IS METROID BTMOF【連載停止】   作:刃狐(旧アーマードこれ)

6 / 8
ここで書いていた事は「足を怪我してバイトを休みました」程度です、何でこんな事書いたんでしょうね


ミッション05 勝利・友情

続いてセシリア・オルコットとの試合

今度は地面に着地をせずに空中でホバリングする、うむ、飛行にもかなり慣れたな、まだまだ一流とは言えないがそれなりな空中機動を繰り広げれそうだ

 

「…来ましたわね、アランさん」

『そりゃあ来るさ、それよりそちらは修理できたのか?』

「えぇ、ご心配なく、元々それほどダメージを受けていなかったので」

 

束から既にビットの存在は聞いている、弱点もな、あちらはパワードスーツをある程度知っているのだろうがこちらはブルーティアーズの全てを知っている

すまないが直ぐに落とさせてもらうぞ、オルコット

 

試合開始のブザーがアリーナに響く

 

「覚悟は出来たか?」

「そちらこそ、踊る準備は出来ましたか?わたくし、セシリア・オルコットと、ブルー・ティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)を!」

 

オルコットが大口径ライフルを連続して発射、的確に私の居る場所、私の移動先の予測地点へと着弾させる、なるほど確かに射撃の腕はいい

だが空中で回避することは可能だ、重力など無いに等しいようだからな

 

「くっ!流石ですわね!天地など無意味という事かしら?」

『ふむ、もう少し速度を上げてみるか?』

 

アダムの意見通りライフルのチャージで加速用意、射撃の瞬間にサイドブーストで回避する、先程よりも大幅な回避になるが相手にとっても予測はし辛い回避だ

ブーストを連続で吹かし回避、移動、射撃、移動、回避と連続で繰り返す

自分でも良く分からない移動方法だ、一応視界の中心に移動しながらもこちらを射撃してくるオルコットを捕らえ続けてはいるが双方とも当らない、いや、私の攻撃は何度か当っているか

オルコットの焦る様子が見て取れる、そろそろビットを展開するだろう

 

「速すぎますわね…!いいでしょう、行きなさい!ブルー・ティアーズッ!!」

『来たぞ、どうする?』

「レーザービットを全て落とす」

 

その前にまずはブラフを撒く、ビットを諦めざるを得ない選択を強制させて貰うぞ、オルコット

パワービームチャージ…いいぞ、見ろ、警戒しろ、それでいい

 

「…ッ……!」

 

そうだ、離れろ距離を取れ、急加速による連続上昇、オルコットを大きく見下ろす形となる

逃げ惑えば逃げ惑うほど有効になる、動き回っている間は有利になる

チャージエネルギー変換、ミサイルエネルギーを五発消費、エネルギー複合、スーパーミサイル形状生成、射出、スーパーミサイル加速シークエンス作動、加速開始

 

「直線的なミサイル…!ふん、この程度簡単に避けれますわ!」

 

オルコットが大きな余裕を持って回避、スーパーミサイルが地面へと着弾する

直後着弾位置がアリーナを埋め尽くす轟音と共に木っ端微塵に吹き飛び一瞬数メートル級のぴったり半円のクレーターを形成

周囲の地面さえも巻き込み礫砂が弾け飛ぶ、結果10メートルを越えるクレーターとなる、中心地点の地面はスーパーミサイルの膨大なエネルギーにより融解し赤いマグマとなり中心に溜まる

周囲の温度を急激に上昇させ、またマグマの温度を周囲が奪い取り黒く変色していく

その瞬間エネルギーは小規模の核にも匹敵する

 

「うっ…!くっ!な、何て常識外れの威力ですの?!」

 

直撃すればシールドエネルギー全てを使っても防御しきれず絶対防御も強制発動、間違いなく生命危険領域へと片足を突っ込む威力だ

これでブルー・ティアーズ、ビットを落とす用意が完了した

ちなみに対IS用に制限したスーパーミサイルのエネルギーは25%だ、つまり先ほどのスーパーミサイルは75%の威力である

 

「迂闊に自分の体を晒せませんわね、守りはわたくしの騎士に任せるとしますわ、戻りなさい!」

 

