヤバい!」

 

「ちょっと掟造何して……キンジどこ触ってんの! 今それどころじゃ……!」

 

「わ、わからんっ! 体が勝手に動いてっ……」

 

 DISCに書き込んだ命令とキンジが無意識の内に逃げる選択をした結果、相乗効果を生み出しキンジの肉体が限界以上の動作を引き出すことを可能とする。否、してしまった。その結果、小柄とはいえ抵抗する間も与えずにキンジはアリアを米俵よろしく担いでバーから脱兎の如く走り去る。

 

「背を向けた相手を逃がすなんざ随分甘っちょろいな。余裕の表れって奴かあ~ッ?」

 

「まーね。よく分かんないけどあれってキンジの体に相当負荷をかけて逃がしてるでしょ? それこそ無理矢理火事場の馬鹿力を出させたみたいにね……だから疲れたところを追い詰めれば問題ナッシング。でも、最後はみんなまとめて始末してやんよ。 当然掟造もね……キラークイーン!」

 

 キンジに差し向けたシャボン玉の脅威が今度はこちらに牙をむく。隙を突いて無用の長物となった檻の役割をしていたシャボンもおまけに飛んできて宙に浮く三次元的な『点』が広範囲を制圧する『面』と化して襲ってくる。 ――――――早い。この短時間の間に理子はスタンド使いとして確実に成長している。

 

「大人しく死んでください……って言われていいですよ、という奴はそうそういないだろ? ……これからやることが一番冴えたやり方だって考えつくような俺が言うようなセリフじゃあないけどなぁーッ!」

 

 理子との距離は目測10メートル。シャボン爆弾の壁はちょうど自分と理子の間で浮かび、近づいてきている。この方法を実行できる距離は今このタイミングしかない。シャボンが理子に近すぎてもダメ、かといって自分に近すぎてもダメ。ここがベスト。誰にでもできる方法ではあるが、誰にでもできるという訳ではない。思いついたとしてもまさか、とすぐさま選択肢から外すような方法だ。

 

『掟造、マサカ……正気カ……!?」

 

「流石俺の半身。覚悟しとけよ……」

 

「何をしようとしてるのかは知らないけど今度こそ終わりだよ。床のシミになってな!」

 

 前傾姿勢になり、空気抵抗をできる限り受けない体勢(フォーム)を作り、足を前へ前へと踏み出し、足底を伝って推進力を発生させる。これだけでは足りない。

 

「うおおおおおりゃああああ!」

 

 

 

 狭い室内を一瞬で満たすシャウト。それに加えホワイトスネイクの脚部が自分の脚部と一体化し、より大きな推進力を得る。更に加速する。怖い。怖くない。いける。貫く!

 そして一気にぶつかる。柔らかな死の壁に自分の体を叩き付ける。弾け飛ぶ。それは自分の肉体か、それともシャボン玉なのか。一つだけ理解っている事は……

 

 

 

「ひっ……」

 

「どうよ……伊達男が更に伊達男になっちまったか?」

 

 皮膚の上をぬめぬめとしたものが伝っている。腕も、足も、頭からも。どこもかしこも痛くてどこからそれが伝っているのかもよくわからない。だが死んではいないし、想定よりも傷は浅い。ならまだ戦える。

 

「くっ、狂ってる……! 死ぬかもしれないってのに……!」

 

「まさかそんな言葉が出るとは思ってもみなかったな。ま、俺も武偵の端くれだ……飛行機は墜落させない、仲間を助ける、何より自分がくたばらずに家に帰る……全部やらないといけないのが大変だが、はなっからからそのつもりで来てるからこれくらいの負傷は織り込み済みってやつよ。さて、射程距離内だぜ……峰・理子・リュパン四世!」

 

 ほんの少し……一歩踏み出して手を伸ばせば届く理子との距離がどうしようもなく遠い。

 

「こっ……来ないで! それ以上近付くな! さもないとこの飛行機を木っ端微塵に……!」

 

