The New Wolrd ~404 not found~ 作:天海望月
416は、海上を“大発動艇”と呼ばれるボートに乗って移動していた。
略称は大発。操縦は自動で、416が手を出さずとも勝手に走行してくれる。今は榛名率いる第一艦隊の後ろから追従する形だ。
「今回の作戦で有効に活用するようにと、これを渡されています」
出発時に榛名から大発と同時に渡されたバックパックには、大量の爆薬が入っていた。これで敵の基地を吹き飛ばせということだろう。
爆薬はプラスチック爆弾、いわゆるC4と呼ばれるものだ。爆薬が温度・引火・振動などで爆発することはほとんどなく、火が付いても緩やかに燃焼するくらいだ。そのため起爆するためには信管が必要になる。
ちなみにC4は甘い味がするが、強い毒性を持つため食べてはいけない。
「この速度だと、到着までどれくらいかかりそうかしら!?」
航行するモーターなどの爆音によって、声などかき消されてしまう。そのため、416は大声で無線機に怒鳴る。
「全速力で航行しているのであと三十分程で着きます!ですが深海棲艦の空襲を受ける可能性があるので、実質交戦するのは二十分後と考えておいてください!」
榛名の返答が少しのノイズとともに帰ってくる。
416の感覚では、空襲が来るとなる時点で小規模な基地であるとは思えないが、この世界ではそれが当たり前なのかもしれない。
そうなると、深海棲艦とやらは相当大規模な組織であるのかもしれない。それこそ、鉄血以上の規模の。
そんなことを考えつつ、416は波に揺られながら周囲を警戒する。
しばらくするとはるか遠くの方に薄くもやのかかった島が見えてきた。
「あれが目的地ね」
「よし、彩雲を出すね!」
隊列の後ろから二番目、つまり416の前にて航行していた瑞鶴が、弓を構え上45度方向へと矢を放った。
すると不思議なことに、その放たれた矢は淡い光に包まれ形を変えていく。
しばらくしないうちにそれは戦闘機の形になり、気が付けば目にも止まらぬ速さで遥か彼方まで飛んで行ってしまった。
「今のは一体?」
「彩雲よ。艦上偵察機で、超高速で飛んでいけるのが売りなの」
「偵察機?偵察は利根の役目じゃ?」
「ああ、ほら、今のは事前偵察って感じ。敵と遭遇する前にある程度状況を把握しておいた方が後々有利でしょ?彼女の偵察機は敵と接触する直前に飛ばして、敵の上で旋回させて随時戦況を報告させるの。要は使い分けってこと」
なるほど、と416は感心した。確かに情報はあればあるほど有利で、敵と接触する前ほどそれの価値は高まるものだ。ブリーフィング時と状況が変わっているなどざらであるし、こういった偵察は重要だと知っている。
使い分け、というのも納得できる。彼女の持っているアサルトライフルは拳銃と比べて射程が非常に長い。しかしそれは室内に入った途端銃身が長すぎて邪魔になりうる。その点拳銃は小回りが利く。
彩雲と利根の偵察機も、彩雲は遠くからの偵察に適しているが、速すぎて小回りが利かない。それを利根の偵察機がカバーしているのだ。
「どうですか?彩雲からの報告は?」
榛名が瑞鶴に対して問いかける。すると彼女は少し間をおいてから返答した。
「――うん、前情報と何ら変わりはない。南側に砲台小鬼が集中してる」
「分かりました。では皆さん、このまま北上しましょう!」
「了解っぽい!」「了解じゃ!」「了解です」
艦隊の全員から返答が返ってくる。やはり榛名はチームメイトからの信頼が厚いようだ。
こうしてまたしばらく海の上を警戒しながら進んでいると、先頭の榛名が声を上げる。
「これより敵の射程範囲内に入ります。ここからは416さんは別ルートで進み、島の北側から侵入する手はずです。大丈夫ですね?」
「とっくに把握済みよ!」
416はそう言って最後尾から先頭に向け手を振った。ちょうど振り向いた榛名はそれに気が付き、親指を上げて応えた。
