落第騎士の転生先(凍結)   作:五月時雨

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 いつ切れるかも分からんのにプロローグ?が2つある狂気。私は何がしたいんだ。
 今回までの二話で、原作前までの拙作珠雫ちゃんの経歴をダイジェストにお送りしております。


プロローグと呼んでいいのか怪しい何か2

 

 記憶は、ほとんど無い。

 

 覚えているのは、使っていた技術と捨てきれない意志()。そしてこの身体だからか、黒鉄一輝にとっての黒鉄珠雫という存在。

 たったこれだけ。それ以上を思い出そうにも、全てが真っ黒で思い出せそうもない。だからこそ、『僕』ではなく、私でいられるのだけれど。

 

 なんで死んだのかも、思い出せない。

 

 唯一確かなのは、黒鉄珠雫(わたし)はかつて、黒鉄一輝として生きていたこと。

 自覚したのは四歳だった。

 丁度、お兄様が『何もできないお前は、何もするな』と言われた頃でしょう。というか、お兄様がそう言われた時にお父様の部屋の外で偶然聞いて、思い出したのだけれど。

 

 私が黒鉄一輝だったことを自覚し、最初は混乱した。だって、お兄様はあそこにいて、でも自分の中には高校生までの黒鉄一輝の記憶が微かにある。混乱しない方が無理だと思う。

 だから、確認することにしたのだ。仮称前世で使っていた技術を全て。その結果分かったのは、ほとんど使えなくなっていること。

 

 魔術戦に特化した身体に、前のような洞察眼は無かった。鍛えても筋肉は付きづらく、体力もかつてに比べればかなり少ない。

 《模倣剣技(ブレイドスティール)》、《完全掌握(パーフェクトヴィジョン)》の根幹をなした洞察眼が無いので、これは使えない。体力のない身体では、接近戦で前世のようなパフォーマンスは期待できなかった。

 尤も、それでも自覚してからは鍛え直したのだ。前世でも最初から洞察眼が優れていた訳ではなく、体力だって無かった。

 身体に馴染ませるように鍛え続け、ようやくつい先日、前世で独自に作り上げた剣術である、《第一秘剣》から《第七秘剣》を実戦使用できるまでになった。

 洞察眼は、様々な戦闘を見て鍛えたのだが、《模倣剣技》と《完全掌握》を使えるほどには未だ至っていないが、手応えは感じてきた。

 体力トレーニングも欠かさず行い、ようやく十キロ走れるようになった。それでも前世の半分だ。先は長い。

 《一刀修羅》は、黒鉄一輝の伐刀絶技(ノウブルアーツ)なので使えないのは当然だが、純粋な魔力で再現することはできた。根本的には、生存本能(リミッター)を解除した身体強化なので、それを意図的に壊す方法(技術)を忘れなかったので、再現は可能だった。

 また、前世よりも小柄なこの身体を十全に活かせるよう、技術にも磨きをかけた。

 

 そして皮肉なことに、私が『僕』だったことを自覚する前から使えたのは、加速というプロセスを無くした、初速が最速の剣技。唯一、『僕』が()()()()()()()()技術。

 世界最強の剣士 《比翼》のエーデルワイスが作り上げたものだ。『僕』はそれを模倣し、私になって無意識のうちに、記憶にある彼女と同質にまで鍛え上げていた。

 最初は驚いたが、黒鉄家の人の話では、私が赤ちゃんの頃、目にも止まらない速さで“はいはい”をしていたらしい。なんか納得した。

 当時は『スワッ!?転移かっ!?』と騒がれたらしい。異能と間違えられる程の移動速度とか…。

 接近戦の才能が乏しい身体でこの剣技が使えるのは皮肉っぽいが、今日まで鍛え続けて自分なりの形に昇華させることができた。

 

 もちろん、異能も鍛え続けている。《水》を操る異能は攻撃よりも防御よりの力。この身体になったことを恥じないよう、かつての珠雫を超えられるよう努力した結果、小学校(リトル)の半ば頃には、他者に《青色輪廻(あおいろりんね)》を使用できる《青色世界》を修得した。

 それはつまり、肉体の損傷が少なければ、死者蘇生すら可能にする。

 それが決定打となり、私はA級に上がった。黒鉄家としては、大兄様と合わせて同年代に二人のA級伐刀者(ブレイザー)を輩出して嬉しかっただろう。直後に音信不通になった大兄様のお陰(せい)で嬉しさ半減しただろうが。

