緋弾のアリア 円盤は静かに転輪する   作:新月の時を待つ人

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これマジ? 半年も投稿できずに仕事に謀殺されてるとか体と意志が貧弱すぎるだろ……

今年もゆっくりではあるものの投稿していきますんでよろしくお願いします。


去年買って開ける暇のなかった『緋弾のアリア オリジナルキャラクターソングコンプリートベスト』素晴らしいっすね……ほんへもしれっととんでもない情報だしてくるしマジであと20巻くらい続きそうでたまげたなぁ……(隙自語)

あっそうだ(唐突)職場に退職届を叩き付けたくなったので初投稿です
 


クイーンⅡ

 翌週、キンジの右隣の机――――――自分から見れば二つ右隣の本来ならばアリアが座っているはずの席はがらんどう。傷一つない机がぽつんと在るだけでそこには元から誰もいなかったかのような錯覚すら覚える。

 

 結局アリアはキンジを仲間にすることを諦めてしまったのだろうか。あの喧騒はそこそこ迷惑ではあったし、ホワイトスネイクとの会話という名の独り言や物音のしない静かな亀の中の部屋に籠りっきりになって考え事をする時間がなくなったりと不便な点はそれなりにあった。

 

 だが……それ以上に自分は楽しいと思ったし、この半月は間違いなくあの二人にとってかけがえのない時間だったと断言できる。仏頂面ばかりのキンジがああも生き生きと感情を露わにする様は見ていて楽しかったし、あの表情を引き出すことは自分(如月掟造)には不可能であったからだ。

 

 このなんとも割り切れない靄を抱えながら午前の一般科(ノルマーレ)をきっちりとこなしてしまった。武偵高のように少しばかり荒っぽく、血と硝煙の臭いがそこら中に漂っていても普通の高校のようなこともするのだな、と入学したての頃はよく物思いに耽ったものだ。

 今では机の下で本を広げながら適当に板書をノートに書き写しているだけだが、それでも八割は楽勝である。……何故ここの生徒は一般教養より難しいことを完璧にこなせているにもかかわらず、学業の成績は低いのかは永遠の謎である。

 

「……あん?」

 

 おや? キンジの様子が……授業終わりに見ている携帯電話の液晶を見ながら嫌そうな表情をしている。あれは行きたくない場所があるが、なにがなんでも行かなければならない理由がある、といったところか。あいつにメールの類を送ってくる奴は限られている。

 

 星伽白雪ではない。あれは好きな相手を呼び出すよりも先に足を運んでくるタイプの女だ。それに今は恐山に合宿に行っているので候補から除外する。

 

 武藤や不知火でもない。遊ぶ用事はないはずだし、仮にそうだとしても直に誘うなり自分を経由して伝えるなりすればいいだけの話だ。というわけでこれもない。

 

 依頼という線は一番薄い。余程の緊急性がある依頼でなければキンジが事前に自分に伝えてから行くだろう。依頼内容は伝えられずとも依頼をこなしに行くことを伝えるのは武偵的にはアリだ。

 

 となると……?

 

『掟造……ヤハリ……』

 

「いや、まだアイツが黒という決定打が足りない……」

 

 ……そういえばアリアが休んだ理由が気になる。授業が終わって退出しようとしていた高天原先生を捕まえて聞いてみたところ、

 

『神崎さんですか? 羽田空港から出る今晩19:00時発のチャーター便でイギリスに帰国するそうですよ? お見送りだなんて如月君は友達思いですねえ』

 

 ふわっと教えてくれたのはこちらとしては好都合だが、一生徒である自分にそう軽々と漏らしてもいいのだろうか……?

 

「学園から空港まで30分はかからないが、余裕を持って動くとなりゃあ準備にかけられるのは一時間ってとこか?」

 

 急ぎ戻ってきた自室で装備品の確認をしつつ、自分に言い聞かせながら準備を進める。

 予感は確信へと変わった。もし……もしも彼女(・・)が待ち構えているのだとすれば、この盤面、あちら側に傾いている。

 

『オイ掟造、ドノDISCダ?』

 

「ちょい待ち、今どれ持っていくか考えてるからホワイトスネイクはキンジ向けに書置きでも残しておいてくれ」

 

 横目でホワイトスネイクを見ながら準備を続けていると、以外にも律儀に紙とボールペンを持ち出して書置きを準備している。命令しているのに従わないのであればそれはそれで困るが……意外だったのがホワイトスネイクが思いの他達筆だったことだ。行書体の文字をさらさらと紙の上に書き留める。本体の自分よりも字が上手いのでは?