「では、健闘を祈ります!榛名たちは全力で敵の気を引くので、破壊工作お願いしますね!では空母の皆さん、艦載機を!」
「分かりました」「任せて!」
赤城と瑞鶴は弓に矢をつがえる。そして弓を掲げると、続々と矢を打ち上げていく。
丁度ルート変更をした大発に乗りながら、空を埋め尽くさんとする大勢の戦闘機を416は眺めていたのだった。
大発動艇はみるみるうちに艦隊から離れていく。
まだ島は霞んで見えるほどの距離であり、よほど余裕がない限りこの小さな船を発見することはまず無理だろう。そもそも敵からすれば突然空に大量の戦闘機が現れたのだから、十中八九意識はそちらに向くはずだ。
一応船の中で身を屈めながら様子を見守っていたが、ふと島の方を見ると、そこから無数の点が打ちあがっているのが分かった。
支給された双眼鏡を手にし、それを覗くと、撃ちあがってきたのはまたしても異形の存在だった。
まるでエイのような平べったい形をした、不気味な名状しがたい物体。怪しく光る二つの目を持ち、下部に付いているのは機銃だろうか。
さらにもう一つ、黒色の球体も確認していた。
以前倒したイ級のように歯を出し、それはまるで不気味に笑っているように見えた。こちらは下部にひし形の物体を吊り下げている。おそらく爆弾の類だろう。
この異形の戦闘機たちは未だ数を増やし、赤城たちの艦載機と同数か、それ以上の数がいるようにさえ見えた。
「あんな数に勝てるのかしら……?」
戦いというのは大抵数の多い方が有利になる。いわゆる数の暴力というやつだ。相当の練度がなければこの不利は覆せず、徐々に削られていくのが落ちだろう。
ついに二つの軍勢が衝突する。この数的不利に圧倒されないか、気が気でならなかった。
だがそんな心配をかき消すほどに、彼女たちの戦闘機は強かった。
敵勢とぶつかる直前に散開し、敵を四方から叩く。
敵の攻撃を巧みな操縦術でかわし、逆に相手は四方からの攻撃でパニックでも起こしているのか、ろくな統率も取れた様子もなく、火を噴いて海へ墜ちていく。
敵との数の差をものともしない、華麗な戦闘だった。
そしてその戦いの最中から数機が抜け出すと、そのまま島の上空へと向かい、期待から何かを落とした。
――島が轟音とともに、火の海に包まれた。
あのいくつもの機体は島の原形を留めさせないかのように大量の爆弾を落とし、そのたびに島は砂煙を上げていた。
そしてその惨状に同乗するかのように、利根が一機飛行機を打ち上げたのを見た。あれが恐らく例の偵察機だろう。
「……これ、私必要なのかしら」
その圧倒的な攻撃をよそに、416は自分の存在意義に少し疑問を抱いていた。
だが任務は任務。任せられたことはやらねばならない。
416がそう思っていると、あの軍勢の中から一機異形の戦闘機が抜け出したのが見えた。下に爆弾を括り付けている。
たとえ一機でも、あんなものが投下されようものなら相当危険なのではないか。最悪の展開もメモリの中で演算しつつも、416はそれを静かに見つめる。
突然、戦闘から二番目に並んでいた夕立が右手を振り上げた。その手には小型の砲が握られている。
彼女は近づいてくる戦闘機をしっかりと見つめると、それに向けてたった一発だけ砲弾を放った。
深海棲艦とは血が上りやすいのだろうか。異形の戦闘機は榛名たちを滅さんと一直線に艦隊へと向かい、
そのまま吸い込まれるように夕立が放った砲弾に直撃して爆散した。
「見事ね……」
着弾点から、黒煙と機体の破片が辺りに散らばっていく。
もはや感心するしかなかった。相手がルートも変えず進んでいたものの、空を高速で飛ぶ物体に対する精密な射撃には、同業者の416も脱帽である。
そして夕立の射撃が合図だったかのように、彼女たちは一斉に砲撃を始めた。
これまた発射されたいくつもの砲弾は、島へと吸い込まれ破片をまき散らす。おそらく地形はますますボロボロになったことだろう。