 また、《水》を『僕』の剣技に組み込む鍛錬も小学校(リトル)卒業を機に始めた。『僕』の魂が混ざったためか、私の霊装は別物になった。名前まで変わってしまったが、まぁそれは今度にしよう。

 そのため、《緋水刃》は攻撃力の補完程度しか使いみちが無くなってしまったのも理由にある。

 そうして作り出したのが、伐刀絶技(ノウブルアーツ)水麗(すいれい)》《宵闇に堕ちる原初の大海(クラオカミノカミ)》。

 《水麗》は補助的な技で、エーデルワイスの剣技とは別に血流を操作することができる。これがあれば、新宮寺理事長もごまかせると思う。しかもあの剣技と組み合わせると、物理限界に迫る動きができる。昔は失敗して、物理限界を突破して身体をボロボロにしたけど。

 《宵闇に堕ちる原初の大海(クラオカミノカミ)》は剣技ではなく、魔術における私の集大成。半径一キロ圏内を()()()()()()()()()。しかもその海は私の支配下にあり、あらゆるモノを深い闇へと呑み込む(無効化し押し流す)。それに私は呼吸もできるし喋れる。

 中学校(シニア)最後の大会でこれを使ったら禁技指定を受けた。相手が私の身長をバカにするから悪い。ちょっと周囲を海に変えて日本の地図を書き換えただけじゃないか。

 それがきっかけで日本政府に、私が運命の鎖を壊していることがバレてしまった。運命を乗り越えた者が世界には何人もいて、そうした人達を総じて《魔人(デスペラード)》と呼ぶらしい。また、私の二つ名が《深海の魔女》に決まった。前世で珠雫が呼ばれていたモノと、字は同じだ。でも、そこに籠められた意味は大きく違う。

 

『全てを呑み込む大海を創り出す、当代最強の魔女。生み出されし深海は、無限の如く全てを喰らい尽くす(無に帰す)だろう』

 

 ゆえに、

 

 

 

 

深海の魔女(ウロボロス)》 黒鉄珠雫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

今の珠雫ちゃんにできること

なお、原作珠雫も使えるものは除く。

 

エーデルワイスの剣技

《一刀修羅》(偽)

《一刀羅刹》(偽)

《第一秘剣》〜《第七秘剣》

《終の秘剣 追影》

その他前世で模倣した技術(天衣無縫とか)

物理限界の突破(失敗談) など

 

 前話で『この身体でできたのは、たった一つ』とあったのは、エーデルワイスの剣技。赤ちゃんの頃に特殊な神経伝達回路を無意識に使っていたため、いつの間にか習熟してた。

 他の技術は、記憶を思い出し鍛錬して使えるようになった。

 《追影》は今話に書いてないけど、結局のところ、《魔人》としての運命への強制力で『あらゆる運命を斬り裂く』って決定付けた、抜刀《一刀羅刹》なので、つかえるかなぁと。

《一刀羅刹》は《一刀修羅》とやってることはほぼ同じやし。全力を使い尽くすのに、一分か一振りかの違いだけやし。

 物理限界の突破とか、どこの盤上の世界のケモ耳なのか。きっと強化コンクリートの試合場も踏み砕いちゃうぜ。

 

 

禁技・《宵闇に堕ちる原初の大海(クラオカミノカミ)

 イタリアの《カンピオーネ》カルロ・ベルトーニの《第八大海(アドリアン・ブルー)》を空じゃなく、地上に作った感じ。洪水とか津波よりひどい事になる。

 今では珠雫が作った海は立入禁止領域になってる。水が意思を持つようにうねり続け、あらゆるものを喰らい尽くしてしまうため。

 発動時のイメージは、聖剣使いの禁呪詠唱にでてくる水の禁呪《世界喰らいの蛇(ウロボロス)》。

 ガチで地図書き変えちゃったぜ




この珠雫ちゃんは、基本的に珠雫ちゃんです。
ステラ(一輝)ちゃんと違って、基本的に性格は原作珠雫ちゃんと同じ。ただそこに一部、一輝の技術が受け継がれた感じ。

実は小柄な体型がコンプレックスだったん。
怒ったら周辺地域が海の底。
禁技指定されちゃったぜ。
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