 

「ちょっとがーんだな……お前の精密動作性ってそんなに高かったの?」

 

『精密動作性に関わらズ、スタンドパワーは本体……ツマリ掟造トノ距離ガ近ケレバ近イ程上昇スル……』

 

 まあ、ある程度はスピード・パワーがなければプッチが徐倫のストーンフリーやウェザー・リポートと近距離で殴り合おう……とはならんな。ある程度はガチンコできるにせよ本来は搦手使いではあるんだが。DISCはあくまでも能力の副産物だからノーカン。DISCありきにしてもまともに能力を抜き取る相手がいない事には話にならない。

 

「……よし、とりあえず三枚。行くぞ!」

 

『アイアイ、ところデ掟造、何カ忘れちゃあイナイカ?』

 

「ガスの元栓か? 夕飯の仕度か? それともなんだ、これから行く場所にいるやつに叩きつける決め台詞の準備か?」

 

『スタンド使いト戦う可能性を忘れていないカ、ということダ……」

 

 顔の皺と口元でしか表情を窺うことのできない相方の表情はあからさまに怪訝な顔だった。

 

「そりゃあ勿論考慮していない訳ないだろ。いないに越したことはないけどさ?」

 

 

 

 間違いなくいるだろうな……スタンド使い。しかもとびっきり面倒なのが。

 

 

 

 羽田空港。日本人の大半は空港というと大体これか成田空港を思い浮かべるだろう。

 

「日本最大の空港ってのは伊達じゃねえな。目的の場所まで行くのはちっとばかし骨が折れるな……」

 

 正式名称、東京国際空港。年間発着数・航空旅客数共に日本一。世界的に見ても乗降客数が五本の指に入るほど多いとなれば当然ながら行き交う人々も尋常ではない。

 

 19:00発のチャーター便を探せ、というと案外簡単そうに思えるが、それだけの情報で目当てのフライトを特定するというのは至難の業で、普通ならどこの航空会社から出ている便かというところから特定しなくてはならない。裏を返せばそれさえわかれば大分絞り込むことができるということだ。

 というのもチャーター便と一口で言っても様々な形態がある。今回の場合だとアリアがイギリスへと帰還する目的で席を取っているチャーター便。金を掃いて捨てるほど持っているであろうで彼女はわざわざエコノミークラスやビジネスクラスのチャーター便を用いるだろうか? 否である。彼女は息をするようにファーストクラスの席を取っているはずだ。それも全席ファーストクラスの超VIPしか搭乗できないような……とまで言うと極端すぎるがそれに準ずるような旅客機に乗っているに違いない。

 

「ANA600便……ボーイング737‐375。19:00前後で条件を満たしているロンドン行きの便はこれしかない」

 

探偵科(インケスタ)での勉強は無駄じゃあナカッタナ?』

 

「冗談きついぜ、これくらいちょっとした想像力と必要な情報さえありゃあ余程のアホでもなけりゃあ割り出せる……条件付けを増やせば絞り込みは容易になる。違うか?」

 

 実際、高天原先生が『羽田空港発』『今日の19:00にフライト予定』『チャーター便』『イギリスへ帰国する』という情報がなければ割り出しは困難……というよりも不可能に近い。事前にスタンドなり発信機なりの仕込みがあれば情報なしでもどうにかできない事はないが、それでも普通に割り出すよりも手間はかかるだろう。

 

「っつーかよぉー、やっぱ羽田って広いわ。正確なチャーター便を割りだせてもそこにたどり着くまでダルいな……」

 

『そもそも掟造の推測ガ合ってるカ不明だがな……』

 