あの砲撃に巻き込まれないか心配にはなったが、彼女たちの練度ならきっと大丈夫だろうと仮定し、416はこれから先の戦いへと覚悟を決める。
島の裏側へと回っていた大発はいつの間にか到着しそうで、いよいよの戦闘開始に416はC4の詰まったバックパックに手を掛けた。
到着までの数十メートル、彼女はテキパキと準備を進める。バックパックを背負ったり、弾倉のチェックを行ったり、薬室に弾を送り込んだり。
後は島に上がるだけとなった416は、船の先頭へと移動する。
やがて大発動艇は岸に乗り上げる。すると船前方の板が倒れ、防壁が歩行板へ早変わりした。
さあ、南側で奮闘する彼女たちに続き、任務をこなす時だ。
「――行動、開始」
416は大発から足を踏み出し、島の中へと駆け出した。
島はこの世界に迷い込む前にいたあの森のように、鬱蒼と木々が生い茂っていた。
だが今回は当てもなく彷徨い、逃げているわけではない。
ちゃんと向かうべき地点があり、撃滅すべき目標を持ち、そして終わった後に帰るべき場所があるのだ。
「そして情報通りならこの先に……あった」
彼女はブリーフィングでインストールした情報を頼りに、木々の間を進んでいく。
すると目の前には、広くコンクリートで平面に固められた、まるで飛行機の発着場のような空間が広がっていた。
ところどころには黒色の大きな倉庫。その中からは、双眼鏡で見たあの異形の戦闘機が続々と出てきている。
そして、直前に彩雲で得た情報通り、南側にはあの不気味な砲台がいくつも乱立していた。
基本的な高角砲をベースに、両側には赤色に光る機械的な目が。そして何よりもこの砲台小鬼を不気味たらしめるのは、短い二脚の足だろう。
この足が、この砲台を生物と非生物の間を彷徨わせ、見た者に何となくではあるが不気味さを与えるのだろう。416こそ人間のように見えてそうではない何かではあるのだが、それとこの砲台小鬼とはまた話が違ってくる。
「砲台子鬼は装甲が固いが、C4でその装甲を吹き飛ばせばとどめを刺せるだろう」
出発前に司令官から聞いたことだ。奴は陸上に居座っているとはいえ元は深海棲艦なのだから、イ級と同じく倒すことが出来るだろうと。
そして深海棲艦自体は、人間の既存の武器では完全に破壊は出来ないというが、傷をつけられないわけではない。
だからこそ、効果的に撃破するために彼は爆薬を416に持たせたのだ。
『今から艦砲射撃を開始します!私たちは出来るだけ南側を狙うので、そこには近づかないようにお願いします!』
そこへ丁度、榛名からの無線とともに無数の砲弾が到来した。
雨のようにそれは降り注ぎ、砲台群へと衝突していく。
着弾した弾は砂煙を巻き上げ、辺り一帯を覆い隠す。
それと同時に、416は倉庫の後ろへと駆け込んだ。
しばらくすると砂煙も晴れ、砲台の形も薄ら見えてくる。
砲弾でめちゃくちゃになったと思われた砲台子鬼だが、実際見えてきたのは装甲が剥げたと思われる姿だけ。破壊に至った個体はなかった。
同時に砲台たちが一斉に報復射撃を始める。基地の地面を通して、416にまで振動が伝わってくるほどの超威力だ。
さて、この砲撃で榛名たちが撃滅されないうちに、地上の施設を早急に吹き飛ばさなければならない。
そのため飛行場を縦横無尽に動かなければならないのだが、幸い砲台子鬼は例の艦隊の方に夢中になっているのか元気に発砲しているだけで、基地をうろちょろしている416には気付くそぶりも見せなかった。
「作戦成功ね」
目論見どおりおとり作戦が成功していることに416は喜びを噛みしめ、早速倉庫に爆薬を仕掛け始めた。
施設の外周から等間隔にプラスチック爆弾を設置し、ケーブルを引き出す。
これだけの爆薬全てが無線式だと莫大な予算が必要なため、有線式であるというのは416も理解していた。