セシリアがビットを2機自分の下に戻す、残りの2機は私の周りを飛び射撃を繰り返し行動範囲を制限する、無論戻した2機を待機などさせる訳も無く自分の手元から射撃させ、私にダメージを与えようとしてくる、流石にコレを全て避ける事は敵わず何度か被弾してしまう

 

「さぁ、どうします?このままでは負けてしまいますわよ?」

「そうだな、では…反撃と行こうか」

 

パワービームチャージ、完了

ビットの一機が私の後ろで射撃しようとするのにあわせてブーストを作動させて高速で振り向く

振り向き様に一瞬でビットをロック、チャージビーム発射、ミサイルへと一瞬で切り替えチャージを開始する

 

「ふふ!わたくしのブルー・ティアーズが射撃する瞬間を狙ったのはいい判断ですわ!でもわたくしも学ぶのですよ?一夏さんに尽くブルー・ティアーズを破壊されましたもの!」

 

軽々とチャージビームを避けられる、だが私の目的はビットの破壊ではなくミサイルの無駄撃ちを防ぐためにチャージビームを撃ったのだ

再度ブーストを使用しオルコットへ振り返りアームキャノンを突きつける

 

「…ッ!またそれをするつもりですか…!!」

 

アームキャノンの銃口部分に高圧エネルギーが蓄積され球体エネルギーが生成される、それは先程スーパーミサイルを撃つ前にわざとチラつかせたチャージエネルギーに似ている

 

「撃たせませんわ!!」

 

オルコットはビットを全て自分の付近に戻し周囲で細かく動かしながら私へと連続射撃をしてくる、場所自体は前方だけな為避ける事は容易い、だがビットの射撃をずらしているため隙が無い

だが関係ない、何も撃つのに止まる必要など一切無いのだから

No.1 ビット ロック No.2 ビット ロック No.3 ビット ロック No.4 ビット ロック No.5 IS ブルー・ティアーズ ロック オールターゲットロック

 

「避けてみろ」

「?!」

 

アームキャノン展開、5発動時にミサイルを発射する、狙うは全てのビットとオルコットのISだ

先程見せたスーパーミサイルはこの為の物、理由はじきに分かるだろう

 

「っくぅ!!」

 

オルコットはビットを放置し上方に急上昇、つまり大きく回避したオルコット以外の全てのビットにシーカーミサイルが直撃する、エネルギーエクスプロージョンに巻き込まれたビットは小規模な爆発を連続して起こしながら地面へと墜落していった

 

「な…!先程のミサイルではなかった?!」

 

事前に聞いていたオルコット本人の弱点を突いた結果だ

事前に聞いていた弱点「自分が動きながらのビット操作が出来ない」つまりすべて同時に狙えば自分を犠牲にするかビットを犠牲にするかの二択になる訳だ

そして先程見せたスーパーミサイル、あれを食らえば間違いなく試合が終了する、それも最悪の結果を伴ってだ

もし相手は勘違いしてスーパーミサイルを5発動時にロックオンし、発射できると思っていたならビットを捨ててでも自分が回避しなければならなくなる

その為最初に見せたスーパーミサイルはただのブラフなのだ

これでビットはミサイルビット2機、他の武器は近接ブレードと大口径ライフルのみだ

 

「…これでこちらが圧倒的に不利になりましたわね…ですが!」

 

オルコットの腰に付いているパーツからミサイルが射出される、これがミサイルビットだったのか

そう思って回避行動を取ろうとした瞬間にオルコットがライフルをミサイルに向け撃った

爆発、爆炎と煙が私とオルコットの間に張られる

ライフルを撃たれると想定し警戒をする、すると煙を跨ぐように何かが飛んできた

その飛んできた物体に視線とアームキャノンを向ける

 

「インターセプターッ!!」

 

前方から声が発せられる、私のパワードスーツにもISに劣っている所は幾つかある、これもその一つ、パワードスーツには「ハイパーセンサー」のような物が搭載されていない、そのため360度を常に見ることが出来ない、前方しか見れないのだ

オルコットが煙を突き抜けブレードを斜めに振り上げ斬りかかって来ていた、既にブレードを振り下ろせば私に直撃する距離だ

 