「マジでやめてくれよ……もしそーなったら帰りにラーメンでも食って帰れってか? 準備もしてきてそれは……っと、どうやら無駄にはならないで済みそうだぞ?」

 

 ボーイング737‐350に搭乗していく乗客……恰幅のいい壮年男性、その横にいる男性の妻であろう品のある風体をした女性、やり手っぽいビジネスマンに……最後尾に見覚えのあるピンクのツインテールが見えた。間違いなくアリアだ。そして搭乗口にはアリアといい勝負をしそうなくらい背の低いフライトアテンダントが機内に乗客を誘導している。

 

「現在時刻は18時45分か……よし、行くぞ」

 

『……掟造ハ時々、凄まじく知能指数が下がるナ?』

 

 もう少し時間があれば白い目で見られるようなアホな真似をするつもりはなかった。が、他に有効な手段がない以上これがベターだ。やるしかない。

 

「……あのぉ~、すいませぇ~ん。私こういうものですが、機内の方改めさせていただいてもよろしいでしょうか?」

 

 武偵手帳を見せながら声をかける。当然ながらフライトアテンダントはおろおろして混乱状態で話になりそうにない。

 

 

 客として乗るのは不可能。であれば……

 

 

「ちょーっと失礼しますよ……っと!」

 

「ああっ! ちょっと何してるんですか!?」

 

 当然機内を改めるという名目で無理矢理乗り込む。後ろから引き留める声が聞こえてくるが知ったことではない。

 

「このチャーター便で凶悪犯が高跳びするという情報が入りましてね……ちょっとだけお時間取らせてもらいますよ?」

 

 突然受けた説明に頭が追い付かないのか追走してきたフライトアテンダントは困惑顔ではあるものの飛行機前方……機長の判断を仰ぎに行ったのだろうか、足早に去っていった。

 当然、キャビンアテンダントが戻ってくるまで素直に待つわけがない。アリアの部屋にお邪魔させてもらう。

 

「12席……というよりも部屋だな。片っ端からドアをノックしてもしも~しすればすぐに見つかるな」

 

『それはそうだガ絵面ガ余りにモ間抜けデ、非効率的な調べ方じゃあないカ……』

 

 一階は豪奢なバーや機内カジノといったアミューズメント・ルームが並んでいたが、誰もいなかった。キャビンデッキ二階の中央通路の左右にある扉、そのうち手前の部屋のドアを軽く三回叩き返事を待つ。部屋の中から立ち上がるような音が聞こえた。一人分の足音がドアの方へと向かってくる。そしてドアが開け放たれて――――――

 

「ルームサービスは頼んだ覚えはないけど……!? アンタ、どうしてここにいるの!?」

 

 ビンゴ。一発でお目当ての部屋を探し当てることができたのは幸先がいい。Sランク武偵といえど自分がここへ来るなどという事は予想だにしていなかったらしく、驚きのあまり声が上ずっている。まあ、彼女からしてみれば脈絡があまりにもなさすぎるので当然といえば当然か。

 

「俺がここにいる理由か? じきにわかる……嫌でもな」

 

 アリアは状況をこれっぽっちも呑み込めていないのか、悠々とスイートルーム内へと入る自分を止めもしない。止めるという考えがそもそも選択肢に出てこないというべきか。

 が、頭が冷えてきたのか部屋にあるビロード生地の椅子――――――先程も座っていたのだろう。それに腰掛け、近くにあるテーブルに載っていたティーカップに一口付けた後、自分をじっと見つめている。

 

 彼女の性格上、すぐに口を開いてまくしたてるのではないかと思っていたばかりになんとも気まずい空気で、どうにもやりづらい。

 

 

「時間はあまりないが、少し話でもするか……武偵殺しについてだ」

 

 アリアの目元がぴくり、と動いた。制服のポケットから取り出したスマートフォンに表示されている現在時刻は18時55分。本当に少ししか話できないな。

 

「……続けて」

 