ケーブルは手元のリモコンに繋がっている。安全カバーを外し、スイッチを押せば、接続されている爆弾は派手に起爆するというわけだ。
倉庫の中にも仕掛けるために、一瞬だけ顔を出して中を覗き込む。
機体のストックはなくなったのか、戦闘機は全く出てきていなかった。
あのようなおぞましい物体が無尽蔵に出てきていた施設の中など入りたくもないが、これも任務である以上仕方がない。自分のことを信じて戦っている者たちもいるのだと、意を決して416は中に入る。
「う――」
中はまさに地獄のような空間だった。
いわゆる肉壁、壁のいたるところが何かの肉で出来ており、その中からあの異形の戦闘機のような物体が生えてきていたのだ。
腐食したような悪臭が漂い、視覚効果も相まって人間だったらとっくに嘔吐していたところだろう。
そんな不快極まりない空間を地上から消し飛ばすべく、416はさっさとC4を仕掛ける。
「最悪の気分よ、まったく」
為すべきことを終えると、彼女は一目散に外へと走り、森の方へと退避を始める。
そして無線機のスイッチを押すと、洋上で戦っている彼女たちに向けて話しだす。
「とりあえず施設に爆薬は仕掛け終えたわ!砲台の方はどうなってるの?」
『砲台の方は大分装甲剥がしたから大丈夫っぽい!でも、榛名が被弾して結構ボロボロっぽい!』
「分かったわ、無理はしないで。じゃあ砲台に爆薬を仕掛ける必要はなさそうね」
今まで元気に応答していた榛名の代わりに夕立が通信に応じたということは、向こうもそれなりに余裕がなくなってきたのだろう。
早いところ安全区域に逃げ、起爆しなければ。
『416さん!島から無数の戦闘機が浮上しています!そろそろ吹き飛ばせませんか!?』
すると次は赤城のものと思われる声が耳に飛び込んでくる。走りながら振り返ると、確かにあの飛行機が次々と飛んでいくのが見えた。
「あと数秒耐えて!あの爆薬の量、施設の規模だと、飛び散った破片が私に当たる可能性がある!」
『分かりました……!瑞鶴さん、もうひと踏ん張りお願いしますね!』
爆発で飛び散った破片というものは、思っている以上に危険なものだ。
もし体にそれが当たろうものなら、最悪身体を穿つかもしれないほどである。
安全な距離まではあとほんの数十メートル。それを走り切って、あの黒い奔流を止めなければならない。
「あと少し……!」
持ちうるすべての力を使って、無防備に疾走する。それも、島にあれ以上の敵がいないと分かっているからこそできることだ。
そして、危険な距離を抜けた瞬間、
「くたばれッ!」
その手に握られているスイッチを押した。
――後は、壮絶だった。
施設の中から外から煌々と爆炎が噴出し、空へと巻き上がる。
衝撃に耐えられなかった建造物の破片が辺りにまき散らされ、大地へと突き刺さる。
今か今かと大空への飛行を待っていた多くの異形の戦闘機は、その夢も叶わず肉壁ごとぐちゃぐちゃになって爆発の圧に押しつぶされた。
耳を押しつぶすような轟音。それと同時に、深海棲艦の基地は今地上から一つ消し去られたのだ。
だが。
『416よ!今の爆発に気が付いた砲台子鬼が一斉に振り向いたぞ!退避するのじゃ!』
「そりゃそうよね……っ!」
利根の報告とともに南側へと視線を向けると、砲台子鬼たちが爆発のしたほうへ振り向いていた。
そして運の悪いことに、その中の一基が、416に向けて砲門を向けていたのだ。
『逃げるのじゃ!いくらなんでも生身では勝てん!』
「言われなくたって逃げてるわよ!」
そもそも利根からの通信が入る前から逃げていた。以前はイ級をこの手で退けたとはいえ、流石の彼女でもあの数は絶対に相手は不可能だ。
森の中へ姿をくらまそうとした瞬間、砲撃の光が見えた。
「――間に合わない、なら!」
演算装置で弾道を図り、退避が困難なことを察した416は、振り向いて飛翔体に照準を一瞬で合わせた。