「はぁっ!!」

「ッ…!」

 

咄嗟に後ろへとブーストを起動させる、胸部に掠りはしたが何とか回避成功、束め、何が「近接戦闘が酷くて目も当てられない」だ、ウィーベルに近付く程の太刀筋だぞ

距離を取って続いて来るであろう斬撃の連打かライフルの射撃に備える、がここでも予想外の行動をオルコットが取ってきた、事もあろうかブレードを投げてきたのだ

 

「っふ!」

『(ほぉ、コレは凄い、是非とも銀河連邦に欲しいな、磨けば光るぞ)』

 

飛んできたブレードを空中での高速サマーソルトで弾き飛ばす、アダムがオルコットを気に入ったような旨を言う、確かにもっと腕が上がればとてもいい人材になるだろう、私の背中を預けてもいいぐらいには、それと性格がよくなれば…

 

サマーソルト終え正位置に、つまりオルコットを正面に捕らえるとオルコットはライフルを構えていた、いくらなんでも切り替えが早すぎる、どうやって…!

 

「ぐっ!」

 

被弾した、ビットよりも攻撃力は高いな、もし私が一般的なISと同じ防御力で同じエネルギー量ならばかなり苦しい状況に陥っているだろう

連続して撃ってきた弾は身体を反らし回避する、身体を半回転させ右腕、つまりアームキャノンをオルコットの方へと向ける

武器切り替え、発射着弾

 

      ビ―――――――――ッ

 

[試合終了 勝者―――サムス・アラン]

 

オルコットがゆっくりと地面に着地しISを解除する、私も地面へと落ち、着地するとパワードスーツを解除した

 

「アランさん」

 

私に歩き寄って来たオルコットが声を掛ける、一体何なのだろうか

 

「私の完全な敗北ですわ、アランさんは…とてもお強いですわね」

「オルコットこそ、とても強かった」

「ふふ、ありがとうございます…わたくしのことはセシリアとお呼び下さいな」

「私の事もサムスでいい、セシリア」

 

セシリアがクスリと笑い右手を差し出してくる、握手か、だがこんな大人数のど真ん中で握手というのは少々気恥ずかしいな、だが無視するのは駄目だろう

 

セシリアの手を取ると凄まじい大歓声がアリーナ内に広がった、元々煩かったのがなお煩い

 

『セシリア、サムスは中々に気難しい奴だが出来れば良くしてやってくれ』

「勿論ですわ、それとアダムさん?」

『なんだ?』

「女性をからかうのはいただけませんわね、もっと紳士であるべきですわよ」

『ふむ、それは申し訳ありません、ミス・オルコット』

「ふふふ、よろしい」

 

オルコットが無邪気に笑っているが…やはりこの笑顔は私に出せそうに無い、そろそろ笑顔の件は諦めた方が良さそうだな

 

[両名、ピットへと戻れ!]

 

この声は織斑先生か、彼女の出席簿による攻撃を受けた事は無いが恐らく途轍もなく痛いのだろう、勘弁願いたい

 

「では後でな、セシリア」

「えぇ、それと後で聞かせて頂きたいことがありますの、よろしいでしょうか?」

「その時の内容による」

「では後でお会いしましょうサムスさん」

『また後で』

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ふぅ…」

「サミー!サミー!」

 

ロッカールームでシャワーを浴び着替えてから一息付いていると聞き覚えのある声と共に走ってくる人物がいた

考える必要も無いが間違いなく本音だ、ふいと顔を上げる

 

「凄いね凄いね~!おりむーがばーん!ってして~ドヒャアってして~ヘッハットゥで~」

「落ち着け本音、それよりも…彼女は?」

「ぁう」

 

興奮する本音の頭を押さえ身体を方向転換させもう一人の少女へと視線を向ける

本音が若干変な声を出したがなに、問題無い

 

「え…と、その…さ!更識簪!…です」

「サムス・アランだ」

 

若干内気そうな髪の毛がライトブルーの少女が自己紹介をする、こちらも名乗り返し握手を求めてみる

 

「え、あ、あの…よ、よろしく…お願いします」

『私はアダム・マルコビッチだ』

「わ!きゃっ!」

「あはは~かんちゃん驚いてる~」

 