「先に武偵殺しの手口の確認だ。武偵殺しは乗り物に減速したら爆発する爆弾を仕掛け、逃げないようにサブマシンガンのついたセグウェイでターゲットを追い回す。今回武偵殺しが狙っていたターゲットはキンジ本人、およびキンジの近辺にいる奴だった。キンジのチャリ、キンジが普段乗る時間帯の武偵高行きのバス。もう気付いたかもしれないが狙われる乗り物が順にデカくなっている。俺の時はバイク、車、豪華客船ってな……じゃあ今回の場合次に狙われるのは? バスよりデカい乗り物で武偵殺しが狙ってきそうなのは?」

 

「この……飛行機……! アタシが乗っている……!」

 

 時間ギリギリにテストの解答用紙の空欄の答えが解けたようにアリアは言葉を絞り出す。今の自分は間違いなく口元がホワイトスネイクを思わせるような歪み方をしていたに違いない。

 ゴウン、と音がした。室内にある時計の方へと目を向けると19:00と表示されていた。どうやら予定通りに離陸するらしい。

 

「大正解。間違いなく次のターゲットはここだ。狙いはお前とキンジ。……それはそうと、ここ数日お前はキンジと距離を置いていたな? 何があったか知ったこっちゃないが大方喧嘩でもしてお互い引っ込みがつかなくなって……ってところか。ここで武偵殺しに各個撃破なんて目も当てられないが……どうやら来たみたいだな?」

 

 

 勢いよくドアが開け放たれ、武偵高の制服を着た男子生徒が入ってくる。ありがたいことに、書置きは無駄になったらしい。

 

 

「ようキンジ。重役出勤かー? それとも……ヒーローは遅れてやってくるって奴か?」

 

「バカ。やり残したことがあるってのは気に入らないってだけだ。……まあ掟造がいたのはめちゃくちゃビビったけどな」

 

 どうやらキンジもここに武偵殺しが現れると確信した上で来たらしい。自分がここにいたのは予測できなかったようだが。

 

「キンジ、掟造、まさかあんたたち示し合わせてたんじゃないでしょうね?」

 

 それこそまさか、だ。自分は単純に状況証拠、キンジは稀に異様なまでの賢さを発揮する。少ない情報からここに武偵殺しが来ることを知った……といったところか。

 偶然……本当に偶然、二人とも同じ結論に至った上でこの場に集結した。わざわざ示し合わせるまでもない。

 

「武偵憲章2条。依頼人との契約は絶対守れ。俺はアリア、お前から受けた依頼をまだ完遂していない。そう、武偵殺しの一件はまだ終わっちゃいないだろ?」

 

「キンジはともかく俺はそこまで立派な理由で来たわけじゃないんだけどな。単純に好奇心と興味、それに自分の解答が正解かどうか、それの確認のために――――――武偵殺しの顔を拝みに来た」

 

「キンジ、掟造、アンタたち、そっ、そんな理由で……!」

 

 アリアにいつもの調子が戻ってきて少し安心したが、以前病室で聞かせた話は頭に留まらずに耳の中を通り抜けてっちゃったの……? 余裕がないってことは以前から察しがついていたけどすごくショック。

 なので少し開き気味の手を上にすっ、と上げるとアリアの体が小さく跳ねたような気がした。手をゆっくり下げるとホッとしたのか肩が少しだけ下がった。

 

「今度はビンタじゃなくてゲンコツがほしいのか? 俺はともかくキンジの意思を少しは汲んでやれ……こいつ、俺と違ってお前のためにここに来たんだぜ? ちょっとここから出てるからその間キンジと話でもしてな」

 

「わ、わかったわよ……って単独行動禁止ッ、どこ行くつもりよ」

 

「アリア、お前今度手洗いに行く時キンジと一緒にディフェンスするぞ」

 

 

 

 一拍、二拍、さらに数泊……この場にいる誰も……言葉を発することをためらう非常に……気まずい沈黙が流れてしまった。

 

 

「あっ……アリア、流石に行かせてやれ」

 

「~~~っのバカッ! バカキンジ! バカ造! さっさといってきなさい!」

 

 今にも腰のガバメントを抜いてきそうだったので脱兎の勢いで部屋から出る。

 

 

 とっさに吐いた嘘が嘘だとバレないうちに。

 

 

 

 