そして引き金を引く。以前と違って今は消音器が付いているため、発砲音は間抜けな音のみ。
だが質量体は以前のように砲弾の軌道を逸らす。音は変わっても威力は弱くなることは無いのだ。
狙い通り、砲弾は416の左側へとそれ、木をいくつかなぎ倒すだけに留まった。
「サプレッサーの初使用が被発見時だなんて笑えるわね!」
悪態をつきながら416は木々の間へと逃げ込んでいく。さらにもう一度砲撃の音が聞こえたが、今度は彼女にかすりもせず地面に衝突したようだった。
「あとは離脱するだけ。なかなかメンタルに悪い任務だったわ」
心なしか安心感を見せつつ彼女は走る。
そして停泊していた大発動艇が見えてきたころ、
――急に足首を掴まれた。
「――ッ!?」
走っていた運動エネルギーを殺しきれず、前のめりに倒れこむ416。受け身を取りつつ素早く足首を確認すると、彼女は一瞬思考停止してしまう。
何故か?答えは簡単だ。
「なんで……なんでここに、鉄血が――!?」
この世界にいるはずのない、両足を失った、鉄血人形が倒れていたのだ。
鉄血は左手で足を掴んだまま、右手の得物を416に向ける。
バッテリーの電圧が足りないのか右腕は震え気味だが、やがて銃口が確実に416を捉えると、
「クソッ!」
ライフルストックに頭をたたき割られ、両手の力を失った。
416はさっと立ち上がり、事切れた鉄血人形を何度も何度も踏みつけた。
そして弾倉の残り少ない弾を全て贈ると、我を取り戻したのか彼女は後ずさりしつつもその場を後にした。
大発動艇に駆け込み、エンジンを掛ける。船体は程なくして動き始め、大海原に漕ぎ出す。
ふと島を見ると、艦隊が活躍したのか、あちこちに火の手が上がっていた。
「……脱出に成功したわ。そっちはどう?」
『――何とか撃滅できました。目標達成ですね、帰りましょう。……すみません、大きく被弾して、今まで通信を取る余裕がありませんでした』
「あ……いいわよそれくらい。こうして無事任務は遂行できたのだし」
気が付けばひっきりなしに聞こえていた轟音も、今はぴたりと止んでいた。榛名の言う通り、奴らを片付けることが出来たのだろう。
「だけど、報告しなきゃいけないことが……。いえ、それは帰ってからにしましょう。今はただ、お疲れ様」
『はい。お疲れさまでした』
しばらく船の上で揺らされていると、前方に六人の姿があった。榛名たちの艦隊だ。
夕立がこちらに気が付くと、両手を振り上げて存在を誇張した。
その姿に少し頬を綻ばせる416だったが、彼女の中では例の件が気がかりでならなかった。
――なぜこの世界に鉄血が?
あれは模造品でも類似品でもなかった。この世界の技術であのレベルの人形を作れるとは到底思えないし、破壊した際に出た破片や部品はそれが非生物であることの証明になっていた。
『――最近、この周辺のエリアで空間の歪みが観測されているらしいわ』
いつか聞いた言葉。
まさかとは思うが、歪んだ空間に消えたものの行先は――
念のため帰投したのち、この脅威を報告しなければならないのかもしれない。
だが今は大人しく帰ろう。少しばかり、勝利の余韻に浸るのだ。
「任務完了。帰投するわ」
416は艦隊の最後列に付く。そうして彼女は無線機に手を掛け、いつもの癖で連絡をした。
例のごとく投稿に帰還が空いてしまいました……。ずびばぜん!!!!!(鼻声)
何か島に鉄血と思わしきなんかがいましたね(抽象的)。いったいこれは何を示しているんでしょうかー。
榛名「ところで、私たちの活躍は全く映りませんでしたね」
夕立「夕立は戦闘機墜とすかっこいいシーンがあったから満足っぽい」
瑞鶴「私なんて精々彩雲打ち上げたのが書かれたくらいよ」
利根「いや吾輩もな――」
赤城「いやいや皆さん――」
山城「……私、名前すら出てきませんでしたけど……」
全員「……」
山城「不幸だわ……」