握手をしようとした手を伸ばした瞬間にアダムの声を聞いて驚いたのか飛び跳ねて尻餅を突く

流石に驚きすぎではないのだろうか、この少女は

 

「ほ、本当だったんだ……」

『何がだね?』

「んふふ~かんちゃんはねーまるるーが本当に喋るのー?って考えてたんだよ~」

 

なるほど、確かに信じがたい事ではあるだろう、束でさえ驚いていた事だ

…束で思い出した、セシリアの事で実際と情報が食い違っていたと言わなければならないな

 

「あの…アランさん!…さ、さっきの…マルチロックミサイル…って…」

「…機密だ、情報は与えられない」

「なら仕方ないよ~かんちゃん~」

「そう…ですか…」

『すまないな、だがそれほど珍しいものか?』

 

アダムの言葉に少女は口を開けたまま驚きの表情を作る、ココではマルチロック機能は難しい物なのだろうか、連邦でもそれなりに普及していた技術なのだが…

いや、確かに私のシーカーミサイルほど着弾にズレの無いマルチロックは難しいかもしれないがそれでもココの技術で実現可能なレベルだ

正直個人的な感想で言うとマルチロックミサイルよりもセシリアの使うビットの方がテクノロジー的に後の物のはず

 

「いえ…何でも…ないです…ありがとう…ございました」

 

肩を落として彼女、更識簪がトボトボと歩いていく、本音は私と更識簪を何度もオロオロと見て最終的には両手の袖をを振り回しながら「まって~かんちゃ~ん」と走って(かなり遅い)更識簪を追いかけていった

 

私も引き止める者がいない時点でこのロッカールームにいる必要など微塵も無い

それなりの速さで歩きロッカールームを出た

 

「アラン、話がある」

『織斑千冬…一体どうしたんだ?』

「…織斑先生だ、と言いたい所だがマルコビッチは生徒ではなかったな」

「何の用でしょうか、用件をお願いします」

 

ロッカールーム直ぐそこの壁で腕を組み壁にもたれ掛かっていた織斑教師が私を呼び止めた

 

「…二つだ」

「答えれる範囲で答えましょう」

「私は教師であると同時にISでのかなり高い位置にいる、それでも私に全てを話す気は無いか?」

『貴女なら聞いているはずだ、束でさえ教えれない事があるんだ、守秘義務は絶対なのでな』

「やはり…か」

「で、聞きたいこととは?」

 

苦虫を噛み潰したような顔をした織斑先生が嫌々自分の立場を私に言ってくる、言いたくない物ならば言わなければ良いのに

 

「まず織斑との試合で零落白夜を受けたのにも拘らず耐え切って見せた事について聞かせて貰おう」

『単に耐えただけだ』

「…アレはISのシールドエネルギーの1000や2000など一瞬で消し潰す攻撃力がある、それを耐えただと?」

「……受けたダメージは208です」

「208だと?!馬鹿を言え!そんな防御能力を持つISなど!…束でも作れないぞ…!!」

『…この件についてこれ以上は教えられない』

 

「っ……ならば次だ、オルコットとの試合で使ったあの馬鹿げた威力のミサイル、アレはなんだ」

『通常のミサイルより強力なミサイルなだけだ』

「…あれがアランの持つISの最高威力か、お前のISは…軍用なのか?」

「アダム…」

『構わない、私が判断を下す』

「アレは75%の威力です、それと…まだ高威力の武器はあります」

 

もう既に所持していないがアレンビッククラスターで手に入れた最後の武器…いや、兵器「オメガキャノン」着弾位置周囲一定空間内で特殊フィールドを形成し超高圧帯のエネルギーを一瞬で充満させ空間を捻じ曲げ抉り取り圧縮、瞬間的に爆発させる兵器

全ての武器で一切ダメージを与える事が出来なかったゴリアソウルに莫大なダメージを与え破壊した恐らく最強の兵器

生命体は一瞬で蒸発し、蒼い人型の炎となって消滅する、幸運にも私はオメガキャノンを取り込んだ際に耐性エネルギーが形成され目の前でオメガキャノンが着弾したとしてもダメージを受けただけで済んだ