「できるもんならしてみな……ただしそれをするならば……お前が何かする前に再起不能にする……」

 

 だが……飛行機を木っ端微塵と来たか。そもそもそのような準備を事前に行っている程の時間があったとは考えにくいが……完全なハッタリと断じるには理子が何となく落ち着いていて不気味な余裕があるように見える……気がする。どちらにせよ何かしらの仕掛けはありそうだ。 

 

「それよりも理子……本当に自首するつもりはない、そのつもりでいいんだな? できることなら友人をボコボコにしてブタ箱に突っ込むなんてことはしたくはないんだが……今ならまだごまかしがきく範囲だぜ?」

 

「武偵としてここにいるんじゃあなかったの? ……もしかしてだけどさあ、わざわざそんな事を言うためだけにここに来た……なんていう訳じゃあないよね? もしそうだとしたらとんだ甘ちゃんだよねぇ、掟造もキンジやアリアに厳しく指摘できないと思うんだけど、そこんとこどう?」

 

 馬鹿にしたような、というのが一番しっくりくるだろうか。こんな状況で何をそんな冗談を、と言わんばかりの冷ややかな言葉と視線が突き刺さる。加えてイラついているのか瞼がぴくついていつシャボン玉を再び飛ばしてきてもおかしくはなさそうだ。

 

「さっきも言ったが『仲間を助ける』っていうのにはキンジやアリアだけじゃなくて理子、お前も当然入っているんだ……アリアを打倒したいって言うなら何もこんな方法じゃなけりゃあいけない、っていうのか? それこそ公的に超えるなりなんなり穏便な方法はあるだろ? 何も殺すまで行かなくても……」

 

「黙れッ! 掟造に何がわかるんだ! あたしのことなんて何も知らない癖に……そんな優しい言葉信じられるか! あたしの存在意義はアリアを殺すことでしか証明できない! 『リュパンの曾孫』じゃない『峰理子』であることを証明できるのはあたししかいないんだ! 勝利して証明する!それ以外の方法なんてないんだよッ!」

 

 理子は目をひん剥いて狂ったように、しかし悲痛な叫びを上げていた。このままだと本当に狂って死んでしまうのではないかと言う程に。

 

 

「……いいだろう。こんなところで何だが、一つためになるかもしれない話をしよう。丁度今の状況にも合致しているから聞いて損はさせないつもりだ……あるところに二人の男がいた。そのうち一人が『シャーロック・ホームズとアルセーヌ・リュパン、どちらが優れている? 子供が遊びで話す程度のものでいいんだ……』と。そのように相方の男に聞いた。すると、『どちらも優れているし、時として対決するかもしれないが、結局は怪盗と探偵。盗みが本業の者と事件を推理する者を比較するというのは根本的な点で間違えている』と返した」

 

 理子を出迎えた時のように座っていた椅子に腰かけ、隣の椅子をポンポンと叩き、座るよう促す。渋々といった様子ではあるものの、理子は静かに席に着いた。

 

「……話が見えてこないんだけど? 結局何が言いたいの?」

 

「どんな者であろうと……人にはそれぞれの能力に合った適材適所がある。王には王の、料理人には料理人の……それこそアリアにしかできない事もあるだろうし、理子にしかできない事は絶対にある。だからどちらが優れているという事じゃなくて理子自身の長所を以ってその『四世』と呼ぶ奴を見返してやればいいんじゃあないかって事だ。改めて言わせてもらう。今までは他に道がなかったのかもしれない、だが他の道を選べる今、その道を進み続けることは間違いだ……一生そのままだぜ、お前」

 

 真面目に語ったことには語ったけど、これはホワイトスネイクが前の本体(プッチ神父)について話してくれた時に聞いた話を理子向けにそれっぽく改変しただけだ。とはいえ効果覿面(てきめん)だったようで、襲いかかるつもりはないらしい。

 

 それにしてもバニラの香りが風に乗って漂ってくる。さっきまで動きっぱなしというのもあったが、一度意識してしまうと「ああ、理子の匂いだな」とどことなく日常に戻ってきたような気がしないこともない。

