【ONE PIECE】天駆ける竜   作:柚木 彼方

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6.成長とはすごいもんで

何しよっか、と問いかけたその時、ロシーがパチンと指を鳴らした。

 

 

「“サイレント”」

 

 

え? 今、喋らなかった?

と言おうとしたのだが、私たちの周りを謎のドームみたいなものが覆って口をつぐむ。

これは…悪魔の実の、能力?

驚いてロシーの顔を見た。額には汗が浮かんでいる。

 

 

「…姉上、…悪い」

 

「コラソン……ロシー」

 

 

私の顔色を伺うようにするロシーだけど…。これは一体、どういうことなのかな?

疑問しか浮かばない、という私の顔を理解したのか、ロシーはとても簡単な答えを出してくれた。

その事実に、開いた口が塞がらない。

 

 

「MC.01746、ドンキホーテ・ロシナンテ中佐。…それが、おれだ」

 

 

騙すようなマネしてすまない、というロシーの声は、昔よりず~~~っとかっこよくなっていた。

なに、うちの弟たちイケメンな上にイケボなのか!

あ~あ、私もきっと男に生まれてたらイケメンだったんだろうな。イケメン三兄弟だったんだろうな。

いや、この二人のところに女として生まれるんだったら、妹がよかったかも。

こんなイケメンが兄上、なんて最高だろうから。

ないものねだりしたって虚しいだけだけどさあ。

 

 

「そっかそっか、24で中佐! いいね、出世コースじゃない? 姉上嬉しいなあ」

 

「…!? お、怒らないのか?」

 

「へ? 何に? どうしてうちの弟たちこんなイケメンなんだって?」

 

「い、いや! そうじゃなくて…おれの、仕事で」

 

 

ロシーの仕事。ロシーは海軍で、ドフィは海賊。要するに敵同士ってことは…うん?

ロシーは転職したの? あれ?

 

…あ、そうか!

ロシー潜入か! 潜入調査っていうあれか!

なるほど、それでばれないように顔にペイントして、そんな奇抜な格好してるわけね? 理解した!

へーぇ、ほーぉ、と頷いていたけど、「特に言うことなし」とロシーに笑いかけたら変な顔をされた。

 

 

「だってロシーの仕事じゃん? 仕方ない仕方ない。間違ってるとは思ってないんでしょ?」

 

「ああ、いや、そうだけど…」

 

「ならいいと思うけど? てか、ロシーが海賊って合わないなって思ってたんだ。逆によかった!」

 

「……!」

 

 

だってあんなに優しいロシーだもの。そんなことするわけないよね。

だってそれぞれに歩んだ道だし。ロシーが選んだなら文句は言うまい。

 

つーか姉上は心配です。ばれた場合ヤバくない? ってな意味で。

基本姉上は中立だからこの件に関してはドフィに言いませんけど、これからヒヤッヒヤだなあオイ。

 

手をふるふると震わせて私を見るロシーはどうしたんだろう。

すんごい泣き笑顔だけど。何があった。

 

というか最近襲撃多いなって思ってたのはロシーが原因だったんだね。

ロシーが来たとたんだから、ちょっと怪しいかもしれない。そこに関してはたぶん上の人が決めてるんだろうから、何にも言えないけどさ。

ばれないでほしいし、ドフィにもあんまり捕まんないでほしい。でもロシーには海軍やっててほしい。複雑な心境だ。

 

 

「まぁ、いつだって姉上はロシーの味方だからだいじょーぶ! 潜入に関しては何とも言えないけど、応援してるからさ! ドフィもちょっと応援してるけど」

 

「…ッフ、はは! ああ、姉上はそれでいい。…それがいい。巻き込みたくないしな」

 

「……けどドジなロシーが潜入か…ふぅん、へぇ」

 

 

ここに来るまで色んな苦労があったんだろうな、と考えて撫でまくりたくなる。

…ああそうだ。

 

 

「それ、音消したりする能力? 便利ね!」

 

「! ああ、よく分かったな。ナギナギの実だ」

 

 

姉上がドフィ側じゃなくて良かった、と笑う姿はもうイケメンだ。

ドフィがラスボス系イケメン(?)なら、ロシーは爽やかイケメンだな…うーん、これはいい。

特にステータスない姉上でごめんな、ドフィ、ロシー。心の中で静かに謝っておいた。

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