 

「…あれが制限された威力だと?アラン、お前は…お前はそれで何をするつもりだ」

『ここまでだ、これ以上は許可できない』

「……」

『納得できないと言う顔だな、ならば織斑千冬、大サービスだ、束にも教えていない事を教えてやろう』

「アダム、いいのか?」

『コレぐらい構わないだろう、サムスのパワードスーツのステータスはほぼ全て25%近くまでカットしている』

「!……お前は…この世界に居てはいけない者なのかも知れない…」

 

織斑教師がふと目を細めて私を射殺すかのような目で見る、しかし直ぐに目を伏せた

 

「…すまない、教師が言って良い事ではなかったな…」

「いえ、構いません」

『では、私達は行かせて貰おう』

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「あら、サムスさん!遅かったじゃないですか、言葉は不要ですか?」

「セシリア、いやな…本音と織斑先生に捕まってな」

「それはそれは、お疲れ様でしたわね、わたくしの部屋にいらっしゃいます?紅茶をご馳走しますわ」

『行かせて貰おうか、まぁ私は飲めないがね』

「それは残念ですわ、最高の茶葉をご用意致しますのに」

 

おかしいな、コレほどいい性格だっただろうか…まるで別人ではないか、まぁ悪くなったわけではないから構わないが

 

セシリアの後ろを歩き部屋へと案内して貰う、私の部屋へ向かう道とほぼ同じか、まぁ寮だから当たり前といえば当たり前なのだが

ん、私の部屋だ…本音はもう帰っているのだろうか?

 

「ここですわ、サムスさん。同室の方に許可を頂いて来ますので少々お待ち下さい」

「あぁ」

 

…私の部屋の二つ隣だったとは、意外と近かったんだな

何だ、部屋の扉を少しだけ開けて私を見ていたり廊下の遠くから私を見たりしているのが何人もいる、私は珍獣か何かなのだろうか

チラリと見てみると慌てたように顔を引っ込めたり明後日の方を口笛を吹きつつ向いたり顔を紅くして視線を泳がせたり

 

「サムスさん、どうぞお入り下さい」

「あぁ、ありがとう」

『うむ、レディーの部屋にお邪魔させていただくか』

 

セシリアに促され入った部屋を見てまず驚いたのが部屋の内装の豪華さである、バウンティハンターである私にとっては機能性に優れるとはお世辞にも言えない調度品の数々、だが邪魔にならないようには配置されている

ベッドも流石に天蓋付きという事は無いが元々上質な寮のベッドよりも凄まじく上質である事は理解できた

同室の女性は部屋の豪華さに固まっている様子だ、流石に一週間では慣れなかったのだろうか

 

「あ、あの!アランさん、今日の試合見せて貰いました!二人とも凄く格好良かったです!」

「ありがとう」

『私も鼻が高いよ、ありがとうお嬢さん、まぁ鼻は無いがな』

「ふふ、さぁティータイムに致しましょう」

 

同室の生徒を交えて紅茶を飲みながら談笑、と言っても私にはあまり面白いエピソードは無いため聞く専門に回っているが

 

「サムスさんのお話も聞かせて貰えると嬉しいですわ」

「…私の話か…あまり思いつかないな」

「そうですよ、サムスお姉様の話も聞かせて欲しいです」

 

…ちょっと待て、サムス「お姉様」?一体どういう事だ、まるで当たり前かの如く自然にその発言が出て来ているのだが

 

「…お姉様とは何だ?」

「…あっ!!ご、ごめんなさい!えっと…その…」

「私も初耳ですわ、一体どういう事か教えていただけます?」

「あー…うぅ~そのぉ…実は…」

 

話を聞くとどうやら私の入試時の映像を見てから1組で私の事をお姉様と呼ぶ人間が現れ、日に日に周りのクラスへと浸透、最終的にはファンクラブまで設立され今日の試合でファンクラブの人数が激増

彼女はかなり初期の頃のメンバーで最初の五人と呼ばれているらしい

 

「さ、サムスお姉様への愛が溢れてしまった結果なんです!仕方ないんですよう!」

『ハハハハハ!大人気だなサムス!』

「本当ですわね、わたくしもファンクラブに入ってしまいましょうか?」

「私達ファンクラブは何時でもウェルカムですよ!セシリアさん!」

「勘弁してくれ」

 