『マ、嘘としてハ落第ダナ? すぐにバレる嘘ハあまりオススメしないゾ』

 

「ま、あの様子だとトイレに行くって嘘を吐いた理由を意識せんだろうし、仮にバレても嘘じゃなくてうっかりだと思い込んで意識的にウソついたとは考えないだろうし問題ないでしょ。それよりも少し前に機体が揺れたのと二階(うえ)が騒がしかったのが気になるな……」

 

 一階のバーで酒を飲まずにはいられ……るので戸棚から適当なグラスを一つ引っ張り出して水を一杯ぐい、と飲み干す。もしあれが武偵殺しの攻撃だとするとあまり悠長なことをしている場合ではない。

 

「先にさっさと……おいおい、ツイてる日はとことんいい風向きだな。そっちの方から先においでなすったか!」

 

 後ろを振り向くとそこにはさっき自分が突破したアテンダントがいた。ただし服装は武偵高の制服だ。

 

 

 それも――――――フリルの付いた改造制服。俗にいう白ロリ風の様式を取り入れたその改造制服の持ち主を自分は知っている。

 

「こんなところでフライトアテンダントのバイトか? それとも……アリアを殺しに来たのか? なあ、世間を騒がした武偵殺しの――――――峰理子さんよぉ?」

 

「……どうしてわかった? ここに来たのはともかくあたしの正体まで何故見破ることができた? お前は以前狙ったときどうやってあの爆弾を処理した?」

 

 べりべり、と特殊メイクで作った薄いマスクを破いて素顔を晒した。その顔は良く見知った顔(峰理子)であったが、普段ゲームをやってアホやっている時の面影は全くない。

 

「質問はいっぺんにするんじゃあないと教わらなかったのか? 理子、お前の正体を見破るのは実に簡単だったぜ。お前は以前『手がかりも犯人の足跡も、バスジャックに武偵殺しが関わっているかもよくわからない』っ言っていたな? そんなのありえないんだよ。探偵科Aランク武偵のお前ほど優秀な奴が先導して、徹夜する程時間をかけて綿密な調査を行ってこれっぽっちもわからないなんてあるか? 俺だったら無能か内部犯の可能性を疑うね……要は理子、お前はお前が思っている以上に優秀すぎたんだ」

 

「……だけど、お前のバイクの爆弾の説明は!? あんなの超能力者(ステルス)でもなきゃ説明はつかない! セグウェイが突然ブッ壊れたりなんてしない! 掟造、お前は何なんだッ!? あたしの完璧な計画を邪魔しやがってッ! オルメスとキンジのコンビを潰さなきゃ理子は『理子』であることを証明できない! 永遠に峰・理子・リュパン『4世』という数字でしかないんだッ!」

 

 おおこわ。アリアとは別方向にプッツン来ているタイプだったか。

 

「だから掟造……お前はお前がなぜ死んだか理解できないうちに殺す……!」

 

「理子に俺を殺せるとは思えんが……来な。あんまり傷つけんうちに取り押さえる!」

 

 理子の背後に……見えたッ! 筋肉質なボディ。肩や手の甲といった身体各所に髑髏をあしらったいかにも危険であると本能に訴えかける姿。というのに猫のような顔つきとピンク色の体色というアンバランスな要素がより一層不気味さを引き立てる。自分はそのスタンドを知っている。

 

ドドドドドドドド

 

「確かにそれならアリアやキンジはどうにかできたかもしれないな……だけど俺には見えてるぜッ! しばっ!」

 

「なっ……!? お前も『それ』を使えるのか!? あたしと同じ『それ』を!」

 

 理子の背後から飛び出てきた『それ』を自分の背後から飛び出てきた『それ』で迎撃する。驚くのも無理はない。何せ……

 

「理子の『キラークイーン』と俺の『キラークイーン』……どっちが上か試してみるか?」

 

 自分の背後にも理子の背後にいるのと同じ姿の『キラークイーン』がいたからだ。




本性ぶっぱした時の理子の本名を見た時にあのぶっ飛んだ親からこんな比較的まともな子が生まれるのか(困惑)みたいな印象をうけたおぼえがありますねえ……
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