【ONE PIECE】天駆ける竜   作:柚木 彼方

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またオリジナルキャラクター出てきます。
これから兄弟どちらかと再会するまでオリジナルキャラクターかなり出てくる可能性高いので、苦手な方は注意。






2.換金所と何でも屋

黄ばんだ地図片手に船を寄せた島は、かなりきれいで派手な街があった。換金するところもありそう、助かったあ。

通りすがりのお姉さまに「はぁい、かわいいお嬢さん」なんて手を振られて、私の気分は絶好調であります。

…にしたってまあ……派手な女性が多いなあ。服も、顔も。

道の途中には美容院的なおしゃれなお店もあるけど、うーん。私はロングがいいかな。

 

なんせ、私は母上似のマイルドな顔。対してここの方々はハデというか、はっきりしたお顔。あっちがコーヒーゼリーなら私はまろやかプリンである。

まろやかプリンに元気はつらつショートカットは似合わない気がするな、と肩を竦めた。

 

とりあえず、本来の目的である換金所に足を向けた。

こんなに派手な街の中に建っているのに、ここの店だけ落ち着いた雰囲気なのは、なにか理由があるのだろうか。

 

ドアを開けると、カランといい音がした。ドアにベルがついている。

そっか、ここ換金所だし、誰か来たとき分かんないとお金盗まれるかもしれないもんね。

 

 

「……おやまあ、小さなお客さんだね」

 

「ふぁっ!?」

 

 

考え事をしていたら、後ろから声をかけられた。い、いつの間に!!?

私が目に見えて怯えているのがわかったのか、主人らしき女性はくすっと笑った。落ち着きのある、大人の笑みってやつだ。いいなあ……。

見たことのないパイプ…キセル、って言うんだっけ? それを子供の前だからか懐にしまった店主さんは、換金カウンターの中にあるイスにどさっと腰かけた。

 

ああ、動作ひとつひとつが色っぽーい。

 

 

「ようこそ、換金所“ザクロの実”へ。…なにか御用かしら、お嬢さん?」

 

「は、はい! あの、これ、お金になりますか?」

 

「ん……?」

 

 

カバンから出した飴玉……と見せかけた宝石を、ころころと取り出した。

私に価値はわからないけど、一応宝石。そんなに安くはならないだろう。

女性は差し出された宝石を色々な角度から見て、明かりに照らして、触ってーーーフゥ、とそれをカウンターに置いた。

 

 

「……お嬢さん、これ、どこから盗って来たんだい? かなり良いものじゃないか。…だいぶ高い貴族しか持ってないような物だよ。例えば、世界貴族とかね。…返してきな」

 

「違います。それ、私のです。家から持ってきました」

 

「…何だって? じゃあなにか、お嬢さん世界貴族かなにかかい?」

 

 

はい、元。

なんて言えるわけないから、「いやその…ちょっと」と言葉を濁す。

元天竜人だとは言えなくても、盗人と思われるのは心外だった。

 

 

「とにかくそれを売って、お金を集めなきゃなんです。商売初めて、人脈広げて、家族を捜さなきゃ」

 

「商売? お嬢さんが? その歳で?」

 

「私の船には、珍しいものとかたくさんあるから…珍しいもの屋さん、します」

 

「ーーーップ、あはは!」

 

 

不意に、女性が吹き出した。お腹を抱えてけらけらと笑う姿は、私と変わらない少女のように見えた。

「あは、お腹いたい」と笑う姿にきょとんとする私を見て、女性は涙を拭ってまた笑った。

ち、ちょっと!?

 

 

「いや、ぁ、ゴメン、面白いねぇお嬢さん! 珍しいもの屋かぁ、そりゃあいいや!」

 

「いいと思ってる笑い方じゃない気が…」

 

「いや、いいよ! いい! よし、オバサン協力しちゃおう! お嬢さんの商売をサポートだ!」

 

 

元気なきらきら笑顔で女性はグッと親指を立てた。ど、どういう? と頭にクエスチョンマークを踊らせている私に、女性ーーーアオさんというらしいーーーは内容を教えてくれた。

 

まず、私のところに客が来て、物を買ってお金が入る。そのお金の少しをアオさんのお店に渡すことで、アオさんのお店から好きなものを取ったり、アオさんの人脈で手に入るものを私にくれたりする、ということ。

すると、私のお店には何でもあるようになる。だからーーー

 

 

「何でも屋をやりゃいいじゃないか!」

 

「な、何でも屋って…! そんな大層な」

 

「珍しいもの屋よりはいいと思うけどね?」

 

「うぐぅ……」

 

「心配すんなって! いいものあるんだ!」

 

 

そう言ってアオさんが出してきたのは、…なにこれ、手袋? 白い薄めの手袋だ。

防寒性は無さそうに見えるその手袋を自慢気に掲げて、アオさんは笑った。秘密兵器だ、と。

 

 

「これ、不思議な手袋でさ。なんか昔の魔女が作った、とか悪魔の持ち物、とかウワサのある手袋なんだけど…不思議な力があって!」

 

「不思議な力?」

 

「ドアとか窓とか、空間と空間の境の扉をこの手袋を着けて開けると、その先が自分の行ったことのある、思い描いた場所になってる」

 

「……なにそれ」

 

 

理解しがたいが、アオさんが「契約の記念にあげるよ」と言ってきたので有り難く貰うことにした。

…そっか、これでお客さんができて、そのお客さんに呼び出されても行けるってことですね。

何でも屋にはもってこいの道具だ。ひええ。

 

とりあえずアオさんとの契約も済ませて、さて。思ったよりトントン拍子で話が進んでるから驚いちゃう。

 

 

「それよか、この“何でも屋”っていうのを広めなきゃ」

 

「そうねえ。まあチラシとかはこちらでつくってあげるけど…宣伝力としては、イマイチかもね。…あ、そーだ」

 

「なんですか?」

 

 

悪戯っぽい笑みを浮かべたアオさんが、唇をチロリと舌で舐める。

めっちゃ妖艶だけど嫌な予感しかしないぞ。

アオさんは口角をニッと上げて、私を指した。

 

 

「海軍に商売しなさいな」

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