「そういえば…名前は?」

「わ、私ですか?!あぁ!サムスお姉様に名前を聞かれるなんて!コレは夢?!」

「……」

「あ、ごめんなさい!私はマクシム、イリアン・マクシムです!あだ名はテルミドールです!」

 

あだ名は正直どうでもいい

 

「参謀の役割をしている子にあだ名がメルツェルって子が」

 

やっぱりどうでもいい

 

「イリアンさん、申し訳ありませんが少しサムスさんと二人で話をしたいので席を外していただけませんか?」

「え?あぁはい!分かりました!私はみんな所へ行って自慢してきますね!」

『HAHAHAHAHA』

 

「…きっと織斑先生と似たような事を聞いてしまうと思います、可能な限りでよろしいので答えては頂けませんか?」

「わかった、可能な範囲で答えよう」

「ありがとうございます、では…一夏さんとの試合で使った偏光制御射撃(フレキシブル)アレは一体…?」

「フレキシブル?」

「えー…ビームの追尾ですわ」

「…ウェイブビームか…確かに特殊だがただの磁石の応用だ」

「つまり…第三世代型の兵器ではない…と言う事ですか?」

「そうだ、そもそも私のパワードスーツは第三世代機では無い」

「は…そうですか、ありがとうございます、安心しましたわ」

「なぜ?」

「…話を振っておいてなんですが…これはわたくしの国の国家機密ですの」

『なら聞かないさ、機密は重要だからな』

「ありがとうございます、ふふ、少し前の人と同じとは思えないぐらい紳士ですわね」

『お褒めいただき光栄です、セシリアお嬢様?』

「それともう一つ聞きたいのですが…わたくしと闘って…如何でした?」

「…強かった、射撃能力はかなり高い、判断能力もかなり良い、それとミサイルでの陽動や煙を突っ切って斬りかかって来た事、ブレードを投げた事、予想外の行動の連続、私も流石に焦ったな」

「ふふ、せめて一矢報いて見せようと足掻いた結果ですもの、焦ってもらわなければ困りますわ」

「だが…あくまでスポーツとしてやっている感覚が強いな」

「…そう、ですか」

「ISは元々兵器として作られたものではない、だが現在兵器として使われている」

「…はい」

「自覚しなければならない、ISを操縦するものは何時でも人を殺せると」

「……」

「説教みたいになってしまったな、では私からも質問させて貰っていいか?」

「えぇ、どうぞ」

「セシリアが最後にブレードを投げつけてきた直後だが…どうして直ぐにライフルを撃てたんだ?」

「それでしたら…投げていたのですわ、予めミサイルを撃った直後に、そしてインターセプターを投げた直後にスターライトを掴んで撃ったのです」

 

なるほど、だからアレほど速かったのか…セシリアの腕がもっと上がって自覚を持てば一度組んでみたいものだ

 

「それと最後に私に止めを刺したあの赤いレーザーですけど…着弾早すぎません?」

「トリガーからヒットまでのタイムは0だからな」

「とんでもない武器ですわね」

 

急に扉が開かれる、それも凄まじい勢いで

 

「ただいま戻りましたーっ!サムスお姉様の事言ったら皆すっごく羨ましがってましたよーっ!」

「あら、お帰りなさい、イリアンさん」

「うふふー、会議所(通称BIGBOX)でメルツェルさんが何故か逆切れしてきたので絞め落としました!」

 

何をやってるんだこの小娘は

 

「何をしているのです!」

 

セシリアがイリアンの頭をスッ叩く、軽快な音を鳴らしてイリアンがベッドに沈む、狙った場所が的確だったのだろう、彼女はピクリとも動かずベッドで気絶していた




メルツェルをビッグボックスに、
マクシミリアン・テルミドールを1012号室に失い、ファンクラブは急速に瓦解していく。
食堂は、二人の操縦者に煌びやかな賛辞で報いるとクラブの残滓を追い立て、一般人の威厳を世界に知らしめる。
「尊い平和は守られた」
そう、サムスは宣言した。

嘘です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。