 

 

「もし……もしも助けて、って言ったら助けに来てくれる?」

 

 垂れた髪で顔が隠れて見えず、その表情をうかがい知る事はできないが、声色は弱々しかった。

 

「そんな状況には陥らないで欲しいが……まあなんだ、どうしてもって、い、う、なら……」

 

 緊張の糸が切れた……思っていた以上に血が出ていたか。ふらついて……

 

 

 

 

 

 

           ■■へ行く方法があるかもしれない――――――おい、妙な顔をするな。

 

 

 ……もし、『魂』をたった一人の人間が『何個』もそれこそ極端な話、『何万個』と『所有する方法』があるとしたなら……

 

 

 どんな者だろうと人には個性にあった適材適所がある。王には王の……料理人には料理人の……

 

 

            興味深い話だな……レオナルド・ダ・ヴィンチがスタンド使いかい?

 

 

 必要なものは信頼できる友である――――――

 

 

                    次の  の時を待て。それが■■の時である。

 

 

掟造。イヤ、■ッ■。記■ヲ抜キ■■■オイテ正■ダッタ■……

 

 

 長い長い、夢を見た。どこかで見たような光景。やりとり。憶えているはずなのに覚えがない。確かにあったような事象であるはずなのにそのような事象は起きてはいない。懐かしいはずなのにどこか未来のことのよう。虚構のような出来事だというのに嫌に現実味がある。

 

 過去に声帯が震えて出てきた自分の声のようだが、間違いなく自分の声ではない。記憶を司る脳の器官の一部である海馬に焼き付いている記憶のようだが、記憶にない。自分ではない誰かの前にいた別の誰かに特別な感情を抱いていたようだが、それは既に雲散霧消している。

 

 

 あの夢の人物は誰だ? それに既視感を覚える自分は誰だ? そもそも自分に前世などと言うものは存在するのか?

 

 

「掟造! 目が覚めたか!」

 

 ふと目を開いたら忘れるはずもないルームメイト――――――遠山キンジが自分の顔を覗き込んでいた。ここは……武偵病院か。

 

「キンジ……そうだ、あの後どうなった! 理子は捕まえたか!?」

 

「……うまい事逃げられた。まさか飛行機から降りて飛んでいくとは思わなかったが、俺もアリアも無事だ」

 

 あの血の量は正直ヤバいとあの時点で薄々感じてはいたが、自分はあの後やはり気を失ってしまったようで、その後の経緯はキンジが大方説明してくれた。

 

「まさか俺が気を失っている間にそんなとんでもないことになっているとは……あそこで理子をしっかり捕まえておきゃあこんなことにはならずに済んだのに……」

 

「気にすんな。結果論とは言え誰一人として乗客も俺たちも死んでない。無事切り抜けられたんだから万々歳でいいじゃないか。ま、納得いってない奴もいるけどな……覚悟しといた方がいいぜ」

 

 まあ、アリアはスタンドについて話さなければ納得はしないだろう。キンジも口にこそ出してはいないが、何らかの説明をしなけれ今の信頼関係が崩れるかもしれない。

 

「わーったよ。できれば俺の事情に巻き込むのは避けたかったが仕方ねえ。男子寮に戻ったらでいいか?」

 

「お、おう……そ、それでいいぞ……」

 

 

 キンジが嫌に動揺しているのは気にかかるが、目を向けるのはあったかどうかもぼやけて不明瞭な過去よりも、目の前に突き付けられている現在だ……

 

 

 

 




 Q.掟造気絶した後どうなったんや?

 A.だいたい原作通り。ただ、キンジとアリアがアレ(スタンド)なんだったんだろう……みたいな事を思いつつ理子とやり合ってた。

 次回からは燃える銀氷編やっていきます。……緋弾のアリア第一巻の副題を今付けたりするならどんなの付けたんだろうなあ、赤松先生。
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